法人への重税 そして日本の液晶産業は失われつつある 「法人税が高いと企業は海外に逃げる。」 「日本の雇用が失われる。」 05年9月30日 衆院予算委より その通りです! 小泉首相殿 1 台頭する台湾韓国、衰退する日本 (出典) 平成18年度税制改正に関する経済産業省意見 page 9 日本経済新聞調べ 『法人税相当額を三重県が補填する』との北川知事(当時)の誘致により、辛うじて日本に残ったシャープ亀山工場 2 日本発祥の“液晶産業”が日本から失われつつある。 TFTアレイ生産能力地域シェア(基板面積ベース) 100% 90% 80% 70% 60% 台 湾 韓 国 50% 40% 30% 日 本 20% 10% 0% 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 Others 0.0% 0.3% 1.7% 1.2% 0.8% 0.5% 0.4% 0.4% China 0.6% 0.4% 0.2% 0.1% 2.8% 4.1% 4.6% 4.9% Taiwan 25.1% 31.4% 31.7% 38.2% 40.4% 45.8% 43.1% 42.4% Korea 33.5% 32.0% 37.8% 37.5% 38.7% 37.1% 38.8% 38.3% Japan 40.8% 35.8% 28.6% 23.0% 17.3% 12.5% 13.0% 13.9% DisplaySearch社調べ 3 液晶パネル市場価格(301ドル)の内訳 (出所)台湾工業技術研究院(1999:5-32)と 赤羽淳『台湾TFT-LCD 産業』アジア研究 Vol.50,No.4,October 2004 を元に齋藤旬作製。 韓国 日本 税引前純利益 税引後純 利益,6.3% 14.3%、43.0ドル 台湾 税引前純利益 税引後純利 20.4%、61.4ドル 益,14.1% 税引前純利益 税引後純利 益,16.4% 21.9%、65.9ドル 税,8.0% 税,6.3% 製造原価, 費用 85.7% 税,5.5% 費用 製造原価, 79.6% 費用 製造原価, 78.1% 日本の“税の取過ぎ”が目立つ。手元に殆ど残らない。 6.3% (19.0ドル) 税引後純利益 14.1% (42.4ドル) 16.4% (49.4ドル) 4 液晶産業成長率 日本は年20%、韓国台湾は年60~70% 日韓台の液晶産業成長比較(基盤面積ベース) ガラス基盤投入面積 (単位;1000平方メートル) 100,000.0 年成長率(%) 69.4 57.9 21.7 台湾 韓国 日本 10,000.0 台湾 韓国 日本 1,000.0 2001 2002 2003 2004 カレンダー年 2005 DisplaySearch社データより作製 5 日本では税引前純利益の大半が 税で失われる 税 税引前純利益 液晶産業の 成長率 page 4 から数字を拾って page 5 から数字を拾って 台湾 25%が“官”へ 69.4% 韓国 31%が“官”へ 57.9% 日本 56%が“官”へ 21.7% 次ページにてグラフ化する 6 液晶産業における (税/税引前純利益)と成長率の関係 (税/税引前純利益) v.s. 液晶産業成長率 80.0 台湾 液晶産業成長率 (年率%) 70.0 60.0 韓国 50.0 40.0 30.0 日本 y = -1.5074x + 105.86 2 R = 0.9969 20.0 10.0 0.0 0 10 20 30 40 税/税引前純利益 (%) 50 60 相関係数≒1 より 何らかの「因果関係」があることが強く示唆される。 液晶産業成長の決定因子は、「税」であることが強く示唆される。 7 (税/税引前純利益)v.s. 液晶産業成長率 液晶産業成長率 (年率%) 80.0 台湾 70.0 60.0 韓国 50.0 40.0 30.0 日本 y = -1.5074x + 105.86 R 2 = 0.9969 20.0 の因果関係の考察 10.0 0.0 0 10 20 30 40 税/税引前純利益 (%) 50 60 • 税引前純利益=税+配当+役員賞与+次年度以降への準備金 • この内、「成長」と相関を持ち得るのは、税、準備金。 • 「税の割合が多いほど、液晶産業成長が遅い」 しかも、「相関係数≒1」 • 従って、次の2命題が成立することが強く示唆される。 1. 「液晶産業成長」への寄与; 税<<準備金 2. 韓国台湾は企業側に残った潤沢な準備金で、 旺盛な拡大再投資を行っている。 8 (税/税引前純利益)v.s. 液晶産業成長率 液晶産業成長率 (年率%) 80.0 台湾 70.0 60.0 韓国 50.0 40.0 30.0 日本 y = -1.5074x + 105.86 R 2 = 0.9969 20.0 日本;「角を矯めて牛を殺す」 10.0 0.0 0 10 20 30 40 税/税引前純利益 (%) 50 60 以下のことが強く示唆される。 1. 韓国台湾は企業側に残った潤沢 な準備金で、旺盛な拡大再投資 を行っている。→好循環 2. 日本は、 「年貢の取り過ぎ」、 「角を矯めて牛を殺す」→悪循環 9
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