5.コンピュータ目録とカード目録 5-1.カード目録 記述ユニットカードによる目録記載例 ◎カード目録の宿命 ①検索可能項目は標目のみ ②検索可能にするためには、必ず標目の音順なり に「配列」しないといけない ③検索項目(標目)の数だけ、カード枚数が必要 ④カード目録を維持するには、膨大な労力が必要 ⑤カードケース設置面積とケース代も大きい 5-2.コンピュータ目録 (1)目録データ構造は、表示形とは無関係に設計 しうる ・内部データ構造は、コンピュータ処理がしやすい ように設計できる。 ・したがって、論理的で自由度の高い構造にするこ とができる。 ・その一例が、NIIの構築する総合目録データベー スにおけるデータ構造である。 (2)NACSIS-CATにおける書誌レコード の構造 集合書誌単位と単行書誌単位とで別個の レコードを作成し、それらを単行書誌単位 レコード中のPTBLフィールドを用いてリンク 付けする。 NACSIS-CATにおける書誌レコードの構造 例:『日本の古代』-構成図- 日本の古代 1巻:倭人の登場 15巻:古代国家と日本 『日本の古代』-分析表- 集合書誌単位 タイトルお 本タイトル 日本の古代 単行書誌単位 第15 巻:古代国家と日本 よび責任表 タイトル関連情報 示エリア 責任表示 貝塚茂樹, 江上波夫, 司馬 岸俊男編 遼太郎監修 版エリア 版表示 出版・頒布 出版地 東京 東京 等エリア 出版者 中央公論社 中央公論社 出版年 1985 -1988 1988 形態的記述 数量 16 冊 350p, 図版 32p エリア 大きさ 21cm 21cm 標準番号 ISBN 4124025483 単行書誌レコード 「古代国家と日本」 集合書誌レコード 「日本の古代」 典拠レコード 「岸俊男」 (3)NACSIS-CAT、書誌レコードと典拠レコー ドの関係 統制形で探す利点 著者が複数の名前を使い分けている場合、あるいは複 数の表現形を使っている場合でも、統制形で探すとすべ て検索できる 似た名前が多いような著者名でも、生没年を含めた厳密 な統制形で探すと、絞り込んだ検索ができる 統制形では姓と名の区別を認識しているのでその区別を 検索時に利用できる 漢字形とカタカナ形、ローマ字形、なども入力されていれ ば、自由度の高い検索が可能 (4)コンピュータ目録における検索上の特徴 OPAC(online public access catalog) 利用者用コンピュータ目録 標目だけでなく、記述中の任意の項目からも検 索可能 各記述要素の部分からの検索も可能 典型的にはタイトル中の単語から検索可 組み合わせ検索が可能 インターネットからの検索も可能→Web OPAC (5)コンピュータ目録におけるデータの入手 カード目録時代は、個々の図書館ごとに目録作 業→同じ図書の重複目録作業 コンピュータ目録作業では、目録データを容易に 入手、利用することができる 既製MARCを利用することによって、目録データ を入手→コピーカタロギング 多くの図書館が共同で目録作業を行う、集中目 録作業が開始→書誌ユーティリティの出現 6.MARCと書誌ユーティリティ 6-1.MARC (1)MARCとは ・Machine Readable Cataloging=機械可読目録 (2)MARCの歴史 ・1969年、LC(Library of Congress)が初めて作成 ・日本では、1981年に国立国会図書館がJAPAN MARCを開発 ・現在は、JAPAN MARCとTRC MARCの2本立て (3)MARC Formatの例 (MARC21) 020 ## $a0845348116 :$c$29.95 (£19.50 U.K.) 020 ## $a0845348205 (pbk.) 040 ## $a<organization code>$c<organization code> 050 14 $aPN1992.8.S4$bT47 1991 082 04 $a791.45/75/0973$219 100 1# $aTerrace, Vincent,$d1948245 10 $aFifty years of television :$ba guide to series and pilots, 1937-1988 /$cVincent Terrace. 246 1# $a50 years of television 260 ## $aNew York :$bCornwall Books,$cc1991. 300 ## $a864 p. ;$c24 cm. 500 ## $aIncludes index. 650 #0 $aTelevision pilot programs$zUnited States$vCatalogs. 650 #0 $aTelevision serials$zUnited States$vCatalogs (4)MARCの問題点 タグ付き言語であるが、IT世界における標準 マークアップ言語が出現以前に制定 図書館界独自仕様のフォーマットになっている →IT世界における汎用性がない 開始タグはあるが終了タグがない ISBDとMARCの役割分担が混沌 目録世界は、内容定義の側面と、入力や表現書 式といった側面とを区別する時代に入っている 6-2.書誌ユーティリティ 多数の参加機関が、オンライン共同分担目録作 業を行うことを目的として始まった組織 参加館の総合目録形成が主な役割であるが、資 料収集、相互貸借、遡及変換、情報検索サービ スといった業務にも拡大していった 1967年設立のOCLCが、世界最古最大の組織 日本では1986年に、学術情報センター(後の国 立情報学研究所)が誕生した。 (1)OCLC 1967年設立、1971年オンライン共同分担目録作 業を開始。当初名称、Ohio College Library Center→Online Computer Library Center 全世界にサービスを提供する巨大組織 共同分担目録作業の成果としての総合目録デー タベース →WorldCat 相互貸借システム、電子ジャーナルの開発、研 究開発、等々多くの業務を行うが、情報検索シス テム(FirstSearch)が各図書館でよく使われる (2)国立情報学研究所(NII) 1986年、文部省の推進する学術情報システムを 実現するために「学術情報センター(NACSIS)」と して設置、その後2000年に改称 業務内容は、研究系と事業系とに分かれる 事業系では、目録・所在情報データベースの形 成・提供(NACSIS-CAT/ILL)、さまざまなデータ ベースを提供する情報提供サービス(GeNii)、各 研究機関所蔵の情報資源電子化と情報発信支 援等、多岐にわたる 7.NACSIS-CATにおける総合目録データ ベースの概要 NACSIS-CATにおけるファイル構成 書誌レコードと所蔵レコードとの関係
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