水産品と健康 株式会社ニチレイ 水産カンパニー 木村 譲 魚介類を多く摂取している日本人 日本人は魚介類を 特に多く摂取 200海里水域 社団法人大日本水産会HPより 減少する遠洋漁業と増加する水産物輸入 単位:万トン 遠洋漁業生産量 400 300 200 輸入水産物 100 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 年 農林水産省漁業養殖業生産統計年報より 魚離れの現状 魚の購入減少 単位:万円 14 12 10 8 6 4 2 0 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 年 総務省統計局 家計調査より 全国1世帯当り魚介類購入支出金額 嫌われる魚の骨 魚料理で一番嫌いな点 57.1% 骨がある 臭いが嫌い 味が嫌い(油っこい、こってり) 味が嫌い(その他) 見た目 食べにくい 味が嫌い(パサパサしている) 時間がかかる 満腹にならない その他 特にない 7.1% 5.8% 5.1% 3.8% 2.6% 1.3% 1.3% 0.6% 5.1% 10.3% 0.0% 10.0% 圧倒的な理由とし て魚に骨があるから 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 平成13年 首都圏在住の小学4年生から中学3年生の子供が対象 (出典:大日本水産会) 「骨なし」と「骨あり」 骨を気にしない 骨なし 骨あり 300億円市場 難易度の高い商品 魚を丸ごと食べるメリット 1、鮮度と美味しさを維持 2、 環 境 に 優 し い 3、 安 全 ・ 安 心 6、骨の栄養の健康寄与 4、 資 源 の 有 効 活 用 5、 魚 食 消 費 拡 大 6、骨の栄養の健康寄与 骨について 研究開発部 田井 尚伯 はじめに 骨とは・・・ 人間の場合は206本あり、 総重量は約8kg 基本構造はコラーゲン 繊維にカルシウム、マグネシウム、 リン、ナトリウム等が付着したもの 骨の働きとその価値 骨の役割 ①身体を支え、脳や内臓を保護する ②カルシウムを貯蔵する ③赤血球や白血球を製造する 人間の骨の構造と組成 骨膜 骨髄 皮質骨 海綿骨 人間の骨の断面構造(3層構造) 人間の骨の構造と組成 リン酸Ca,ヒドロキシアパタイト Ca Ca Ca この成分の 働きに着目 Ca Ca Ca Ca Ca その他 30% 基質タンパク(コラーゲン) 骨膜 骨髄 皮質骨 海綿骨 人間の骨の断面構造(3層構造) 炭酸塩 3.5% 窒素 5% リン 12% カルシウム 25% コラーゲン 23.5% 人間の骨の組成 カルシウムの体内循環の模式図 カルシウム量の低下 カルシウム所要量 600mg/日 いらいら、不整脈,動脈硬化 手足のしびれ、腎結石症 な 飲 食 物 等 ど 血液中 および 吸収 細胞内 200mg 溶出 腎臓 400mg 体外へ ミネラル(石灰)化 カルシウム量の低下 体外へ 骨粗鬆症、骨折しやすくなる 歯質低下、骨軟化症 など 骨粗鬆症のメカニズムおよび年齢別の発症率 骨髄 皮質骨 海綿骨 石灰化する量 溶出する量 骨粗鬆症の骨 正常な骨 溶出量>石灰化量 溶出量=石灰化量 骨粗鬆症のメカニズム 骨粗鬆症のメカニズムおよび年齢別の発症率 100 男性 (浜松医科大 井上哲郎ら) 女性 75 発 症 率 ( % ) 50 50% 25 0 40-45 45-50 50-55 55-60 60-65 65-70 70-75 75-80 80以上 年齢別骨粗鬆症発症率 年齢(歳) 骨粗鬆症になる原因 ホルモン因子 栄養因子 閉経 Ca、リン摂取 加齢因子 Ca吸収力低下 骨量減少 遺伝因子 家系、民族、人種 骨 粗 鬆 症 運動因子 活動性、不動 生活習慣 日照、嗜好品 居住環境 骨粗鬆症に関与する危険因子 カルシウムを摂取するためには・・・ カルシウムを含む天然物 卵殻 魚骨 貝殻 獣骨 ・・・ カルシウムを多く含む食品 ごま 乳製品 小えび類 小魚類 大豆製品 青菜類 ・・・・・・ 『Caの貯蔵庫』である骨や殻ごと食す事ができるため カルシウムと同時に摂取したい栄養成分 ビタミンD(コレカルシフェロール) 【役割】カルシウムの吸収効率をアップさせる ・体内で紫外線とコレステロールから 合成可能 ・水産物に多く含まれる カルシウムと同時に摂取したい栄養成分 マグネシウム(Mg) 【役割】カルシウムとセットになって体の機能を調節 ・カルシウム:マグネシウム=2:1で 摂取するのが理想的 Mg ・ナッツ類や水産物に多く含まれる 魚を骨ごと食べることの効用 魚は 良質な脂質、ビタミン、タンパクなどを含有 魚(硬骨魚類)は脊椎動物 『Caの貯蔵庫』である骨を持っている これらの栄養素を一度に摂取できるということ 魚を骨ごと食べることの効用 しかし、魚の骨は 硬くて尖っている! 食品というよりは危険物扱い これを食品として 利用できないのか?? 魚を骨ごと食べるためには・・・ ①酸処理法(マリネーゼ) Caを酸によって溶解させ 魚骨を軟らかくする方法 基質タンパク (コラーゲン) Ca Ca結晶 Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca 小あじ南蛮漬け Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca 骨の模式図(拡大図) 魚を骨ごと食べるためには・・・ 独自技術 ② 加圧加熱処理法 + 独自技術 = 身の食感や風味も ニチレイ骨まで丸ごとシリーズ 活かした方法 ニチレイ骨まで丸ごとシリーズ Ca Ca結晶 Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca サバの煮付け Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca 基質タンパク (コラーゲン) Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca Ca 骨の模式図(拡大図) 魚を骨ごと食べたときのCa摂取量 Ca含有量(mg/100g) 1000 1000 Caの所要量 骨なしの場合 600mg/1日 808 606 500 骨付きの場合 176 26 0 サバ 56 40 コガネガレイ 浅羽ガレイ (ニチレイ調べ) 可食部100gあたりのカルシウム含有量 まとめ 骨を強くするためには カルシウム、マグネシウム、ビタミン類を バランスよく摂取する 骨ごと魚を食べることができると・・・ 豊富なタンパク に加えて 豊富なEPA、DHA 豊富なビタミンD 豊富なCa源である魚骨 が食事で摂取できる 骨まで丸ごとシリーズ 株式会社ニチレイ 水産カンパニー
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