1 PHREG: proportional hazard model+regression 狩野 裕 2 目的 • ハザード関数(生存関数)の違いを共変量(独立 変数;性別,飲酒量,喫煙量…)で説明する • 危険因子(共変量)の危険の程度を同定すること でリスクの定量化に成功 • 社会科学でもつかえる – 例:企業倒産の要因研究 – Honjo, Y., ``Business failure of new firms: An empirical analysis using a multiplicative hazards model," International Journal of Industrial Organization , 18, 557-574, May 2000 3 分析方法の比較 分析方法 重回帰分析 説明変数 従属変数 連続変数 連続変数 ロジスティック 二値変数 ニ値変数 回帰分析 名義変数 比例ハザード 二値変数の生起 モデル 時間+打ち切り 独立変数と従属 変数の関係 独立変数と従属 変数の平均値が 直線関係 独立変数と従属 変数のロジットが 直線関係 独立変数とハ ザード比の対数 が 直線関係 4 平井氏の 研究より S (t ) 5 比例ハザードモデルとは_1 • S(t)の違いを共変量(独立変数)で説明する – 生存関数が異なる理由は何か? • S(t)をモデル化するのではなく,ハザード関数 (瞬間死亡率) h(t)をモデル化する Prob(t T t t | T t ) t 0 t d (log S (t )) dt t S (t ) exp h(t )dt 0 h(t ) lim 6 比例ハザードモデルとは_2 • ハザードh(t)の対数をモデル化 – 対数線形モデルといってよい – h(t) はいつも非負 logh(t ) 1x1 2 x2 0 x p • 左辺が時間 t の関数,右辺が共変量 x の 関数...なんかへん 7 比例ハザードモデルとは_3 • そこで比を考える h(t ) log 1 x1 2 x2 0 x p h0 (t ) • h0 (t ) はxの値がすべて0のときのハザード – このことから切片項 0 がない理由がわかる • 比は t に依存しないという仮定 ⇒比例ハザードモデル 8 比例ハザードモデルとは_4 • ハザードのモデル化する際の仮定 – 共変量の線形性 1x1 2 x2 0 x p – ハザードの対数をモデル化 – ハザードが比例関係にある h(t ) log 1 x1 2 x2 0 x p h0 (t ) 9 推定について • ハザードh(t)を推定し回帰分析する – 実際は同時に行っている • ハザードの推定ではデータの順位を用いる – イベント発生までの時間は用いない – ノンパラメトリックな方法である – 群間比較でのログランク検定の拡張 • 回帰モデルはパラメトリックなモデル • 比例ハザードモデルはセミパラメトリック法と呼ば れている 10 余談 • 比例ハザードモデルは英国の統計学者 D. R. Cox によって1972年に発表された – 当時,「夢の統計的手法」と絶賛された • 過去50年の数理科学史上最大の発展の ひとつ – 1990年にGM癌研究基金から20万ドルの賞金 • 英国王室からknightの称号 11 参考文献 • 中村剛(2001). Cox比例ハザードモデル. 朝倉書店. • 丹後・山岡・高木(1996).ロジスティック 回帰分析.朝倉書店.
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