湖沼長期モニタリング

湖沼の変化の評価
データベース化
国立環境研究所 高村典子
陸水分科会
河川・湖沼・湿地・ダム湖
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中村太士(北大) 河川DB、陸水域での生物多様性総合評価の課題、自然再生
事業、湿地、流域
西野麻知子(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター) 「琵琶湖の生物多様性デー
タの現状と課題」
国井秀伸(島根大) 「湖沼沿岸域のモニタリング手法 -宍道湖・中海の事例
-」
片野修(水産総合研究センター中央水産研究所内水面研究部) 陸水域の魚類
DBの現状と課題。外来種。
占部城太郎(東北大) 古陸水の手法を用いた湖沼評価。高山帯の湿原につい
て。
田中嘉成(国環研) 霞ヶ浦長期モニタリングDBを活用したリスク評価
福島武彦(筑波大学) 衛星画像による湖沼評価。陸水の生物多様性評価のた
めの周辺データ(水質、水量、水位、その他)
総合討論(12時まで)
1.既存のデータベース
どのようなデータベースが
どこに蓄積されているか?
水質 (COD,TN,TP,pHなど) 1972年、1982年から(水質保全)→環境省
湖沼法指定11湖沼(水質保全)→湖沼管理主体(自治体、国土交通省)
水産資源のためのデータ(都道府県水産試験場、農林水産統計)
琵琶湖・霞ヶ浦・諏訪湖・白樺湖・宍道湖・中海・厚岸湖・洞爺湖・摩周湖・尾瀬沼
などで、研究者が研究のために実施してきたモニタリングデータ→JaLTER
(研究対象とする生物が主体)
河川水辺の国勢調査(ダム湖版)約100の国土交通省管轄のダム湖
→ダム水源地センター
環境省モニタリング1000(全国20湖沼10湿地で2009年度から開始)
1.既存のデータベース・今後のモニタリングの問
題点(なぜ、使えない)
水質 (COD,TN,TP,pHなど) 1972年、1982年から(水質保全)→環境省
→一律、「権威をもつ」評価基準。本質を見失う。
湖沼法指定11湖沼(水質保全)→湖沼管理主体(自治体、国土交通省)
水産資源のためのデータ(都道府県水産試験場、農林水産統計)
→片野さん、
琵琶湖・霞ヶ浦・諏訪湖・白樺湖・宍道湖・中海・厚岸湖・洞爺湖・摩周湖・尾瀬沼
などで、研究者が研究のために実施してきたモニタリングデータ→JaLTER
(研究対象とする生物が主体)
→西野さん、國井さん、高村(霞ヶ浦)
河川水辺の国勢調査(ダム湖版)約100の国土交通省管轄のダム湖
→なぜ使えないのか。
環境省モニタリング1000(全国20湖沼10湿地で2009年度から開始)
→少ない予算で、どのように運営していくのか?
問題点をどのように克服するか?
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精度管理→
継続性の確保→
恣意性→
「専門家」 →
少ない予算→
技術の進歩をどうとりいれるか?
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2.生物多様性・生態系評価
 どのような生物データで評価するのが有効か?
沖と沿岸域
 湖沼特性に適した評価の必要性
指標種のアバンダンス・分布
普通種(ため池でいうトンボのような生物グループって何?)
生態系のキーストーン種(グループ)-水草・プランクトン食魚
絶滅危惧種や保全対象種の変化
外来種の変化
沿岸域(植生群落)のカバー率、自然湖岸率、保護区の面積
沖:生産性を指標するクロロフィルa量
生態系機能の指標開発(田中さん)→甲殻類動物プランクトン
深い湖沼:成層と循環のパターン・水温と溶存酸素濃度の分布
琵琶湖(古代湖)の固有種
流域の土地利用変化、産業や社会構造、森林面積、湿地・沿岸面積
水産有用種の放流量・資源量
栄養塩負荷量
分断化や不自然な連結(堰や導水)
水質
流域の自立性
生物多様性に対する住民の意識・税金の投入量
3.生態系に何が起きたのか?
変化要因を明らかにするための周辺情報DB
→手に入る。担当者による。行政文書は捨てら
れる。
気候変動(温暖化)・集中豪雨や洪水・渇水
流域の改変(都市化などの開発、農地の増大、畜産)
-富栄養化(窒素とリンの負荷)・農薬などの化学物質
護岸・水位管理
Connectivityの変化
-水門や堰の建設運用、導水の運用、内湖の喪失)
外来種
浚渫
漁業形態の変化(網生簀、放流など)
4.社会学的な側面からの評価
人びとの選考を知る
かかわりの指標→再生に活かす
協働や協力をうみだすしくみの構築
分科会への問題提起
• 既存データの発掘は十分か?
• 既存の問題点は克服できそうか?
• 生物多様性・生態系評価のために、どのようなデータを使いたい
か?
• データ供給者と利用者のパイプをつなぐには?
• どうすれば継続的な観測と評価体制の構築ができるか?
• 自動計測や新しいモニタリング機器の有効性と問題点
• 衛星データはどこまでカバーしうるか?→リモセン分科会へ
→従来型モニタリングの継続は必要か?
• 生き物調査を楽しむ参加型モニタリングの視点をどう取り入れるか
→予算のないモニセン
• ヒステリシスをもつ湖沼生態系評価予測への対応をどのように実施
するか→評価・予測分科会へ
• 健全な生態系の維持(長期的な利用)と水資源・漁業資源(短期的
利用)の調整は可能か→保全・再生分科会へ
→科学知と生活知のすりあわせ。かかわりのモニタリング