PowerPoint プレゼンテーション

情報法 第7講
知的財産とネットワーク(1)
著作権保護とP2Pネットワーク、
オープンソース
(1)知的財産のあらまし
新規アイディア、技術の保護
特許権、実用新案権
意匠権
その他(育成者権、半導体回路配置利用権)
営業標識の保護
商標権
周知表示、著名表示の保護
表現の保護
著作権、コピーガード、デッドコピー対策
秘密保護
営業秘密保護
著作物とは?
思想または感情の創作的表現
古文単語語呂合わせ事件
• 東京地判平成11年1月29日判時1680号119頁
• http://www.netlaw.co.jp/hanrei/goro_chi_1.html
ゲートボール規則書事件
• 東京地八王子支判昭和59年2月10日無体16巻1号78頁
三島由紀夫の手紙事件
• 東京高判平成12年5月23日判時1725号165頁
• 東京地判平成11年10月18日判時1697号114頁
古文単語語呂合わせの著作物性
原告書籍一
朝めざましに驚くばかり
被告書籍一
朝目覚ましに驚き呆れる
原告語呂合わせ1は、古語「あさまし」及び古語「めざまし」の二語について、その共通
する現代語訳「驚くばかりだ」を一体的に連想させて、容易に記憶ができるようにする
目的で、二つの古語のいずれにも発音が類似し、かつ、現代語訳と意味のつながる「朝
目覚まし」という語句を選択して、これに「驚くばかりだ」を続けて、短い文章にした
ものである。
右語呂合わせは、極めて短い文であるが、二つの古語を同時に連想させる語句を選択する
という工夫が凝らされている点において、原告の個性的な表現がされているので、著作物
性を肯定することができる。
そこで、被告語呂合わせ1と原告語呂合わせ1を対比すると、前者は、後者の「驚くばか
りだ」を「驚き呆れる」に改めている点が若干相違するが、その他はすべて同じであるか
ら、後者と実質的に同一のものと認められる。
著作物に関する権利の種類
著作権侵害の成否 1
写真は著作物か?
ウェブページに掲載することは著作権侵害か?
複製権?
送信可能化権
趣味のウェブページに掲載することは私的複
製?
著作権侵害の成否 2
新聞記事は著作物か?
著作権法10条2項
事実の伝達にすぎない雑報および時事の報道は、前項第1号に掲げる
著作物に該当しない
新聞社の見解http://www.nikkei.co.jp/help/copy_kenkai.html
著作権法で「著作物に当たらない」とされている「事実の伝達にすぎ
ない雑報及び時事の報道」とは、死亡記事、交通事故、人事往来
など、単純な事実を伝える記事だけであり、ほとんどの記事には
著作権が働いています。
原作品を読まなくても内容が分かるような要約は、著作権法上の「翻
案」に当たり、著作権者の承諾が必要です。利用が認められるの
は、作品自体の存在だけを紹介するごく短い要旨程度のものに限
られます。
著作権侵害の成否 3
教育利用上の例外規定
著作権法33条
教科書への掲載(要補償金)
34条
学校向け放送への掲載
35条1項
授業担当者と受講者による必要な複製
35条2項
受講者に対する上演などは遠隔教育においても利用できる
36条
入学試験その他の検定試験における利用
デジタルネットワーク社会に
おける著作権のあり方
デジタル技術の影響
複製の容易、大量、正確性
二次的利用・翻案等の容易性、無限性
ネットワーク技術の影響
情報発信者の大衆化
不可避的複製(ローミング、キャッシュな
ど)
音楽ネット配信 iTunes Music Store
オープンソース・イニシアティブ
再頒布の自由
ライセンシーがソフトウェアを販売または無料での
再頒布を可能にすること
ソースコードの公開と再頒布自由
派生ソフトウェアの同条件頒布の自由
作者のソースコードの完全性を保障
個人や分野の差別禁止
再頒布のライセンスをライセンシーに認めるこ
と
特定製品やソフトに制限するライセンス禁止
オープンソース
実例
Lynux = OS、Mozilla = ウェブ・ブラウザ
PDS(パブリックドメインソフト)との違い
著作権がなかったり、放棄したりすることとオープン
ソースとは異なる
フリーウェアとの違い
フリーウェアとは、無料ソフトという意味と自由なソ
フトという意味がある
自由なソフトはオープンソースソフトと同等
Copyleft
オープンソースとビジネスモデル
ビジネスモデルとしての優位性
開発コストの低減
開発担当者がいなくなれば断絶するリスクの回避
ビジネスモデルの可能性
有償譲渡の可能性
複製や模倣のリスク
法的権利の構成
共有地・入会権モデル
ソフトウェア以外の再頒布・改変自由なライセンスの可能性
オープンテキスト
リミックス・ミュージック
パロディ
パロディに関する日本法
最判昭和55年3月28日民集34巻3号244頁
法三〇条一項第二は、すでに発行された他人の著作物を
正当の範囲内において自由に自己の著作物中に節録引
用することを容認しているが、ここにいう引用とは、紹介、
参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作
物の原則として一部を採録することをいうと解するのが相
当であるから、右引用にあたるというためには、引用を含
む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、
引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識
することができ、かつ、右両著作物の間に前者が主、後者
が従の関係があると認められる場合でなければならないと
いうべきであり、 更に、法一八条三項の規定によれば、
引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するよう
な態様でする引用は許されないことが明らかである。
P2P=Peer to Peer
P2Pの基本的発想
パソコン同士がダイレクトにつながる
ハイブリッド型と純粋型
情報交換を媒介するサーバを必要とするソ
フト=ハイブリッド型P2P
情報交換を完全にコンピュータ同士でやり
取りするソフト=純粋型
ファイルローグ事件(ハイブリッド型P2P)
ユーザ
P2Pソフトを起動してインターネットに接続
交換用ファイルの公開
ファイルローグ社
ユーザの公開したファイルのインデックスを公開
他のユーザ
ファイルローグ社のインデックスを見て、公開
ユーザのコンピュータからダウンロード
東京地裁・高裁は、ソフトとインデックス提供行為をとらえ、
送信者とした
Winny事件
Winny作者の47氏
純粋型P2Pソフトの製作・公開
ユーザ1
Winnyを起動してインターネットに接続
アップロードフォルダに公開可能ファイルを入れる
ユーザ2
初期ノード情報を元に、Winny起動ユーザ
にアクセスし、公開ファイルの情報を取得
必要なファイルをダウンロード
デジタルネットワーク社会に
おける知的財産のあり方
知的財産の重要性は高まる一方
知的財産保護と公正な使用とのバランスを再
定義する必要
特に同一性保持権や複製権のあり方
情報の特性を考慮した制度の模索
例えば映画の著作権は特別規定がある
ライセンスによる自由な利用の拡大
クリエイトコモンズ
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クリエイトコモンズのライセンス
再頒布の自由を認めるかどうか
改変や二次使用を認めるかどうか
オリジナル表示を条件とするかどうか
非営利を条件とするかどうか
実例:マーフィの法則
非営利かつオリジナル表示、同一条件の適用を条
件として、再頒布、改変、二次的使用を許諾して
いる。