標準化(戦略)の教科書について

四半世紀の経験を振り返って-sustainability & networking
黒川利明
㈱CSKホールディングス CSKフェロー
国際標準化教育研究会
[email protected]
2009/10/9
背景
• 長年,国際標準化の場で活躍してきたエキス
パート達は,必ずしも会社で評価され続けて
いたとは思えない。
• そのような環境の中で(決して直接的な利潤
に寄与するわけでない)標準化活動を続ける
ことができたのは,それなりの努力と工夫をし
たからであろう。
• その努力と工夫を紹介することは,標準化の
人材育成に不可欠と思われる。
もう1つの理由
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継続は力なり - 力は継続から
人のネットワークこそ、力の源
個人と集団 - その両方が大事だ
標準を取り扱う部門の存在は、必ずしも必要
でない(?)
標準にかかわるきっかけ
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大学時代のJIS Fortran
Common Lisp
1986 - LispとPrologの標準化
日本IBM
– 全世界で標準参加の名簿
– データベース
– 予算と評価
標準分野の拡大
• SC22(プログラミング言語と環境)
• Java
• オブジェクト指向
– OMG -Japan SIG
– INSTAC
• Intelligent PAD(北大 田中譲)
• ECMAScript
• J Consortium
CSKへの転職
• 入社条件の交渉
– 標準活動
– 旅費
• 利用者(仲介者)の立場
• 海外ネットワーク
社外活動
• 文部科学省 科学技術政策研究所 科学技
術動向研究センター
• 日本規格協会 情報技術標準化研究セン
ター
• バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)
• 電気学会 情報サービスの協調的連携技術
調査専門委員会
• 電子商取引推進協議会
標準に関わる人材教育
• John Hill
– Univac, Unisys, AMP, Sun Microsystems (Compaq)
• 栗原史郎
– 科学技術動向のレポート
• ICES
– Donald Purcell, Tineke Egyedi
継続できたのは
• 社外活動が評価された(IBM)
• 社外活動が許された(CSK)
• 海外のネットワーク
– 社内が支援(IBM)
– 社内業務への見返り(CSK)
• 国内のネットワーク
標準化活動との相性
• 標準化活動は,技術と政治
– 研究開発と同じ?
• 英語と日本語
– 文書と発言
• 経験がモノを言う(?)
• チームワークと責任遂行
• 好奇心
グローバル企業での標準活動
• 国際標準に対する認識は高い(はず)
• 日本人の活躍する場は、結構難しい
– ヨーロッパ=標準活動の場
– 米国=開発現場
• グローバル企業の発展段階
– S. Palmisano, “Globally integrated enterprise”,
Foreign Affairs, May/June, 2006
• アジア市場が世界市場になるか?
まとめと質問
• 継続は,幸運の賜物(?)
• 専門職としての「標準家」は,どう位置づけら
れるか
• 若い人たちが,標準に踏み出すきっかけを,
どうやって作ればよいか
• 企業の組織や風土を,どう変えていけば良い
のか,どう変えられるのか