ジャーナリズム論

ジャーナリズム論
第7回 事実と真実
担当:野原仁
ニュースとは…
人びとが知らない実際に起きたでき
ごとをもとに、社会の多くの人に役
立つと送り手が考えて作った情報
実際に起きたできごと=ホントの
こと=事実?
具体的に考えてみよう①
名前=ある特定のモノ・考え・気持
ち・状態などを、みんなでおおまか
に「こういうふうに呼ぼう」と約束
したもの
「これはメガネです」=事実、「こ
れはバナナです」=まちがい、なの
は約束事だから
具体的に考えてみよう②
あなたは幽霊を見たことがあります
か?
あなたはUFOを見たことがありま
すか?
死んだ赤ん坊にいつまでもお乳をや
る母親
その人にとっては「事実」
具体的に考えてみよう③
いままで誰かを好きになったことが
ある人
自分のことをイケメンだと思う人
個人の気持ちや考え(=内面)に関
することは、ほかの人からは確認で
きなかったり、干渉できない絶対的
な事実である
事実とはなにか?
絶対的事実①:人間の内面に関すること
絶対的事実②:人間が認識したかどうかに
関わらず、起こったこと
個人的事実:あるひとりの人間にとって実
際に起きたこと
社会的事実:2人以上の人間がお互
いに「実際に起きた」と認めたこと
や、「○○は××とする」と決めたこと
ふだん意味する事実は、社会的事実
人間の視覚のあやふやさ
人間の視覚ってけっこういい加減だぞ
以下の絵や写真を例に確かめてみよう
なお、以下の絵や写真は「NTTコミュ
ニケーション科学基礎研究所」のHP
「Illusion Forum」
(http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/menu-j.html)か
ら引用
なんに見える?
なにが見える?
写真や映像は万能か?
写真・映像など機械によって撮影
(あるいは録音)したことは「事
実」か?
断片的な事実を正確に伝えることは
できる
伝え手の意図によって、まったく異
なった印象を相手に与えやすい
試してみよう!
ビデオカメラで実際に
試してみよう!
ケンカのシーンをどの
ように撮るのか?
事実と真実のちがい
事実(fact):本当にあったこと。本
当のこと
真実=本質(truth):ものご
との本当のすがた
事実と真実の関係
断片的な事実をつみかさねたり、組
み合わせていくと、真実がわかるこ
とがある
断片的な事実だけを集めても真実は
わからない
事実がなくても直観だけで真実がわ
かることもある
具体的に考えよう!①
真実=「人間は必ず死ぬ」
これまでの無数の人間についての
それぞれの事実(=死んだ)の積
みかさねによって、真実がわかっ
た
具体的に考えよう!②
ことわざ「木を見て森を見ず」
ある他人に関する断片的な事実をい
くら集めたところで、その人の本質
はわからない(本人にもね)
逆に、一目見ただけである人の本質
がわかることもある
事実を伝えることの難しさ
事実は無数にある!でも、伝えられ
ることは限られている→伝えること
と、伝えないことをどうやって選択
するのか?
どのように表現するのか?
伝える相手にきちんと伝わるのか?
真実=本質を見抜くために
社会的な真実を見抜くためには、
さまざまな経験と知識が必要であ
る
いまの日本は「金持ちにきびしく、
貧乏人にやさしい社会」→真実?
よく遊び、よく学べ!