3-2 跳水の水理と不連続急拡・急縮水路の流れ Text3.6(上)p91-100 (1) 跳水の水理 ① 跳水現象 落差工 床固工 •射流から常流への遷移過程において生ずる。 •流線の不連続が起きる。したがって、流速、水深、エネルギー水頭の不連続 が生じている。ただし、流量、運動量の連続性は一般に維持されている。 •フルード数(Fr)によってタイプが分かれる。 豊平川と札幌市 落差工 落差工 複断面 交互砂州 落差工 Flood of Aug. 5, 1981 Triangle-shape surface waves Calculated water surface profile (a)波状跳水(Undular Jump) Fr=1.0~1.7 水面がわずかに乱れて波状を呈する。エネルギー損失はほとんどない。 (b) 弱跳水(Weak Jump) Fr=1.7~2.5 表面に水平軸をもつ流速の小さな渦が形成される。下流の水面は静穏 (c) 動揺跳水(Oscillating Jump) Fr=2.5~4.5 流入ジェットが間欠的に水路底に沿って流れたり、表面に沿って 流れたり時間的に変動。このため大きな波動が下流に伝わる。 (d)定常跳水(Steady Jump) Fr=4.5~9.0 安定しており、下流水面は比較的静穏 (e) 強跳水(Strong Jump) Fr=9.0~ 内部における激しい渦動のため波動が下流に伝播する。 (2) 跳水水深 h1 h2 v1 連続式 運動量式 (比力式) v2 q h1v1 h2v2 2 2 q 1 2 q 1 2 h1 h2 gh1 2 gh2 2 v12 q2 3 Fr12 gh1 gh1 とおくと運動量式は 3 h 1 2 1 2 2 1 2 2 Fr1 h2 Fr1 h1 h1 h2 / h1 X とおくと、 h2 2 2 1 2 両辺を h1 で割ると 2 2 h2 2 h1 2 Fr1 2 Fr12 1 h2 h1 1 2 Fr X 2 2 Fr12 1 X X 3 2Fr12 X X 2Fr12 0 2 1 X ( X 1)( X 1) 2Fr12 ( X 1) 0 X ( X 2 1) 2Fr12 ( X 1) 0 ( X 1) X ( X 1) 2 Fr12 0 X 1 すなわち h2 h1 X ( X 1) 2Fr12 0 X 2 X 2Fr12 0 1 X 1 8Fr12 1 2 h2 1 h1 2 は意味を持たない X 0 8Fr12 1 1 なので h1 と h2 を共役水深という。 重要 (3) 跳水によるエネルギー損失 q2 1 2 q2 1 2 h2 h1 gh2 2 gh1 2 運動量保存 (比力保存) q2 q2 2 h2 h1 E 2 2 gh2 2 gh1 エネルギー保存 (比エネルギー) 2 2 q q 2 h2 h1 E 2 2 gh2 2 gh1 q2 1 1 E h1 h2 ( 2 2) 2 g h1 h2 損失エネルギー q 2 h2 2 h12 h1 h2 2 g (h1h2 )2 q 2 h2 h1 q 2 h2 h1 (h1 h2 ) 1 (h1 h2 ) 1 2 2 gh1h2 h1h2 2 g (h1h2 ) q2 q 2 h12 1 v12 h1 1 2 3 h1 Fr1 1 2 gh1h2 2 gh1 h2 2 gh1 h2 2 2 Fr 2 1 1 8 8 Fr12 1 1 8 Fr12 1 1 8 Fr12 1 1 h1 Fr12 h1 8 Fr12 1 1 h1 2 8 Fr1 1 1 11 1 2 8Fr12 1 1 h1 8Fr1 1 1 h1 4 2 2 1 h2 h2 h1 1 h2 h1 1 1 h1 h1 h1 4 h1 4 h1 4 h1 1 h2 h1 4 8Fr12 1 1 h2 h1 h1 h2 h2 h1 q 2 h2 h1 E (h1 h2 ) 1 (h1 h2 ) 1 4 h1h2 2 gh1h2 h1h2 2 2 3 h h 4 h h h h h1 h2 1 2 1 2 1 2 (h1 h2 ) (h1 h2 ) 4h1h2 4h1h2 4h1h2 h12 2h1h2 h22 (h12 2h1h2 h22 ) (h1 h2 )2 h2 h1 E 3 重要 エネルギー損失を共役水深で表現 4h1h2 h2 h1 ゆえに E 0 【問題1】 h1 0.4m h2 v1 0.4m/s (1) 共役水深 h2はいくらか? (2) この跳水による損失はいくらか? v2 (2) 断面急拡・急縮水路における流れ 急拡 急縮 急拡 急縮 1 2 J v2 v1 h2 h1 長方形断面 底面水平 の急拡幅水路 B2 B1 J 1 2 2 1 ( Av ) z h 開水路の運動量方程式 cos 0 gA x x x z cos 1, 0, A Bh x 1 ( Bhv 2 ) h Bh 0 g x x なので、 不連続部分をはさんで1~2で積分する 1 1 ( Bhv ) 1 h2 dx B dx 0 h 1 g 1 x 2 x 1 2 2 2 1 1 h 2 Bhv B dx 0 1 1 g 2 x 1 2 ここで J 2 2 2 h2 hJ J 2 1 h 1 h 1 h2 1 2 B x dx 1 2 B x dx J 2 B x dx 2 2 J 2 2 1 h 1 h 1 1 2 J 2 2 B1 dx B2 dx B1 h B2 h 1 J 2 2 2 1 x 2 J x 1 1 2 2 2 2 B1 hJ h1 B2 h2 hJ hJ h1 とみられるので 2 2 1 0 B2 h2 2 h12 2 J 2 2 2 1 1 2 2 ( B2 h2v2 B1h1v1 ) B2 (h2 2 h12 ) 0 g 2 B1h1 v1 B2h2v2 B1h1v1 Q なので v2 B2 h2 ( B1h1 )2 2 1 1 2 2 2 B h v B h v B ( h h 2 2 1 1 1 2 2 1 )0 2 1 g ( B2 h2 ) 2 1 B1h1 1 2 2 2 1 B h v B ( h h 111 2 2 1 )0 g B2 h2 2 B1h1 v12 1 B2 h2 2 1 1 1 0 B2 h2 gh1 2 B1 h1 B1h12 で割って B2 , B1 2 1 h2 v X , Fr12 h1 gh1 とおいて 1 2 1 2 1 Fr1 ( X 1) 0 2 X 整理して、 2 2 2 2 X Fr1 1 X 2 Fr1 0 3 X に関する、3次方程式 3つの根のうち、実数、正の 各自調べること。 【試験に出します】 3次方程式の根の公式 【Cardanoの公式】 より、 X h2 を決定する。 h1 3-3 検査断面による運動方程式の誘導 Text 3.6 (上)p91~100 【1】基礎方程式の積分によらずに、直接運動量の出入差と外力の関係式を たてるほうが簡単な場合も多い。 (1) 跳水問題 1 検査断面 2 h2 v2 h1 v1 不連続部分を囲んで検査断面を設ける。 v2 h2 v2 圧力差(外力の合計)は 流入運動量は v h v 1 1 1 1 1 2 2 差 q(v v ) gh gh 1 2 2 1 流出運動量は 2 2 1 1 2 qv2 gh2 qv1 gh12 2 2 q q h1 h2 2 2 q 1 2 q 1 2 h2 h1 gh2 2 gh1 2 比力保存の式に一致する。 以下は解法は同じ。 軸方向を正に とる。 このように 流出運動量 - 流入運動量 = 検査面の表面に働く外力の合計 によって、内部が分からなくても解くことが出来る。 (2)急拡問題 1 2 P2 P1 v2 , h2 , B2 v1 , h1 , B1 1 2 流出運動量 - 流入運動量 = 外力(圧力) v2 B2h2v2 v1 B1h1v1 1 1 gh12 B2 gh2 2 B2 2 2 1 B2 h2 v2 B h v B2 (h12 h2 2 ) 2 2 2 1 1 1 以下同様 【2】運動量の適用がふさわしいのは、 1. 流線の不連続部分が存在する場合 2. 外力評価が明瞭な場合、または、作用力を求めたい場合 3. 損失評価が難しい場合 これに対して、ベルヌイの式を用いた方が良いのは、 1. 流線が連続している場合 2. 外力評価が難しい場合 3. 損失評価が明瞭な場合、または損失を求めたい場合 【問題】ゲートから流出する流れの単位幅流量を求めよ。 検査断面 流線は連続 外力評価は不明瞭な所あり H v h ??? ベルヌイの式を用いると もし、運動量式を用いると、 2 v H 0 h 2g 2 1 q H h 2g h q 2g (H h) h 1 2 1 2 ??? 1 2 2 vh v 0 gH 2 g ( H h) 2 gh q2 1 g H 2 H 2 2 Hh h2 h2 h 2 1 g 2( H h)h q2 g ( H h)h2 2 合わないのは外力評価が不十分なため q g (H h) h 3-4 射流水路の衝撃波 【1】Mach 角について フルード数 v Fr gh 静水 v 0 流速 水面波の伝播速度 では c gh v c ct gh t 常流では v c 限界流では Fr 1 v c v c Fr 1 v c 射流では Fr 1 v c v c vt ct ct c 1 sin vt v Fr 1 v Fr sin gh gh v sin
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