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設計基礎コース
もう一度学ぶ材料力学の基礎
もう一度学ぶ材料力学の基礎
概 要
材料に外から力が作用すると応力が発生し、それに見合った変形が生じる。
変形が発生すると、材料に内力が発生し、内力は外力と釣り合い変形が
止まる。
この応力と変形(歪)の関係を本講座では復習する。
学習の内容
1.応力と歪
2.真っ直ぐな軸に外力が軸方向に作用する場合
3.真っ直ぐな梁の曲げ
4.軸のねじり
5.座屈
6.エネルギー法
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第1章
1:釣り合いの状態
力の釣り合いとモーメントの釣り合いを満たすことによる
1.力の分解と釣り合い
釣り合うとはその方向の力の合計がゼロ。
(力が働いていないのと同じ)
水平、垂直の両方とも釣り合う事により
水平にも、垂直にも動けない。
棒に方向が反対で、大きさが同じ力が作用してい
る。(偶力によるモーメント)
力は釣り合っている。→位置(重心)は動かない。
モーメントは釣り合っていない。→まわる。
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2.モーメントの釣り合い(O点回りに回転させようとする力の成分)
O点回りのモーメント
M  rF
大きさ:
(ベクトル)
 r ( F sin )  (r sin ) F
偶力モーメントが働く場合
O点回り
Mo   pf  ( p  c) f  cf
p
O
c=a+b
b
a
f
A
C
C点回り
Mc  af  bf  cf
B
f
A点、B点でも同一の値。つまり剛体全体に同
一のモーメントを発生させる。
どの点も cf のモーメントで自転しようとする。
釣り合うためにはこれと反対のモーメントが必要。
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3.外力と内力
棒を長手方向に左右に外力を作用させる。
すると左から作用させた力と右から作用させ
た力で釣り合う。
仮に材料の仮想面で考えると、力は棒の内
部では同じ面の右向きの面には右向きの、左
向きで考えれば左向きの力が作用している。
このように面と直角に作用する力を軸力。
材料をはさみで切る時のような、仮想面
に面と平行な力が作用する力のかけ方
がある。このような力を剪断力という。
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4.応力とひずみ
ここから、考え方だけでなく、数値が導入されます。
4-1.垂直応力 σ(N/m2)
垂直応力:応力とは   P / A 面積当たりの力を示す。
つまり、単位面積当たりどの程度の力が作用するかで考える。
面に直角に作用し、正(負)のほうを向いた面に正(負)の力が加わると、
正の応力、 あるいは引張力を正の応力とする。
正(負)のほうを向いた面に負(正)の力が加わると、
負の応力、あるいは圧縮力を負の応力とする。
演習1: 60Kg の人が 1cm2の鉄の棒にぶら下がった。応力は? 1Kg=9.8N.
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4-2. 垂直歪
軸力を作用させると内力が発生し材料は伸
びる。(圧縮なら縮む)
もとの長さが倍なら力が同一でも倍伸びる。
従って伸びの長さではなく、伸び量が元の長
さの何パーセントかで歪を表す。
垂直歪

x
x
歪は軸力を倍にするとバネと同じく、倍伸びる。外力が倍でも断面積が倍な
ら応力は同じ。
垂直応力を倍作用させると垂直歪も倍になる。つまり比例する。
その比例定数を E で示しヤング率(縦弾性係数)と言う。
これをフックの法則と言う。
F
x
   E  E
A
x
応力と歪で考えることにより、長さ(形
状)とか断面積(太さ)を考えることなく、
材料の種類だけ考慮すればよい。
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4-3. ポアソン比
軸方向に引張力を作用させる。
軸方向は伸び、それと直角方向は縮む。
両歪の比をポアソン比と呼び
軸方向の歪(数値は正)
l  l0
x 
l0
直径方向の歪(数値負)
y 
d  d0
d0
y
 
x
通常ポアソン比は、横歪の少ないガラスなどの0.2位から
体積変化しないゴムなどの0.5位であり、鉄などは約0.3程度である。
圧縮力の時も歪の符号が変わるだけで上の式は成立する。
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4-4. 剪断応力と剪断歪
l 離れた面積 A に剪断力 P が作用している。
すると単位面積当たりの剪断力(剪断応力)は


P
A

この力が働くことにより、四角であった
断面は λ だけ菱形に変形する。この
変形量 λ を l で割り単位長さ当たりの
変形量(剪断歪)を求める。
l
ここで、変形量は小さいので
と思って構わない。
tan

l

今、γ と τ は比例し、その比例定数を 横弾性係数 G とする。
  G
EとGとνの間には以下の関係があることが後で分かる。
E
G
2(1   )
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4-5. 応力歪線図
軟鋼と硬鋼を軸方向に引っ張った時の
応力歪線図を示す。
σP : 比例限界、σS : 降伏応力(軟鋼特有)、
σB : 引っ張り強さ、 σY : 0.2%耐力(0.2%の永久
歪が残る応力)
E : ヤング率
降伏応力:σS
または
引っ張り強さ:σB
0.2%耐力σY
(MPa)
(MPa)
ヤング率:E
(GPa)
ポアソン比:ν
(%)
軟鋼
200~210
0.3
200~240
350~450
硬鋼
200~210
0.3
260~380
450~550
Al合金
70~75
0.3~0.33
110~130
140~160
耐力より大きい応力が作用する場合、材料に塑性変形発生。
それを通常“壊れた”と言う。
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4-6.許容応力と安全率
機械の設計を行うとき、変形や破壊は具材にどのような応力が働くかによる。
材料欠陥、応力集中、繰り返し荷重等により作用させうる荷重が決まる。
この荷重を許容応力と呼ぶ。これに対して設計基準強度(例えば引っ張り強度、
降伏応力、あるいは疲労限度など)が何倍になっているかを安全率Sで表す。
S=(たとえば引っ張り強さ)/(設計上材料に作用する最大応力)
演習2.
E=210GPa, F=5000N, L=200mm, 直径10mm.
応力、歪、伸びλ を求めよ。
答え: σ=63.7MPa, ε=0.000303, λ=0.0606mm
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5.応力と変形の取り扱い
左の様な外形のものに外力が作用する。
材料はAlで E=70GPa。
長さ全体の伸びを求める。
A1  D12 / 4
添字1での断面積は
よって応力、歪、伸びは
P
4P

,
2
A1 D1
1 
P
4P

,
2
A2 D2
2 
1 
1
E

4P
ED12
4Pl1
,
1   1l1 
,
 2   2l 2 
ED12
同様、添字2の部分では
2 
2
E

4P
ED2 2
4Pl2
ED2 2
よって、全体の伸びは
4 P  l1
l 2  4  6 103
  1   2 


 
2
2
E  D1
D 2  70109  
 0.1
0.2 

  109106 (m)

 0.032 0.0152 
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サンブナンの原理
上記計算では、サンブナンの原理が成立すると仮定して計算されている。
サンブナンの原理とは円形の断面は円形のままで、かつワーピング(平らだった面
が平らでなくなること)しない事を言う。
これは、太い部分と細い部分の結合部の様な所では。太い部分の中央部のみ
が右に引っ張られ外周部より変位が大きく、厳密には平らではない。しかしこのよ
うな現象は、結合部から少し左の部分では、面全体に同一の応力が作用し面の平
らが保たれる。と考えるのである。
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積分を用い、慣れる。
長さ l 、断面 A の棒の下に質量 Mが吊るされている。
棒のヤング率 E, 密度 ρ, 重力加速度 g, として、棒に生じる
最大応力、および棒全体の伸びを求めよ。自重は無視で
きない。
図のように座標 x をとる。xまでの棒の質量は ρAx.
xにおける荷重と応力は
P( x)  ( M  Ax) g ,
 ( x) 
P( x)  M


 x  g
A
 A

よって最大応力はxが最大の l で生じ、
M

 l  g
 A

 max  
また、xにおいて、σ(x)の応力が作用し、dxの長さに対しdλだけ伸びるとする
と、xでの歪は
 ( x) 
d
,
dx
d   ( x)dx 
 ( x)
E
dx 
g M

 x dx

E A

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積分実行
この伸びをx=0からx=l まで足し合わせる。(積分する)
g M
gl  M 1 

  d 
  x dx    l 
0
0E A
E A 2 


l

l
と全体の伸びが求められる。
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6.棒の伸びに関する不静定問題
既に示した左の問題を考える。
添字1,2両方の部分の応力と歪( l をか
けると伸び)を求める。
A1  D12 / 4
添字1での断面積は
よって応力、歪、伸びは  1 
P
4P

,
A1 D12
P
4P
,
同様、添字2の部分では  2  A2 
2
D2
1 
1
E
2 
よって、全体の伸びは
  1   2 

4P
ED12
2
E

1   1l1 
,
4P
ED2 2
4 P  l1
l2


E  D12 D 2 2
,
4Pl1
ED12
 2   2l 2 
4Pl2
ED2 2



と各部の力の釣り合いから応力と歪が決まる。これを静定問題と言う。
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これに対し、以下に示すような問題を不静定問題と言う。
左のような3本の棒でできていて、一本がヤング率が
異なる。これをらをまとめて荷重 P で引っ張る。各棒の
応力と伸びを求めよ。
今、棒を上から1,2,3と呼ぶ。各棒に作用する力を
P1,P2,P3.
P  P1  P2  P3
外力と内力の釣り合い
内力を応力で
応力と歪の関係、
フックの法則
1 
P1
 ( D 2) 2
 1  E1 ,

4 P1
D 2
2 
,
4P2
3 
4 P3
D 2
-(2)
 3  E1   1
-(3)
D 2
 2  E 2 ,
,
-(1)
ここで歪は3本の棒全てで同じという条件が適応されている。
このように力の釣り合いだけではその位置(この場合、棒)の力(応力)が決め
られず、歪(曲げなら傾き角)などの条件を必要とする問題=不静定問題
歪が同じなら
P1 
D 2
4
E1 ,
P2 
D 2
4
E 2 ,
P3 
D 2
4
E1  P1 -(4)
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これなら(1)式に入れ歪が求められる。
P
D 2
4
(2 E1  E 2) ,
歪が分かれば(4)式より軸力が分かる。
E1
P1  P3 
P,
2E1  E 2
応力は
断面積で割り
全体の伸びは
歪より
1  3 
  l 
 
4P
D 2 (2 E1  E 2)
P2 
4 E1P
,
2
D (2 E1  E 2)
-(5)
E2
P
2E1  E 2
2
4E 2 P
D 2 (2 E1  E 2)
4 Pl
D 2 (2 E1  E 2)
と求められる。
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演習問題1(教科書の演習問題 7.1)
太さの異なる区間の段付き棒がある。太さが変わるとこ
ろにPが作用する。ヤング率は一様にE。
区間1,2に作用する応力と作用点の変位を求めよ。
略解:
4 P1
,
D12
4P2
2 
,
D 2 2
P  P1  P 2
1   2  0
1 
1
4 P1
4 P1l1
,

1


1
l
1

E ED12
ED12
2
4P2
4 P 2l 2
2 

,  2   2l 2 
2
E ED 2
ED 2 2
(1)
1 
P1l1 P 2l 2

0
D12 D 2 2
(2)

(1)と(2)を連立させ、
D12 l 2
D 2 2 l1
P1  2
P,
P2   2
P
D1 l 2  D 2 2 l1
D1 l 2  D 2 2 l1
4 Pl2
4 Pl1
1 
,

2


 ( D12 l 2  D 2 2 l1)
 ( D12 l 2  D 2 2 l1)
4 P1l1
4 Pl1l 2
  1 

ED12 E ( D12 l 2  D 2 2 l1)
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7.熱応力
温度変化が比較的小さい範囲では棒の伸び l  l  l 0 と温度変化  T
の間に

l l  l 0

 T
l0
l0
の関係がある。この

を熱歪といい、  を線膨張係数という。
鉄(炭素鋼)では   1.1105 (1/ K )
程度で、
1mのものが100度温度上昇すると1.1㎜伸びることとなると覚えると覚えや
すい。
アルミは倍強、銅はその中間です。
従って、この温度によって部材の伸びが発生しても、周囲のものに外力を
発生させないように設計する必要がある。
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演習問題2(教科書の例題問題 8.1)
20℃→100℃
E=200GPa
α=11μ/K
l=400mm
直径 D=10mm の左図のような棒が20
から100度に温度上昇した。両脇がベア
リングで固定されていると棒に生じる熱
応力はいくらか。
両脇が固定されているので、温度で伸びる歪と両脇からかかる外力によ
る歪が同じにならねばならないという条件が必要になる不静定問題とな
る。
略解
熱歪+弾性歪=0
弾性歪=-(熱歪)=-αΔT
よって棒内部に発生する熱応力は
  E   ET  200 109  11106  (100  20)
 176 106  176 MPa
圧縮、(軟鉄の比例限界に近い)
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8.トラス構造物
骨組み構造物 - トラスとラーメンに分けられる。
トラス
ー 部材の間がピン指示で、回転に抵抗が発生せず、
軸力のみが発生する。
ラーメンー 部材の間が溶接や金具で固定されていて、回転に
対して抵抗が発生し典型的な不静定問題となり
大規模な連立方程式を解く必要が発生する。
ここでは、トラスを考え、力の釣り合いだけで部材の軸力が求まる
つまり、歪と応力が求まる静定問題と
力の釣り合い式より未知数が大きく、トラスの変形を考慮する必要のあ
る不静定問題の例題を示す。
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演習問題3(教科書の例題問題 9.1)
2本の部材はA,C点で壁にピン止め。
長さは2本とも l=1000mm 直径 10mm.
ヤング率 E=210GPa. Θ=30°P=5kN.
部材の伸びにより変化するθの量は
無視できるとする。
部材の伸び量とB点での真下方向への
変異量を求めよ。
略解
左右対称なので、A と C 方向へ引っ張る力 Q は同じである。
よって、B 点での垂直方向つり合いより、
P  2Q sin  ,  Q 
P
2 sin 
作用する力→応力→歪、部材の伸びがわかる。
部材の応力歪は分かり、静定問題。

Q
P

,
S 2S sin 


E
l
Pl
2SE sin 
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以上で部材の伸びは分かった。よって部材の伸びが元の長さに比し小さい
ならθは不変。従って図のように考えることができる。これは幾何学上この
関係が成立するということで、つり合いとか未知数とかとは関係がない。
 sin   

Pl
2 Pl



sin  2 SE sin 2  D 2 E sin 2 
 0.606(m m)
2P
 2
 63.7( MPa)
D sin 
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演習問題4(教科書の例題問題 9.3)
A
B
l
θ
C
θ
F
P
3本のトラスでできた構造物を考える。寸法は
左のようである。
部材は丸棒で直径D、ヤング率Eとする。
部材に生じる応力とF点の真下方向変異を求
めよ。
略解
AF,CFにはたらく力Q1 、BFにはたらく力 Q2 とすると
P  2Q1 cos  Q2
(1)
釣り合い式はこの一本、未知数はQ1 、Q2の2個。解けない。
従って、変形に関する条件式を導入する。
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   cos 
幾何条件 (2)
l
cos 
AF、CF具材の長さ
ここで伸びと荷重の関係は

4Q1l
,
2
D E cos 
4Q 2l
D 2 E
Q1  Q2 cos2 
(3)を(2)に代入
(1)と(4)を連立で、今度は解ける。
P cos2 
Q1 
,
3
1  2 cos 
4P cos2 
1  2
,
3
D (1  2 cos  )
応力は、断面積で除し
鉛直方向変位 δ は


Q2 
P
1  2 cos3 
4P
2 2
D (1  2 cos3  )
4Q 2l
4 Pl

D 2 E D 2 E (1  2 cos3  )
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
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