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すざく衛星によるTeV γ線天体HESS J1616-508 の観測
--dark accelerator?-松本浩典、内山秀樹、片桐秀明、鶴剛、小山勝二(京都大)、植野優、片岡淳(東工大)、
馬場彩、千田篤史(理研)、平賀純子、高橋忠幸(ISAS/JAXA)、幸村孝由(工学院大)、国分紀秀(東京大)、
Scott F. Porter (GSFC/NASA)、John P. Hughes (Rutgers Univ.), and すざくチーム
3. XISスペクトル
1. HESSJ1616-508のTeVγ線イメージ
Aharonian, F. et al., 2005, Science, 307, 1938より
黒: HESS J1616領域
赤: バックグラウンド領域
HESS J1616-508
すざくイメージ中の白枠領
域 (12分角四方) のスペクト
ル (XIS0+2+3)。
HESS J1616の東側のオフ
セット観測 [(l,b)=(332.00,0.150)]をバックグラウンドと
して使用。
すざくXIS観測位置
緑: thermal plasma
赤: power-law (Γ=2)
High Energy Stereoscopic System (HESS)による銀河面サーベ
イで発見された、新たなTeVγ線天体。直径20分角程度の広が
りがある。他波長に明らかな対応天体はない。
Flux(>200GeV) = 4x10-11 ergs cm-2 s-1
バックグラウンドを引いたスペ
クトルを、NH*[thermal plasma
model + power-law]
でfit。
２．「すざく」XISイメージ
「すざく」は HESS J1616 を 2005/9/19 11:58 (UT) から 43ks 観
測。
0.4-2keV band
2-10keV band
cal src
cal src
Fitting 結果:
NH = (3.52+/-0.67)x1021 cm-2
SNR G322.4-0.4からの輻
Themal plasma component
射。
kT = 0.59+/-0.02 keV
Abundance = 0.49+/-0.25 solar
Power-law component
HESS J1616からの輻射
Γ=2.0(fixed)
Fx(2—10keV)<1.2x10-13 erg cm-2 s-1
PIN/HXDでも、blank sky と比較して有意な信号は検出され
ていない。Γ=2 の power-law を仮定すると、
Fx(2—10keV)<7x10-13 erg cm-2 s-1
Sec.3&4
硬X線放射の上限値: Fx(2—10keV)<1.2x10-13 erg cm-2 s-1
TeVγ線では明るいが、X線では暗い。
SNR G332.4-0.4+cal src
「すざく」の表面照射型CCDによる HESS J1616領域のイメージ
(XIS0+2+3)。四隅に見えている像は、calibration 用の 55Fe から
のX線。左下には、SNR G332.4-0.4からの影響が見られる。
2 – 10 keV band
Counts/bin
Counts/bin
0.4 – 2 keV band
４．議論
TeVγ線が、加速された電子による3K輻射の逆コンプトン
散乱起源と仮定。
↓
(X線強度)/(TeVγ線強度)
=(磁場エネルギー密度)/(3K輻射強度)
Counts/bin
Counts/bin
この関係より、HESSJ1616での磁場強度は
B<1.7x10-7 Gauss
すざくイメージ中の白枠(12分角四方)の中のイベントを、X・Y軸
に射影したプロファイル。vignetting 補正済み。
0.2—2keV bandで、X・Y軸の小さい方向へカウント数が上がっ
ているのは、SNR G332.4-0.4 の影響。
2—10keV band では、射影プロファイルは平ら。
HESS J1616 からの X 線は検出されていない。
これほど弱い磁場が実現されているとは考えにくい。
HESS J1616のTeVγ線を電子起源で説明するのは大変困
難。従って陽子起源を示唆。
最高エネルギー宇宙線の加速器は、このようなTeVγ線で明
るく、X線で暗い、新しい種族の天体なのかもしれない。

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