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平成20年度小・中学校教育課程研究協議会
国 語 科 (中)
福島県教育委員会
国語科改訂の基本方針(1)
○ 小・中・高等学校を通じて、言語の教育としての立場を一層重視するとと
もに、特に、次の点を重視すること。
■ 言葉を通して的確に理解し、論理的に思考し表現する能力を育成す
ること。
■ 互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成すること。
■ 我が国の言語文化に触れて感性や情緒をはぐくむこと。
○ そのために、次のように内容の改善を図ること。
■ 現行の〔言語事項〕の内容のうち各領域の内容に関連の深いものに
ついては、それぞれの領域の内容に位置付ける。
■ 各能力が確実に身に付くよう、実生活の様々な場面における言語活
動を「内容の取扱い」から「内容」に移行する。
■ 伝統的な言語文化、言葉の特徴やきまり、漢字、書写から構成される
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕を新設する。
国語科改訂の基本方針(2)
○ 子どもたちの発達の段階を踏まえた学習の系統性を重視し、具体的に
身に付けるべき能力の育成を目指し、重点的な指導が行われるようにする
こと。 特に、中学校においては、社会生活に必要な国語の能力の基礎を
確実に育成すること。
◆ 古典の指導については、生涯にわたって古典に親しむ態度を育成する
指導を重視。
◆ 漢字の指導については、確実な習得が図れるよう、指導を充実。
◆ 書写の指導については、内容や指導の在り方の改善を図ること。
◆ 敬語の指導については、相手や場に応じた言葉遣いが適切にできること
を重視。
◆ 言葉のきまりの指導については、系統的に指導するとともに、実際に文
章を書いたり読んだりするときなどに役立つよう、指導の改善を図ること。
◆ 読書の指導については、読書に親しみ、ものの見方、感じ方、考え方を広
げたり深めたりするため、読書活動を内容に位置付けること。
◆ 教材については、我が国において継承されてきた言語文化に親しむこと
ができるよう、長く読まれている古典や近代以降の作品などを、子どもたち
の発達の段階に応じて取り上げること。
国語科改訂の要点(1)
(1) 目標及び内容の構成
① 目標
(※
教科の目標は、これまでと変更はない。)
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を
高めるとともに、思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語
に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。
② 内容の構成の改善
→ ・ 3領域と〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
・ 目標と内容は各学年ごと
・ 指導事項を言語活動例を通して指導することを一層重視
国語科改訂の要点(2)
(2) 学習過程の明確化
→ ・指導事項について学習過程を一層明確化
(3) 言語活動の充実
→ ・社会生活に必要とされる言語活動を具体的に例示
(4) 学習の系統性の重視
→ ・重点を置くべき指導事項の明確化と系統化
(5) 伝統的な言語文化に関する指導の重視
→ ・伝統的な言語文化に親しむこと
(6) 読書活動の充実
→ ・本や文章を選んで読み、自分の考えを記述することを重視
(7) 漢字指導の内容の改善
→ ・常用漢字の大体を読み、学年別漢字配当表の漢字を使い慣れ
ること
(8) 書写の指導の改善
→ ・社会生活や学習活動に役立つように内容や指導を改善
中学校国語科 学習指導要領改訂のイメージ図
現行学習指導要領
新学習指導要領
【目標】 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考
力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。
【3領域】
目標は
変更なし
【3領域】
(1)指導事項
(2)言語活動例
話すこと・聞くこと
話すこと・聞くこと
書くこと
書くこと
読むこと
読むこと
【1事項】
言語事項
【1事項】
言語活動例
伝統的な言語文化と
国語の特質に関する事項
(内容の取扱い)
三
領
域
一
事
項
は
継
続
す
る
が
、
内
容
を
系
統
的
に
整
理
中学校国語科の内容構成
【3領域の内容】 ※ 指導事項について、学習過程が明確化された。
A 話すこと・聞くこと
B 書くこと
C 読むこと
(1) 指導事項
○ 話題設定や取材
○ 話すこと
○ 聞くこと
○ 話し合うこと
(1) 指導事項
○ 課題設定や取材
○ 構成
○ 記述
○ 推敲
○ 交流
(2) 言語活動例 (8)
(1) 指導事項
○ 語句の意味の理解
○ 文章の解釈
○ 自分の考えの形成
○ 読書と情報活用
(2) 言語活動例 (6)
(2) 言語活動例 (9)
◆ 各領域において、(1)に示す指導事項を(2)に示した
言語活動を通して指導することを一層重視。
【1事項の内容】
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
(1)
ア 伝統的な言語文化に関する事項
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
ウ 漢字に関する事項
(2) 書写に関する事項
◆ 我が国の伝統的な言語文化に親
しみ、継承・発展させる態度を育て
ることや、国語の果たす役割や特
質についてまとまった知識を身に付
けさせ、言語感覚を豊かにし、実際
の言語活動において有機的に働く
ような能力を育てることに重点を置
いて構成。
〈例〉 各学年における「B書くこと」の目標、指導事項及び言語活動例
〔第1学年〕
〔第2学年〕
〔第3学年〕
標
(2) 目的や意図に応じ,日常生活にかか
わることなどについて,構成を考えて的確
に書く能力を身に付けさせるとともに,進
んで文章を書いて考えをまとめようとする
態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,社会生活にかか
わることなどについて,構成を工夫して分
かりやすく書く能力を身に付けさせるととも
に,文章を書いて考えを広げようとする態
度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ,社会生活にかか
わることなどについて,論理の展開を工夫
して書く能力を身に付けさせるとともに,文
章を書いて考えを深めようとする態度を育
てる。
課題設定や
取材に関する
指導事項
ア 日常生活の中から課題を決め,材料
を集めながら自分の考えをまとめること。
ア 社会生活の中から課題を決め,多様
な方法で材料を集めながら自分の考えを
まとめること。
ア 社会生活の中から課題を決め,取材
を繰り返しながら自分の考えを深めるとと
もに,文章の形態を選択して適切な構成を
工夫すること。
構成に関する
指導事項
イ 集めた材料を分類するなどして整理す
るとともに,段落の役割を考えて文章を構
成すること。
イ 自分の立場及び伝えたい事実や事柄
を明確にして,文章の構成を工夫すること。
記述に関する
指導事項
ウ 伝えたい事実や事柄について,自分
の考えや気持ちを根拠を明確にして書くこ
と。
ウ 事実や事柄,意見や心情が相手に効
果的に伝わるように,説明や具体例を加
えたり,描写を工夫したりして書くこと。
イ 論理の展開を工夫し,資料を適切に引
用するなどして,説得力のある文章を書く
こと。
推敲に関する
指導事項
エ 書いた文章を読み返し,表記や語句
の用法,叙述の仕方などを確かめて,読
みやすく分かりやすい文章にすること。
エ 書いた文章を読み返し,語句や文の
使い方,段落相互の関係などに注意して,
読みやすく分かりやすい文章にすること。
ウ 書いた文章を読み返し,文章全体を整
えること。
交流に関する
指導事項
オ 書いた文章を互いに読み合い,題材
のとらえ方や材料の用い方,根拠の明確
さなどについて意見を述べたり,自分の表
現の参考にしたりすること。
オ 書いた文章を互いに読み合い,文章
の構成や材料の活用の仕方などについて
意見を述べたり助言をしたりして,自分の
考えを広げること。
エ 書いた文章を互いに読み合い,論理
の展開の仕方や表現の仕方などについて
評価して自分の表現に役立てるとともに,
ものの見方や考え方を深めること。
言語活動例
ア 関心のある芸術的な作品などについ
て,鑑賞したことを文章に書くこと。
ア 表現の仕方を工夫して,詩歌をつくっ
たり物語などを書いたりすること。
ア 関心のある事柄について批評する文
章を書くこと。
イ 図表などを用いた説明や記録の文章
を書くこと。
イ 多様な考えができる事柄について,立
場を決めて意見を述べる文章を書くこと。
イ 目的に応じて様々な文章などを集め,
工夫して編集すること。
ウ 行事等の案内や報告をする文章を書
くこと。
ウ 社会生活に必要な手紙を書くこと。
目
指導計画の作成と内容の取扱い(1)
(1) 指導計画作成上の留意点
① 各学年の内容の弾力的な指導
→ ・前後の学年で取り上げるなど、弾力的な運用と系統化した指導
② 領域等の相互関連と学習活動の組織
→ ・3領域1事項について相互に密接な関連を図った効果的な指導
③ 学校図書館の機能の活用
→ ・学習・情報センター、読書センターの機能を備えた学校図書館の計画的利用
④ 情報機器の活用
→ ・生徒が情報機器を活用する機会を設け、指導の効果を高める
⑤ 各領域等の指導における配慮事項
→ ・各領域の指導に配当する授業時数の明示
指導計画の作成と内容の取扱い(2)
(2) 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の取扱い
① (1)に示す事項についての取扱い
→ ・ある程度体系付け、まとまった知識を得させるような指導の可能性
・言葉の特徴やきまりに気付かせ、言語生活の向上に役立てることを重視
② (2)に示す事項についての取扱い
→ ・文字を正しく整えて速く書くことと、書写の能力を学習や生活に役立てる態度
・硬筆及び毛筆を使用する書写の指導は各学年で実施
・毛筆を使用する書写の指導は硬筆による書写の能力の基礎を養う
・書写の指導に配当する授業時数の明示
(3) 取り上げる教材についての観点
① 新たに加わった観点
→ ・近代以降の代表的な作家の作品
・古典の教材は、原文に加え、現代語訳、古典について解説した文章など