ライフスキル教育 プロジェクトマニュアルの開発 教育協力NGOネットワーク(JNNE) 代表 片山信彦 1 教育協力NGOネットワーク 教育協力NGOネットワーク (Japan NGO Network for Education:JNNE) 目的: EFA目標達成に貢献すること。教育協力に関 わるNGOのネットワーク組織 設立: 2001年1月 活動: 情報交換、調査研究、能力強化、政策提言、 広報活動 会員団体:28団体、2大学(2007年1月) http://www.sva.or.jp/jnne/ 2 昨年度の調査:①ライフスキル概念の整理 ダカール行動枠組み – EFA目標の3つめにライフスキル教育・プログラムの推進 があげられている。 ライフスキルの定義 – ライフスキルとは、意思決定、問題解決、創造的思考、 批判的思考、コミュニケーション、人間関係、自己意識、 共感性、ストレスへの対処。ライフスキルは知育、徳育、 体育の基礎にあたる部分を構成するとともに、開発途上 国が抱えるさまざまな課題-HIV/AIDS、環境破壊、貧困、 児童労働など-の予防および解決のための前提となるも のである。日本の教育でいうところの「生きる力」を学ぶ ための学習・プログラムである。 →意思決定、問題解決、創造的思考、批判的思考、効果 的コミュニケーション、対人関係スキル、自己意識、共感 性、情動への対処、ストレスへの対処 2.昨年度の調査:①ライフスキル概念を整理 学習・教授方法 目標 ブレーンストーミン グ 人々が日常生活で生じ るさまざまな問題や要求 に対して、建設的かつ効 果的に対処するために必 要な能力を育てる ロール・プレイ クラス・ディスカッ ション グループ・ワーク ゲーム、シミュレー ション 原因、結果、対処法などの知識 状況分析、事例研 究 ディベート ストーリーテリング 経験共有 その他 環境 学校 コミュニ ティ 道路 職業 知識 宗教 薬害予防、HIV/AIDS、保健衛生、環境、 地雷、平和、識字、その他 既存の グループ・ クラブ 現実の能力(=「何をどのように行うか」という能力)に結びつけるこ とを促進する/可能にする/行動に結びつける能力 技能 価値感・態度 ・意思決定-問題解決 ・自己意識-共感性 ・創造的思考-批判的思考 ・情動への対処-ストレスへの対処 ・コミュニケーション-対人関係 その他 2.昨年度の調査:①ライフスキル概念を整理 普及・実践に移す難しさ 定義が多様 – 地域の文化、慣習、伝統に左右される →国によって定義が異なり、カリキュラムに統合すること が難しい。 途上国の現状 – 「参加型アプローチ」を取る必要がある一方、教員や ファシリテーターの技量がポイントとなるが、途上国の 人材の量・質に見合っていない。 – 教育施設、教材など 縦割り – 行政分野での縦割りの政策で実施 – 分野ごと(保健、環境、平和など)に実施 2.昨年度の調査:②日本のNGOの活動の特徴を整理 分野 地雷回避 事業・国名 団体 「アンゴラ共和国ルンダスル州における地 雷回避教育事業」 難民を助ける会(AAR) 平和構築 「パレスチナ難民キャンプの子どもの文化・ 教育支援(サマープログラム)」 日本国際ボランティアセン ター(JVC) 環境 「ベトナム都市低所得者地域の生活向上及 ブリッジ・エーシア・ジャパン (BAJ) び教育支援」 保健衛生 「アフリカ地域プロジェクト エイズ紙芝居 キャンペーン」 家族計画国際協力財団 「ケニア共和国東部州ムインギ県における 地域保健協力事業+エイズ関連事業」 アフリカ地域開発市民の会 「東北タイ地域保健エイズプロジェクト」 シェア(SHARE) 「マドラス地域開発プロジェクト」 ワールド・ビジョン・ジャパン HIV/AIDS 価値・ (CanDo) (WVJ) コミュニケーション 態度 (JOICFP) 「スリランカハンバントタ県津波被災地域に おける生活改善・コミュニティ強化支援事 業」 ジェン(JEN) 「ミャンマー難民キャンプの図書館活動」 シャンティ国際ボランティア会 2.昨年度の調査:日本のNGOの活動の特徴を整理 分野:環境、平和、地雷回避、保健衛生、 HIV/AIDS、コミュニケーション(読書推進含 む) 特徴: ・ノンフォーマル教育が中心 ・学習プロセス重視 ・持続性への配慮 「ライフスキル」として認識している例は少ない 経験が文書化、蓄積されていない→今年度計画 へ 3.今年度事業:ライフスキル教育 プロジェクト・マニュアルの開発 目的:エイズ教育と読書推進の二つのテーマの ニーズ調査、計画立案、実施、評価というプロ ジェクトサイクルのマニュアルの開発を行う。 ワークプラン 2年間 – 1年目 調査(ケニア、タイ、カンボジア、ラオス)、 マニュアル案の開発 – 2年目 マニュアル案の普及 ワークショップ、フィードバック、 マニュアルの修正、完成 参加NGO:エイズ教育:ワールドビジョン, Cando 読書推進:ラオスのこども、シャンティ 3.HIV/AIDS予防・共生教育 マニュアルの構成 I HIV/AIDS教育の国際的潮流 II HIV/AIDS教育のアプローチ 多元的取組 みの必要性 III 対象別のアプローチ ※各々のテーマにつき、成果、限界、内容を 記述 1.学校:教員と子ども 2.コミュニティ 3.行政機関 3.読書推進マニュアルの構成 第一部 理論編 1.ライフスキル教育としての読書推進 2.読書推進の意義(権利としての識字、人間の成長過程と して) 3.読書推進の効果(就学率の向上、学習意欲の向上) 第二部 実践編 1.本(選書、出版、補修、配布) 2.スペース(学校図書館、コミュニティ図書館、移動図書 館、図書箱) 3.図書館員・教員(養成、研修、インセンティブ) 4.サービス(読み聞かせ、文化活動) 5.運営(ニーズ調査、住民参加、コスト、持続性、教育行 政機関、モニタリング、評価)
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