Drugs Acting on Adrenergic Neurons 第3グループ 98MB1003 98MB1029 98MB1051 98MB1075 97MB1004 000913 青木 淳 金子直樹 下坂彩子 平沼聡史 荒川英輔 Case History 1 45歳 女性 血圧は正常(115/72mmHg) 3年前からうつ病を発症 三環系抗うつ薬、SSRI、電気的 な治療は効果がなかった。 Case History 2 Phenelzine 15mg/dayの投与開始後 4週間で症状の改善が見られた。 Phenelzineによる治療開始から5ヵ月 後チーズに含まれるTyramineとの 薬物相互作用により高血圧クリー (180/135mmHg)を起こす。 Case History 3 高血圧クリーゼに対しては Phentolamine 2mg 静脈注射 投与後10分で血圧は正常に戻る。 血圧は正常に戻ったものの 精神的なケアのため入院治療を行う。 Phenelzine • 非選択的MAO inhibitor • hydrazide :C-N-N構造(+) • 非常に長時間MAO阻害効果が持続 する。 • 服用中止後も効果は2~3週間持続 • Daily Dose:45-75mg/day Phenelzine Tyramine うつ病の発生機序 モノアミン仮説(静的) モノアミン受容体機能亢進説 (動的) モノアミン仮説 脳内NE、5‐HTの量の減少によってうつ 病が発症するという説 1.脳内NE、5‐HTを減少させるレセルピ ンによってうつ病が誘導される。 2.抗うつ薬によって脳内のモノアミン機 能が増強する。 という二つの所見に基づく Catechol Dopamine Phenylethylamine Norepinephrine Epinephrine NEの中枢神経系における作用 NEニューロンは青斑核、網様体の外側被 蓋野に存在し、脳の広い領域に投射する。 抑制的作用(α2) 促進的作用(α1, β) シナプス伝達の興奮性を促進することに より注意、覚醒などの行動に関与 5‐HTの中枢神経系における作用 5‐HTニューロンは中脳縫線核や橋、 上位脳幹に存在し、脳の広い領域に 投射する。 抑制的作用(5‐HT1A) 促進的作用(5‐HT2, 5‐HT4) 抑制作用が中枢神経系における5‐H Tの主な働きである モノアミン受容体機能亢進仮説1 脳内NE、5‐HT量の減少に伴って 脳内ホメオスタシス維持のために モノアミン受容体が増加する。そ れによってシナプス伝達の興奮性 が変化しうつ病が引き起こされる とする説。 モノアミン受容体機能亢進仮説2 1.うつ病者の死後脳でβ受容体、5‐HT 2受容体が増加している。 2.うつ病者の血小板で5‐HT2の機能 亢進が見られる 3.神経内分泌所見、PETによる所見 によってうつ病者の5‐HT受容体の機 能亢進が示唆されている。 以上のような所見に基づく。 抗うつ薬 脳内のNEと5-HTの効果増強 ①三環系抗うつ薬 ②MAO inhibitors ③SSRI (Selective Serotonin Reuptake Inhibitor ) • うつ病の発症機序としてNE、5-HT等のアミン 神経系の減弱が原因であるという“モノアミン 仮説”が考えられている。NE神経は青斑核に、 セロトニン神経は中脳縫線核に存在する。抗う つ薬は脳内アミン神経系の増強が目的となる。 Monoamine oxidase (MAO) • 生理活性をもつアミン類の酸化的脱アミノ化を 触媒する酵素 • Flavin含有酵素 • 神経終末・肝臓・その他の臓器の Mitochondrial membraneに局在。 • 2つのsubtype – MAO-A:主にセロトニン、NE代謝に 関わる。 – MAO-B:主にドパミン代謝に関わる。 MAOの機能 • 神経終末およびその標的細胞における catecholamines とserotoninの代謝分解。 • 肝臓における、腸管から吸収されて門脈 から入ってきた循環血中のmonoamines やtyramineなどの不活性化。 MAO-AとMAO-B • MAO-A – 5-HT, NEを基質として代謝分解 – 細胞内MAOの大部分 – MAO-A阻害が抗うつ作用に重要な役割を担う。 • MAO-B – – – – DAを基質として代謝分解 ヒト脳内の主なisoform 大部分が細胞外に存在 選択的MAO-B inhibitorでは抗うつ効果がほとん ど見られない。 MAO inhibitors MAOに結合してその酵素活性を阻害する • MAOはモノアミンMonoamine神経系の前シナ プス側の神経終末で、モノアミントランスポー ターから再取り込みされたMonoamineのうち、 シナプス小胞に再び蓄えられなかったものを 代謝・分解する。 • MAO inhibitorはこのMAOに結合して、その酵 素活性を失活させ、その結果、シナプス小胞に 貯蔵されるモノアミン(NE, 5-HT)量を増加させ る。 MAOIsの抗うつ作用のmechanism • MAO-A阻害によりNE, 5-HTの分解抑制 • Synapse vesicle内に貯蔵されるNE, 5-HT 量増加 • NE and 5-HT level ↑ • Autoreceptor のdesensitization等による NE, 5-HT神経系のnetwork change MAOIsの抗うつ作用メカニズム • 仮説:MAOIsの作用メカニズムの特に重 要なのは、脳内における5-HTの availabilityが増加して、その結果引き起 こされるnet serotonergic transmission の 増強である。 • これは、3種類の抗うつ薬に共通の効果 が、5-HT synaptic transmissionの増加で あるということが根拠となっている。 MAOIsの抗うつ作用メカニズム • MAOIsの作用によるNE level の上昇がnet serotonergic transmission の増強に関わっている。 • MAOIsによる増加したNE level が5-HT neuron の axon終末の前シナプス抑制性α2receptorを脱感作する。 • ↑の結果、α2R-mediated inhibitionから5-HT neuron が解放され、neuron発火頻度および5-HTの放出の増 加が起こる。 • 5-HT neuron にある5-HT1A receptorのdesensitization も5-HT neuronの活性化に関わる。 • このReceptor desensitization 効果が生じるにはMAOI s服用後2~3週間を要する。 MAO inhibitors (MAOIs) • 作用機序:Flavin adenine dinucleotide (FAD) cofactor に等価的に結合することにより、 MAOの酵素活性を不可逆的に阻害する。 • 奏効機序:MAO-Aの阻害により、脳内におけ るSerotonin神経系・Norepinephrine (NE) 神経 系のモノアミンの代謝分解が阻害され、その濃 度が上昇する。その結果、これらの神経系の network の伝達効率等の様々な変化(e.g. receptor desensitization)が生じ、抗うつ効果を もたらす。 MAO inhibitorsの分類 • Hydrazide:C-N-N構造(+) Phenelzine, Isocarboxid 開裂してactive productsを生じ、これが MAO阻害活性を持つ。このactive productsは、主にアセチル化により不活 性化される。 Phenelzine MAO inhibitorsの分類 • Non-hydrazide: C-N-N構造(-) Tranylcypromine Moclobemide MAO inhibitors の特徴 • 抗うつ作用発現までに1~2週間を要する。 – MAO阻害が直接的に抗うつ作用を示すのではなく、 その結果として起こるNE, 5-HT神経系に対するnet effectが抗うつ作用の機序と考えられている。 • 効果の持続時間が長い(1~2週間) – MAOに不可逆的に結合して失活させるため、新しく MAOが合成されるまで(この期間が1~2週間)、 MAO阻害効果が持続する。 • 様々な薬物とDrug interactionを起こす。 – – – – Catecholamines: indirect sympathomimetic action Other antidepressants (TCAs, SSRI) Alcohol Opioids MAO-inhibitorsの副作用 • • • • Hypertensive crisis Sedation Behavioral excitation Postual hypotension MAOIsの薬物動態 • 腸管から速やかに吸収(経口投与時) • Hydrazideは、肝臓でアセチル化を受 けて、そのacetylation phenotypeに応 じて排泄される。 • 排泄はslow 薬物相互作用 • MAO阻害によるsympathomimetic monoaminesへの影響 • MAO以外の酵素の阻害による、 種々の薬物の肝臓での代謝の抑 制。 MAOIsとTyramineの薬物相互作用 肝臓における分解の抑制 MAOI MAOIの薬理作用 Tyramine Tyarmineの薬理作用の増強 カテコールアミン の増加 血管抵抗の増大による高血圧 高血圧クリーゼ 血圧の高度な上昇とその持続に よって脳、心、腎などの標的臓器 に重篤な合併症が発生し、速や かな降圧を図らなければ患者の 生命予後が危惧される病態また はそのような事態が切迫している 状態 MAO阻害薬とチラミンでの高 血圧クリーゼの治療には経 静脈交感神経遮断薬を用い る (αblocker、αβblocker) (nifedipine舌下投与) • Phentolamine α受容体に対し可 逆的競合的拮抗 • Propranolol 非選択的β受容体 拮抗 • Labetalol α1とβ受容体にお ける競合的拮抗 その他の抗うつ薬1 • SARI: serotonin 2 antagonist reuptake inhibitor • Trazodoneなど。当初はSSRIと 考えられていたが、serononin 受容体阻害作用があり、副作 用が軽減される可能性がある。 その他の抗うつ薬2 SNRI serotoninとNEの再取り込 み阻害。三環系抗うつ薬の副作 用はない。NEの再取り込み阻害 作用のためSSRIよりも効果が大 きいと考えられる。 その他の抗うつ薬3 • NDRI: Bupropionがアメリカで使 われている。 • NEとdopamineの再取り込みを阻 害する。SSRIの副作用がなく、 SSRIの効果がない患者にも期待 されている。
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