書誌データの国際標準と協力についてのシンポジウム 2002年12月26日 日本の書誌データの問題と課題 「実務担当者からの提案」 鹿島みづき 愛知淑徳大学図書館 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 1 問題点の整理 問題点と日本側の対応の一覧表: 1.機械的に処理できるもの 2.レコード作成者自らが対応できるもの (例えば、TRC) 3.国レベルでの対応によって解決できる もの 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 2 日本の書誌に見られる問題点 記述に関連して: 1.基礎書誌単位の相違 2.主記入の相違 3.分かち書きの相違 4.大文字化の相違 5.ローマ字データの欠如 6.初版表示の記述の欠如 7.物理詳細に関する記述 8.漢字字体の相違 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 3 日本の書誌に見られる問題点 主題に関連して: 1.件名標目 2.分類記号 3.典拠ファイル 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 4 主題アクセスに有効な 件名標目の必要性 国際的に書誌データを流通させるため には国際的にも「検索可能な主題」 ↓ 国際的に通用する「件名標目表」 の採用が必須になる。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 5 LCSHに準拠した件名標目 の必要性 ・国際的に普及しており、利用価値が高い。 ・語彙が豊富である。 ・内容の更新が週単位で行なわれており、最新の 主題を表現することが可能である。 ・LCSHの典拠ファイルはWeb上に一般公開され閲 覧が可能である。 ・日本には統一された件名標目表がない上に、海 外で利用されている例が少ない。 ・標準的分類記号として採用されているNDCは改 訂に時間がかかり、新しい主題表現が難しい。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 6 日本におけるLCSH付与の突破口 となりうるプラスの要因 NIIメタデータ・データベースで Subject Elementの必須の 「スキーマ」として採用された 「LCSH」 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 7 LCSH採用に伴う課題 1.使い方の研修 2.マニュアルの整備 3.典拠ファイルの一本化 4.固有名典拠ファイルの一般公開とその利用 5.書誌データ、典拠ファイルへの固有名標目 のAACR2R形の記載 6.日本のニーズを反映させるためのLCSHへ の働きかけ 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 8 件名標目の種類 LC件名主標目には 1.主題件名標目(Topical headings) ex. Libraries, Metadata 2.形式件名標目(Form headings) ex. Encyclopedias and dictionaries, Periodicals 3.固有名標目 (Name headings) 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 9 固有名件名 1.個人名 2.団体名 3.地名(自治体、非自治体) 4.その他 (言語、歴史的出来事、戦争、 祝祭日、賞、民族、宗教、哲学、 名 称をもつ物体等) 5.統一タイトル 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 10 問題の整理 Implications 1. 日本人名・日本団体名の標目もAACR2に 対応した形でローマ字表記にする必要がある。→件 名以外のアクセスポイントに使用されている日本語表 記標目との矛盾をどう処理するか? 2.LC上で表現されるその他の固有名も英語形の名称 の可能性がある。→日本語本来の形とどう関連つけ るか? 3.日本特有のニーズを踏まえた件名がない可能性が ある。→LCSHにない件名を採用してもらう手続きが 必要になる。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 11 問題の対処法 ー 実務担当者レベル・ 機関レベルで対処できること 1.LC Authorities・LC Online Catalogの活用 2.AACR2R22章-25章の理解(しかし、日本語訳 は1987年翻訳のものしかなく、しかも絶版なので、 JLAに再発行してもらう必要がある。できれば 2002年版を新しく発行してほしい。) 3.ローマ字形も書誌に記載する。典拠コントロー ルができている図書館システムであれば、ローカ ル固有名典拠に一度入力するだけで済む。 4.新しく採用して欲しい件名や参照形をSACOを 通して提案する。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 12 問題の対処法ー国レベルでの対応 1.日本人名・団体名の問題 ・NDL、NACSIS-CATの典拠ファイルの統合 と管理の一本化と公開 ・その際、ローマ字形(ALAによる)を 参照形として記載 ・NDL、NACSIS-CATの著者名典拠ファイル の一般公開(LCからの日本語標目の参照 形の充実を図ってもらうことが出来る。) 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 13 問題の対処法ー国レベルでの対応(続) 1.日本人名・団体名の問題 ・LC Authoritiesにレコードのない人名・団体 名レコードを提供する。 ↓ NACOへの提案 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 14 問題の対処法 ー 国レベルでの対応 2.人名・団体名以外の固有名 ・LCSH典拠ファイルの参照形に日本語形を 記載してもらうような仕組みを作る。 ↓ SACOへの提案 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 15 問題の対処法 ー 国レベルでの対応 3.日本のニーズを踏まえた件名の確保 ・日本のニーズをある程度網羅的に分析す るために、NDLSH、BSHとの連携を図り、 分析結果をLCSHに盛り込む手段を確保 する。 ・LCSHにない件名を逐次SACOに提案でき るような仕組みを作る。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 16 ご清聴ありがとうございました。 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 17 参考文献 1. Subject Cataloging Manual : Subject headings / prepared by the Cataloging Policy and Support Office, Library of Congress. – 5th ed. -Washington, D.C. : Cataloging Distribution Service, Library of Congress, 1996. 2. Library of Congress subject headings : principles and application / Lois Mai Chan. -- 3rd ed. -- Englewood, Colo. : Libraries Unlimited, 1995. 3. SACO (the subject authority component of the PCC) http://www.loc.gov/catdir/pcc/saco.html 4.NACO (the name authority component of the PCC) http://www.loc.gov/catdir/pcc/naco.html 5. The LCSH Century : one hundred years with the Library of Congress Subject Headings / Alva T. Stone, editor. – New York : Haworth Information Press, c2000. 2002年12月26日ライブラリーシステム研究会特別セミナー パネルディスカッション 鹿島みづき 18
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