認知工学 設計のための認知科学

認知工学
設計のための認知科学
企画者:三宅芳雄(中京大学)
話題提供者:
三宅なほみ(中京大学)
橋田浩一(産業技術総合研究所)
片桐恭弘(ATRメディア情報科学研究所)
筧一彦(中京大学)
ワークショップの問題意識と狙い
「認知過程の解明」がさまざまな現実の課題で求
められている。
学習支援、ユーザビリティの問題、、、
分かり易さ、学び易さを促進する
認知過程の設計問題
→ 認知工学 Norman, D. A. (1984)
認知科学の成果をもっとうまく利用するためには
→設計問題のための
認知科学の知識の体系化…
認知科学の中の「工学的」伝統
認知工学的な関心:
認知科学の一つの出発点、立脚点でもあった
現実の問題から出発:認知過程を解明
旧来の理論や方法に捉われない
心の科学を方法論から再構築
認知過程についての「見方」
さまざまな状況、文脈の中で認知は成立する。
問題解決過程の一環として成立する
インターラクティブな過程
適応的過程、習熟による変化
知識のレベルの解明の有効性
意識できる認知過程は氷山の一角
多重過程
認知過程は自明ではない。
調べれば分かることも少なくない。
さまざまな調べ方がある。
経験的な方法
データの収集
言語報告のデータとしての有用性。
(認知過程そのものではない。)
理論的解明
認知過程のモデルを構成
ユーザビリティの問題例
表示設計の問題
適切なアイコンの選択問題
問題例
切符の予約システムなどで、禁煙席を表すアイ
コンを何にするか?
禁煙マークでよいか?もっとよい選択肢
は?
選択間違いを起こす可能性は?
禁煙マーク
認知過程は自明ではない。
さまざまな状況の中で、認知過程は成立する。
認知過程の多様性
認知過程についての自分の直観、
あてにならないことが多い。
実際に調べてみればよい。
調査、実験(経験的方法)
調べれば、認知過程について分かること多い。
どれぐらいの人がどんな状況で間違うか。
理論的解明
選択過程の解明
インターラクティブな過程
習熟による認知過程の変化
初めて使う時の認知過程
いつもの手順になった時の認知過程
平行課題:選択誤りが生じやすくなる
禁煙マークからの推論、連想
煙草+否定 :推論
→ 禁煙車
:知識(学習) → 禁煙車
:直接的連想 → 喫煙車
使い易さの認知科学から
認知科学の使い易さへ
現実の問題解決に認知科学は使えるはず。
使い易い認知科学を実現するために、
なすべきことは何か?
文献
Norman,D.A. (1986). Cognitive engineering.
In D.A. Norman & S.W. Draper (Eds.),
User centered systems design: (pp31 - 61).
Hillsdale, NJ: LEA