薬剤耐性菌による 急性中耳炎、鼻副鼻腔炎に対する

急性中耳炎に対する治療選択
急性中耳炎の治療選択
重症度分類
細菌学的検討
簡易分類
スコアリング
リスクファクター
38℃以上の発熱
鼓膜の中等度以上の膨隆、発赤
臨床スコアー
鼓膜スコアー
2歳以下、集団保育児、
反復感染、抗菌薬前使用
なし
あり
3点以下
4点以上
なし
あり
軽症
重症
軽症
重症
非耐性菌感染
耐性菌感染
薬剤耐性菌による急性中耳炎の治療ガイドライン案
薬剤耐性菌
のリスクファク
ター*
なし
あり
初診時
抗菌薬なし
アモキシシリン
40mg/kg
3日後無効例
アモキシシリン
40mg/kg
1.オーグメンチン
40mg/kg
2.アモキシシリン
60-80mg/kg
3.鼓膜切開
7-10日無効例
14-28日無効、再発例
1.オーグメンチン
40mg/kg
2.メイアクト9mg/kg
3.鼓膜切開
1.鼓膜切開
2.オーグメンチン60-80mg/kg
3.メイアクト18mg/kg
1.鼓膜切開
2.オーグメンチン
60-80mg/kg
3.メイアクト18mg/kg
1.鼓膜切開
2.ロセフィン(iv)50mg/kg,
1x/day
*耐性菌リスクファクター:
①2歳以下②1ヶ月以内の抗菌薬使用③集団保育児④中耳炎の反復
薬剤耐性菌による急性中耳炎の治療ガイドライン案
重症度・
リスクファク
ター*1
軽症・なし
初診時
抗菌薬なし
3日後無効例
アモキシシリン
40mg/kg
軽症・あり
重症・なし
アモキシシリン
40mg/kg
1.オーグメンチン40mg/kg
2.アモキシシリン60-80 mg
/kg or メイアクト9mg/kg
3.鼓膜切開
重症・あり
1.アモキシシリン
60-80mg/kg
2.オーグメンチン
40mg/kg
3.鼓膜切開
1.鼓膜切開
2.オーグメンチン6080mg/kg
3.メイアクト18mg/kg
7-10日無効例
14-28日無効、再発例
1.オーグメンチン
40mg/kg
2.メイアクト9mg/kg
3.鼓膜切開
1.鼓膜切開
2.オーグメンチン60-80mg/kg
3.メイアクト18mg/kg
1.鼓膜切開
2.オーグメンチン6080mg/kg
3.メイアクト18mg/kg
鼓膜切開
ロセフィン(iv)40mg/kg, 1x/day
for 3days
鼓膜切開
ロセフィン
(iv)50mg/kg, 1x/day
鼓膜チュービング*2
カルベニン50mg/kg
カルベニン+
ロセフィン(for BLNAR)
*1耐性菌リスクファクター:
①2歳以下②1ヶ月以内の抗菌薬使用③集団保育児④中耳炎の反復
*2鼓膜チュービングの留置期間:2歳〜2歳6ヶ月までをめどに留置する
オーグメンチンの使い方
アモキシシリン:クラブロン酸
本邦では2:1
米国では4:1
クラブロン酸が下痢などの副作用の主因であることから米国
では15:1の製剤(Augmentin-ES)が発売されている
クラブロン酸のβラクタマーゼ阻害作用は
AMPC 250 mg:CVA 15mg(15:1)
まで有効性が証明されている。
オーグメンチンの使い方
オーグメンチンを減量し、クラブロン酸の一回投与量を下げる。
• ペニシリン常用量投与
オーグメンチン20mg/kg + アモキシシリン20mg/kg
(AMPC:CVA=5:1)
• ペニシリン1.5倍量投与
オーグメンチン20mg/kg + アモキシシリン40mg/kg
(AMPC:CVA=8:1)
• ペニシリン2倍量投与
オーグメンチン20mg/kg + アモキシシリン60mg/kg
(AMPC:CVA=11:1)
オーグメンチンの使い方
• オーグメンチン常用量 40mg/kg 中にクラブロン酸は
約13mg/kg含有
• クラブロン酸が10mg/kgを超えると、下痢の副作用が急増
• オーグメンチンを減量し、クラブロン酸の一回投与量を下げる。
• AMPCを市販のペニシリン系薬で補充する
• ワイドシリン(20%):推奨(一回の薬物量が少ない)
• パセトシン(10%)
• サワシリン(10%)