2流体数値シミュレーションを用いた 磁気島の時間発展に関する研究 東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻修士課程2年 足立潤 目次 • イントロダクション – 研究背景 – 研究概要 • 2流体コード • 数値計算 – 設定 – 2つのX-lineの強度が等し いとき – 2つのX-lineの強度が異な るとき – 磁気島の加速 – 弱X-lineのRX rateの低下 – パラメータサーベイ • モデル計算 – – – – – 磁気島にかかる力 弱X-lineのRX rate 低下 磁気島発展を表す方程式 シミュレーションとの比較 タイムスケール • まとめ イントロダクション 研究背景 太陽風 反平行磁場 電流層 磁気島 磁気島 Nature Physics Vol.4 January 2008, Chen et al, 2007 • 薄い電流層では、複数点で同時にリコネクションが起こることによって、 磁気島が形成されると考えられる • 地球磁気圏尾部での磁気島の観測例はある (J.P.Eastwood et al. 2005)ものの、 磁気島の時間変化を人工衛星で捉えるのは困難 研究概要 • 電流層上の2点で同時にリコネクションが起こり、その2つ のX-line間に1つの磁気島が形成された場合の、磁気島 の時間発展と、そのタイムスケールを調べた。 – 磁気島の成長過程、磁気島の移動過程を2流体数値計算によっ て調べた。 – 数値計算の結果をもとにして、磁気島成長・移動過程のモデルを 作成し、それらのタイムスケールを求めた。 X-line X-line 磁気島 2流体コード 2流体コードの特徴 一般化されたオームの法則 j B Pe me E vi B eN eN e スケール 大 MHD Hall term v e v v e e J t 異常抵抗 電子慣性項 MHD 2流体 MHD 2流体 • リコネクションを扱うには不向き。 2流体 粒子計算 スケール 小 • イオンと電子を別の流体として扱い、電子の質量も考える。 • 電子慣性項が磁力線凍結を破る - リコネクションが起こるためには、磁力線凍結が破れる必要がある。 - 異常抵抗を加えていないので、以下のような場合に適している。 - X-lineが動く場合 - X-lineが発生する場所が分からない場合 粒子計算 • 磁気島のような大きいスケールの計算に不向き。 数値計算 数値計算設定 • 2.5次元 ・・・xz面内を計算。y方向のベクトルを考えるが、 y 0 • 自由境界・・・ x境界、z境界とも自由境界 • 初期の平衡状態 z B B0 tanh e x – 初期平衡状態での磁場はHarris type D – プラズマ圧 + 磁気圧 = const 密度は一様 、 Pi / Pe = 5 D=λi : 電流層の厚さ • 初期擾乱 x X i 2 z 2 z Ay (t 0) logcosh B0 D 0.4i exp B0 D D i 2 D 2 D 平衡状態時のAy 加える初期擾乱 i 1,2 φi : 初期擾乱の大きさ ( x, z ) ( X i ,0) で磁力線をつなぎかえる X-line番号 z y x Φ1 Φ2 - Harris 型磁場上の2点で同時にリコネクションを起こす。(その間に磁気島が形成される) - 初期擾乱の大きさを変えることで、X-lineに強弱を付ける。 2つのX-lineが強度が等しいとき L = 12.8λi 3.5 Pi φ1=1.0 φ2=1.0 0.8 2つのX-lineが強度が等しいとき 各X-lineのreconnected flux の時間変化 0 20 右X-lineのreconnected flux 左X-lineのreconnected flux 8 6 4 O-line 左X-line 右X-line 40 time (Ω-1) reconnected flux (B0λi) 10 両X-line、O-line の位置の時間変化 2 60 80 100 120 140 160 0 0 20 40 60 180 80 100 120 140 160 180 -20 0 -10 10 20 X座標 (λi) time (Ωi-1) reconnected flux と retreat 距離の関係 o line Bzdx reconnection rate = reconnected flux の時間微分 • 磁力線が積み重なり、磁気島が成長する • reconnection rate はほぼ一定 • 磁気島中心(O-line)は動かない • 2つのX-lineは後退する 右X-lineのX座標 (λi) reconnected flux = x line 20 T=50-180 T=0-49 の回帰直線 18 16 14 12 10 傾き k1~1.43 [B0-1] ・・・ X-line のretreat 率 8 6 0 2 4 6 8 右X-line の reconnected flux (B0λi) 10 2つのX-lineの強度が異なるとき L = 12.8λi 弱 φ1=0.95 3.5 強 φ2=1.0 Pi 0.8 2つのX-lineの強度が異なるとき 両X-line、O-line の位置の時間変化 各X-lineのreconnected flux の時間変化 10 強X-lineのreconnected flux 0 20 弱X-lineのreconnected flux 40 time (Ω-1) reconnected flux (B0λi) 12 8 6 4 80 100 120 140 160 0 180 -50 20 40 60 80 100 120 140 160 180 -40 -30 -20 -10 0 10 20 X座標 (λi) time (Ωi-1) • 磁気島は弱い方のX-lineの方向 に加速する • 磁気島の速度が大きくなると 強い方のX-lineは後退しなくなる • 強い方のX-lineの reconnection rate はほぼ一定 • 弱い方のX-lineの reconnection rate は低下する 強X-line 60 2 0 O-line 弱X-line T=60Ωi-1 以降、強い方のX-lineは後退 しなくなる このときの磁気島中心(O-line)の速度は およそ0.094VAi (強X-line の RX rate) × (X-line の retreat 率 : k1) ~ 0.094VAi ~ 0.066B0λiΩi ~ 1.43 B0-1 磁気島の加速 磁気島の両端のX-lineでつなぎ変わった磁力線の本数(reconnected flux)が異なる場合、磁気島の両側で、磁気張力に差ができる。 磁気島は、弱い方(下図の左側)のX-lineに向かって加速する 磁気島の加速 弱X-line 強X-line 3.5 Pi 0.8 弱X-line の reconnection rate の低下 inflow 磁気島の移動 弱X-line outflow 3.5 Pi 移動する磁気島によって 跳ね上げられる 磁気島の移動速度が大きいほど 弱X-lineのreconnection rate は低下すると考えられる inflowを阻害 0.8 reconnection rate 低下 磁気島移動と弱X-lineの RX rate の低下 L = 12.8λi T=0 T=80Ωi-1 強 弱 φ1=0.95 φ2=1.0 弱X-line 磁気島 強X-line 弱X-lineのreconnection rate と磁気島速度の相関 T=40Ωi-1 • 磁気島両端のX-line強度が異なるとき 磁気張力の差によって、磁気島が 弱X-lineの方向に加速される 0.06 0.05 弱X-line RX rate 0.04 T=160Ωi-1 0.03 0.02 磁気島の移動速度が 大きくなるほど、その前方の 弱X-lineの活動は弱くなる 0.01 0 0 0.1 0.2 • 磁気島移動に伴い発生する、磁気島 前面のプラズマの跳ね上げによって、 弱X-lineの活動が弱まる • 磁気島両端のX-lineの強度差がさらに 大きくなり、さらに磁気島が加速される 0.3 磁気島の移動速度(VAi) ・・・・・ 磁気島の成長が弱まるまでの時間 パラメータサーベイ (L、φ1 を変化させる) L 弱X-lineのRX rate が0.02 となる時刻(Ωi-1) 強X-line 弱X-line φ1 198 タイムスケール : 大 φ2=1.0 磁気島の移動速度が大きい ⇔ 弱X-lineのRX rate が低下 φ1=0.90 90 ⇔ 磁気島の成長が弱まる φ1 • φ1とφ2の差が小さいほど、 磁気島に左右からかかる磁気張力の差 が小さくなるため、磁気島が加速しにくい 166 初期擾乱 強度差:小 φ1=0.85 φ1=0.80 φ1=0.75 強度差:大 • Lが大きいほど、形成される磁気島が 大きくなるため、磁気島が加速しにくい 100 L=16.0λi L=19.2λi L ※ RX rate = 0.07 ・・・X-lineが1つのとき RX rate = 0 ・・・X-lineが活動を停止 数値計算の結果のまとめ • 電流層の磁力線方向に離れた2点で同時にリコネクション が発生したときに形成される磁気島の時間発展を調べた。 • 2つのX-lineの強度が等しいとき – 磁気島は移動せず、膨張しながら成長した。 • 2つのX-lineの強度が異なるとき – 磁気島は弱い方のX-lineに向かって移動し、それに伴い、弱い 方のX-lineのリコネクションレートは低下した。 – 磁気島の移動速度が大きいほど、弱い方のX-lineのリコネクショ ンレートは大きく低下した。 – 初期のX-lineの強度差が小さいほど、また、初期のX-line間距離 が大きいほど、弱い方のX-lineが活動を弱めるまでの時間(磁気 島成長が弱まるまでの時間)は長かった。 モデル計算の必要性 • 地球磁気圏を想定したとき、1RE(~10λi)程度の磁気島 なら、形成・移動過程、およびそのタイムスケール数値計 算で調べることは可能。 しかし、10RE程度の磁気島は移動過程に時間がかかる ため、数値計算を行うことは困難である。 磁気島の時間発展のモデルを作成(定式化)すること によって、巨大な磁気島に対しても、形成・移動のタイム スケールを推定できるようにしたい。 モデル計算 モデル計算に必要な情報 • 磁気島の加速 - 磁気島にかかる力 磁気島 J B P dV の見積もり • 弱X-lineの活動の低下 - 磁気島速度と弱X-line のreconnection rate の関係 J × B force (X-lineが1つのとき) 磁気圧 : 大 磁気張力 : 小 X-lineのreconnected flux の時間変化 20 力 (積分値) (B02/μ0λi) reconnected flux (B0λi) 10 8 6 4 2 0 3.5 J x B force (x成分)の時間変化 0 40 80 time (Ωi-1) 120 160 Pi J x B force 磁気張力 15 磁気圧力 0.8 10 5 0 0 40 80 time (Ωi-1) 120 160 J × B force (X-lineが1つのとき) 磁気圧 : 大 磁気張力 : 小 3.5 reconnected flux とJxB force の相関 力 (積分値) (B02/μ0λi) 20 reconnected flux と JxB force は ほぼ比例する。 15 10 J B force(x成分) 2.1 [ B0 / 0i2 ] reconnecte d flux 傾き 2.1 5 0 0 2 4 6 8 reconnected flux (B0λi) 10 Pi 0.8 J × B force (X-lineの強度が等しいとき) 初期擾乱 φ1=1.0、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi 磁気圧 : 小 磁気張力 : 大 X-lineのreconnected flux の時間変化 20 力 (積分値) (B02/μ0λi) reconnected flux (B0λi) 8 6 4 2 0 3.5 J x B force (x成分)の時間変化 0 40 80 time (Ωi-1) 120 160 Pi J x B force 磁気張力 15 磁気圧力 0.8 10 5 0 0 40 80 time (Ωi-1) 120 160 J × B force (X-lineの強度が等しいとき) 初期擾乱 φ1=1.0、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi 磁気圧 : 小 磁気張力 : 大 3.5 reconnected flux とJxB force の相関 力 (積分値) (B02/μ0λi) 20 reconnected flux と JxB force は ほぼ比例する。 15 10 傾き 2.2 5 0 J B force(x成分) 2.2 [ B0 / 0i2 ] reconnecte d flux 0 2 4 6 reconnected flux (B0λi) 8 Pi 0.8 磁気島の構造 (X-lineの強度が異なるとき) 2つのX-line の強度が異なるとき 3.5 Pi 0.8 Z=0 1.0 Bzの空間変化(Z=0断面) Bz (B0) 0.5 0 -0.5 -1.0 -60 -40 -20 pile-up region 0 X座標(λi) outflow region 20 40 60 J × B force (X-lineの強度が異なるとき) 初期擾乱 φ1=0.95、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi 強X-line 弱X-line 各X-lineのreconnected flux の時間変化 10 強X-line 弱X-line 10 力 (積分値) (B02/μ0λi) reconnected flux (B0λi) 12 8 6 4 2 0 3.5 J x B force (x成分)の時間変化 0 40 80 time 120 (Ωi-1) 160 200 Pi 8 0.8 6 4 2 0 0 40 80 120 time (Ωi-1) 160 200 J × B force (X-lineの強度が異なるとき) 初期擾乱 φ1=0.95、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi 強X-line 弱X-line 3.5 reconnected flux の差とJxB force の相関 力 (積分値) (B02/μ0λi) 10 2つのX-line のreconnected flux の差と JxB force はほぼ比例する。 8 6 0 傾き 2.2 0 1 2 3 0.8 J B force(x成分) k2 2.2 [ B0 / 0 i2 ] reconnecte d fluxの差 4 2 Pi 4 2つのX-line のreconnected flux の差 (B0λi) プラズマ圧勾配 初期擾乱 φ1=0.95、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi 磁気島移動によって 圧力が増加 2.0 Pi 時刻 T=190Ωi-1 磁気島速度 V=0.41VAi 磁気島移動 0.5 圧力勾配 ‐∇P (x成分)の時間変化 磁気島速度の時間変化 ‐∇P (積分値) (B02/μ0λi) 磁気島速度 (VAi) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 50 100 time (Ωi-1) 150 200 3 2 1 0 0 50 100 time (Ωi-1) 150 200 プラズマ圧勾配 磁気島移動によって 圧力が増加 初期擾乱 φ1=0.95、φ2=1.0 初期X-line間距離 L=12.8λi Lz 2.0 磁気島移動 時刻 T=190Ωi-1 磁気島速度 V=0.41VAi Pi 0.5 -∇P (積分値) (B02/μ0λi) 圧力勾配 - ∇P と磁気島速度、磁気島の大きさの関係 流体中を断面積Sの物体が速度Vで動くとき、 ρSV2に比例する慣性抵抗が働く 3 2 1 傾き 0.8 0 0 4 1 2 3 (磁気島速度)2×Lz (VAi2λi) 物体が平板の場合、単位時間当たり、 物体の前面のρSVの流体を速度Vまで 加速させる 類推から -∇P がLzV2に比例すると仮定する 磁気島にかかる力 磁気島(磁力線が閉じている部分) にかかる力を見積もるのは難しい 黒線で囲まれた部分全体にかかる 力を見積もる (黒線で囲まれた部分 にかかる力) J B P dV 2つのX-lineの reconnected flux の差にほぼ比例 磁気島速度の2乗と 磁気島のZ方向スケール にほぼ比例 モデル計算に必要な情報(再掲) • 磁気島の加速 - 磁気島にかかる力 磁気島 J B P dV の見積もり • 弱X-lineの活動の低下 - 磁気島速度と弱X-line のreconnection rate の関係 弱X-lineのreconnection rate (B0λiΩi) 弱X-line の reconnection rate 低下 磁気島速度と弱X-lineのreconnection rate の関係 (各Run の結果の重ね合わせ) 0.07 0.06 磁気島速度が大きいほど、 inflow は大きく阻害され、 弱X-lineのRX rate は低下 0.05 初期条件 L 0.04 φ1 0.03 0.01 0 φ2=1.0 φ1 0.02 0 強 弱 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 磁気島速度 (VAi) 初期条件によらず、磁気島速度と弱X-lineの reconnection rate の間には高い相関がある 0.95 0.90 0.85 0.80 0.75 0.70 0.65 0.60 12.8 19.2 25.6 16.0 22.4 L(λi) 弱X-lineのreconnection rate (B0λiΩi) 弱X-line の reconnection rate 低下 磁気島速度と弱X-lineのreconnection rate の関係 (各Run の結果の重ね合わせ) 0.07 0.06 静止座標系 inflow 磁気島 磁気島速度が大きいほど、 inflow は大きく阻害され、 弱X-lineのRX rate は低下 0.05 0.04 0.03 磁気島静止系 0.02 0.01 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 磁気島速度 (VAi) • 磁気島移動によって生じる流れのZ方向成分によって弱X-lineのRX rate が低下する • 発生するZ方向の流れの大きさは磁気島速度に比例 (磁気島速度とRX rate は線形の関係) • 磁気島静止系で考えたとき、磁気島から離れるほどZ方向の流れは弱くなる (磁気島速度が大きいとき、速度が大きくなっても、RX rate は低下しにくい) モデル計算・方程式 • 運動方程式 k2=2.2 [B0/μ0λi2] d M (t )V (t ) k2 RF2 (t ) RF1 (t ) 2k3V (t ) 2 RF2 (t ) dt J×B force -∇P force k3=0.8 [miN0/λi2] • 各X-line のリコネクションレート d RF2 (t ) a dt a=0.065 [B0λiΩi] d RF1 (t ) a (Vの関数 ) dt L 線形を仮定 • 質量の時間変化(右図の黒線で囲まれた部分) d d M (t ) 2 RF2 (t ) L(t ) dt dt 弱X-line RF1 強X-line RF2 速度V、質量M • X-line間距離の時間変化 d L(t ) k1 d ( RF1 (t )) Maxk1 d ( RF2 (t )) ,V (t ) dt dt dt 強X-lineが後退 右辺第1項 ・・弱X-lineとO-lineの距離の増加 右辺第2項 ・・O-lineと強X-lineの距離の増加 強X-lineが停止 k1=1.43 [B0-1] モデル計算結果と数値計算結果の比較 数値計算 初期条件 L=12.8λi 強 弱 数値計算結果の時刻T=50Ωi-1の結果を モデル計算の初期値として使用した φ2=1.0 φ1=0.95 各X-lineのreconnected flux の時間変化 0 数値計算結果 12 モデル計算結果 数値計算結果 モデル計算結果 50 10 time (Ω-1) reconnected flux (B0λi) 14 両X-line、O-line の位置の時間変化 強X-line 8 6 弱X-line 4 100 弱X-line O-line 強X-line 150 2 0 0 50 100 time (Ωi-1) 150 200 200 -60 -40 -20 X座標 (λi) 0 20 モデル計算 - 磁気島成長のタイムスケール 磁気島が形成された状態を初期条件としたモデル計算 ‐ (初期の磁気島速度)= 0、 (初期の reconnected flux の差)=0.5 B0λi ‐ (初期の磁気島質量)=(初期磁気島X方向スケール)× (初期磁気島Z方向スケール) 初期X-line間距離 L 初期の強X-lineのreconnected flux の2倍 弱X-lineのRX rate が0.02 となる時刻(Ωi-1) タイムスケール(Ωi-1) 10000 タイムスケールは初期X-line間距離の およそ2乗(初期の磁気島質量)に比例 1000 (傾き) ~ 2 ※ 磁気島加速は急激に起こる ※ 磁気島質量は時間とともに増大 100 10 100 初期X-line間距離(λi) 1000 モデルの問題点 • 磁気島(磁力線で囲まれた部分)の速度を、下図の黒線で囲まれた 部分の平均速度と等しいとしている。 (outflow region が大きくなると、正確ではない) • 磁気島速度と弱X-lineのRX rate の関係を線形と仮定している outflow region どちらも、モデル計算で算出したタイムスケールのオーダーが変わらない程度 まとめ • 強度の異なる2つのX-line間に磁気島が形成された場 合、磁気島は弱い方のX-lineの方向に加速される。 • 磁気島の加速に伴い、弱い方のX-line のreconnection rate は低下し、最終的には磁気島の成長は止まる。 • 磁気島が成長を止めるまでのタイムスケールは、初期 の磁気島の大きさ、X-lineの強度差に依存する。 特に、初期の磁気島の空間スケールの2乗(磁気島の 質量)におよそ比例する。 地球磁気圏(B0=10nT、0.1個/cc → 1λi=0.1RE、1Ωi-1=1s) L=3RE 、 10秒差でX-line発生 ・・・ ~5分 L=10RE 、10秒差でX-line発生 ・・・ ~1時間 (その前にリコネクションは止まる)
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