社会福祉・介護保険 「法医学・医事法」第22回-1 国際障害分類(旧) International Classification of Impairments, Disabilities, and Handicaps (1980) Impairments:器官、機能レベルの障害 ↓ Disabilities:日常生活レベルの障害 ↓ Handicaps:社会的不利 国際障害分類(現行) 2001 International Classification of Functioning, Disability and Health(ICF) 国際生活機能分類 □心身機能・身体構造、活動、参加の3構成要素 □医学・社会統合モデル(⇔ICIDH:医学モデル) □環境因子、個人因子がそれらに影響を及ぼすと の考え 障害者福祉の理念と経緯 (1)ノーマライゼ-ション 1950年代のデンマ-クの知的障害者福祉に由来。障害者と健 常者との共生目指す。 (2)障がい者関係法の改正の経緯 2006(平成18)年12月 国連総会で「障害者の権利に関する条約」 採択 2007(平成19)年9月 日本署名、未締結 2009(平成21)年12月 締結に向けた国内法整備のため、内閣に 「障がい者制度改革推進本部」設置 2010(平成22)年12月 障害者自立支援法改正 2011(平成23)年7月 障害者基本法改正法成立&施行 2012(平成24)年6月 障害者総合支援法成立(自立支援法改正) 2013(平成25)年4月 同法施行 障害者自立支援法 平成22年12月 改正法成立(大幅) 平成24年 4月 改正法施行 主な改正点 □障害者の範囲:身体、知的、精神+発達障害 (第4条:定義) □利用者負担の方式:応能負担(かつては、1割 定率負担) □相談支援、自立生活支援の充実:市町村に基 幹相談支援センタ-設置、同行援助、移動支援 自立支援医療 □障害者自立支援給付の一環 □旧更生医療:18歳以上の身体障害者 □旧育成医療:18歳未満の障害児 □旧精神通院公費:精神科外来 □補装具費:市町村から補装具費の購入・修 理の9割が支給 障害者総合支援法(H25年4月1日施行、一部 H26年4月1日施行) □障害者の範囲に難病加える □施設・病院 → 地域 地域生活支援事業の追加 ・市民後見人等の人材育成 ・手話通訳者等の養成 等 発達障害者支援法(2005~ ) □対象:広汎性発達障害(自閉症、アスペルガ-症候 群)、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、学習障害 (LD)・・・・通常低年齢で発症する脳機能障害 □乳幼児健診等における早期発見、早期発達支援 □都道府県、政令市に発達障害者支援センタ-整備 □小中学校の普通学級に6%程度存在 □2008年度~文科省により「発達障害等支援・特別支 援教育統合推進事業」実施:校内委員会・専門家チ- ム設置、巡回相談等の実施 老人福祉法 (1)老人福祉施設 措置による入所 □特別養護老人ホ-ム:65歳以上、常時介護 □養護老人ホ-ム:65歳以上、家庭環境・経 済的事情 契約による入所 □軽費老人ホ-ム:自立した生活可能 (2)福祉の措置 市町村:やむを得ない事情による介護保険を利用できな い65歳以上の者を老人福祉施設に入所させるなどの措 置 2006年&2008年改正 (1)2006年改正 □有料老人ホ-ムの規定置く(従来は、民法、 消費者契約法の規制にとどまる) □改正前の常時10人以上の入所の人数要件を 撤廃、1人でも入所させた施設を対象 □都道府県知事に有料老人ホ-ムの届出必要 (2)2008年改正 □有料老人ホ-ムの廃止・休止の事前届出制 介護保険 □介護を社会全体で支える→金銭給付禁止 (福祉用具購入、住宅改修費は例外) □1号被保険者(65歳以上)と2号被保険者(4 0~64歳) □2号被保険者特定疾病(16):事故、災害に よる介護は対象とならない □主治医意見書と2次判定 □ケアマネ-ジャ-(介護支援専門員):都道 府県毎の講習修了と5年毎の更新 2006年改正 □特定疾病に末期がん追加 □従来の要支援を要支援1,2に細分化し、従来 の要介護1の多くを要支援2に分類 □自立した者のうち要支援、要介護になるおそれ のある者を対象とする地域支援事業(介護予防 サ-ビス)を新設 □要支援は予防給付、要介護は介護給付 →要支援では、施設サ-ビスを利用できない □地域密着型サ-ビス、特にグル-プホ-ム(認 知症対応型)を法定化 2008-9年改正 (1)コムスン問題を受けて、法令順守を徹底するための 改正 □国、都道府県、市町村の事業者への立ち入り検査 権創設 □事業所の廃止届を事後から事前に:処分逃れ対策 (2)介護労働者の待遇改善 □介護従事者処遇改善法成立(2008年5月) □2009年介護報酬改訂において介護報酬3%アップ (ただし、要件厳しく、実際に報酬増加となる施設は多 くはない) 在宅支援 (1)介護保険法 □地域包括支援センタ-:市町村単位で設置、 主任ケアマネ-ジャ-、介護予防マネジメント (介護保険法第115条の45) (2)老人福祉法 □老人/在宅介護支援センタ-(老人福祉法第20 条の7の2):相談、連絡調整 →地域包括支援センタ-に移行中 □老人福祉センタ-:相談、レクリエ-ション (老人福祉法第20条の7) 高齢者虐待防止法 □擁護者、施設従事者による高齢者の虐待の 防止を目的 □虐待の種類:身体的虐待、精神的虐待、性 的虐待、ネグレクト、経済的虐待 □医療・福祉関係者には早期発見義務 □虐待を発見した者に通報義務 □通報先は、市町村(地域包括支援センタ-) □刑法の秘密漏示罪その他守秘義務に優先 日常生活自立支援事業 (2007年~) □旧称 地域福祉権利支援事業(1999~)、 □実施主体 都道府県・指定都市社会福祉協議 会 □対象者 認知症高齢者、知的障害者、精神障 害者等で自立した日常生活が困難な者 □事業内容 日常的金銭管理、福祉サ-ビスの 利用援助、行政手続きに関する援助、定期的な 訪問 □利用手数料 訪問1回あたり1200円程度 生活保護 (1)社会保障の4分野:社会保険、社会福祉、公衆衛生、 公的扶助 ≠租税 (2)公的扶助=生活保護 □生活扶助、医療扶助、出産扶助等8扶助 □被保護人員:176万人(現在200万人規模)、世帯 数:127万世帯 □被保護の世帯別:高齢者(43.3%)>傷病・障害者 (34.3%)>母子(7.8%) □扶助別(扶助率):生活(89.9%)、医療(79.8%)、住 宅(82.8%) (2011/2012年『国民福祉の動向』より) 申請主義とその例外 社会福祉、介護保険制度の基本原則=申請主 義:自ら申請しなければ制度の利用ができない その例外 □職権による生活保護の開始(生保法7条) □民生委員による制度の紹介(民生委員法、ボ ランテイア、知事の推薦により厚労大臣依嘱、任 期3年) □地域包括支援センタ-による介護保険の適用 □措置による養護/特別養護老人ホ-ムへの入 所
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