基礎ゼミ 橋の材料と構造を観る

RC構造の破壊形態
コンクリート工学研究室
岩城 一郎
1
鉄筋コンクリートとは?
引張
曲げモーメント
圧縮
じん性付与
鉄 筋
コンクリート
座屈防止
異形
付着
取り囲む
a) 力学的役割
任意の形状
重い
鉄筋とコンクリートと
いう異なる2種類の
材料が双方の短所を
補うことにより,一体
となって外力に抵抗
するもの.
耐久性・耐火性
鉄 筋
取り囲む
コンクリート
b) その他の役割
鉄筋コンクリートにおける鉄筋とコンクリートの役割
岡村甫著:鉄筋コンク
2
リート工学(三訂版)
市ヶ谷出版社より抜粋
曲げを受けるコンクリート部材
上側で圧縮力,下側で引張力を受ける
荷重P
荷重とたわみの関係
P
たわみδ
δ
引張側でひび割れが発生し,急激に壊れる.
3
引張側に鉄筋を入れると?
荷重とたわみの関係
P
δ
ひび割れは発生するが,十分な荷重に耐え
ることが出来る→鉄筋コンクリート
4
さらに鉄筋の量を増やすと
荷重とたわみの関係
P
阪神高速道路(株)HPより
δ
さらに大きな荷重に耐えることができるが,
別の大きなひび割れ(斜めひび割れ)が発生し
急激に壊れる.
5
あばら骨(スターラップ)を入れると?
荷重とたわみの関係
P
δ
せん断補強鉄筋(例 スターラップ)を配置する
ことにより,より大きな荷重に耐えることが出来
ると共に,急激な破壊を防止することが出来る.
6
せん断力に対する検討
7
弾性体はりの主応力線図
τ
σ
τ
τ
f1
f2
τ
σ
θ
f2
f1


1
   2  4 2
2
1
f 2     2  4 2
2
2
tan 2 
f1 


(主引張応力度 )
(主圧縮応力度 )

図 5-2 等分布荷重を受ける等質弾性体はりの主応力線図
8
弾性体はりの断面力と応力分布
a
P/2
P/2
b
h
A
y
B
Pa/2
M-図
σ
M

y
I

P/2
VG
bI
τ
bh3
I
12

b  h2
G    y 2 
2 4

V-図
図 5-3 弾性体はりの断面力図と応力分布図
9
RCはり断面内のせん断応力分布
b
x
d
d-x
As
断面
y
nAs
換算断面
τ
せん断応力
V 
  y

1   
bjd 
  x
2


( y  0)


V

( y  0)
bjd
図 5-4 鉄筋コンクリートはりのせん断応力分布図
10
せん断補強鉄筋を持たないはりの
せん断力の分担とその機構
bw
f ’c
d
骨材のかみ
合い作用
As
Vcz
C
Va
R
Vd
T
図 5-5 せん断力の分担に
pw 
As
bw d
ダウエル
作用
図 5-6
骨材のかみ合い作用と
1.4
'1 / 3
1 / 3 1 / 4
ダウエル作用の概念図
Vc  0.20 f c (100 pw ) d (0.75 
)bw d
a/d
二羽式:理論式ではなく実験式
(ディメンジョンも異なる)
11
寄与する要因に関する概
せん断補強鉄筋をもつはりの
せん断力の分担
スターラップと折曲鉄筋の概念
U型
スターラップ
閉合型
スターラップ
CL
図 5-7 スターラップの種
抵抗せん断力
付着破壊
Vcz
Vd
Vay
類
Vs
曲げ
斜め
ひび割れ ひび割れ
M-図
V-図
図 5-8 折曲鉄筋の概念図
スターラップ 破壊
降伏
作用せん断力
図 5-10
せん断補強鉄筋を
12
トラス理論
①
③
④
①
③
④
②
①
C
③ ④
スターラップを用いた場合
①
C
③ ④
jd
②
②
T
jd
②
T
折曲鉄筋を用いた場合
トラス理論:斜めひび割れが発生したはりを
図 5-11 トラス理論の概念図
静定トラスでモデル化する考え方
13
せん断補強鉄筋によるせん断耐力
の算出方法
jd
jd
tan


Tw
α
θ
1
2
 1  jd cot
1
2
  jd (cot  cot )

 2  jd cot
 jd (cot   cot  )
n


ひびわれを横切るせん断補強鉄筋の本数
s
s
せん断補強鉄筋の全引張力 Tw  nAw w  Aw w jd (cot  cot ) / s
s
jd
tan 
せん断補強鉄筋により
受け持たれるせん断力
V  Tw sin   Aw w jd sin  (cot  cot ) / s
せん断補強鉄筋により
受け持たれるせん断耐力
Vs  Aw f wy jd sin  (cot  cot ) / s
ここで,fwyはせん断補強鉄筋の降伏応力(N/mm2)
14
図 5-12 せん断補強鉄筋により受け持たれるせん断耐力 Vs の算出方