サブリミナル効果の検証

サブリミナル効果の検証
C班
辻本桜介
中村航洋
鈴木麻里絵
野口瑞穂
サブリミナル効果とは?
• Subliminal = sub (下) + limen (閾)
*閾:ある刺激が呈示された時に、それを意識
できるかできないかの境
• 閾値に達しないレベルで呈示された刺激を
サブリミナル刺激と言う。
• サブリミナル刺激の知覚によって生体に何ら
かの影響があること。
サブリミナル効果の種類
1. 非常に早く呈示されたために、意識されない映像
2. 非常に弱く呈示されたために、意識されない映像
3. 視野の中心からはずれ、背景的で周辺的な位置に
呈示されたために、意識されない映像
4. 非常に高く、あるいは低く呈示されたために、意識さ
れない音声
5. 非常に弱く呈示されたために、意識されない音声
6. 注意が向けられておらず、背景的なものとして呈示
されたために、意識されない音声
7. 雑音に重ねて呈示されたために、意識されない音声
コカコーラ実験
• 1957年、アメリカのニュージャージー州のドラ
イブイン・シアターで、「ピクニック」という映画
の上映中、「DRINK COKE」、「EAT
POPCORN 」という文字をサブリミナル呈示。
⇒売店でのコカコーラ売上は18.1%UP
ポップコーン売上は57.7%UP
*しかし後に実験者であるジェームズ・ビカリー
自身が「コカコーラ実験のデータは確かなも
のではなかった。」と告白している。
ジューダス・プリースト事件(1)
• 1990年、アメリカのネバダ州で、CSBレコードと
イギリスの人気ヘビーメタルバンド、ジューダス・
プリーストを相手取って訴訟が行われる。
• 原告の訴えは、5年前、2人の青年がサブリミナ
ル・メッセージが含まれたレコードを聴いたことに
よって、意図しない自殺に追い込まれたというも
の。
• 2人の青年はビールを飲みマリファナを吸いな
がら、「Better by you better than me」を聴き始
める。
ジューダス・プリースト事件(2)
• すると突然「Just do it , Just do it.」と叫びながら
暴力的になり、周りのものを破壊した挙げ句、
ショットガンを持ち教会で自殺。ただし一方の青
年は重傷。
• 「Do it! 」という自殺教唆のメッセージが、逆回転
で挿入されていた
→この事件の判事は「提出された科学的研究から
は、サブリミナル刺激が知覚されることはあって
も、これほど重大な行動を示す証拠はない。サ
ブリミナル刺激以外にも、2人の自殺者の行動を
説明できる要因がいくつかある。」
日本では・・・
1995年5月、TBS(東京放送)が、オウム真理
教
関連の事件を扱った番組の中で、サブリミナル
効果を狙った手法を使っていたことが話題に
なった。
→郵政省はTBSに対し「厳重注意」
TBS「視聴者が感知できないほど映像の使用
はアンフェアであった。」と謝罪
7つのサブリミナル効果
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
サブリミナル直接教示効果
サブリミナル情報付加効果
サブリミナル・プライミング効果
サブリミナル単純接触効果
サブリミナル活性化効果
サブリミナル埋め込み刺激効果
睡眠学習効果
サブリミナル・プライミング効果
1. プライムと呼ばれる事前情報をサブリミナル
呈示する。
2. プライムに関する思考が活性化され、それ
に関わる情報が想起しやすくなる。
3. その結果、その後に呈示された対象に関す
る知覚や態度がプライムに沿った方向に変
化する。
実験
被験者には見えた数字が「5」以下ならAボタン、「5」以上ならBボタンを押すよう指示
ある数字をサブリミナル呈示した後、見える数字を呈示(スプラリミナル呈示)
両方の数字のボタン選択条件が一致
反応速度に変化なし
両方の数字のボタン選択条件が矛盾
反応速度に遅れ
サブリミナル効果の存在を示唆
実験装置
• avi動画でサブリミナルカットを用いた動画を
作成
• HSPで実験参加者の性別、年齢、選択したボ
タン、ボタンを押すまでの反応時間を計測す
る装置を作成
• HSPでavi動画を起動してから、実験参加者
がボタンを選択するまでの反応時間を10ミリ
単位で計測
実験に使用した動画
1.
2.
3.
4.
サブリミナル
サブリミナル
サブリミナル
サブリミナル
2
3
8
9
スプラリミナル
スプラリミナル
スプラリミナル
スプラリミナル
7
3
8
4
サブリミナル効果の存在を実証するためには2.及び3.の動画に対する反
応速度よりも1.及び4.の動画に対する反応速度が遅ければよいことに
なる。
結果 被験者数:18人
結果 (男性:9人 女性:9人)
男性の平均値
女性の平均値
考察
• 2回目の試行で選択までの速度が急激に速
まっている。
• 男女差は特に見られない。
• サブリミナル効果の特徴と見られるような結
果は見られない。が・・・
示サ
唆ブ
すリ
るミ
?ナ
ル
効
果
の
可
能
性
を
サブリミナル効果が現出しなかった要因
1. 閾値の設定:意識的に知覚できていないこ
とを確かめることは可能であったが、意識下
で知覚できていることを確かめることはでき
なかった。
2. ブリーフィングの手続き:各自で実験データ
を採取したため、実験の概要説明や操作手
順の指導に誤差が生じた可能性がある。
サブリミナル効果が現出しなかった要因
3. 環境要因(外的要因):実験実施場所の明
暗度の差異、実験に使用されたコンピュー
タの性能等
4. 学習(慣れ)の要因:実験参加者が実験装
置の操作に慣れて、反応速度が変化した可
能性を統制できなかった。
サブリミナル効果は存在しないのか?
• 今回の実験では他要因を十分排除できな
かったため、サブリミナル効果は作用しな
かった可能性がある。(サブリミナル効果より
も他要因が強くはたらいたために、サブリミナ
ル効果が現出しなかった。)
サブリミナル効果実証の問題点
サブリミナル効果以外の要因の介入を統制
することが困難
閾刺激の範囲を明確にし、閾値を操作的に
設定しにくい。
実験を通じて
• 実験参加者に対する倫理的問題のみならず、
実証、再現可能な実験を計画し、実行しなくて
はならない。
• 実験で採取されたデータからの因果関係が
必ずしも正しいわけではない。(今回の実験
結果参照)
• 仮説を立て、随時修正を行いながら、検証す
る必要がある。
参考文献等
• サブリミナル効果の科学 坂元章、他 学文社
• http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3
%83%96%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%8
3%8A%E3%83%AB%E5%8A%B9%E6%9E
%9C
• http://www.genic-net.com/103/KOUKA.html
• http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/socpsy/akira
/media/sub.htm