東京工業大学の 北欧連携プロジェクト

日本学術振興会光ネットワーク技術第171委員会
電子情報通信学会東京支部公開シンポジウム
26MAY11
13:05-13:55
東京工業大学の
北欧連携プロジェクト
東京工業大学
大学院社会理工学研究科
研究科長 飯島淳一
IS-FMG, T.I.T. All Rights Reserved, 2011
Formal Method Group
東工大と社会理工学研究科
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「理工系の単科大学」⇒「世界最高の理工系総合大学」
1975年
1992年
1994年
1996年
2004年
2005年
総合理工学研究科 設立
生命理工学研究科 設立(生命理工学部は1990年)
情報理工学研究科 設立
社会理工学研究科 設立
法人化(国立大学法人)
イノベーションマネジメント研究科 設立
社会理工学研究科は、1996年に設立された、文理融合の大学院です。

理念
・超産業社会が内包する問題群を理論的に定式化するとともに、
これらを解決する具体的手段を提供
・科学技術と人間社会のインターフェースをうまく設計し運用する
ことのできる学生の輩出
・人間と科学技術が調和した社会を創出
報告内容
 北欧連携のきっかけとねらい
 今までの成果
 北欧ウィーク
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Finland(2009年度)
Denmark(2010年度)
 北欧社会から学んだこと
 2011年度の予定
 まとめ
北欧連携のきっかけ
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2004年~2008年 21世紀COE『インスティテューショナル技
術経営学』の活動の一環として、フィンランドのユバスキュラ
大学(JyU)と共同研究
2009年3月に、JyUのAgora Center+IT学部と、本研究科の間
で部局間協定を締結。
Jyväskylä市:Human Technology City!
北欧には、社理工が目指そうとしているものがある
2009年4月の研究科専攻長意見交換会で、北欧をターゲット
とした連携について話題となり、満場一致で決定。
研究科内で、北欧各国との共同研究など交流実績について調査
した結果、アイスランド以外とは何らかの、そして複数の交流
があることが判明
⇒ 北欧連携を研究科の第2期中期計画・中期活動の一つに
北欧連携のねらい:
「良質な社会づくりのためのソリューション提言」

北欧5カ国は、地理的な位置などに起因する歴史的な違いもありながら、
「質の高い生活の実現」という共通の価値観を共有

フィンランドは、イノベーション、デザイン、教育など、デンマークは芸術と技
術の融合など、スェーデンは男女共同参画など、国ごとに強み

圧倒的な人口の違いなどから,北欧モデルをわが国にそのまま移転すること
は不可能 >-< 何らかのヒントは得られるのでは
【プロジェクトの最終目標】
インスティテューションの違いを超えて,北欧モデルをどのようにしてわが
国に適用するかについての解(ソリューション)を提案すること。
そのためには、「北欧モデルはすべてよいもの」とはせずに、陰の部分も取
り上げる。
北欧から心豊かな地域,安心して暮らせる老後,そして人間を中心とした技
術の活かし方をどのようにして実現するかを学ぶとともに,本学の誇る工学
技術を紹介することにより,WIN-WIN関係を構築することを考える。
今までの成果
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北欧ウィーク:北欧における技術の活用例
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学生・教員の派遣
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フィンランドウィーク・シンポジウム「超高齢化社会のための科学技術」
デンマークウィーク・シンポジム「視線インタラクション技術の応用」
サマースクールへの学生派遣
修士課程学生10名程度をJyUサマースクール(8月)に派遣
https://www.jyu.fi/science/muut_yksikot/summerschool/en/
サマーキャンパスへの教員派遣
各専攻から1名ずつ計4名の教員が、JyUにて集中講義(2010年)
(カテゴリ論、ゲーム理論、社会シミュレーション、認知心理学)
授業科目『横断型分野協同プラクティス』の共同運営
2010年後学期に、大学院科目『横断型分野協同プラクティス』を、
TV会議システムを用いて、JyUと共同運営
ポスター表
ポスター裏
Finland Week(2NOV09-6NOV09)より
Denmark Week(21NOV10-25Nov10) より
北欧社会から学んだこと
 Finland Yearから学んだこと
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“Finlandコミュニティ”の存在
ぼうっとできる場所の必要性
フィンランド・イノベーションの秘密
男女共同参画社会は何をもたらしたか?
⇒ 寛容(tolerant)な社会の実現
 Denmark Yearから学んだこと
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Jante’s law(ヤンテのおきて)
民主主義とは
政治参画意識の高さ
高い税金にも拘らず、世界一幸せな国とは?
2011年度の予定
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2011年度はスウェーデンに焦点をあてる。
スウェーデンウィーク
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ニッケルハルパ演奏(日本ニッケルハルパ協会)
エーケルンド社の環境対策とエコラベル認定について講演(成川氏)
森林環境教育プログラム「LEAF」実践活動(FEE JAPAN)
スウェーデン人留学生との交流会
ノーベル賞記念講演(スウェーデン国立科学アカデミー)(予定)
http://www.dst.titech.ac.jp/nor/index.html
まとめ
 なぜ北欧なのか?北欧連携のきっかけとねらい
 今までの成果
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研究
教育
 フィンランドとデンマークから学んだこと
 2011年度はスウェーデンがテーマ
ある国に焦点を当てる ⇒「常識を疑う」きっかけ
特に北欧は、日本と「似ていて、似ていない」ところが魅力。
付録:Jante Law (ヤンテの掟)
1. Don’t think that you are special.
(自分だけが特別だと考えることなかれ。)
2. Don’t think that you are of the same standing as us.
(自分が他人より上だと考えることなかれ。)
3. Don’t think that you are smarter than us.
(自分が人よりも賢いと考えることなかれ。)
4. Don’t fancy yourself as being better than us.
(自分が人よりも優れているという考えにふけることなかれ。)
5. Don’t think that you know more than us.
(自分が人より多くの知識を持っていると考えることなかれ。)
6. Don’t think that you are more important than us.
(自分以上の人間はいないと考えることなかれ。)
7. Don’t think that you are good at anything.
(自分がすべてのことに優れていると考えることなかれ。)
8. Don’t laugh at us.
(他人を笑うなかれ。)
9. Don’t think that anyone of us cares about you.
(他人の優しさを期待することなかれ。)
10. Don’t think that you can teach us anything.
(自分が他人に何でも教えられると考えることなかれ。)