講演会資料 平成24年度 品質月間テーマ 品質力再興 やっぱり日本品質! ~安全・安心を基本とした 顧客視点からの価値創造を目指して~ 講演のねらい 震災から復興 ⇒ 日本の品質力で再興 安全安心が基本 ⇒ 民意に沿った価値創造 QCサークル活動も 活動の原点を再確認し、基本に沿った進め方を! <講演テーマ> QCサークル活動の原点と 基本に沿った改善活動の進め方 QCサークル活動の原点と 基本に沿った改善活動の進め方 <主な内容> ◆活動の原点と現状の課題 ◆QCサークル活動の基本 再確認 ◆基本に沿った改善活動の進め方 ◆目で見てわかるQC活動の進め方 QC‐NET研究所 所長 高橋 博 活動の原点 と 現状の課題 ①日本のQC,QCサークル活動の原点 背景 戦後、米駐留軍が日本国内で物資調達時、粗悪品に苦慮 日本へQCを導入 ・1946年:日科技連設立、QCリサーチグループ発足し海外調査と国内導入 ・1950年:デミング博士来日;役員、管理者、スタッフと順次展開 ・検査(抜取検査)や工程管理(統計的QC手法)が重点 品質の確保 QCサークル活動の発足 活路を求め ・1956年:ラジオ番組「品質管理講座」開始 仲間で勉強 ・1960年:「職組長のための品質管理テキスト」発刊(石川馨) ・社内上層部からのQC活動展開についていけない 職場の仲間でQC勉強会を開始⇒これをQCサークル活動と呼称 ・1962年:QCサークル本部設置⇒全国、全社的な活動としてスタート ②QCサークル活動導入時の誤解 QCサークル活動発足当初の目的: 真のねらい 全社的品質管理活動の一環として 現場第一線監督者の管理能力向上 (QCサークル活動の改善効果に着目) 誤解の源 QCサークル活動を導入する過程で QCサークル活動を全社的に展開することが 全社的品質管理活動と誤解している 事技部門にも製造部門と同じ進め方をしている (その結果、多くの企業でーーー) 全社的品質管理活動があいまいのまま 経営者・管理者の品質管理活動もあいまいで QCサークル活動だけが負担となり、 その結果 混迷している 実効が? ③活動は名ばかり 形骸化 大半の企業は 「改善事例発表会」を中心に展開しているためーーー Q C 業績向上のため QC的に 改善を進める道具 QCサークル QCと QCサークル 混同 改 善 改善活動を通して 活 人材育成を進める道具 動 具体的問題 仕事とQC ①QCの名のもと、現場の小改善に終始 別もの ⇒上位者がQC活動をやっていない ②発表会、報告書などは立派だが、事実と乖離 ⇒業績(品質、生産性、コスト等)に直結していない QCが形骸化し、経営に役立っていない 仕事とQCとQCサークルの関係 再確認 毎日、仕事をする 仕 事 仕事で困ったら、改善する 改善で行き詰まったら QC的見方・考え方で解決する 改善やQCがひとりで困難なら みんな(QCサークル)で 知恵を出し合い解決する QC活動 QCサークル 活 動 ④従来活動の反省 QCも、QCサークル活動も 目標・目的でなく道具です QCのための QCサークル活動はやめて下さい ・まずは、仕事をシッカリやって下さい ・仕事の中で困ったら、QCで解決して下さい ・QCサークルでみんなの力を結集、挑戦を! ◆1人の知恵より、みんなの知恵◆ 基本に沿った、本物の活動を! 今までの課題 要約 仕事内容からか? QCとQCサークルの混同も多く QC活動は個別改善のツールとして定着してきたが 課題①トップ~第一線まで全社的活動の展開 <トップダウン活動・業務一体の活動> 課題②一部の人のやらされ感の改善 仕事とQCは <ボトムアップ活動の見直し> 課題③形骸化した活動からの脱却 別もの!? <形にとらわれない活動の展開> パソコン化が最先端活動と思い込み、社内展開した結果 ・活動状況の良し悪しが見えにくくなり ・活動内容も定型化し、形骸化に拍車 課題④活動状況の見える化の工夫 今後の対応策 品質を重視した、本物の活動とするためのアドバイス 課題①トップ~第一線まで全社的活動の展開 ⇒品質管理・方針管理の基本 再確認 課題②一部の人のやらされ感の改善 ⇒QCサークル活動の基本 再確認 課題③形骸化した活動からの脱却 ⇒職場に合せた活動の進め方 課題④活動状況の見える化の工夫 ⇒目で見てわかる活動の進め方 課題①トップ~第一線まで全社的活動の展開 業務に密着したTQC活動の進め方 品質管理の基本 再確認 QC-NET研究所 所長 高橋 博 品質管理の基本 品質とは 品物またはサービスが、使用目的を満たしているか どうかを決定するための評価の対象となる固有の 性質・性能の全体のことである 有形:品物の品質 無形:仕事の質←特に重要 管理とは ある目的(仕事)を、継続的・効果的・効率的に 達成するための活動である 維持管理・改善 管理のサイクル QC的ものの見方・考え方 お 客 品質優先 様 指 向 後工程はお客様 事実に基づく管理 管理のサイクル 現場は宝の山 P→D→C→A 重 点 指 向 プロセス管理 二兎追う者は 先手の管理 標 準 化 みんなで 守るべきことを決め 決めたことを みんなで守る 基本中の基本 A P A S C D C D 管理のサイクル 標準なくして 標準化のサイクル 改善なし 日常管理と方針管理 日常管理 毎日の仕事を 着実に進めていくための 維持管理・改善活動 方針管理 日常管理の活動だけでは改善困難な 重要問題を重点的に取り上げ 改善をはかる活動 課題②一部の人のやらされ感の改善 本物のQCサークル活動めざして QCサークル活動の基礎 <基本の再確認> QC‐NET研究所 所長 高橋 博 QCサークル活動導入の目的 ◆人を育て⇒人を活かし⇒企業業績を上げる TQM活動 人 事 管 理 TQC活動 業績向上 TPM活動 TPS活動 人材育成 人材育成が不可欠 人材育成 OJT OFF-JT QCサークル 職 場 外 活 動 QCサークル活動 ◆職場内教育(OJT,OFF-JT)だけでは限度 全社員教育の限度 職場の人材育成 最強のツール QCサークル活動導入 QCサークル活動の基本理念 • 人間の能力を発揮し、 無限の可能性を引き出す 自分のため • 人間性を尊重して、 生きがいのある明るい職場をつくる 仲間のため • 企業の体質改善・発展に寄与する 会社のため 「QCサークルの基本」より QCサークル活動は 誰のため? サ ー ク ル 活 動 ① 自分のため 自己啓発 ② 仲間のため 相互啓発 結果として 仕 事 みんなで 改 善 ③会社のため (業績・人材) ネ タ 職場の問題 本来は 職制の仕事 活動を通して 自分自身の知識技能を高め、よりよい仕事をする よいテーマの見つけ方<一般論> ジョハリの窓 判 ら 他な い 人 難しい テーマ 不具合項目 緊急 慢性 も 判 判りやすい る テーマ 判る 判らない 自 分 で 職制の サークルの テーマ テーマ よいテーマ ⇒ 身近かで、具体的なテーマ 改善活動の着眼点(仕事とは?) 仕事 = 作業 + 考える 「みんなで考える」←QCサークル活動の原点 作業 = 正味作業 + 付随作業 良い仕事をするための着眼点 正味作業⇒お金になる作業 例:ボルト締付、溶接、塗装吹付 付随作業⇒お金にならない作業 例:歩行、運搬、工具を持つ、部品を持つ 諸悪の根源 品質・生産性などの諸悪の根源は やりにくい作業 <補足説明> ★不良が多いと、困るのは職制や会社 中には、不良が多いと仕事が増え、喜ぶ人も ★作業者は、不良が原因で 突発残業や手直し作業に、困っている 職場の元気の源 ★やりにくい作業の改善で 自分の仕事が少しでも楽になれば さらに改善意欲が増す 結果として 生産性や品質向上など業績向上に大きく貢献 共通テーマに関する留意点 ◆QCサークル活動では 従来から共通テーマが重要と言われています ↓ ◆しかし、例えば、複数の人が同じ仕事をしていても 一人一人の向き・不向きなど個人差があるため 共通テーマになりにくいものです ↓ 従って、共通テーマは無いと考えるべきです むしろ、テーマ輪番制などテーマ共有の工夫を 「共通テーマ」にこだわらない 課題③形骸化した活動からの脱却 職場に合せた活動の進め方 QC‐NET研究所 所長 高橋 博 職場に合せた 問題解決の進め方 今まで経験した ことのない 新たな問題 課題追求の活動 職場の問題 5 5~10 現場に多い 開発に多い 80~90% 根の深い 難しい問題 原因も対策も 分かっている ような問題 対策優先の活動 原因追求の活動 どこにもある 慢性的問題 内容に合せ、進め方を選ぶ <問題解決のための3つの型> 問題の内容 活動の内容 3つの型 対策優先 対策がみえているなら、まず対策を 施策実行型 原因追求 あるべき姿に近づけるため 悪さを追及する活動 問題解決型 課題追求 ありたい姿に近づけるため 良さを追求する活動 課題達成型 <テーマによる使い分け方> テーマ 経験のない仕事 取り組むテーマ の対象は? 従来からの仕事 対策の見当が ついているか? 見当がついている 要因も対策も 見当がつかない できない 要因の解析が できるか? できる 課題達成型 問題解決型 施策実行型 問題解決ステップ № 1 課題達成型 テーマ選定 2 3 攻め所の明確化 4 目標設定 問題解決型 施策実行型 テーマ選定 テーマ選定 現状把握 現状把握 対策のねらい所 目標設定 5 活動計画作成 6 要因解析 目標設定 7 方策の立案 8 成功シナリオの追求 対策検討 対策検討 9 成功シナリオの実施 対策実施 対策実施 10 効果確認 効果確認 効果確認 11 標準化 標準化 標準化 12 管理の定着 管理の定着 管理の定着 実践ではQCのためのテーマ探しはしないこと 職場の問題 ・品質不良 ・生産性(出来高)未達 ・コスト(工数)未達 諸悪の根源 仕事のやりにくさ サークル 平成 年度活動計画 メンバー 4人の例◆サークルスローガン◆ ◆サークルメンバー紹介・抱負など◆ やりにくい仕事を ・各自1件提案し ◆サークルス年度目標◆ ・サークル全員で ・1ヶ月で改善する 活動内容 担当 4月 改善活動 目標: 件/年 計画 ○○○○ 実績 ●●● サークル会合 目標: 回/月 計画 実績 全員のテーマが ・すべて完了したら ・リセットして進める 5月 6月 根深いテーマ 7月 8月 ○○○○ 9月 10月 11月 12月 根深いテーマ ●● 1ヶ月で解決できない 根深いテーマは 3ヶ月かけて、確実に改善 ○○○○ 1月 2月 3月 根深いテーマ ●●● 整理№ 作成 年 月 日 ワンポイント改善事例 テーマ 問題点 作成者 リーダー 上司 やりにくい作業 対策前 施策実行型 改善報告用紙 (A4 1枚) 対策後 すべて手書き 結果(リーダーが記入) QCD評価(上司が記入) コメント(サークルに対し特に有れば記入) リーダー 上司 完了 年 月 日 各社の 創意工夫提案 用紙でも可 QCサークル活動経過報告書 <メインテーマ> テーマ (テーマ№) <サブテーマ> 根深いテーマ サークル名 サークル メンバー名 (☆リーダー) 月 日 時間 分 月 日 時間 分 問題解決型 課題達成型 改善報告用紙 (A4 7枚セット) <備考> 月 日 時間 分 月 日 時間 分 会合実績 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 月 日 時間 分 1.テーマ選定理由 すべて手書き 上司 アドバイス 各社の 改善報告用紙で可 ★ステップ毎に 上司のアドバイスを得ながら進める ★アドバイスが無ければ、ストップ (後から、やり直しをさせない) 課題④活動状況の見える化の工夫 QCサークル活動 活性化のポイント 目で見てわかる QCサークル活動の進め方 QCサークル活動停滞・沈滞の主要因 ★活動状況が目に見えない ★見えないため上司も放任 QC‐NET研究所 所長 高橋 博 “見える化”のポイント <手段> みんなで 情報を 共有する 全員の ベクトルを 合せる 現状のレベルを 見えるようにする 会社目標を 達成させる 結果が 出る 現状が 見える 改善が 進む 異常が 判る 目標達成に向け 改善を継続する 総力を 結集する <目的> 目標、計画に対して 異常が判るようにする 見せるのが目的ではありません みんなで改善を進めるための道具です ①目で見る帳票 4点セット 全社、部門ごとの サークルごとの 年間推進計画 年間活動計画 全社、部門ごとの 改善テーマごとの テーマ進度管理 改善経過報告 留意点:現場の書物を減らす ②目で見て分かる 全社、部門ごと 現場のサークルごと 掲示板 (ベニヤ板) 年間推進計画 その都度 記録 掲示 テーマ進度管理 職場掲示 年間活動計画 改善経過報告 世話人の フォロー アドバイス 掲示の効用:手形を切る お互い勉強 平成 年度 全社推進計画 <赤字は見本> ◆スローガン◆ 全社の進め方の基本を記入 例:サークル活動で職場を活性化しよう ◆年度目標◆ 方針達成状況を確認するため、目標を決めて進める <例>①テーマ解決件数 会社として ・ワンポイント改善 年間3件/人 何をやるのか ・根深いテーマ改善 年間3件/サークル ②資料の掲示率(見える化) 90% ハッキリ明示する など、特に重要な指標に的を絞り 推移グラフ等で見える化する ◆年度推進方針◆ 今年度の推進の重点を記入 例:QCサークル活動を定着させる 活動内容 担当 全社発表会 部門発表会 計画 全社研修会 部門研修会 計画 職場巡視 (世話人会) 計画 イベント等 ( ) 計画 ↑ 各社に合せ 適宜見直し 計画 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 ○ ○ ○ ○ 品質月間 実績 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実績 ○ ○ ○ ○ 実績 実績 実績 責任者の確認 とアドバイス 納涼祭 忘年会 サークル 平成 年度活動計画 ◆サークルスローガン◆ ◆サークルメンバー紹介・抱負など◆ 全社推進計画を参考に 自サークルのスローガンを! メンバー一人一人が メンバー一人一人が サークル活動の中で サークル活動で 自分自身のため、何をやりたいのか 自分自身のため 夢・希望・抱負・決意など表明する ◆サークル年度目標◆ 何をやりたいのか ハッキリさせる メンバーの期待を実現するための 一人一人の希望を実現するため 目標を具体的に掲げる サークルの目標を決める 活動内容 担当 4月 改善活動 目標: 件/年 計画 ○○○○ 実績 ●●● サークル会合 目標: 1回/週 計画 実績 創意工夫提案 計画 (切離して対応を) 実績 レク活動 ( ) 計画 ↑ 各社に合せ 適宜見直し 上司の確認 とアドバイス 実績 計画 5月 6月 7月 根深いテーマ 8月 ○○○○ 9月 10月 11月 12月 根深いテーマ ○○○○ ●● ○○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○ やりにくい作業を ・各自1件提案し ・サークル全員で ・1ヶ月で改善する 全員のテーマが ・すべて解決したら ・リセットして進める 1ヶ月で改善できない ・根深いテーマは ・3ヶ月かけて ・確実に解決する 実績 *上司は、毎月活動状況を見て、OKまたはNGのサインと NGの場合は、コメントやアドバイスを記録する 1月 2月 3月 根深いテーマ ●●● ○○○ ○○○○ ○○○○ 部署; 更新; 年 月 日 平成 年度 QCサークル活動 テーマ進度一覧表 1=テーマ選定;2=目標設定;3=活動計画;4=現状調査;5=要因解析;6=対策処置;7=効果確認;8=評価;9=標準化;10=反省まとめ;<11=発表> 5 テ ー マ ④ 進 度 6 7 5 4 8 3 6 7 5 4 8 9 3 2 1 10 11 5 6 6 7 5 4 8 9 3 2 1 10 11 7 5 6 4 8 3 9 2 1 10 11 5 6 6 7 5 6 7 4 8 4 8 9 3 9 3 9 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 7 5 6 7 5 6 7 5 6 4 8 4 8 4 8 4 8 3 9 3 9 3 9 3 9 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 7 5 6 7 5 6 7 5 6 7 5 6 4 8 4 8 4 8 4 8 4 8 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 5 6 7 5 6 7 5 6 7 5 6 7 5 6 4 8 4 8 4 8 4 8 4 8 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 2 1 10 11 テーマ テ ー マ ③ 進 度 テーマ テ ー マ ② 進 度 各サークルの進度を一覧表示し 各サークルの励みとする 7 7 テーマ テ ー マ ① 進 度 テーマ サークル名 職場名 7 <講演のまとめ> ★QCのためのQC活動でなく ホンモノのQCサークル活動で ⇒活力ある職場づくりを! ★職場に合せた実践活動で 人を育て、人を活かし ⇒結果を出すこと!
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