ジェンダーと文明 1848年の共時性 フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス フェミニズムの発明者、フーリエ Charles Fourier(1772-1837) 『四運動の理論』1806 「時代の進歩と変化は、女性の自由への進歩に比例し、社 会秩序の衰退は、女性の自由の減少に比例してなされる。 (中略)女性の特権の拡大は、あらゆる社会進歩の普遍的 原則である。」 空想的社会主義者(ほかにサン・シモン、しかしサン・シモン 自身は女性解放に言及しない) 農業中心の共産共同生活体ファランステール(810または 1620人の単位、男女は平等、共同食堂、託児所、結婚を 否定、恋愛の自由) フェミニズムという単語は、1837 最初のフェミニスト新聞 フランス 『ラ・ファム・リーブル(自由な女)』、1832 サン・シモン(1760-1825)とシャルル・フーリエ (1772-1837)の影響 「女性が民衆階層と特権階層の二派に分かれること をやめて、団結しよう」 売春:女性の隷属の象徴として弾劾 経済的自立 賃金の平等 教育の権利 結婚制度の改革 離婚権 ナポレオン民法典の改革 1848年2月革命(第2共和制) フランス 民主的な社会共和国を追求 男子普通選挙制 植民地における奴隷制度の廃止 報道・集会・結社の自由⇒『女性の声』紙(18 48.3.6)、洗濯女は14時間の労働時間を 2時間短縮に成功 政治犯の死刑廃止 礼状なき身柄拘束の禁止 フローラ・トリスタン Flora Tristan (1803-44) 画家ゴーギャンの祖母 社会主義者 私生児(父親はペルーの貴族) フーリエの影響、労働者解放と女性解放(フェミニズ ムと革命的社会主義との理論的結合) 離婚の自由 女性の家長権 平等な教育 労働権、労働者の団結を呼びかけた『労働者連合』 (1843) (マルクス「第1インターナショナル」1864以前) 参 考 マルクス、エンゲルス『共産党宣言』1848 トリスタン、社会革命 イギリス国会傍聴のためにトルコ人の男性に変装す る イギリスの産業革命に希望を託す社会革命 「機械の力、あらゆることに機械を応用するということは、 想像を絶するほどの衝撃的なことである。人間の科学が 多様な形態に合体されて、知性の機能に取って代わる。 機械力と分業をもってすれば、人間に必要とされるのは 発動力のみとなる。だが推理も考察も無用である。私は 現に500馬力の蒸気機関を見たのだ。(中略)最初は人 間が無視されて、人間ではなく単に機械としての機能しか 果たしていないのを見て、屈辱感を味わった。 トリスタン、社会革命(続き) だが程なくして、私はこれらの科学の発見物 からいつの日か生まれ出るであろう多大な改 良を予見したのである。腕力は不要となり、 肉体労働の時間は短縮され、知性の開発に あてることのできるさらに多くの余暇が人間に 残される。しかし、このような恩恵が現実のも のとなるためには、社会革命が必要である。 革命を起こすのだ。」 女性作家、ジャーナリストの登場 男装して国会に入ったジョルジュ・サンド『アンディア ナ』『ヴァランチーヌ』 ダニエル・ステルン(本名マりー・グー)1801-79 『道徳素描』 男性の名前で作品を書く 女性の発言の場としての新聞 『ジュールナル・デ・ファム(女性新聞)』1832-38 『ル・コンセイエ・デ・ファム(女性の助言者)』(ウージェ ニー・ニボワイエ主宰)1833-34 『女性ガゼット』第1次1836-38,第2次1841-43 『ラ・ヴォア・デ・ファム(女性の声)』(ニボワイエ)1848 組合の結成 「女性解放協会」、1848年3月、マラティエ、 ジャンヌ・ドロワン、デジレ・ゲイ→「女性の相 互教育協会」1848年8月 『女性の声』紙→女中友愛組合 1848年4月10日、下着女工友愛組合(労働 は出来高払い、利益は組合員に4分の1、援 助基金に4分の1、組合資本の増資に2分の 1) 助産婦共済組合 アメリカ セネカ・フォールズ(ニューヨーク州)のメソディスト教 会「女性の権利のための大会」→「女性の所信宣 言」1848(ルクレシア・モット、エリザベス・ケイディ・ スタントンが中心、宣言はスタントンが起草)、長い 宣言文(資料および竹村和子『フェミニズム』) カリフォルニアの金鉱発見 綿花プランテーション、黒人奴隷 「ローウェルの女工たち」(中流家庭の女性のあこが れの職場、織物工場)、イギリスでは機械打ち壊し 運動があったのと対照的 1808,国際奴隷貿易禁止 セネカ・フォールズ大会の意義 僅差ではあるが、参政権要求決議案が採択 されたこと(19世紀の女性運動は参政権だ けでなく、男女の社会的意味づけの不均衡解 消であった)→19世紀は、「近代国家におい て新しい形態の性差別が巧妙に配備されて いった時代である。」(竹村「フェミニズム」、7 ページ) 男女のカテゴリー分離に対する根本的な問題提 起 第二の意義 大会企画者(ルクレシア・モットとエリザベス・ ケイディ・スタントン)は奴隷制反対運動で知 り合ったこと←ロンドン「奴隷制反対大会」18 40では女性代表は出席拒否された。 人種と性の問題をめぐる二つの立場 「アメリカ女性参政権協会AWSA」(保守的な中 流・上流階級の女性が中心で参政権要求) 「全国女性参政権協会NWSA」(結婚制度の改革、 女性の社会進出を目指す)→1890年に前者に 吸収された「全米女性参政権協会NAWSA」 第2編「現代の婦人」 女性は市民社会において二番目の地位 結婚は強制婚、金銭婚「婚姻はブルジョワ社会の 性生活の一面、売春はその他面」(第12章) 第13章「婦人の職業上の地位」 長時間労働と 低賃金の職業(「婦人は家事を通じて、時間の限 度もなしに労働に従事するくせがついている」→ ヴェールホフ「主婦化」概念) 第3編 「未来は・・・労働者と婦人のものである」 ミルの主張 ~ リベラル・フェミニズムの理 論の原型(個人の自由と法の下の平等こそ 社会=国家の大原則とするリベラリズム) 女性の解放には男性の理解と共闘が必要 =女性の解放:人間全体の幸福の増進
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