PRE-19-31

PRE-19-31
示指における接触面積の違いが運動精度に及ぼす影響
Influence of changing contact area of index finger pushing force on force
accuracy
○小島久典 (OT) 1),犬丸敏康 (OT) 2),上田任克 (OT) 3),本田雄大 (OT) 4),六車亮太 (OT) 5)
1)
大阪府立大学総合リハビリテーション学類, 2)金城大学医療健康学部, 3)四條畷学園大学リハビリ
テーション学部, 4)大阪警察病院リハビリテーション科, 5)尼崎中央病院リハビリテーション科
Key words: Motor accuracy
【はじめに】作業療法では麻痺などによる手指の運動機能障害に対し,木工,金工,クラフトなど幅
広い作業活動を介して治療・訓練が行われる.これらの治療・訓練は,適切な運動出力の練習を繰り
返すことで動作の獲得につながり,運動精度を高める可能性がある.しかし,作業療法において生体
側の特性と対象物の関係性を視点とし,対象物との接触状況と運動の再現精度に着目した研究は少な
い.そこで我々は示指で押す力を指標とし,示指で押す力の精度に接触部の面積の違いがどのように
影響するのかを明らかにすることを目的に実験を行った.【方法】対象は接触面積大群:男性8名,女
性2名(計10名),年齢20±0.47歳,接触面積小群:女性9名,年齢19.56±0.53歳とした.口頭
と書面により実験内容を説明し同意を得た.示指の接触面積の大きい群と小さい群に対し,閉眼で課
題となる触圧覚刺激のみを学習し,その後閉眼で示指で押す力を再現した.【結果】接触面積の大き
い群の押す力は接触面積の小さい群の押し力と比較して変動は大きくなったが,群間に有意差は認め
られなかった.【考察】触圧覚刺激のみの接触面積の大小は,示指で押す力の精度に影響を与えない
可能性が示唆された.【作業療法への貢献】作業療法における手指の力精度向上のプログラム選択に
おいて接触面積に関する重要な情報を提示できた.