ヒューマン・インターフェースとしてのGIS —空間デー

ヒューマン・インターフェースとし
てのGIS
—空間データ変換から地図表現へ—
奈良女子大学文学部
石崎研二
日本の地理学におけるGISc、
GIStの確立に向けて
 GIS批判との対話の必要性
 新しい地誌学としてのGIS
 ヒューマン・インターフェースとしてのGIS
GIS批判との対話の必要性

英語圏におけるGIS批判

実証主義の認識論的問題、GISと社会、GISは道具or科学?


批判に対する対話、協調、包摂→科学としての成熟


過去の地理学における批判(環境決定論、1970年代の計量地理学)に通
底
Pickles(1995), Longley et al.(1999), Vareniusプロジェクト
わが国の地理学では? →議論されず


デジタル・デバイドに還元?

GIS=「空間の科学」としての地理学の共有財産という認識の欠如


欧米に比して、学問としての成熟度、制度化、組織体系の温度差はある
が・・・
他方、ユーザーのナイーブなGIS利用
道具としての意味に限定

自動地図作成機械としての認識

豊かな空間論、空間概念を展開しうる媒介者であるという認識の欠如
新しい地誌学としてのGIS

’80年代後半以降の「新しい地誌学」

Harveyらの議論



普遍主義的な実証主義的地域観への批判
地域分化,ロカリティ,場所の異質性への再考
GISによる空間分析

空間データの本質的問題


近年のローカル分析


空間的従属性、空間的異質性(地域分化)→探索的データ分
析の必要性
GAM、STAC、ローカルMoran統計など
「地誌学」としてのまなざし


空間データに内在する場所性、局所性
点・線・面などの空間オブジェクト観→ハゲットによる自然・人
文現象の統合的視点
ヒューマン・インターフェースとして
のGIS

GIS空間としての地図(主題図)の意義

大規模な地理空間を操作可能な小規模空間に表現
(Mark and Freundshuh 1995)


主題図作製・利用における空間情報伝達過程


「鳥の眼」の視点→現象の空間的相対化、構造と局所性の
抽出
主題図の知覚の問題→「地図表現」の問題
空間データ操作による対象の操作化

手書き地図とGIS利用の地図との違い


対象(空間オブジェクト)をinteractiveに操作・拡張しうるか否
か→現実世界の操作化
空間データ変換の例


点→点、点→面、点→サーフェス
空間データの次元の高次化→構造と局所性の発見
日本の地理学におけるGISc、
GIStの確立に向けて
 GIS批判との対話の必要性
 批判台頭の土壌形成、共通の対話の土俵設定
 「GISで何ができるか」→「GISでは何ができない
か」
 新しい地誌学としてのGIS
 豊富な空間情報の収集・記述→データマイニング
 他の社会科学との協調・差別化
 ヒューマン・インターフェースとしてのGIS
 批判的地図学→地図化の意義の再考
選択

空間データの特質



推測統計学の前提
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
空間的従属性 spatial
dependence
空間的異質性 spatial
heterogeneity
観察データの独立性
標本抽出の無作為性
記述的・探索的データ
分析の模索



Openshawらによる
ニューラルネットの適用
不確実性・誤差を含ん
だ空間データに対する
頑健かつ柔軟な分析
ローカル分析
探索的空間データ分析
表示
拡大・縮小
閲覧
空間的検索
バッファ
全域的空間関係
空間的サンプリング
局地的空間関係
操作
確証的空間データ分析
集計
再分類
地図抽象化
重心
分割
空間的回帰
空間的分布
モデルの特定
評価
トポロジー
空間的ウエイト
診断
オーバーレイ
内挿
空間的予測
狭義の立地分析
狭義の空間分析
広義の空間分析
図1 GISにおける空間分析の概念
(Anselin,1999,p.263に筆者が加筆)
T1994
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点→面への変換
(0次元→2次元)
例:標準偏差楕円
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点→線への変換
点→サーフェスへの変換
(0次元→1次元)
(0次元→3次元)
例:傾向線(回帰線)
例:カーネル密度推定