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恒星
葛飾区郷土と天文の博物館
天文学入門講座 第5回
担当 高梨直紘
0. はじめに
【 天文学とはどんな学問か 】
0. はじめに
【 様々な恒星 】
0. はじめに
【 古代日本の宇宙観 】
天上界
ツツ
地上界
“ほしはすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひぼし、すこしをかし。”
「枕草子」254段より
0. はじめに
【 すばる 】
0. はじめに
【 アンドロメダ銀河の球状星団 】
0. はじめに
【 Protoplanetary Disk 】
0. はじめに
【 M2-9 】
0. はじめに
【 NGC3132 】
0. はじめに
【 太陽と恒星 】
太陽
恒星
惑星
衛星
太陽は恒星のひとつに過ぎない
1. 恒星を分類する
1. 恒星を分類する
【 北斗七星を眺める 】
1. 恒星を分類する
【 明るさはなぜ違う? 】
1. 恒星を分類する
【 星の明るさはなぜ違う? 】
2倍の距離 → 明るさは1/4倍
3倍の距離 → 明るさは1/9倍
明るさは距離の二乗に反比例する
1. 恒星を分類する
【 再び北斗七星 】
1. 恒星を分類する
【 色と明るさ 】
どうやったら区別できる?
1. 恒星を分類する
【 色は何を表す? 】
低温
暗い
高温
明るい
1. 恒星を分類する
【 色は何を表す? 】
ベテルギウス
リゲル
1. 恒星を分類する
【 スペクトル型 】
O BAF G K M
星の“温度”を表す指標
1. 恒星を分類する
【 ワークシート 】
HR図をつくってみよう!
・データを図上にプロットして下さい
・わからないことはスタッフにどうぞ
B
A
F
G
K
M
星
の
明
る
さ
(
絶
対
等
級
)
明るい
暗い
青い
スペクトル型
赤い
1. 恒星を分類する
【 HR図 】
青色超巨星
星
の
明
る
さ
(
絶
対
等
級
)
・明るくて青い星
・暗くて赤い星
赤色巨星
・明るくて赤い星?
・暗くて青い星?
主系列星
白色矮星
スペクトル型
1. 恒星を分類する
【 ここまでのまとめ 】
・青い星ほど表面温度が高く、赤い星ほど低い
・HR図に描くと、恒星の種類を分類ができる
2. 星の一生
2. 星の一生
【 星は永遠か? 】
・太陽は水素の核融合で光る
・太陽の質量は無限ではない
星にも寿命がある
・水素95.1% ヘリウム4.8%
・1,900,000,000,000,000,000,000,000,000,000kg
2. 星の一生
【 星の一生 】
熱を持ち始める
原始星
・重力エネルギーを熱源に光る
安定的な燃焼へ
主系列星
・太陽
不安定な燃焼へ
赤色巨星
・巨大化、変光も
残り火
白色矮星 or 超新星
・星の重さによる
2. 星の一生
【 星の一生 】
熱を持ち始める
・重力エネルギーを熱源に光る
安定的な燃焼へ
・太陽
不安定な燃焼へ
・巨大化、変光も
残り火
・星の重さによる
2. 星の一生
【 星が誕生するまで 】
2. 星の一生
【 星の誕生 】
・星は分子雲から生まれる
・主成分は水素分子
・温度は10K(=マイナス263℃)
・濃く集まると、分子雲コアができる → 星の誕生へ
大きさ
密度
質量
(個/cc) (太陽質量)
102-104
10-100
~105
0.3-10
分子雲
分子雲コア
10pc
0.1pc
宇宙空間(平均)
-
1
-
地球大気
-
~1019
-
100,000,000,000,000,000,000個:地球大気
100~10000個:分子雲
2. 星の一生
【 分子雲 】
オリオン座
可視光
電波
2. 星の一生
【 分子雲コア 】
馬頭星雲
濃く集まったチリやガスが光を隠す
2. 星の一生
【 分子雲コア 】
M16 わし星雲(へび座)
2. 星の一生
【 星が誕生するまで 】
2. 星の一生
【 HH天体 】
・ ハービッグハロー天体
・ 原始星の上下からジェット
2. 星の一生
【 HH天体 】
2. 星の一生
【 星が誕生するまで 】
2. 星の一生
【 Tタウリ星 】
・ 原始惑星系円盤をもつ
・ 着火してダストを吹き飛ばすと、主系列星に
2. 星の一生
【 Tタウリ星 】
2. 星の一生
【 主系列星 】
・ 星の一生の大部分は主系列星
→ほとんどの星は主系列星
・ 安定的な水素の燃焼
・ 水素からヘリウム、酸素、炭素などを作る
2. 星の一生
【 赤色巨星 】
想像図
・ 赤く、大きな星
・ 不安定な水素の燃焼
→脈動変光星(ミラ型など)
・ 外層から質量を放出
→外層は惑星状星雲に
→中心核は白色矮星に
アンタレス
ベテルギウス
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
・ 放出された外層が光っている
・ 中心には白色矮星
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
2. 星の一生
【 惑星状星雲 】
2. 星の一生
【 白色矮星 】
・ 白く、小さな星(地球サイズ)
・ 非常に重い(太陽程度)
・ 太陽程度の軽い星の余生
・ 外層を失い、芯だけが残る
・ 徐々に熱を失い、冷えてゆく
2. 星の一生
【 中性子星 】
・ 非常に小さな星(月サイズ)
・ 非常に重い(太陽程度)
・ 太陽より重い星の余生
・ 高速で回転している
・ パルサーとして観測されるものもある
→もっと重い星はブラックホールに
2. 星の一生
【 HR図 】
青色超巨星
星
の
明
る
さ
(
絶
対
等
級
)
HR図は星の進化図だった
赤色巨星
主系列星
白色矮星
スペクトル型
2. 星の一生
【 ここまでのまとめ 】
原始星
分子雲
主系列星
超新星
赤色巨星
重い星
白色矮星
軽い星
3. 恒星の諸相
3. 恒星の諸相
【 二重星 】
アルビレオ
(はくちょう座)
重星 見かけ上、並んで見えるペア
連星 見かけだけでなく、実際に近いペ
ア
→実視連星と分光連星
[重星観察のポイント]
色から連星と重星の見分けが付くかも?
?
3. 恒星の諸相
【 変光星 】
食変光星
脈動変光星
アルゴルなど
ミラ型、セファイド型など
星が不安定な状態の時に変光する
3. 恒星の諸相
【 変光星 】
食変光星
脈動変光星
アルゴルなど
ミラ型、セファイド型など
星が不安定な状態の時に変光する
3. 恒星の諸相
【 散開星団 】
・星が群れているところ
・若い星が集まっている
→同じ分子雲から生まれた?
3. 恒星の諸相
【 球状星団 】
・星が多く集まっている場所
・非常に古く、老齢の星が集まっている
・赤い星が多い
・白色矮星は?
3. 恒星の諸相
【 球状星団 】
・ハッブル宇宙望遠鏡で観測
・白色矮星が大量に見つかる!
3. 恒星の諸相
【 新星 】
・突然、明るく輝く星
・繰り返し爆発するものもある
3. 恒星の諸相
【 超新星 】
一生の最後で起こす大爆発
大別して2つタイプがある
[重力崩壊型超新星] Ib型、Ic型、II型
重い星の最後の大爆発
中心核に外層が落ち込んで爆発
・ すごい明るいものもある
・ 明るさが一定ではない
3. 恒星の諸相
【 超新星】
一生の最後で起こす大爆発
大別して2つタイプがある
[炭素核爆発型超新星]Ia型
白色矮星の爆発
星全体が爆発
・ -19等程度(太陽の1千億
倍)
・ 明るさがどれもほぼ一定
3. 恒星の諸相
【 Ia型超新星 】
白色矮星+巨星
巨星からガスが降り積もる
↓
限界を超えると爆発する
Ia型超新星
爆発する時の質量が一緒
→
明るさが同程度になる
3. 恒星の諸相
【 Ia型超新星を探す 】
超新星の出現率・・・1個/100年/1つの銀河
=100個の銀河を探せば、1年間に1個は見つかる
=36500個の銀河を探せば、1日に1個は見つかる
一気にたくさんの銀河を同時に撮像すれば見つかる
3. 恒星の諸相
【すばる望遠鏡】
すばる観測所大プロジェクト
( 春 ) SDF
( 秋 ) SXDS
圧倒的に広い視野を狙う
広視野撮像カメラSuprime-cam
8000万画素、30分角の視野
大望遠鏡+広視野撮像カメラ
→遠方の銀河を幅広く撮像可能
3. 恒星の諸相
【SXDS】
くじら座の領域
約100万個の銀河
↓
一度の撮像で10個以上の
超新星を発見
3. 恒星の諸相
【 超新星の見つけ方 】
何晩かに分けて同じところを撮影する
すばる望遠鏡
Suprime-camでとった写真
実際に超新星を探してみましょう
【第1問】
2003年5月に撮像
2003年6月に撮像
【第2問】
2003年5月に撮像
第2問
2003年6月に撮像
【第3問】
2003年5月に撮像
第4問
2003年6月に撮像
【 葛飾で星見 】
5F天体観測室
屈折式25cmクーデ望遠鏡
かつしか星空散歩(毎週金曜)
重星、星団、惑星などなど
2. 星の一生
【 中性子星 】
・太陽よりも重い星が超新星爆発をおこしてなる
・自らの重みに耐えきれずに潰れる(重力崩壊型超新星)
・太陽の10億~100億倍の明るさで輝く
・中心には中性子星やブラックホールが出来る
・宇宙空間に元素をばらまく → 新しい星の材料に