産業構造審議会 地域循環ビジネス専門委員会資料 資料9 鉄鋼業の循環ビジネスへの取組み 1.循環ビジネスにおける鉄鋼業の現状 2.JFEリサイクル事業の現状 3.地域循環ビジネスの課題と要望 平成15年11月18日 JFEスチール株式会社 常務執行役員 菅昌 徹朗 1 1.循環ビジネスにおける鉄鋼業の現状 2 鉄鋼スクラップの循環 33 循環ビジネスにおける鉄鋼業の現状と展望 R&D RDF 家 庭 熱供給 廃熱利用 R&D 使用済みプラ 地域社会 化学 石油精製 H2 水素分離 使用済み家電 発電 プラント 電力 鉄スクラップ 自動車 産廃プラ 建 設 使用済みト ナー 家電・OA機器 廃 酸 木 屑 化学 等 廃タイヤ 鉄鋼業 (製鉄所) 製鉄 副原料 (CO2削減) 鉄鋼製品 副生ガス スラグ セメント 原料 セメント 骨 材 漁 礁 覆 砂 環境保全・環境修復 4 2.JFEのリサイクル事業の現状 5 JFEの環境経営の3本柱 環境ニーズ商品化 高張力鋼板 世界最高の省エネ生産 原単位指数 クロメートフリーメッキ鋼板 150 150 出典 日本鉄鋼連盟1994 140 130 自動車軽量化 によるCO2削減 全ての事業活動 120 110 環境負荷低減 における に貢献 100 環境負荷低減 90 環境に配慮した 技術・商品の提供 リサイクル事業の推進 ・プラスチック高炉原料化 ・家電リサイクル ・PETボトルリサイクルなど 118 112 103 100 日本 111 米国 イギリス 旧西ドイツ フランス 中国 環境ビジネスの 推進 クリーンエネルギーの開発・普及 ・次世代クリーン燃料「DME」 ・燃料電池発電 ・風力発電など 6 JFEグループの環境ビジネスへの取組み事例 ①鉄鋼インフラを活用した廃棄物の製鉄原料化(リサイクル) ①鉄鋼インフラを活用した廃棄物の製鉄原料化(リサイクル) の推進 の推進 ・プラスチック、家電、廃棄物ガス化、食品廃棄物ガス化などの ・プラスチック、家電、廃棄物ガス化、食品廃棄物ガス化などの リサイクル事業 リサイクル事業 ②異業種連携による循環ビジネスの促進 ②異業種連携による循環ビジネスの促進 ・使用済みプラスチックを用いた建設用コンクリートパネル製造 ・使用済みプラスチックを用いた建設用コンクリートパネル製造 ・半導体工場廃液の製鉄プロセス利用 ・半導体工場廃液の製鉄プロセス利用 ・セメント原料として高炉スラグを供給 ・セメント原料として高炉スラグを供給 ③環境調和型地域づくりや環境修復への積極的な参画 ③環境調和型地域づくりや環境修復への積極的な参画 ・地元地域における環境調和型地域づくりへの参画 ・地元地域における環境調和型地域づくりへの参画 ・マリンブロック等による環境修復 ・マリンブロック等による環境修復 7 製鉄所のインフラ・設備・技術を活かした JFEのリサイクル事業展開 首都圏 廃棄物の最大の排出地& 動脈物流のスタート地 (=帰り便による静脈物流 の効率的構築) 製鉄原料へ(分別・破砕・造粒) プ ラ 使用済みプラ 鉄 家 電 建 材 分別・破砕・ 造粒技術 自 動 車 (エンジ分野) 再生材料利用技術 (鉄鋼分野) 非鉄 高炉原料 汚泥 製鋼原料 混合廃棄物 エネルギー利用 木屑 鉄鋼製品として世の中へ ゼロエミッション の達成 鉄鋼製品 (製鉄所を中心としたサイクルの確立) 8 使用済みプラスチックの高炉原料化システム 廃プラスチック高炉一貫リサイクルシステム 9 製鉄原料としてのプラスチックの働き 鉄(Fe) 還元剤 鉄鉱石 (Fe2O3) 鉄が酸化されてできた 鉄と酸素の化合物 コークス (C) 二酸化炭素 (CO2) 炭素の塊 炭素と酸素 の化合物 還元 鉄(Fe) 還元剤 還元 二酸化炭素 (CO2) H C H H C H 鉄が酸化されてできた 鉄と酸素の化合物 H C H プラスチック 鉄鉱石 (Fe2O3) 水 H2O 炭素と水素 の化合物 還元 アルミ箔 (Al) 紙 炭素と酸素 の化合物 水素と酸素の 化合物 アルミナ (Al2O3) 水と二酸化炭素 10 再生プラスチック型枠ボード(NFボード) の構造と施工状況 NFボードの構造 軽量発泡構造 高剛性表面層 施工状況 製造ライン 11 NFボードのリサイクルの仕組み 効 果 熱帯雨林材伐採削減 建設廃棄物リサイクル対応 12 使用済みPETボトルの処理フロー PETボトル 1万トン受入 PETフレーク 7∼8千トン生産 透明ボトル 分別適合ベール 排水処理装置 成品PETフレーク 脱水・乾燥機 すすぎ洗浄機 キャップ分離機 脱水機 洗浄機 細粉砕機 ラベル分級機 粗粉砕機 機械と手選別による 色付き・他材質ボトル分離 解俵機 受入ヤード 再生製品 (1)繊維製品 ラベル 色付き・他材質ボトル キャップ 高炉用還元剤 10∼30% 制服、ワイシャツ、カーペット、等 (2)ボトル製品 洗剤用ボトル、化粧品容器等 (3)シート製品 卵パック、ケース、箱の中仕切り等 (4)その他 文具類、コンテナ等 13 サーモセレクト方式による廃棄物のガス化 ガス精製 除 湿 脱 硫 カーボン洗浄 精製ガス 脱臭装置 ガス冷却 高温反応炉 硫黄 廃棄物 製鉄所への 精製ガス供給 酸素 NaOH 脱ガスチャンネル 沈殿槽 水処理 ピット 圧縮プレス 酸素 製鉄所(酸素発生装置) 製鉄所水処理 水酸化物 均質化炉 スラグ メタル 14 使用済み家電リサイクル 断熱フロン回収 分解 使用済み家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン) プラスチック 破砕機・選別システム 製 鉄 原 料 へ 鉄 ウレタン 前分別システム (手選別等) 銅・アルミ 破砕 風力選別 ダスト 熱媒浴法 プリント基板 非 鉄 原 料 へ 冷媒フロン回収 フロン 分解 ブラウン管処理 カレット ブラウン管原料へ コンプレッサー、モーター 多メーカー・多サイズ・年 代物の効率的リサイクル =手選別重視 プリント基板分別 (ドイツでの10年の経験) 熱交換器 鉄・銅 銅・アルミ 15 塩化ビニルの再資源化(実用化試験) 塩化ビニルから塩素を分離し、高炉原料として利用する技術。 分離した塩素も塩酸として回収し、製鉄プロセスなどでリサイクル。 特徴 ◆ロータリーキルンによる塩化ビニルの大量処理 ◆脱塩素プラスチックは高炉原料へ ◆回収塩酸は、製鉄所などにて利用 塩化ビニル 熱風 塩化水素 塩酸 高炉原料へ ロータリーキルン 16 マリンブロックによる資源循環・地球温暖化防止 新CO2吸収固化技術 スラグ (粉状) マリンブロック マリンブロック 工場 CO2 (加湿,加圧) 新技術による 新技術による 炭酸ガス固化 炭酸ガス固化 大型海藻による 大型海藻による 炭酸ガス吸収 炭酸ガス吸収 ( 実証試験中) 地球温暖化抑制 地球温暖化抑制 地域環境保全・修復 地域環境保全・修復 17 3.地域循環ビジネスの課題と要望 18 地域循環ビジネスの現状 静脈産業 と 動脈産業 が 独立 企業A 原料 自治体境界 製品 生産設備 企業B 廃棄物 処理設備 製品 企業C 原料 生産設備 原料 製品 19 循環型経済社会に向けた産業界の役割り ①生産から廃棄までを通じ、資源の ①生産から廃棄までを通じ、資源の 発生抑制(Reduce)、 発生抑制(Reduce)、 再使用(Reuse)と 再使用(Reuse)と LCA的環境負荷の最小化を促進 LCA的環境負荷の最小化を促進 企業内再生利用(Recycle) 企業内再生利用(Recycle) ②地域から排出される廃棄物や副産物を ②地域から排出される廃棄物や副産物を 循環資源として最大限に利用すること 循環資源として最大限に利用すること 単一企業での リサイクルは 限界 産業間連携により リサイクル困難な資源を 有効活用 地域社会・企業と連携して循環型社会を実現 地域社会・企業と連携して循環型社会を実現 20 地域循環ビジネスの方向 (企業間・産業間・地域社会との連携の推進) 静脈産業 と 動脈産業 の 今後の方向 現 状 他企業の副生物や 社会の使用済み製品を 廃棄物 として 廃棄物 結 合 廃棄物処理 設 備 処理 で 処理 原料 としての利用が 進みにくい ・既存設備が利用しにくい ・新技術の導入と設備改造に 規制を受ける ・循環しにくい 地域内企業の副生物や 地域社会の使用済み製品を 原料 として 生産設備 で 使用 経済性−既存設備の積極利用 省エネ−既存エネルギー代替 省資源−既存原料代替 環境負荷の低減 21 地域循環を目指したエココンビナート 静脈 と 動脈 が ・既存設備の積極的利用 ・域内のエネルギーの効率的運用 ・域内のゼロエミッション 結合 が進むような制度の運用 企業A 企業A 生産 設備 原料 製品 生産 設備 原料 製品 企業C 企業C 廃棄物 廃棄物 処理設備 処理設備 副原料 原料 生産設備 原料 生産設備 原料 企業D,・,・,・ 製品 製品 22 京浜地区を例にとった エココンビナートの方向 JFEのリサイクル施設の集積 JFEのリサイクル施設の集積 ・プラスチック高炉原料化 ・プラスチック製コンクリート型枠製造 ・家電リサイクル ・PETマテリアルリサイクル ・塩化ビニルリサイクル(実証中) ガラス業 石油・化学 ゼロエミ 工業団地 鉄鋼 電力・ガス セメント業 企業連携による循環ビジネス ネットワーク事例 ■ ■ ■ ■ ■ 電力・エネルギーの地域内供給 廃棄物・副産物の製鉄原料化 廃棄物・副産物のセメント原料化 窒素・アンモニア供給 水素の域内供給 近隣他社のリサイクル施設の集積 近隣他社のリサイクル施設の集積 ・廃プラスチックのアンモニア原料化 ・古紙リサイクル ・PETリサイクルなど ゼロエミッション工業団地の形成 ゼロエミッション工業団地の形成 ・古紙リサイクル ・川崎市水処理センターの排水利用 ・焼却灰のセメント原料化など 京浜臨海部環境シティ構想 23 地域循環ビジネスの推進に向けた課題と要望 ①R&D推進 :副原料化技術(分離・分解、再生、精製・移送技術等)の開発支援 (例 コークスガスからの水素分離技術/熱供給技術) ②再生品の積極的利用 :政府・自治体によるグリーン調達の推進 (例 再生プラスチック型枠パネル/漁礁/覆砂) ③エココンビナート内の循環ビジネスの推進 : エココンビナート企業間の循環ビジネスが進みやすい制度の導入 : 国や自治体の支援 ④エコタウン事業と地域のフレキシブル化 :関係自治体の連携・協力が可能になるようなエコタウン制度の運用 :循環ビジネスの市場性を重視した補助金等の制度運用 ⑤環境ビジネスに関するアセス等の手続きの迅速化 :自治体内部局間連携強化 24
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