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リーンスタートアップを応用した
旅行計画の支援環境
湯浦研究室4年 70110005 雨宮源太
1.研究の背景
国内宿泊旅行人数の現状(下図参照)
国内宿泊旅行人数は2003年以降減少傾向が続いてい
る。
出典:国土交通省 観光庁
「観光産業の現状について」
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1.研究の背景
旅行業界の変化
近年のインターネットを利用した旅行会社の台頭
(じゃらん、楽天トラベルなど)
・細かい指定がやりづらい
・宿や旅行会社と直接のコミュニケーションが取りづらい
・与えられた情報が膨大で、ユーザに合った情報が得にくい
などの問題がある
利用者に合った観光情報
の価値を提供することが
重要である
出典
・倉田 陽平・有馬 貴之(2010)
対話的旅行計画作成支援システ
ムの実装と評価
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1.研究の背景
ビジネス企画手法
リーンスタートアップ
・リーンキャンバス(左下図)を用いたビジネス企画・立案
・フィードバックループ(右下図)による顧客主導型開発モデル
出典
・アッシュ・マウリャ(2012)
RUNNING LEAN
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2.研究の目的
目的
旅行計画にリーンスタートアップを応用
ユーザにとって
分かりやすく
詳しく
楽しく
旅行計画を立てられ
るサービスの提案
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3.先行研究の紹介
CT-Planner3
・対話的な旅行計画支援を目的としたツール
・ユーザの提案とシステムによる改善を繰り返すことで
よりユーザの好みに合う旅行を提供する
参照
・倉田 陽平(2012)
CT-Planer 3: Web 上での対話的
な旅行プラン作成支援
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4.新サービスコンセプト 図
原案の構
築・スケッチ
構築
原案の評
価・具体化・
提案
始動
ユーザ
(主に旅行企画者)
評価
学習
完成
旅行会社
または
旅行支援者
原案の評
価・提案
同行者
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4.新サービスコンセプト
学生旅行の実態調査









性別
年齢
目的地
旅行の目的
同行者
支援者(いたら)
調査手段
コスト内訳(大まかに)
上記の中で重視したこと上位3つ
についてアンケート調査
・旅行型の組分け
・旅行型に応じたキャンバス
の作成
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4.新サービスコンセプト
学生旅行の実態調査 補足
収集結果のリーンキャンバスへの書き換え
番号
リーンキャンバスの項目名
内容
①
課題
主目的
②
顧客セグメント
同行者
③
独自の価値
目的の中の最重要項目
特に重要な目的があったときの課
題
④
ソリューション
旅行計画を手助けしてくれた人
⑤
チャネル
調査手段
⑥
収益
利用しない
⑦
コスト
大まかなコスト内訳
⑧
主要指標
利用しない
⑨
優位性
利用しない
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4.新サービスコンセプト
調査結果・旅行型組分け
調査結果:重視した項目
 目的重視
 同行者重視
コストの項目を
選ぶ人が増加
の2パターン
最も重視した項目
名称
①
課題・独自の価値
目的重視型
②
顧客セグメント(=同行者)
雰囲気重視型
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4.新サービスコンセプト
旅行支援用キャンバス
目的重視型
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4.新サービスコンセプト
旅行支援用キャンバス
雰囲気重視型
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4.新サービスコンセプト
旅行支援用キャンバス ~実用化に向けて~
例.スマートフォン画面
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5.旅行計画手順の評価
利用実験
→目的に応じた旅行計画のシミュレーションの実施
そのうちの1件を例として示す
1. 始動
 旅行計画スタート
 “友人と2人で”、“北海道に”、“雪まつりを見に行く”という仮定のもと、計画を始める
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5.旅行計画手順の評価
2. 構築―1
“始動”時で決定した項目
 キャンバス作成
主目的
さっぽろ雪まつりの見学
人為的課題
ソリューション
メンバーのどちら
かが風邪引いたと
き困る
・風邪予防の徹
底
独自の価値
・雪まつり
・かに食べる
社会的課題
メンバー
・じゃらん
・経験談
友人A
調査手段
・寒い
耐える。着込む
・悪天候になったら 祈る。多少の悪
困る
天候なら行く
コスト
支援媒体
インターネット
メモ欄
7万以内には抑えたい
行程表
“構築-1”で決定した項目
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5.旅行計画手順の評価
3. 評価―1
 旅行支援者による提案
・往復で航空券を購入することで安く済む場合がある
・学生2人で安く泊まることができる宿泊施設をいくつか挙げる
・スケジュールの提案
4. 学習―1
 提案を受けて計画の見直し
→スケジュール・交通手段・宿泊施設の決定
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5.旅行計画手順の評価
5. 構築―2
 学習フェーズで見直された結果に基づきキャンバスの作成
主目的
さっぽろ雪まつりの見学
人為的課題
ソリューション
メンバーのどち
らかが風邪引い
たとき困る
・風邪予防の徹
底
独自の価値
・雪まつり
・かに食べる
社会的課題
・寒い
・悪天候になっ
たら困る
飛行機代:20300円
宿泊代:8800円
メンバー
・じゃらん
・経験談
友人A
調査手段
耐える。着込む
祈る。多少の悪
天候なら行く
コスト
支援媒体
インターネット
メモ欄
飲食代:20000円
雑費:15000円
“構築-2”で
決定した項目
行程表
2/4・・・8:40 羽田発―10:15新千歳着 11:00札幌着 12:00~16:00雪まつり
2/5・・・ 21:00 新千歳発―22:40羽田着
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5.旅行計画手順の評価
6. 評価―2
 旅行支援者による提案
・料理店の提案
・現地の情報提供
・スケジュールの確認
7. 学習―2
 提案を受けて計画の見直し
→旅行の方向性について一致
→スケジュールの確定
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5.旅行計画手順の評価
8. 構築―3
 計画の完成-完成版キャンバス
主目的
さっぽろ雪まつりの見学
人為的課題
ソリューション
メンバーのどち
らかが風邪引い
たとき困る
・風邪予防の徹
底
社会的課題
・寒い
・悪天候になっ
たら困る
耐える。着込む
祈る。多少の悪
天候なら行く
独自の価値
・雪まつり
・かに食べる
青字:“構築-3”で
決定した項目
コスト
飛行機代:20300円
宿泊代:8800円
支援媒体
メンバー
・じゃらん
・経験談
友人A
調査手段
インターネット
メモ欄
飲食代:20000円
雑費:15000円
札幌から新千歳まで電車で40分くらい
行程表
2/4・・・8:40 羽田発―10:15新千歳着 11:30札幌着 12:30~16:00雪まつり 18:00○○屋にて夕食 以後自由
2/5・・・ 9:00 市内散策 21:00 新千歳発―22:40羽田着
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5.旅行計画手順の評価
実用化に向けての考察-1
インタビュー調査より(総数:14)
“充実している”
と回答した被験者が多い
・効率の良さを感じた被験者が
多い
・しかし、感じない人も少数
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5.旅行計画手順の評価
実用化に向けての考察-1
インタビュー調査より(総数:14)
使いたいと感じた人
はいたが、“非常に感
じた”と回答した被験
者は少ない
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5.旅行計画手順の評価
本開発におけるリーンキャンバス
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5.旅行計画手順の評価
実用化に向けての考察-2
リーンキャンバスの評価より
リーンキャンバスで述べられていない項目の検討
1. チャネル
⇒顧客にどのように広めていくか
2. コスト
⇒開発費・運営費などの算出
3. 収益
⇒どこから収益を確保するかについての検討
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6.結論・今後の課題
結論
 フィードバックループのサイクルを回しながらの旅行計画
・効率的だと感じる人が多かった
 キャンバスの作成
・充実しているという声が多かった
・実用化に向け、課題も多い
今後の課題
 環境の整備
・他のビジネス企画手法の応用
・手順や成果物の見直し
 システム化
・システム化・アプリケーション化
・リーンキャンバスで埋められなかった項目の検討
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以上です。
ご清聴ありがとうございました。
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