CLIOにおける渦電流熱雑音

CLIOにおける渦電流熱雑音
研究交流会
2008.7.4
川村静児
CLIOでノイズハンティング
• CLIOの感度を上げることがLCGT採択に
とってきわめて重要
• 大橋さんに、ノイズハンティングで協力したい
旨告げる(半年?ほど前)
• 6月5、6日に実現
• 内山君、三代木君、我妻君の体制で、私が
やりたいことを、『かゆいところに手が届くか
のごとく』、てきぱきとやってくれた。
謎の雑音
• 以前から100Hz付近にf-2.5程度の傾きを持っ
た謎の雑音があった
• 雑音は、スムース(構造がない)で、定常的
(ゆらゆらしない)であった
• 私の推測:「鏡まわりの電気雑音か熱雑音で
あろう」
コイルドライバーの雑音
• まず、コイルドライバーの雑音を疑った
• 単体で雑音を測定し、あらかじめ分かっていたマグ
ネットコイルの効率を使って評価
⇒干渉計の雑音より一桁小さかった
• その際、マグネットコイルの効率を落とすためコイル
(7)にパラに抵抗(0.5 )が入っていることに気づ
く
⇒この短絡ループに流れる電流熱雑音の影響を評
価
⇒コイルドライバーの雑音より小さかった(しかしこ
れが後の発見の伏線となる)
鏡まわりでどんな熱雑音が可能か?
• 上のマスのEddy Current Dampingの影響
か?
⇒しかし1つ上のマスならともかく2つ上のマ
スということ
⇒雑音はもっとスティープになるであろう
⇒違うな!
他に熱雑音はないか?
さっきのコイルループの熱雑音?
• 「内山君、マグネットの周りに何か金属はない
の?」
• 内山君がコイルを保持するアルミフレームの
予備を持ってきた。
⇒これだ!
渦電流熱雑音
• 渦電流によるロスによる鏡の熱雑音
=渦電流熱雑音による鏡の揺らぎ
– 鏡とアルミ枠がエネルギーの交換をして平衡状
態にあるから
• 後者の評価の方が簡単
– 電流ー変位の効率が分かっているから
評価・・・微妙
• アルミループの有効断面積をマグネットの大きさ程
度とする
• アルミの電気伝導率より、ループの抵抗を出す
• その抵抗に対応する電圧熱雑音、そして電流熱雑
音を計算
• 電流ー変位の効率を使って鏡の変位雑音
(@100Hz)を計算
• 干渉計の雑音の5分の1
• 1日目終了
ところが・・・
• 朝の車の中で突然計算の間違いに気づく
• 0.5のパスを考慮し忘れていた
• それを考慮するとノイズ評価が干渉計雑音の
1.5倍
奇跡の2日目
• 皆で相談した結果、タンクをあけてアルミフレームを取り去る
ことに決定
• 急遽ありあわせのものでコイルのサポート機構を工作する
• 内山君、三代木君でものすごいスピードでコイル交換(心臓
に悪い!)
• 何とか無事に取替え終了
• 真空引き(この間RF強度雑音やレーザー強度雑音の評価を
する)
• そして最後の1時間でアラインメントをとり雑音測定
• 雑音が下がった!(実はこのときは調整が不十分で雑音の
下げ幅はわずかであった)
感度(次の週内山君が各種パラメタ
調整後にとったもの)
感想・謝辞
• 昔の40mのノイズハンティングの日々を思い
出してめちゃくちゃ楽しかった
• 内山君、三代木君、我妻君ありがとうござい
ました!