アサヒビールの躍進と今後の展望 千葉大学法経学部経済学科

アサヒビールの躍進と今後
千葉大学法経学部経済学科
内山ゼミナール
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はじめに
ビール業界・寡占型産業=業界内の地位が変動しにくい
「アサヒビール」⇒かつては業界3位
現在はキリンとトップ争い
急成長の要因は?
さらに成長するためには?
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概要
まず1章でビール業界の歴史、業界の特徴や市場
動向を把握する。
次に2章でスーパードライに関する研究を3節に分
けて行う。
3章では新ジャンル市場におけるアサヒの戦略を
研究する。
終章ではアサヒがさらに成長していくための提言を
行う。
3
目次
第1章 ビール業界の歴史と現状
第2章 スーパードライの成功とその戦略
第1節 アサヒビールトップの戦略
第2節 ブランド戦略
第3節 PR活動
第3章 アサヒビール・低価格戦略
終章
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第1章 ビール業界の歴史と現状
担当 野原一八
5
ビール興隆期と大日本麦酒


1869年 初のビール販売
1890年代~ ビール興隆期
札幌・大阪・日本・ジャパンブルワリー
統合
大日本麦酒の誕生
6
戦後・キリンの1人勝ち


1949年大日本麦酒⇒日本麦酒、朝日麦酒
に分割
キリンビールの台頭(1954年にシェアトップ)
ビールでは1999年
ビール系飲料では2001年までシェアトップ
を維持
7
アサヒビールの躍進
アサヒの「スーパードライ」 1987年発売
大ヒット
キリンを抜いてシェアトップに
現在 キリンとシェアの差数%という状態
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ビール業界の特徴
地位が変動しに
くい
・ガリバー型寡占産業の典型
10年代~40年代⇒大日本麦酒
50年代~90年代⇒キリン 63%
90年代~現在⇒キリンとアサヒ
70%
約37%ずつ
9
ビール業界の現状
業界に存在する企業
ビール市場
市場成長率 前年比2~4%(90年代半ばまで)
以後縮小傾向←(アルコール飲料の多様化
若者のビール離れ)
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第2章 スーパードライの成功とその戦略
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第1節 トップの戦略
担当 金井典子
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スーパードライ誕生の背景
1980年代前半、アサヒビール業績不振
社長交代
ゼロからの経営戦略構築
消費者のニーズにいち早く応え、ビール市場
でのシェア獲得にいたった。
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アサヒトップの戦略
① 企業風土の変革
② CI戦略
③ 新ジャンル創出
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①企業風土の変革


経営理念
企業のVisionを社員に明確に示す
行動規範
社員の意識改革
15
②CI戦略

CI導入委員会
-ビールメーカーの消費者イメージ調査
アサヒのイメージはマイナスのものが多数
CI導入実務委員会
-新コーポレートマーク導入
アサヒブランドを消費者に強烈
に印象付ける

16
③新ジャンル創出
味覚流行(味の差別化)-消費者志向優
先
5000人志向調査を行った
コクとキレを求める消費者が多かった。

“ドライビール”というビールの新ジャ
ンルを切り開いた。
17
第2節 ブランド戦略
担当 鴨志田夏実
18
アサヒの戦略
⇒一点集中戦略
スーパードライという強力なブランドに
集中的に投資して、消費者に「おいしいビール」
のイメージを植えつけようとする。
メガブランド集中戦略は集中効果を発揮
規模の優位性
活動の集中力・勢いを創ることができる
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この20年間でスーパードライは
どのように進化してきたのか?
⇒鮮度
製造から出荷までの日数
20年前は20日以上
現在は約3日以内
*パッケージデザインや素材に
20年間変更はない。
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鮮度への挑戦
「鮮度」を高めるためには、研究開発、
原材料の選定、生産、物流、店頭など、
あらゆるプロセスで、全社員が一丸となった
取り組みが必要。
・フレッシュマネジメント(鮮度管理)活動
・サプライチェーンマネジメント
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ブランド価値強化に向けた
大きな挑戦
⇒鮮度と品質の更なる追求
①消費者の手に届くまでのリードタイム短縮化
ex.流通在庫の最適化
②ビールそのものの鮮度を維持する製法技術の強化
ex.独自技術「スーパー鮮度製法」
③(商品そのものの品質とともに)消費者との質の高い
コミュニケーション
ex.テレビCM、店頭キャンペーン、工場見学イベント
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第3節 PR活動
担当 原口麻里絵
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広告制作におけるキーワード

1.商品カタログ的広告

2.商品展開ステージ

3.ビール通
24
発売2週間後の広告
飲むほどにDRY。
辛口。生。好評発売中。
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発売4週間後の広告
うまさの秘密は酵母にあります。
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ビール市場のシェア推移
大手ビールメーカー4社 シェア推移
70
60
50
40
30
20
10
0
2000
1994
1988
1982
1976
1970
1964
1958
1952
キリン
アサヒ
サッポロ
サントリー
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スーパードライ 成功の理由
①味
従来のビールに対する既成概念(苦い、濃い、
etc.)に囚われずに消費者ニーズにいち早く応え、
ドライビールという新ジャンルを切り開いた。
「キレ」、「辛口」、「生」 という、味においての差
別化が徹底的に追求された。
鮮度をウリにして全社一丸となったマーケティン
グを推進した。
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スーパードライ 成功の理由
②広告
商品展開に応じて広告を変えていくことで、
スーパードライやアサヒビール全体のうま
さの知名度を飛躍的にあげた。
③環境
シェア最低を記録したという危機感が、ゼ
ロから新しいものをつくりださなければとい
う開発意欲につながった。
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第3章 アサヒビール・低価格戦略
担当 高橋浩太郎
30
概要





①低価格戦略の登場
②アサヒの発泡酒戦略
③アサヒの新ジャンル戦略
④戦略の効果
⑤問題点
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①-1低価格戦略の登場
ここでいう低価格戦略とは
⇒発泡酒・新ジャンルの市場における
商品戦略
なぜ低価格戦略が必要か
⇒発泡酒・新ジャンル市場のシェアが拡
大しているから!
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①-2ビール・発泡酒・新ジャンルの違い
・ビール⇒麦芽使用比率が66.7%(2/3)以
上。
・発泡酒⇒麦芽使用率が66.7%未満。
・新ジャンル⇒麦芽以外の原料を使用。
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①-3 アルコール課税数量の推移
ビールのシェア
の減少
新ジャンルの
シェアの拡大
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②アサヒの発泡酒戦略
☆アサヒ本生ドラフト
・ドラフトライジング製法
・発泡酒の中では最大量の大麦使
用
・シャープなキレ、クリアな後味を追
求
発泡酒なのに
ビール並みの高品質!!
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③アサヒの新ジャンル戦略
☆アサヒ「あじわい」
・データリサーチからヒントを得る
・わかる、伝わるネーミング
ユーザーが
求めていた
商品の開発に成功!!
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④-1戦略の効果
平成18年上半期の各社製品課税数量
キリン淡麗,
1754
2000
万函
1500
1000
500
アサヒ本生,
742
サントリーマ
グナムドライ, サッポロ生搾
442
り, 374
0
37
万函
④-2戦略の効果
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
平成19年上半期の新ジャンル課税数量
キリンのどご
し生, 1691
極旨, 580
ぐびなま,
285
サッポロドラ
フトワン, 579
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④-3戦略の効果
平成19年上半期の発泡酒の課税数量
450000
382843
400000
350000
300000
250000
kl
205367
200000
150000
100000
50301
50000
0
アサヒ
サッポロ
キリン
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④-4戦略の効果
平成19年上半期の新ジャンル全体の課税数量
250000
235080
200000
150000
kl
121350
115814
100000
50000
0
アサヒ
サッポロ
キリン
40
⑤問題点
グラフから・・・
・発泡酒・新ジャンルともにキリンが圧倒的にトップ。
現状における主な問題点
・キリンのブランド力の脅威
・アサヒのブランド力の欠如
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終章 アサヒビールの今後
担当 野原一八
高橋浩太郎
42
ドライは大丈夫?
ビール分野=主戦場
2006年 ビール販売量(万ケース)
7%
14%
50%
アサヒ
キリン
サッポロ
サントリー
ビール分野におい
てはアサヒ優勢
(48%はドライ)
29%
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ドライは大丈夫?
発泡酒・新ジャンルで攻勢なキリン
ビール分野での巻き返しを狙う
2007年1月、キリン・ザ・ゴールドを発売
「ラガー」「一番絞り」「ザ・ゴールド」によるマルチブランド戦略
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ドライは大丈夫?
キリンの戦略
現状では・・失敗
ドライ
↓
トップブランドとしての
地位は安定!
キリンが戦略をシフトし
強力ブランドを打ち出す!?
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なぜ売れない?
「スーパードライ」にあり発泡酒・新ジャンルに
ないもの
明確かつ
消費者の潜在ニーズを引き出す
商品コンセプト
発泡酒・新ジャンルにおける戦略=戦略なきマルチブランド戦略
(EX 新生3 ぐびなま 極旨)
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キリンの成功例
☆キリンスパークリング
ホップ
・商品コンセプトが明快
・顧客の潜在ニーズを引き出し
た
47
まとめると
今後も「スーパードライ」は主力
発泡酒・新ジャンルは、
「明確なコンセプト」で
「潜在ニーズを引き出す」アイデアの
ある商品開発を
48
参考資料
・石山順也 『アサヒビールの奇跡』 講談社文庫 1,999年
・松井 康雄 『たかがビール されどビール -アサヒスーパードライ、18年目の
真実-』日刊工業新聞社
・宮本紘太郎 『アサヒビール 成功する企業風土 -内側からみた復活の法則-』
祥伝社
・『ポケット社史「アサヒビール」 』 経済界 1,990年
・朝日新聞 1987年11月18日 朝刊 2経 011
・同上 1986年8月23日 夕刊 夕刊経済特集 009
・同上 1986年9月29日 朝刊 T経
009
・『Asahi100』 アサヒビール株式会社 平成2年8月24日発行
・アサヒビールHP(http://www.asahibeer.co.jp/ )
・ビール酒造組合HP(http://www.brewers.or.jp/ )
・とりあえずビールHP(http://www.mirai.ne.jp/~shungen/ )
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参考資料
・キリンビールHP(http://www.kirin.co.jp/)
・サントリーHP(http://www.suntory.co.jp/)
・サッポロビールHP(http://www.sapporobeer.jp/)
・発泡酒の酒税を考える会(http://www.happoshu.com/)
・21世紀COEものづくり経営研究センター(http://www.utmmrc.jp/dp/index.html)
・J-marketing.net(http://www.jmrlsi.co.jp/index.html)
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