平成23年度公共事業コスト改善の実績について 1 コスト改善の取組み概要 公共事業のコスト改善については、平成9年度から取組みを行っており、平成21 年度からは、それまで改革プラン(平成16年度~平成20年度)で取り組んでいた 施策について引き続き取り組むとともに、新たな視点である「民間企業の技術革新に よるコスト構造の改善」や「施設の長寿命化によるライフサイクルコスト構造の改善」 及び「環境負荷の低減効果の取組」を加えた「宮崎県公共事業コスト構造改善プログ ラム」に基づき施策を推進してきた。 2 コスト改善の実績 (1)平成23年度コスト改善実績 改善額 : 約 63 億円 改善率 : 9.5% (2)部局別内訳 部局名 (単位:千円) 発注 件数 設計額 ① 改善前 ③改善額 ② 改善後 ④改善率 県民政策部 4 65,350 65,350 1,241 1.9% 総務部 6 183,450 172,465 10,985 6.0% 福祉保健部 14 426,916 384,681 42,235 9.9% 環境森林部 141 4,369,099 4,089,306 280,270 6.4% 7 113,636 107,566 6,070 5.3% 農政水産部 401 8,394,357 7,739,346 655,011 7.8% 県土整備部 1,756 43,767,825 39,482,184 4,348,918 9.9% 企業局 72 1,982,589 1,914,133 127,343 6.4% 病院局 15 255,989 211,115 44,874 17.5% 教育委員会 80 3,828,913 3,216,096 612,817 16.0% 169 2,612,948 2,485,305 127,643 4.9% 2 4,574 4,250 324 7.1% 2,667 66,005,646 59,871,797 6,257,731 9.5% 商工観光労働部 警察本部 県議会事務局 合 計 ※改善が図られた発注件数、987 件 ④改善率 = ③/① × 100 ※①改善前の設計額は「②改善後の設計額」に「改善額③のうち、工事コスト構造 の改善額のみ」を加えたものであるため、②と③の合計と①は一致しない。 (3)項目別内訳 総合コスト縮減項目 ① 工事コスト構造の改善 改善額(千円) 改善率(%) 6,133,849 9.29% ② ライフサイクルコスト構造の改善 72,310 0.11% ③ 社会的コスト構造の改善 51,572 0.08% 6,257,731 9.48% 合 計 (4)工事コストの改善が図られた主な具体的施策 ① 設計方法の見直し(既設構造物の活用、地域の実情に合わせた道路整備など) ② 新技術の活用(河川護岸への野芝ジオテキスタイル工法の採用、切土法面へ の簡易吹付法枠工の採用など) ③ 建設副産物対策(公共工事間での土砂流用、コンクリートを破砕し袋詰根固 工の中詰材として再利用など) (5)コスト構造改善プログラムに基づく平成23年度の改善額・改善率 (6)平成23年度コスト改善実績についての評価 平成23年度のコスト改善率が9.5%に留まったことに関しては、改善プロ グラムから新たに盛り込まれた「ライフサイクルコスト構造の改善」や「社会的 コストの構造の改善」といった分野での実績を伸ばせなかったことが要因と考え られる。 また、「公共事業コスト構造改善プログラム」の策定により、それまでの「公 共事業コスト構造改革プラン」で平成15年度としていた基準年を平成20年度 としたことにより、それまでコスト改善策として計上していた施策の一部が標準 工法となったことも要因の一つと考えられる。 3 今後の取組み (1) 平成25年度の総合コスト改善率15%の達成に向け、引き続き「工事コス トの削減」に取り組むとともに、特にコスト改善効果の高い計画・設計段階の 見直しに努める。また、改善プログラムから新たに盛り込まれた「ライフサイ クルコスト構造の改善」や「社会的コスト構造の改善」についても推進する。 (例)設計VEの活用 新技術・新工法の活用 効率的・計画的な維持管理・更新による維持管理費の低減 工事に伴う環境負荷等の低減(CO2削減・工事規制日数の短縮) (2) 職員一人一人のコスト意識の定着を図るとともに、事業のあらゆる過程にお いて創意・工夫を啓発し、さらなる総合的なコスト改善の推進を目指すことが 必要である。
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