200年住宅 2008.3.16 経緯 • 2007年自民党政務調査会の住宅土地調査会(会 長福田康夫)が「200年住宅ビジョン」を発表 • 200年住宅のメリット – 住宅の建設・取得・維持管理のための国民負担の軽減 – 廃棄物、CO2の削減 – 我が国のゆがんだ国富構造の是正 – ◎本格的なストック時代 – 住宅産業界から、住生活支援産業へ 国民負担の軽減 • 「住宅の建設・取得・維持管理のための国民 負担を3分の2程度に縮減することが可能で あり、これによって成熟社会にふさわしい「ゆ とり」が国民生活にもたらされる」 – 50年に1回建替える従来型の住宅(11階建て、 65戸の共同住宅を想定)と比較すると、当初の建 設コストは増加するが、維持管理コストや建替え コストが削減される 廃棄物、CO2の削減 • 我が国のすべての住宅が200年間解体・廃 棄されずに使用されることになれば、住宅関 連の産業廃棄物を年間約1000万㌧(東京 ドーム5個分の容積に相当)削減することが 可能になる。また、建設時の資源消費の削減 や、住宅の使用時における省エネルギー性 能の向上により、CO2排出の削減にも資する。 国富構造の是正 • 我が国の国富は土地に偏っており、住宅資 産の割合は1割にも満たない(アメリカでは住 宅資産が約3割をしめる)。200年住宅の実現 により、このような我が国のゆがんだ国富構 造を是正することが可能になる。 • 『ハウジング・トリビューン』2008.1 vol.339創樹社 12の提言 – 1.超長期住宅ガイドラインの策定 – 2.家歴書の整備 • 新築時の設計図書や施工内容のみならず、リフォームや点検時 の履歴を蓄積(cf.自動車の整備記録) – 3.分譲マンションの適切な維持管理のための新たな管 理方式・権利設定方式の構築 – 4.リフォーム支援体制の整備、長期修繕計画等の策定、 リフォームローンの充実 – 5.既存住宅の性能・品質に関する情報提供の充実 • 簡便で一定の客観性を確保した「既存住宅の評価ガイドライン」 の策定など – 6.既存住宅の取引に関する情報提供の充実 12の提言(その2) – 7.住替え・二地域居住の支援体制の整備、住み替えを 支援する住宅ローンの枠組み整備 – 8.200年住宅(スケルトン・インフィル住宅)の建設・取得 を支援する住宅ローンの枠組み整備 – 9.200年住宅の資産価値を活用した新たなローンが提 供される仕組みの構築 • 高齢者が住宅を担保として生活資金等の融資を受け、死亡時に 住宅を処分して一括返済するリバース・モーゲージなど – 10.200年住宅に係わる税負担の軽減 – 11.200年住宅の実現・普及に向けた先導的モデル事業 の実施 – 12.良好なまちなみの形成・維持 技術 • 木造住宅の劣化は水に起因する ⇒ 通気工法 • RC構造の劣化の原因は、コンクリートの中性化 ⇒ 再アルカリ化工法、長寿命化コンクリート • 高耐久性能を持つ構造材料の開発 • メンテナンスのしやすさ⇒ 外壁材のセルフクリーニ ング機能 • 維持管理、建物の現状把握⇒診断技術 – 建築物トレーサビリティシステム • 構造躯体の耐久性、耐震性、内装の可変性⇒SI住 宅(スケルトン、インフィル) 住宅市場 • 既存住宅の取引で、住宅の価格査定が原価償却に なっていて、木造は20年で価値がなくなる • 対応: – プレハブ住宅(ヘーベルハウス、エバーループ)での査定 – 建物検査(ホームインスペクション)の実施での査定 • 民間検査会社でインスペクション協会を設立へ – 既存マンションの再生、リノベーション • 安心してリフォームを依頼できる環境 – 住宅ローンを「人」の信用力から、「物件の信用力」に応じ て提供 – 超長期ローンをどう実現させるか 維持管理 • 20年ごとに点検補修するシステム • 住宅だけでなく部資材の保守サポート – 事故情報の収集体制 • マンションの管理分野 – 新管理者管理方式 – ◎使い捨ての消費文化から、良いものを長く使う 維持管理の文化
© Copyright 2024 ExpyDoc