FITS画像を全天に JAXA/ISAS 宇宙科学情報解析センター (PLAINセンター) 海老沢 研 FITS WCSについて • FITS=Flexible Image Transport System – 天文学の研究に使われている標準データフォー マット – 国際天文学連合(IAU)がフォーマット管理 – http://fits.gsfc.nasa.gov – http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~kanamitu/fits/index.html – 各ピクセルの強度と天球上での場所が保管されている – イメージ以外にも使われている(X線イベントなど) • WCS=World Coordinate System – 天球上の位置とピクセル座標を結びつける規約 – 二つの教科書的な論文にまとめられている • Greisen & Calabretta, 2002, Astron.&Astrophys., 395, 1061 • Greisen & Calabretta, 2002, Astron.&Astrophys., 395, 1077 FITSフォーマットと「色」 • 現時点で、FITSフォーマットでイメージの 「色」を表現する標準的な規約は存在しない • 3つの異なる波長(エネルギー)のイメージが あれば、カラーイメージを合成できる • Red、Green,Blueのイメージ、各ピクセルに0-255の 強度値を割り当てる • 256x256x256=1677万色が表現できる FITS WCSキーワードの例 CTYPE1 CRVAL1 CRPIX1 CDELT1 = ‘GLON-TAN’ = 2.8500000000000E+01 = 5.5337500000000E+02 = -5.4666666666668E-04 CUNIT1 = ‘deg ‘ :座標系、射影法、銀経をtangential射影 :基準点の銀経の値 :基準点のピクセルのX座標 :X方向のピクセルの増加量 :負であることに注意 :ピクセル増加量の単位 CTYPE2 CRVAL2 CRPIX2 CDELT2 CUNIT2 = ‘GLAT-TAN‘ = -8.2999996840954E-02 = 5.5887500000000E+02 = 5.4666666666668E-04 = ‘deg ‘ :座標系、射影法、銀緯をtangential射影 :基準点の銀緯の値 :基準点のピクセルのY座標 :Y方向のピクセルの増加量 :ピクセル増加量の単位 • これらのキーワードを使って、天球座標⇔ピクセル座標の変換を する • そのための関数群が用意されている 天文アーカイブデータの例 • ROSAT 全天サベイ(RASS)アーカイブス – http://www.xray.mpe.mpg.de/cgi-bin/rosat/rosat-survey – http://www.xray.mpe.mpg.de/rosat/survey/rass-3/main/help.html – ドイツのX線天文衛星 – 全天を1378枚の6.4deg x 6.4degのイメージでカ バー – 3つのエネルギーバンドRGBカラーイメージが描 ける 赤緯 赤径 ROSAT全天画像のカラーイメージ (Plate-carree射影法) • ROSAT全天サベイデータの一部 (銀河中心付近)を自分のソフトに 読み込み • WCSキーワードがあるから、汎用ソ フトが使える 天文アーカイブデータの例 • すざく アーカイブスとJUDO – http://darts.isas.jaxa.jp/astro/judo – すざくの公開データのカラーイメージを全天に貼 り付け – ユーザーはマウスで移動、拡大してデータをブラ ウズできる – デモムービー(DARTS of the month 2007/08) 色々な射影法 • 天球を二次元に射影する様々な方法がある • WCSはそれらに対応。射影法を変換する 様々なソフトが用意されている – wcslib:http://www.atnf.csiro.au/people/mcalabre/WCS/index.html プラネタリウムに 用いられる? TSC CAR PCO BON AIT FITS全天画像をプラネタリウムに • たくさんのFITSWCS全天画像 プラネタリウムで表示しやすい形式に • ROSAT(X線)、DSS(光)、2mass(地上赤外 線)、あかり(スペース赤外線)、など • FITSアーカイブデータは無限にある – 手法を確立しておけばどんなデータにも使える • 波長を瞬時に切り替えて見たら面白い • 将来はドームの内面がディスプレイになる? あかり全天画像 2007年7月11日プレスリリースより あかりによるオリオン領域観測 2007年7月11日プレスリリースより
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