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水沢の現状・今後と野辺山
本間 希樹
Mareki Honma
(水沢VLBI観測所)
国立天文台の電波関連プロジェクト
• チリ観測所(ALMA)
2012ー
• 野辺山宇宙電波(45m) 1982-
• 水沢VLBI(VERA)
2002-
• 太陽電波(ヘリオグ)
移管予定
• 月惑星探査室(はやぶさ2、JUICE) Aプロ
VERA(ベラ) VLBI Expolration of Radio Astrometry
入来
4台の電波干渉計で
銀河系の測量を行う
石垣島
水沢
小笠原
最長基線 : 2300 km
完成:2002年春
観測:2004年~
銀河系の基本尺度を決める
• VERAなどの距離と運動の測定結果から、天の川
銀河の回転中心と回転速度を決定
Θ0= 240 +/- 14 km/s (IAU標準値の10%増し)
銀河系の質量も修正
回転速度が10%増える
→ 銀河系の質量が20%増える
→ より多くの暗黒物質
NRO銀河面サーベイとの協力(検討中)
• 分子雲コアの水メーザー探査(45m)
• VERAによる距離決定
→ 距離情報も含む分子雲カタログ
星形成および銀河系研究に有効
NRO銀河面サーベイのデータ例(Tosaki+, NRO-GPS team)
今後の展開1(プロジェクト面)
• VERA:銀河系位置天文プロジェクト (~2021年)
現在150天体ほど → 300~400天体へ
• (望遠鏡の耐用年数を一声30年として)
2030年頃まで、大学や東アジアの局と連携し、
東アジアVLBIアレイを運用
• それと並行して、将来計画を検討しつつシフト
(様々なコミュニティーを巻き込んだ議論が必要)
今後の展開2(研究面)
• 銀河系構造
天体の増加による銀河系モデリング
東アジアVLBIによるアストロメトリ精度向上
• AGN/BH研究
超高分解能イメージング
中国スペースVLBIとの協力(2020年??)
ミリ波・サブミリ波VLBIへの展開
VERAで見えてきたスパイラルアーム
• VERAなどの観測から、非円運動成分も見えてきた。
• ペルセウスアームで系統的な回転の遅れあり。
現在、密度波理論など渦状腕のモデルでこの運動が説明可能か
検証中(Sakai et al. 2014)
ー 密度波か物質波か?
MCMC determination
(like Honma+2012), but
for 12 model parameters
Including spiral.
For N_obs~300,
• R, Ω at ~2%
• Spiral parameters
at ~10 %
are expected !!
Spiral parameters Circular parameters
Parameter determination results
R
Given
Ω value
α
U
V
W
Φs
Ωp
Rref
i
ε
λ
Number of objects
東アジアVLBI観測網
韓国KVN 20m x 3 (2007年完成), 中国 4 局(25 m ~ 50 m)
中国では上海65mが間もなく稼働、その後ウルムチ110m鏡計画
KaVA (KVN and VERA Array)
• KaVA: KVN and VERA Array, 7局21基線のアレイ
• 14年度から共同観測を本格的に開始
VERA
KaVA
M87ブラックホールから出るジェットの電波写真
今後のVLBIにおける野辺山への期待
• VERA/KaVAのイメージング性能を大幅に向上
大口径+短基線をカバー
• 大集光力を有する東アジアアレイの構築
ウルムチ110m, 上海65m, 野辺山45m, …
センチ波~長ミリ波で世界最高感度
• 86GHz帯でのVLBIアレイも
ウルムチ110m, 野辺山45m, KVN 21m x 3
ATCA 22m x 6, …
86GHzでBH撮像観測?
• 86GHz – 8000km 基線で分解能 80μ秒角
• 超解像技法でfactor 3~4程度の
画質向上があれば, 230 GHz
のEHT観測と同等の撮像可
(Honma+ 2014)
• M87のBH質量が大きい場合、
超高感度の86GHzVLBI観測で
穴が見える可能性も0でない?
大質量ケースのM87の
BH超解像シミュレーション
今後の国内の観測所の役割
• 近年の電波天文装置は、国際協力で大型装置を海外の
最高のサイトに建設するのが主流(ALMA, SKA…)
• そのような時代に野辺山、水沢は国内の観測所として何
をすべきか?
特定の目的に集中投資したユニークなプログラム
→ 大望遠鏡の時間獲得の準備観測(必須)
若手に単一鏡・干渉計に直接触れる機会を提供可
試験・実験機としての役割も
• 限られたリソース(人的・経済的)を効果的に活用する方
策が必要
今後の水沢ー野辺山の協力に
期待しております