PowerPoint プレゼンテーション

「食」の認証取得人材確保事業第4回講習会
2015年2月14日(土曜日) 13時30分から
南さつま市民会館
食品安全のシステム:HACCP等の基礎についてP
(株)鹿児島TLO「食の認取得事業」推進アドバイザー
鹿児島大学名誉教授・獣医学博士 岡本 嘉六
食の安全性が求められる背景
国際取引による食品事故の影響の広域化
➜ 国際基準の設定
食品安全のシステム:GAP、HACCP
最終製品の検査 ➜ 工程管理
第三者認証
安全性向上に要する経費を、商品取引に反映
国際取引に適用できる認証規格体系の要件
食の安全性が求められる背景
国際取引による食品事故の影響の広域化
➜ 国際基準の設定
第二次世界大戦後、第三次世界大戦を引起さないための
国際的枠組みの一つとして、無差別(最恵国待遇、内国民
待遇)を原則とする自由貿易を基本とする「関税および貿易
に関する一般協定(GATT)」が締結された。しかし、・・・
七面鳥X病: 1960年にイギリスで七面鳥70万
羽が斃死 ➜ 原因物質はブラジルから輸入
された落花生粕に着生したカビが産生したア
フラトキシンによると判明。 アフラトキシンは、
ヒトの肝癌の原因となることが疫学的に証明。
乳に移行するので乳製品がとくに問題。
この他にも、様々なカビ毒、重金属、農薬に
よる農産物汚染が明らかになっていった。
B国
非関税障壁
(WTO訴訟)
A国は損害賠償する
A国
危
害 衛生水準が同等の国
因
子 同士では問題は生じ
に ないが、衛生水準が
つ
い
異なると・・・・
て
の
国
の
衛
生
基
準
C国
E国
D国
国
際
基
準
Codex委員会
FAO/WHO合同国際
食品規格委員会
1962年に設置
自由貿易の枠組み(WTO)と衛生基準の関係概念図
物流に伴う病気の世界的蔓延を防ぐため、自由貿易の例外規定とし
て「衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)」が結ばれた。
平成25 年度輸入食品監視統計
輸入量
国
件数
重量(t)
合計
2,185,480 30,982,370
米国
241,522 10,119,480
カナダ
28,256
4,221,095
中国
676,475
4,054,887
オーストラリア
54,157
2,060,502
タイ
144,870
1,541,592
ブラジル
28,690
1,300,335
フィリピン
35,633
1,172,819
韓国
130,562
806,911
メキシコ
26,207
592,821
フランス
206,054
433,497
ベトナム
51,997
368,523
ニュージーランド
27,295
355,982
イタリア
103,860
342,272
インドネシア
38,725
280,863
南アフリカ
5,837
221,748
台湾
28,218
198,765
違反
違反率(%)
件数
重量(t) 件数 重量(t)
1,043
71,059
0.05
0.23
196
65,174
0.08
0.64
14
779
0.05
0.02
244
1,608
0.04
0.04
9
37
0.02
0.00
74
613
0.05
0.04
23
41
0.08
0.00
13
25
0.04
0.00
36
41
0.03
0.01
10
79
0.04
0.01
31
5
0.02
0.00
69
371
0.13
0.10
3
38
0.01
0.01
52
18
0.05
0.01
23
35
0.06
0.01
6
79
0.10
0.04
19
59
0.07
0.03
おもちゃ
包装容器
穀類156 件(15.0%)
畜産加工品84 件(8.1%)
魚類加工品70件(6.7%)
種実類66 件(6.3%)
野菜加工品62 件(5.9%)
腐敗・変敗、有害物質、
病原微生物、不潔・異物
積み戻し、廃棄又は食用
外転用等の措置に要する
出費を防ぐには、「顧客の
要望」を満たすことが重要
と畜場法、食鳥
処理場法違反
農薬、動物薬の残留
食品衛生法の違反条項別割合
添加物
Codex委員会は国際的専門家と各国代表によって運営され、ヒトの健
康障害を引起さない最小限の基準を設定している = 安全性確保。
Codex基準を上回る国の基準を設定することは事実上困難であり、
日本の「食品衛生法」もCodex委員会に従っている。
しかし、民間取引においてCodex基準を上回る契約をすることは何
ら問題がない。「高い方が安全で高品質」との考え ➜需要に応える
国際的業務規格として推奨される食品衛生の一般的原則
食品の検査はX線検査とは異なり、検査後はもはや商品とならな
い破壊検査である。所定量の製品から一定量を抜き取って検査して
も(ロット検査)、それからもれた製品に危害がある可能性が残る。
Codex委員会は、より安全な食品を製造するために、最終製品の
検査だけでなく、生産工程管理(HACCP)を重視するよう1969年から
推奨を始めた。
PDCAサイクル(失敗は二度と繰り返すな)
Plan(計画) ➜ Do(実行) ➜ Check(検証)
➜ Act(改善)
1950年代に考案された業務を継続的に改善
するシステム
食品安全のシステム:HACCPの基礎
最終製品の検査 ➜ 工程管理
危害解析によって、安全
逸脱の原因を特定し、是正措置を
講じる。これらを厳格に行うことで、
性を損なっている工程を
安全でない自社製品による健
特定し、管理基準を定め
HACCP
康被害を防止できる。
る。モニタリング(警報
ただし、一般的衛生管理が
付き温度計)によって ハサップ、ハセップ
常時監視し、逸脱 Hazard Analysis and 不十分な状態では、必須
した製品を廃棄・
管理点が多くなり、厳
Critical Control Point
格な適用ができない。
回収する。
危害解析必須管理点
「食品衛生
法」などによ
る法的規制
食品衛生監
視員による立
ち入り検査
一般的衛生管理
施設・設備、給水(受
前提条件プログラム
水槽、塩素濃度)、排
(PP; Prerequisite programme) 水・廃棄物(環境負荷
食品関連事業を行う際、厚労
軽減、鼠族昆虫の侵
省による許可を必要とし、営業 入防止)、従事者(手
許可証が発行される。日本国
洗い、服装、教育)、
内はほぼ問題ないが・・・、
規格基準と検査
B国
危
害
因
子
に
つ
い
て
の
国
の
衛
生
基
準
➜需要に応える
A国
民間取引規格
F社
M社
国
際
基
準
E国
民間取引規格
R社
C国
D国
S社
➜需要に応える
民間取引においては、各国の法令に基づいて、それぞれの衛生
水準に応じた安全性規格を基に貿易を行うことは自由である。輸出
入許認可権を持つ行政がこれに関与するとWTO問題となるが・・・
HACCP手法を満たす7原則12手順
(出典:コーデックス委員会「国際的業務規格として推奨されている食
品衛生の一般的原則CAC/RCP 1-1969, Rev. 4-2003」)
1. 製品と工程における専門を持ったHACCP チームの結成
2. 製品の説明
準備段階
3. 意図する使用を特定
4. 流れ図の作成
5. 流れ図を作業工程(または計画した工程)に照らして確認
6. 危害解析を実施
7原則
7. 必須管理点(CCPs)の決定
準備段階の前に
8. 管理基準の設定
9. CCPの管理をモニターするシステムの確立 記録の習慣づけ
10.モニタリングでCCPが管理されていないことが示された時に採るべ
き是正措置の確立
11. HACCPシステムが効果的に機能していることを確認するための
検証手順の確立
12.全ての工程を網羅する文書化の確立およびその原則と適用に対
して適切な記録
もめん豆腐の流れ図
(出典:日本豆腐協会 平成12年3月 発行)
石などの異物を除去
「食品添加物」のシールを確認
「煮沸」は通常の製造工程であるが、殺
菌の役割を果たせる唯一の工程であり、
CCPとする。
細菌の多くは100℃で死滅するが、芽胞
性細菌は生き残る ➜ 低温管理
手作業の工程は、作業員による汚染が
生じ易いので、教育、作業管理が大切
「水さらし」の工程は、菌が
増殖しない温度管理が重
要であり、CCPとする。
劣化した器具の破片はそのまま口に入
れる豆腐において危害因子である。「金
属探知機」が有効であり、CCPとする。
HACCP手法を取り入れた「豆腐安全確保システム構築」マニュアル
では、「煮沸」と「検品」をCCPととし、それ以外は前提条件プログラム
で対処するとしていが。それには冷却の管理手順が必要。「食品産業
センター」には、様々な食品についての事例が紹介されている。
衛生標準作業手順
(SSOP;Sanitation Standard Operation Procedure)
生産管理手順に、法令に定められた
衛生基準を組み込む作業
一般的衛生管理プログラム
(PP;Prerequisite Program)
標準作業手順
(SOP;Standard Operation
Procedure)
法令に基づく適正規範(GMP、GAP)
永続的改善システム
衛生標準作業手順
SSOP
再吟味
検証
記録
衛生標準作業手順
SSOP
危害分析
再吟味
重要管理点
検証
記録
衛生標準作業手順
SSOP
標準作業手順
SOP
危害分析
一般的衛生管理
PP
重要管理点
HACCPは定まった衛生水準を規定
するものではなく、衛生水準を向上さ
せる永続的システムであり、そのシス
テムの可否を認証するものである。
HACCPと衛生水準
Objectives
of application
HACCP
システムを of the
HACCP system
適用する目的
Prevention
of foodborne illness
食品媒介性疾患の防止
Reduction of costs
食品検査に要する
of費用の削減
food analyses
More efficient
より効果的な
quality assurance
品質保証システム
system
Reduction of
製品回収による
losses due to
損失の削減
product recall
Protection
of reputation
企業の評判を守る
WHO 「HACCPシステムの必要性」 の 1枚
11. HACCPシステムが効果的に機能していることを確認するため
の検証手順の確立
検証は、モニタリングおよび是正措置の実行責任者以外の者に
よって行われなければならない。特定の検証が事業所内で実施でき
ない場合、外部の専門家や資格のある第三者による業務として実施
すべきである。
第三者
自己宣言
認証
ISO 22000:2005
この国際規格は、組織が以下のこ
とをできるための要件を特定している。
取引先が
取引先が
e) 組織が宣言した食品安全方針
確認可能
確認不可能
を遵守していることを保証する
f) 関連する関係者に対してその
HACCP
ような適合性を証明する、ならびに
ハセップ
g) 食品安全管理システムを外部
の組織による認証や登録を求めるか、
一般的衛生管理
または、この国際規格への適合性を
前提条件プログラム
(PP; Prerequisite programme)
自己査定して自己宣言する。
第三者認証システム
第三者認証による付加価値
生産者
この契約関係の理解を普及することが肝要
より高度の安全性確保
設備改善、衛生管理改善、
人材教育・訓練
保証
クレーム
消費者
安全性に対する対価
安全性向上には経費が
掛かることの理解
係争が発生した時、利害関係にない第三者が仲裁に入ることは
一般社会で普通に行われている。金融・経営問題に関しては、公的
団体、金融機関などに対して公認会計士が国民や株主の付託を受
けて、会計監査を行うことが法で義務化されている。食品の安全性
と品質に関する工程管理に関しても、この手法を導入することに
なった。
原理的には利害関係がなければ誰でもできるが、国際取引に関
係する以上、それなりの資格を持った監査員を擁する国際的に認め
られた第三者認証機関による認証でなければならない。
認証ブームの禍
第三者認証は新手の商売
農場から食卓までの生産者、加工業者、流通業者、消費者の全
てが安全性や品質に自信・信頼を失っている状況で、それらを回復
する事業として半ば善意、半ば金儲けで参入する者が現れた。
過保護な行政の介入
民間組織よりも公務員が行えば安価で認証を提供できると行政
が第三者認証に手を出した。日本でも、厚労省が「総合衛生管理製
造過程」制度を設けてHACCP認証をしたが、その認証乳製品工場
が2000年に1万5千人に及ぶ食中毒事故を引起した。書類審査だ
けによる杜撰な監査の結果であった。
流通業者はどの認証を信じたら良いのか?
乱立した認証システムの認証を受けた生産・加工業者が流通の
仕入れ担当と交渉することで、現場での混乱が生じた。 認証組織
を整理しない限り、第三者認証システムは機能しない!
認証取得生産者:GAP認証を取得した当農場の穀物を買ってください。
仕入担当者:品質のもっとしっかりした穀物を買い付ける予定だから、断る。
認証取得生産者:当農場は国のGAP認証ですよ。しっかりした認証ですよ。
仕入担当者:GLOBALGAP以外の認証は受け付けません。
認証取得生産者:GLOBALGAPは民間でしょう。国の認証の方が優れてま
国はSPS協定外の自由貿易を阻害する行為をしてはならない
すよ。
仕入担当者:いいえ。国が特定の一業者を優遇する措置はできないでしょう。
認証取得生産者:もちろん国が直接でなく、別組織が認証していますよ。
仕入担当者:その組織は第三者認証機関として登録されていますか?
認証取得生産者:そんな難しいことは分らん。
仕入担当者:認証を担当している方は、どういう方ですか?
認証取得生産者:農業省に長年勤務された方です。
仕入担当者:第三者認証監査員の資格を持っていますか?
認証取得生産者:そんな難しいことは分らん。・・・・・・ そしたら、GAP認証
の話は置いといて、一般商品として買ってもらえないだろうか?
仕入担当者:そういうことなら、検討してみましょう。
国際標準化機構(ISO)
工業分野の国際的な標準で
ある国際規格を策定するための
民間の非政府組織。本部はスイ
スのジュネーブ。
参加機関:日本工業標準調査会(JISC)、米国 アメリカ規格協会
(ANSI)、英国(BSI)、フランス(AFNOR)など、一部の国を除く。
JISC は、「工業標準化法」に基づいて経済産業省に設置されてい
る審議会で、工業標準化全般に関する調査・審議を行っている。
自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまう「もの」
や「事柄」について、経済・社会活動の利便性の確保、生産の効率化、
公正性を確保、技術進歩の促進、安全や健康の保持、環境の保全
等の観点から、国レベルの「規格」を制定し、全国的に統一すること。
「計量法」によって、商取引に用いる計器(長さや重さ等)は、JIS
マークの付いたもので、定期的な行政検査を受けなければならないと
定められている。
ISO
各国に一つの適合性認定協会を
設け、審査・認定基準を統一する
日本適合性認定協会
JAB
審査
・認定
認証機関
監査・
認証
国
際
的
相
互
認
証
協
定
組織・企業
製品
A国
適合性認定協会
審査
・認定
認証機関
監査・
認証
組織・企業
同等性
製品
ISO/IEC 17065:2012(旧Guide 65)
適合性評価−製品、プロセス及びサービスの認証を行う機関に対す
る要求事項 JIS Q 17065:2012
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4. 一般要求事項
4.1. 法的及び契約上の事項、4.2. 公平性の
マネジメント、4.3. 債務及び財務、4.4. 非差
別的条件、4.5 機密保持、4.6. 情報の公開
5. 組織運営機構に関する要求事項
5.1. 組織構造及びトップマネジメント、5.2.
公平性確保のメカニズム
6. 資源に関する要求事項
6.1. 認証機関の要員、6.2. 評価のための資
源
7.10. 認証に影響を与える変更、7.11. 認証
の終了,範囲の縮小,一時停止又は取消し、
7.12. 記録、7.13. 苦情及び異議申立て
8. マネジメントシステム要求事項
8.1. マネジメントシステムに関する選択肢、
8.2. マネジメントシステム文書、8.3. 文書管
理、8.4. 記録の管理、8.5. マネジメントレ
ビュー、8.6. 内部監査、8.7. 是正処置、8.8.
予防処置
附属書 A 製品認証機関及び認証活動
に関する原則
附属書 B プロセス及びサービスへの
適用
7. プロセス要求事項
7.1. 一般、7.2. 申請、7.3. 申請のレビュー
7.4. 評価、7.5. 評価結果のレビュー、7.6. 認
証の決定、7.7. 認証文書、7.8. 認証された
製品の登録簿、7.9. サーベイランス、
国際取引に使う認証を行う機
関が満たさなければならない要件
であり、ISO本部の承認が必要
適合性評価−製品、プロセス及びサービスの認証を行う機関に対す
る要求事項 JIS Q 17065:2012
6. 資源に関する要求事項
6.1. 認証機関の要員
6.1.1 一般
6.1.1.1 認証機関は、認証規格体系ならびに
該当する規格およびその他の規準文書に関
連する運用を行うために、十分な数の要員
を雇用するかまたは利用できなければなら
ない。
6.1.1.2 要員は、必要な専門的判断を行い、
方針を定め、これを実行することを含め、自
身が遂行する機能に関して力量をもたなけ
ればならない。
6.1.1.3 委員会メンバー、外部機関の人また
は認証機関を代行して活動する人は、法律
または認証規格体系で要求される場合を除
き、認証活動を実施する過程で得られたま
たは生じた全ての情報について機密を守ら
なければならない。
6.1.2 認証プロセスに関与する要員の力量
のマネジメント
6.1.2.1 認証機関は、認証プロセスに関与す
る要員の力量のマネジメントについての手順
を確立、実施、維持しなければならない。こ
の手順は、認証機関が次の事項を行うよう
規定しなければならない。
a) 規格体系要求事項を考慮して、認証プロ
セスの各機能についての、要員の力量の
基準を定める。
b) 教育・訓練の必要性を特定し、必要に応
じて、認証のプロセス、要求事項、方法、
活動およびその他の関連する認証規格
体系の要求事項についての教育・訓練プ
ログラムを提供する。
c) 自身が果たす責務及び責任に必要な力
量を要員がもつことを実証する。
d) 認証プロセスの機能に対して、要員を正
式に承認する。
e) 要員のパフォーマンスを監視する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界食品安全イニシアチブ(GFSI: Global Food Safety Initiative)
世界食品安全イニシアチブ(GFSI)は2000年4月に発足したが、そ
の推進役となったのは食料提供網国際委員会(CIES: International
Committee of Food Chains)であった。CIESは1931年でフランス食料供
給網協会(French Food Chain Association)総会で設置が決められ、
1953年に正式に発足した。欧州統合運動の背景の中で若手経営幹
部の連携が次第に強まり、2009年には別の2つの協会と合併して消
費財フォーラム(CGF)となり、GFSIを支えている。
消費財フォーラム(CGF)の使命
● 緑化を進め、より持続性のある明日を築く
我々の持続可能性の柱は、地球温暖化を軽減し、作業・環境
条件を改善するのを大幅に手助けする業界の活動を導く・・・。国
連気候変動会議などに出席して指導的提言を行っている。
● 全世界の消費者に安全な生産物を届ける
● 消費者の生活と健康な生き方を手伝う
● 価値網(Value Chain)全体の役に立つ
● 強固な基盤で我々の活動を支える
利害関係者
勧告
GFSI
理事会
助言
消費財フォーラ
ム委員会
報告
GFSI事務局・消費財フォーラム
ベンチマーク
委員会
認証システムの
吟味
認証システム保有
者との連絡
認定のための勧告
地方グループ
中国、日本、メキシ
コ、北アメリカ
世界的優先事項の
地方での実施
企業間の約束と注
意の確立
技術作業
グループ
指針文書
ベンチマーク文書の保管
監査役の適格性
知識、技能、資格の枠組み
世界市場計画
政府機関と地方団
体との関係構
小規模未発達事業
戦略プロジェクト
部門固有作業班、規制問題
世界食品安全イニシアチブ(GFSI)が発足した2000年には、世界的
に認定された既存の認証規格体系(scheme)は存在せず、食品業界
のそれぞれが独自に策定した無数の社内基準に対して、小売業およ
び製造業が工場を監査したので監査疲れが大きくなる一方、その結
果は一貫性を示さず、消費者および食品業界の信頼性は低かった。
GFSIの目的は、以下のことである。
► このガイダンス文書に記載されているように、効果的な食品安
全管理システムの間の同等性と収束性を推進することによって、食品
安全リスクを低減する。
► 冗長性を排除し、運用効率を改善することにより世界の食料シ
ステムにおける費用を管理する。
► 一貫性のある効果的な世界の食料システムを作るため、食品
の安全性における資格を開発し、能力を構築する。
► 協力、知識の交換および連携網構築のため、国際的利害関係
者の固有の交流の場(platform)を提供する。
ベンチマーク:同等性を判定するた
パート I:ベンチマークの手順
パートII:規格体系の管理のための要件 めに、食品安全規格体系および食
品安全が関連する規格体系がGFSI
パートIII:規格体系の範囲と重要な要素 ガイダンス文書と比較される手順
GFSIガイダンス文書を作成する際に使用された規範文書
► ISO/IEC Guide 65:1996 (製品認証システムを運用する機関の一般的要件)
► ISO/IEC 17021:2006 (適合性査定:管理システムの監査と認証を提供する機関
の要件)
► ISO/IEC 17000:2004 (適合性査定:用語と一般原則)
► ISO 9001:2008 (品質管理システム:要件)
► ISO/IEC 17011:2004 (適合性査定:適合性査定機関を認定している認定機関の
一般的要件)
► ISO 22000:2005 (食品安全管理システム:食料供給網におけるあらゆる組織の
要件)
► ISO /TS 22003:2007 (食品安全管理システム:食品安全管理システムの監査と
認証を提供している機関の要件)
► ISO 9000:2005 (品質管理システム:基本的事項と用語)
► Codex Alimentarius CAC/RCP1-1969, Rev. 4 -2003(Codex委員会:勧告した国際
的な慣行規範:食品衛生の一般原則)
► USA Guidelines, August 1997. (食品のための微生物学的基準に関する米国諮
問委員会:食品の危害解析と必須管理点の原則と適用の指針)
GFSIのベンチマークを受けることは、ガイダンス文書の
基となった国際機関が出したこれらの規範文書をクリア
することと同義である。
GFSIが認定した認証規格体系(SCHEME)
Global Aquaculture Alliance Seafood Processing Standard
Global Red Meat Standard
GLOBALG.A.P
IFS Food Standard
CanadaGAP
IFS PACsecure
SQF
PrimusGFS Standard
これでも多すぎる!
BRC
FSSC 22000
FSSC 22000: 2004年に設立されたオランダに本拠地を置く食品
安全認証法人(FFSC: Foundation for Food Safety Certification)が
Dutch HACCPとともに開発した認証規格体系であり、GFSIによる承
認を得ていた。しかし、2012年に公開された第5版において、ISO
22000の全ての要件を満たし、さらにISOが取り上げていない前提条
件プログラム(PRP: Prerequisite Program)を組み込んだことによ
り、ISO 22000を凌いだと宣言し、2011年に発行されたGFSI第6版の
ベンチマークを申請しないことを決定し、GFSIと袂を分かつ可能性を
示唆している。 PRPは法律で定められている衛生条件であり、先進
国では食品製造施設が認可される段階で法的審査を受けている。
民間においては、品質・安全性認証システムの構築が模索されてきたが、工業製品
を対象とする品質管理 ISO9000 シリーズを食品業界に準用していた現状を改善す
べく、オーストラリアで品質と安全性の両面を含む SQF(Safe Quality Food )の認証シ
ステムが1994年に開発された。それが米国に本拠を移し、日本を含む世界各地に
認証を行う組織を認定している。
4.サーベイランスおよび再認証
5.供給者および認証者の義務
パート A:SQF コードの実施・維持
1.SQF 認証の準備
認証審査(文書審査、現地審査、
2.認証プロセス
不適合、改善機械、審査報告書
3.初回認証決定
パート B:SQF コード
経営者は、最小限以下を含む方針声を作成
1.範囲、参考資料、定義
ししなければならない。
i. 安全な食品を供給する組織としての誓約
2. SQFシステム要素
ii. 顧客および規則の要件を遵守し、食品安
2.1 誓約
全・品質管理システムを継続的に改善する
2.2 文書管理と記録
ための方法
2.3 仕様書と製品開発
iii. 食品の安全性と品質に関する目標を定
2.4 食品安全の実現
め、吟味することの組織としての誓約
2.5 SQFシステムの検証
SQFは、加工食品業だ
2.6 製品の識別、追跡、撤去、回収
けでなく、第一次生産とくに
2.7 施設の防犯
畜産業に力を入れており、
2.8 IPM(総合的病害虫・雑草管理)食品
日本国内でも認証取得が
2.9 教育・訓練
多い。
3.食品安全の基礎:飼料生産のGAP
第16項の例としては、
食肉センターを本部として
4.食品安全の基礎:配合飼料生産のGAP
それに生産者が加わり、本
5.食品安全の基礎:家畜飼育のGAP
9.食品安全の基礎:畜産物の前処理のGAP 部が全てに責任を持つ組
織形体が考えられる。
・・・・・・・・・・・・・・・
16.本部が管理する複数のSQF施設計画の要件
GLOBALG.A.P
「Eurep」:欧州農産物小売業組合
(Euro-Retailer Produce working group)
1997年に 創設され、生産段階における品質・安全性認証システムとしては世界の
最先端とみなされている。
EurepGAPの包括的農業保証
(EurepGAP Integrated Farm Assurance)
総則
第2版(2005年5月)
1.EUREPGAPの委任事項(Terms of Reference)
食品の安全性に関する消費者の関心、動物福祉、環境保護ならびに
農業者の健康・安全・福祉を確保するために、以下のことを実行する。
1.1. 商業的に利用できる農業保証計画の採用を推進し、それに
よって欧州内および世界的に、農業化学資材と農業薬物の使用を
最小限にする。
1.2. 遡及調査(traceability)を含む既存の保証計画と基準にベン
チマーキングを行うために適正農業規範(GAP :Good Agricultural
Practice)を作成する。
種苗
果樹・野菜
GLOBALGAPで
適用される基準
の範囲
Version 4.02, 2013
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定
作
物
共
通
穀物
コーヒー(生豆)
茶
花卉と観葉植物
全
農
場
反芻獣
共
共通
家
通
畜
共
通
牛と羊
乳牛
仔牛と育成肉牛
豚
鶏
七面鳥
水産養殖
配合飼料製造
加
工
・
流
通
過
程
輸 の
送 管
理
必須要件(Major Musts): 100% compliance of all
applicable Major Must and QMS control points is compulsory.
準必須要件( Minor Musts): 95% compliance of all
applicable Minor Must control points is compulsory.
推奨事項(Recommendations): No minimum percentage
of compliance
全農場共通
管理点
適合基準
農場の
履歴
AF112
生産の各区画、またはその他の区
画・場所で行われる家畜生産、水産
養殖または農業活動について記録
する仕組みが確立されているか?
最新の記録は、全生産場所
でGLOBAL GAP生産履歴
を提供しなければならない。
適用除外なし。
必
須
記録の
保管
AF21
生産者は最新の記録を最低
2年間保管しなければならな
外部審査の際に要求される全ての
記録が閲覧可能で、2年以上の保管 い。新規申請者は、登録申
を要求している特定の管理点を除き、 請した全区域の農業生産活
最低2年間保管しているか?
動の記録文書を外部審査日
前3ヶ月分を保管する。
準
必
須
管理点
適合基準
衛生
AF324
農場の衛生手順が実施され
ているか?
衛生手順に指定された作業を行なう
者は検査を通して適格性を証明しな 必
ければならず、衛生手順が実施され 須
ている肉眼的証拠が必要である。
教育
訓練
AF331
教育訓練活動と出席者の記
録があるか?
テーマ、講師、期日および参加者を
含む訓練活動の記録を保管する。
出席の証拠が必要である。
苦情
AF71
Global GAP基準に関連する
問題を取り扱う苦情処理手順
があるか? その手順は、苦
情を適切に記録、検討、追跡
および是正措置を確実にして
いるか?
文書化された苦情処理手順は、
Global GAPに含まれる問題に関連
して受取った全ての苦情の記録・追 必
跡に容易に利用できるものである。 須
そのような苦情に関連して採った行
為は文書化しなければならない。
衛生
AF324
認証生産物と非認証生産物
を適切に出荷するための最
終チェック工程があるか?
認証生産物と非認証生産物が適切
に出荷されたことを示すために、そ
のチェックは文書化しなければなら
ない。
準
必
須
必
須
FAO 2007:アジアからの生産物と輸出のための実用的手引き
農産物輸出のための規則、規格および認証
適正農業慣行(GAP)とは、「農場の工程において環境、経済、
社会の持続可能性と取組み、その結果として安全で品質の高い食
品および非食料農産物をもたらす慣行」である。 GAPの目的は、食
料供給網における生産物の安全と品質を確保する;食料供給網の
統治を修正することによって新しい市場の利点を掌握する;天然資
源の利用、労働者の健康および労働条件の改善;発展途上国の農
家と輸出業者のため新しい市場機会を生み出すなど多様である。
ASEANGAP: ASEAN域内の各国GAPプログラムの調和を強化し、消費者の
ため果物と野菜の安全性および天然資源の持続可能性を高め、地域的および国
際的に果物と野菜の貿易を促進する。
マレーシア農場認証規格(SALM): 輸出の最前線では、シンガポールとの二国
間協定を通じて製品が優遇措置を受ける。ただし、規格は農業省によって管理、
監査および認証されており、透明性が欠如している。
タイGAP: 農務省によって監査と認証の両方が行われており、このシステムと認
証票は、国際的なベンチマークが行われていない。
ChinaGAP: 中国政府とGLOBALGAP によって共同で開発されている。正式
なベンチマークの手順が始まったが、途中で止まっている。
GFSIグローバル・マーケット・プログラム – 食品加工:概要説明プレゼンテーション
企業規模、 専門的技術の欠如、経営資源、事業の性格のいず
れかが原因になっている「小規模かつ、あるいは発展途上にある企
業」に対してHACCPを推進する段階的取組み。
GFSI グローバル・マーケット・プログラム - 第一次生産
第一次産業についても、「小規模 及び/又は発展途上ビジネス
(SLDBs)」が認証取得に向けてGAPを推進する段階的取組みの
支援をGFSIが取組んでいる。
グローバルマーケット: 目的
●
●
●
任意の食品安全要求の開発
食品安全要件 (基礎レベルと中級レベル)
施行と評価のための実施要綱とガイダンス
継続的改善プロセスの運用
●
●
●
ローカルでの市場アクセス促進
サプライチェーンに沿った相互受容の確立
供給者の指導
国際流通だけが高度安全を確保することができたとしても、それ
は世界人口のごく一部が住む都市部のことであって、大多数が生活
している農村部の改善にはつながらない。GFSIを支えている「消費
財フォーラム(CGF)」の姿勢として、アジア、アフリカ、中南米の問
題を解決しないと気候変動も止まらないという見解だろう。
ISO22000 認証を取得している鹿児島県内の食品業
JAB, 2014年9月22日現在
FSMS:食品安全管理システム
名称
1. セイカ食品(株)乳業本部、川内営業所
2. マルイ食品(株)調味料工場
3. マルイ食品(株)食品加工部高尾野工場
4. 協同組合 南州高山ミートセンター
5. (株) JA食肉かごしま南薩工場
6. (株)かしい
7. (株)イシイ雛事業部 鹿児島支店
8. (株)てまひま堂日置工場
9. (株)ナカシン冷食
10. (株)垂水温泉鶴田 本社・本社工場
11. 鹿児島くみあいチキンフーズ 食品加工工場
12. 鹿児島くみあい食品(株)蒲生工場
13. 鹿児島協同食品(株)惣菜製造課
登録範囲
認証機関
FSMS
JMAQA
FSMS BV サーティフィケーション
FSMS BV サーティフィケーション
FSMS
JICQA
FSMS
JIA-QA Center
FSMS BV サーティフィケーション
FSMS
JACO
FSMS
JICQA
FSMS
JACO
FSMS
JUSE-ISO Center
FSMS
JIA-QA Center
FSMS
JQA
FSMS
JIA-QA Center
認定組織は認証組織が認証した企業等を公表し、企業等はそれにより社会的
信頼を得る。認証取得状況:東京48件、愛知45件、大阪38件、北海道33件、静岡
31件、兵庫27件、埼玉26件、新潟19件、千葉19件、神奈川18件、福岡18件
SQF 認証を取得している鹿児島県内の食品業
SQFI, 2014年9月22日現在
名称
1. アクアブルー
2. コワダヤ
3. 日本 フードパッカー鹿児島
4. スターゼン阿久根・食肉処理場
5. スターゼン阿久根・第二食肉処理場
6. スターゼン阿久根・販売部門
7. サン食品
認証範囲
魚介類
豚の屠畜場、解体、カット
牛・豚の屠畜場、解体
牛・豚の屠畜場、解体
赤身肉・鶏肉の処理ソーセージ
牛・豚・鶏(冷蔵、冷凍9の卸売
豚の屠畜場、解体
日本全国で食肉関係を中心に253件が認証を受けている。
北海道50件、青森52件、秋田10件、福島5件、埼玉4件、千葉
11件、東京23件、神奈川8件、静岡8件、愛知11件、大阪4件、
兵庫5件、岡山8件、広島24件、福岡10件、長崎6件、熊本9件、
宮崎6件。北高南低の傾向があるか?
肉類88件、屠畜場97件、食肉加工23件、魚加工9件、乳製品4
件、卵7件、菓子4件、惣菜・小売7件、卸流通40件など
ISO
国際的相互認証協定
ISO/IEC 17065:2012(旧Guide 65)
GFSIに承認されたⅩ認定機関
GFSIに承認されたⅠ認定機関
~
Ⅰ認定機関地区本部
Ⅹ認定機関日本支部
Ⅰ認定機関日本支部
認定
認証機関A
認定
Ⅹ認定機関地区本部
認定
認証機関B
認定
認定
認証機関C
認定
認証機関D
生産者、製造業者、流通業者、サービス業者、利害関係者
ISO
各国に一つの適合性認定協会を
設け、審査・認定基準を統一する
日本適合性認定協会
JAB
審査
・認定
認証機関
監査・
認証
国
際
的
相
互
認
証
協
定
組織・企業
製品
A国
適合性認定協会
審査
・認定
認証機関
監査・
認証
組織・企業
同等性
製品