ヒューマンインタフェースと ユニバーサルデザイン

ヒューマンインタフェースと
ユニバーサルデザイン・
ユーザビリティ
情報メディアゼミナール資料
ヒューマンインタフェース設計
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ユーザの特性を知る
ユーザのタスクを知る
ユーザによるインタフェース評価を行う
ユーザ意見を効果的に取り入れる
「設計→インプリメント→評価」という段階
の反復的適用
インタフェースデザインの注意
点
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ユーザのエラーを前提に設計する
「何を重視して何を犠牲にするか」というトレードオフを
明確にする
仕事の流れも含めた人間の心理作用を十分に考慮す
る
わかりにくい作業を適切に表現できるような操作モデル,
メタファを作成する
ユーザが最低限の操作方法を覚えるだけで全体の操
作が可能になるようなルールをデザインする
時系列的な広がりに対するデザインを考慮する
用語,言葉遣いを統一する
ユニバーサルデザインとは
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“The design of products and environments
to be usable by all people, to the greatest
extent possible, without the need for
adaptation or specialized design”
「年齢や能力に関わりなく,すべての生活者に
対して適合するデザイン」
「あらゆる体格,年齢,障害の有無にかかわら
ず,だれもが利用できる製品・環境を創造する」
– ロースカロライナ州立大学,Ronald L. Mace
ユニバーサルデザインの7原則
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公平な利用
利用における柔軟性
単純で直感的な利用法
分かり易い情報
間違いに対する寛大さ
身体的負担を少なく
接近や利用のための大きさと広さ
バリアフリーから共用品へ
日本での取り組み
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バリアフリーデザイン(1960年代以前)
– バリア(障害がある人々のアクセスを妨げるもの)を
解消する配慮のあるデザイン
– 健常者には使いにくい?
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健常者と障害者双方に配慮しようという発想
(1970年代)
共用品・共用サービス
– 障害のあるなし,年齢の高低にかかわらず,ともに
暮らしやすい社会の実現(1991年)
– 「身体的な特性や障害にかかわりなく,より多くの
人々がともに利用しやすい製品・施設・サービス」
例えば,高齢者の不便さとは?
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加齢による生体特性の低下
– 視覚機能や運動特性の低下
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生体特性の低下に伴う運動能力の低下
認知特性の低下
– 理解力(理解速度)の低下
– 記憶力の低下
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心理,意識の変化
共用品・共用サービスの原則
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多様な人々の身体・知覚特性に対応しやすい
視覚・聴覚・触覚など複数の方法により,わか
りやすくコミュニケーションできる
(マルチモーダルインタフェース)
直感的で分かり易く,心理的負担が少なく操
作・利用が出来る
弱い力で扱える,移動・接近が楽など,身体的
負担が少なく利用しやすい
素材・構造・機能・手順・環境などが配慮され,
安全に利用できる
マルチモーダルインタフェース
ほかに,テレホンカードやパスねっとなど
の切り欠き
ユーザビリティとは
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システムの「受容性(acceptability)」
社会的受容性
実務的受容性
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コスト
互換性
信頼性
有用性(usefulness)
そのシステムで目的が達成できるか?
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実用性(utility)
ユーザビリティ(usability)
ユーザビリティの定義
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学習しやすさ
– ユーザは簡単に学習でき,すぐに作業が開始できる
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効率性
– ユーザが一度学習すれば,効率的な使用が可能で生産性が
上がる
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記憶しやすさ
– 不定期利用のユーザも利用可能なようにシステムは覚えやす
いものである
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エラー発生率
– エラーは発生しにくく,発生しても簡単に回復できる
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主観的満足度
– システムはユーザが個人的に満足でき,好きになり,楽しく利
用できるものである
ユーザビリティ活動の11ステップ
ユーザを知る
比較分析
1.
2.
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既存製品,競合製品の分析と評価試験
ユーザビリティ目標の設定
3.
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ユーザ層やタスク分析をもとにユーザインタフェースの目標を特定
パラレルデザイン
4.
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数人のデザイナーが予備的なデザインを出し合い,比較し,良い
点を組み合わせて新しいデザインを作る
ユーザー参加型デザイン
5.
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ユーザー自身がデザインプロセスに参加する。デザイン段階では
ユーザの代表者との接触が必要
トータルインタフェースのデザイン
6.
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「最も重要なユーザビリティ特性」=「一貫性」
インタフェース標準や開発グループ内での共通認識構築
ユーザビリティ活動の11ステップ
ガイドライン作成
7.
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一般的ガイドライン,カテゴリー別ガイドライン,製品別ガイドライン
ヒューリスティック評価の×区グラウンドとして利用
プロトタイピング
8.
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実際のユーザがテストできるものを製作
垂直型プロトタイプ
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水平型プロトとタイプ
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9.
10.
11.
数種類の限定された機能だけを持つシステム
実際の作業を実地に近い環境でテスト可能
実際には機能しないシステムの全機能を備えた見本
インタフェース全体の整合性,全体の印象などを評価可能
インタフェース評価(後述)
反復デザイン
フォローアップ
ユーザビリティ評価の手法
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ヒューリスティック評価
– ヒューリスティック=自己発見学習,経験則
– 専門家が個々の経験に基づき評価する
– 一般的なルールから逸脱している問題点を広く探る事が
可能
– ユーザビリティ評価を全く行っていないときに効果的
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ユーザビリティテスト
– ターゲットユーザに似た被験者に用意した課題に従って
システムを利用してもらい,被験者の言動や行動から問
題点を探る
– より対象システムに則した深い問題点を発見可能
– 反復デザインを行っているような成熟したシステムについ
て効果的
– ヒューリスティック評価に比べてコストがかかる
その他のユーザビリティ評価手法
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観察(プロトコル解析)
– 実際にユーザに利用してもらう
– オブザーバは最小限の発言にとどめユーザの行動を観
測
– ユーザ行動を解析する事により評価
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アンケートとインタビュー
フォーカスグループ
– 数名のユーザが集まり新しいコンセプトや使用した後の
問題点を出し合う
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実際の使用ログ
ユーザからの声