2012 夏期補習英作文講座 №1 ①一橋大をはじめとする難関国立大、早慶文系で扱われるエッセイ・ライティングを見て行く。普段、希望者に隔週で実施している和文英訳と違い、答えが無数に存在する。和文英訳問題では最初から書く内容が決められているので、幼稚な解答でも『多分、こういうことが言いたいのだな』と解釈されるかも知れないが、自由英作文、いわゆるショート・エッセイでは原稿は書く人の頭の中にしかない。採点者にとって意味不明な英文では合格に結びつかない。 →練習 / 添削時間のある浪人生と、余裕のない現役生で一番差がつきやすい部分である。 →その基本構成や表現方法を知り、秋以降の個人の取り組み＝添削を受ける、につなげる。 × 起承転結 ② 100 語程度のショートエッセイの構成( 3 部構成) 主張： topic sentence 論拠： support 再主張： reworded topic sentence ３段落にするかは指定語彙の長さ次第。(論拠に 2 つ理由を挙げるのならば、４段落) ③それぞれの構成について主張： topic sentence 冒頭に主題をふまえた自分の自分の考えを書く。採点者は筆者の立場がどうであるかまず知りたいからである。 ☆入試で出題されるテーマはおおよそ 2 つに大別できる。例を挙げると、１つは『選挙権を 18 歳に下げることに賛成か否か』のような一般的テーマであり、もう一つは『大学で何を勉強したいか』のような個人的なテーマである。 (選挙権を 18 歳に下げることに) 賛成か賛成か否か、と問われたら… 英語ではどう始めますか？ I think[I don't think] that SV... / I agree[I disagree] with the opinion that SV... In my opinion, SV... →大切なのは、 I think so. や I agree with it.と簡単に書かずに、 SV を続けること。この SV の部分は問題文の繰り返しでよい。答案を読んだだけで話がわかるようにする。 (大学で) 何をしたいか、と問われたら… 英語ではどう始めますか？ I would like... さらに、場合によっては最初に、どちらとも言えない、と主張する手もある。どちらとも言えない、は英語で… It depends. For example,... On the other hand.... と述べ、その後次のような構成にする。 Therefore[Thus] I think... 論拠： support support はエッセイの中核を成す部分である。 2 つの書き方があり、１つは『自分の主張の理由・根拠を書く』方法、もう一つは『譲歩とそれに対する打ち消し＝確かに…だが、しかし～』と書く方法がある。まず理由・根拠を書く、のケースから… I think that SV...と述べ、その後理由を挙げる → 書き出しはどう書き、例はどう挙げますか？ × The reason is that...一つしか理由はない。 ○There are several reasons (for this). One reason is that...Another reason is that... たくさんある理由のうち２つ、とすると良いので、後半はthe otherとしない。→２つだけ。理由を一つだけあげたいのならば、個人の考えの直後に、That is because SV...とする。理由を挙げる際、具体例が続けばさらに説得力が増す。(ただし指定の語数との兼ね合い) つづいて確かに…だが、しかし～、のパターン… 定型は It may seem..., but SV... because... → つまり正確には確かに…だが、しかし～＋理由のパターンが良い再主張： reworded topic sentence 日本語のエッセイではふつう、先に理由を言って最後に『だから…なのだ』というように結論づけるが、英語では先に結論を言ってしまい、その後理由を述べる。ただ、理由を言ったままで終わると中途半端な印象が残るので、最後にもう一度、自分の主張を繰り返し、だめ押しをするのである。ここでは topic sentence と同じ内容を違う表現で再度述べる。 × topic sentence と全く同じ文の繰り返し。 ※ reword とは言い換え、の意味。 rephrase という言葉も使われる。 ※この再主張は一橋大( 120 語)では必要だが 50 語程度の短いエッセイでは書かない。 ④実際に英語を書く前に与えられたトピック(あるいは一橋大のように３つの中から自分が選んだトピック)について、自分が出せるポイント(主張 / 理由 / 例)をメモする。これをアウトライン化という。書き出すことが重要。日本語で書いても良い。たとえば 2006 年一橋大、 Japan should open its doors to foreign workers . がトピックセンテンスで、自分の立場が肯定側だとして、以下にポイントを書き出してください。労働力補充に有利新しい視点の導入→日本の産業界の活性化につながる国際社会における日本の地位を高めることにつながる文化交流のきっかけになる。 ×途上国から安い労働力を輸入して、日本人がやりたがらない仕事をやらせる。 →人種的偏見、差別的な表現は避ける。誰が読んでいるか分からない。