食事療法の摂取エネルギーを、

食事療法の摂取エネルギーを、いわゆる
「隠れ肥満」と「太りやすい体質」
を考慮して求める方法
「隠れ肥満」と「太りやすい体質」
隠れ肥満:
BMI法では標準体重だが、体脂肪・内臓脂肪が多い
太りやすい体質:
摂取エネルギー(E)を決める基礎代謝基準値(B:
体重1kgあたりの基礎代謝量)が低い形質
・ 標準偏差率には10%ほどのばらつきがある
・ 倹約遺伝子
どちらも、
インスリン抵抗性を上げて、病態を悪化させる
隠れ肥満は体脂肪率で補正する
男性 54歳以下 平均44.6歳
2342人
有病者: 空腹時血糖≧110、 HbA1c≧5.7、 問診票で受診中 のうち1つ以上
有病率
100 %
体脂肪率別全数
250人
80
200
60
150
40
100
20
50
0
0
10
20
30
40
0
50 % 体脂肪率
隠れ肥満は体脂肪率で補正する
女性 54歳以下 平均44.0歳 1658人
有病者: 空腹時血糖≧110、 HbA1c≧5.7、 問診票で受診中 のうち1つ以上
有病率
100 %
体脂肪率別全数
250人
80
200
60
150
40
100
20
50
0
0
10
20
30
40
0
50 % 体脂肪率
体脂肪率から求める目標体重
目標体脂肪率(男0.13、女0.19)を f とすると
体脂肪組織1kgに0.8kgの脂肪が含まれることから
現在
目標
25%
13%
目標体重= (0.8 - 体脂肪率)/(0.8 - f) ×体重
検索エンジン→[体脂肪 経時的]
太りやすい体質には「減らすE」
基礎代謝基準値が低い
→ 目標体重まで減らない
ような気はする
その証明は?
… 「体重∝摂取E/B」を使う
その対策は?
… 「今の摂取Eから減らすE」を使う
体重は、基礎代謝基準値に反比例
消費E = 基礎代謝 × 生活活動 × 体重
基準値
強度指数
B
A
W
消費E - 摂取E = 体重減少量
体重減少量=0になると
消費E = 摂取E
代入して
B・A・W= 摂取E、
W
= 摂取E/(B・A) :体重減少量=0のとき
太りやすい体質だと目標体重まで減らない
W =摂取E/(B・A)
B’:基礎代謝基準値の推定値、We:目標体重
食事療法の 摂取E=B’・A・We を代入
W = B’A・We/(B・A)
=( B’/B)・We
B’/B > 1だから
W > We
体重減少=0のときの体重Wは目標体重Weより重い
証明終
「減らすE」 だと誤差が少ない
e:誤差率とすると、推定値B’=(1+e)・B
従来の指示E : 現在の摂取E-減らすE
摂取するE
: (1+e)・B・A・We : B・A・W-(1+e)・B・A・(W0-We)
本来摂るべきE: B・A・We
: B・A・We
その差=誤差 : e・B・A・We
: e・B・A・(W0-We)
↓
We > 0.5・W0 [体重減少率<0.5]のとき、
「減らすE」のほうが誤差が少ない
証明終
検索エンジン→[摂取E 較差(こうさ)]
「減らすE」だと絞り込みやすい
「今の食事から、あと○○単位分減らす」
↓
• 今の食事からだと、理解・実行が容易になる
• 単位が理解できなくても、実行し得る
• ふだんの食事を減らしておくので、
間食や暴飲暴食の影響も減らせる
太りやすい体質と隠れ肥満を考慮した食事療法
適応患者:
・ 体重の割に体脂肪が多い
[体脂肪 経時的]
・ 食事療法を実行しても、目標体重まで減らない [摂取E 較差]
・ 通常の食事療法が理解・実行しにくい
食事療法の修正: 現在の食事から、
B・A ・現在の体重・ (体脂肪率 – f) / (0.8 - f) kcal
だけエネルギーを減らす
ただし、f: 目標体脂肪率: 男0.13、
B・A: 体重当たりE: 軽い労作
普通の労作
重い労作
女0.19
25~30
30~35
35~
kcal/kg