最終プレゼンテーション 「合併率と都道府県格差の 関係について」 2006年1月24日(火) 2002359 秦 数正 回帰分析のねらい 平成の大合併では、市町村の合併は全国一律的に 行われてきたわけではなく、合併の進捗度合いに は、地域でバラツキがみられる。 ↓ 市町村の合併には、合併をするのにあたり、何か決 め手となる要因があるのだろうか。 そこで ↓ 合併に最も影響を及ぼす要因を統計的分析に基づ いて探ってみる 回帰分析までの準備 推定式:合併率=α+β1(人口密度)+β2(高 齢化比率)+・・・+βn(・・・) 被説明変数: 合併率(%) 説明変数:人口密度、高齢化比率、完全失業 率、公債費負担比率、財政力指数、歳入額、 成長力指数(消費指数)、経常収支比率、第 3次産業比率 など総数29要因 分析方法 変数増加法とは 既存の重回帰式に、新たな変数を追加しては、評 価していく方法 ①1要因で回帰分析を行う →効く要因と効かない要因を区別し、この段階で効 かない要因を捨てる。 ②効く要因にもう一つ効く要因を加えて、分析する →2つともT値が高い回帰式を残す。 ③2つともT値が高い回帰式に、もう一つ効く要因を加 えていく・・・ 分析結果(1) 係数の符号が正ならば、 その要因は合併率に対し てプラスの影響を与えて いると判断。 係数の符号が負ならば、 その要因は合併率に対し てマイナスの影響を与え ていると判断。 分析結果(2) 要因1 要因2 決定係数 モデル1-1 人口密度 -0.403 (-3.53) 高齢化比率 0.238 (2.13) 0.443 モデル1-2 人口密度 -0.502 (-3.99) 完全失業率 -0.267 (-2.12) 0.443 モデル2-1 完全失業率 -0.390 (-3.29) 財政力指数 -0.430 (-3.63) 0.416 分析結果(3) 要因1 モデル1-1-1 モデル1-1-2 要因2 要因3 要因数を3つにすると、すべてのモデルで3 要因共にT値が有意に達することがなかっ 人口密度 完全失業率 た。高齢化比率 ↓ 0.202 -0.429 -0.189 落とした方が良い変数が現われている。 (-3.18) (1.40) (-1.39) ↓ 人口密度 高齢化比率 経常収支比率 2要因の分析結果の中に、最適なモデルが -0.409あると判断できる。 0.274 -0.114 (-2.67) (2.05) (-0.82) 完全失業率 -0.224 (-1.75) 成長力指数(消費) モデル1-2-1 人口密度 -0.436 (-3.27) 財政力指数 -0.363 (-2.80) 成長力指数(消費) モデル2-1-1 完全失業率 -0.338 (-2.70) -0.180 (-1.38) -0.170 (-1.23) 分析結果(2)~再び~ 要因1 要因2 決定係数 モデル1-1 人口密度 -0.403 (-3.53) 高齢化比率 0.238 (2.13) 0.443 モデル1-2 人口密度 完全失業率 -0.502 -0.267 0.443 モデル1-1が、統計的にも (-3.99) (-2.12) 経済的見解においても、最 モデル2-1 完全失業率 財政力指数 も最適なモデルであると判 -0.390 -0.430 0.416 断することができる。 (-3.29) (-3.63) 分析結果のまとめ 推計式:合併率=8.356 -0.470(人口密度) +0.283(高齢化比率) 市町村の合併に最も大きな影響を与えている 要因は、「人口密度」である。 市町村の合併では、合併に対して、プラスの効 果よりマイナスの効果の方が、強く働いている。 人口密度の効果(1) 市町村が合併をしない理由 ①合併意志があるのだが、それを阻む要因 がある。 ②最初から合併する気がない(合併する必 要がない)。 ↓ 人口密度は、①と②のどちらの方向に効果が 働いているのだろうか。 いくつかの県を例にして 広島県の場合(合併率:73.3%) →合併によって、人口密度の減少率は小さいが、大 幅な人口増加は期待できない。 愛媛県の場合(合併率:71.4%) →合併によって、人口密度の減少率は大きい反面、 人口の増加が期待できる。 埼玉県の場合(合併率:22.8%) →合併によって、人口密度の減少率は小さく、また 人口の増加も期待できる。 人口密度の効果(2) 人口要因から合併をみると、合併率の低い 埼玉県の方が、高合併率の広島県や愛媛県 つまり、人口密度は② より、合併環境が良い。 の方向に効果が働いて ↓ いるということになる。 にもかかわらず、埼玉県では合併が進んでい ない。 ↓ 埼玉県では、他の地域と比べて合併をする必 要がない、と判断することができる。
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