メディア論

メディア論
第4回
情報操作・プロパガンダ②
(2014.10.27)
担当:野原仁
本日のテーマ
現代におけるプロパガンダと情報
操作の基礎を学ぶ
プロパガンダとは何か?
日本語では「政治宣伝」と訳され
る
特定の目的に従って、個人・集団
の態度と考え方に影響を与えて、
自分の意図した方向に導く説得コ
ミュニケーション活動
教育とプロパガンダ
教育:説得コミュニケーションの要
素も含むが、あくまでも相手の「自
発性」を引き出すことを目的とする
点で、プロパガンダとは異なる
しかし、現状では「教育」という名
のプロパガンダが行われている(た
とえば、英語教育の強制に見られる
英米中心主義の刷り込み)
煽動とプロパガンダ
煽動(agitation)=一般大衆向けに情
緒的なスローガン(「ほしがりませ
ん、勝つまでは」など)をたたき込
む、説得コミュニケーションのひと
つ
いっぽうプロパガンダは、情緒的に
ではなく、論理的・科学的に装って
伝える点で、煽動とは異なる
キャンペーンとプロパガンダ
キャンペーン=ある目的のもとに組
織的に人々に働きかける活動。宣
伝・啓蒙活動
キャンペーンの形式をとったプロパ
ガンダも数多く存在する(特に戦争
時や、9.11後の愛国者キャンペーン
など)
情報操作とは何か?
情報操作(Information Manipulation;spin)
↓
「どのような情報を、どのように
わい曲・ねつ造して伝えたり、ま
たはどのような情報を隠すのか」
を決めて実行すること
情報操作の手法①
1. ある情報の大部分は事実だが、最も重要
な部分をわい曲・ねつ造する
2. ある情報の全部または一部をわい曲・ね
つ造する
3. ある情報の全部または最も重要な部分を
隠して伝えない
4. 膨大で矛盾した量の情報を流して、何が
事実か判断できなくする
5. 都合の悪い情報から目をそらさせるため、
ほかの情報を大量かつセンセーショナル
に流す
情報操作の手法②
映像①:カメラの撮影の位置・手法
や編集によって、視聴者に与える印
象が異なる
映像②:サブリミナル(後述)表現
新聞・雑誌:記事の量や位置、見出
しの内容・字体、レイアウトなどに
よって、読者に与える印象が異なる
共通:タブー化による世論誘導、
ニュースやドキュメンタリーを装っ
た広告、など
高円宮承子さん(オフィシャル)
高円宮承子さま(プライベート)
サブリミナル(Subliminal )とは?
人間が意識としては認知できないが、
無意識のうちに感知し記憶できる表
現手法
ある特定のメッセージを、情報の受
け手が意識しないまま効果的に伝え
るとともに、受け手を説得すること
が目的
日本だけでなく、アメリカなどの諸
外国でも、サブリミナルを用いた表
サブリミナルの実例
こういうことや!
1995年5月、TBSのオウム真理教関連
番組内で、教団代表・麻原彰晃の顔
等の画像が無関係な場面で一瞬に何
度も挿入された
アメリカで人気のテレビ番組”iron
shef”
プロパガンダとは、「特定の政治目的に
従って、個人・集団の態度と考え方に影
響を与えて、自分の意図した方向に導く
説得コミュニケーション活動」のことで
ある
情報操作は、「プロパガンダを行う際に、
「どのような情報を、どのようにわい
曲・ねつ造して伝えたり、またはどのよ
うな情報を隠すのか」を決めて実行す
る」ことにも用いられる
私たちの日常生活のさまざまな場面でも
情報操作が行われている