基礎物理学 2014.4.28 重力とクーロン力の逆2乗則 1.物質を構成する粒子 【陽子,中性子,電子】 ・質量 mp=1.6726×10-27kg mn=1.6749×10-27kg me=9.1094×10-31kg ・陽子の電荷 +e 電子の電荷 -e ・陽子の半径 0.88×10-15m ヘリウム原子 (e 電気素量=1.6022×10-19C) ・電子の半径は限りなく0に近いと考えられている。 ・物質の質量のほとんどは陽子と中性子の質量。 ・電子は軽いため他の電荷とのクーロン力で動きやすいので,多くの電気現象で主役となる。 2.自然界の基本的な力 2つの物体間に働く力の式 r 重力 2物体間の距離 mM r2 F G m, M 各物体の質量 クーロン力 F q, Q 1 4 qQ r2 0 k qQ r2 各物体の電荷 G=6.673×10-11Nm2kg-2 重力定数 k=1/(4πε0)=8.9875×109Nm2C-2 ε0=8.8542×10 相似点 ー12 N -1 m -2 クーロン力の係数 2 C (真空の誘電率) ・力の大きさは物体間の距離の2乗に反比例 (逆2乗則) ・力の源(質量,電荷)に比例 相違点 ・重力は引力のみであるが,クーロン力は引力 及び斥力,の2つの場合をもつ ・力の強さが非常に異なる 3.地球の質量の計算 地表付近の物体は地球からの重力を受ける。 物体をある高さから落とすと,物体の速度は落下とともに増加する。その加速度は g =9.8ms-2 であることが測定される。 従って,物体が地球から受ける力はF=m g。 よって, m g =GmM/ R 2 が成り立つ。また,地球の半径 R もエジプト王朝時代から測定されている。 R =6.38×106mとする。これらの情報から 地球の質量及び平均密度を求めることができる。 M= R = 4.重力とクーロン力の強さの比較 【水素原子で比較】 水素原子の電子-陽子間距離(ボーア半径)=5.292×10-11m 水素原子における電子-陽子間に働く重力とクーロン力: 重力= クーロン力= よって, 力は 力より 倍,強い。 5.原子が形成される必然性 正電荷どうし及び負電荷どうしの間には斥力が働き,正電荷と負電荷の間では引力が働 く。これらは非常に強い力である。したがって, ①同符号の電荷どうしでは強く反撥しあい, ②異符号の電荷どうしでは強く結合する。 この結果,物質の状態が落ちついたときには,物体の各部分はごく小さい部分まで内部 の正電荷量と負電荷量が等しい中性の状態になっている。この最小の単位が原子である。 すなわち,強いクーロン力のもとでは,物質は必ず中性の原子を単位として構成される。 <物理量の基本単位> s 時間 m 長さ kg 質量 C 電荷
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