うつ病・双極性障害(躁鬱病)・神経症等の研究開発状況 出典…日経産業、日経サイエンス、インターネット等 NO 開発名・開発機関 研究・開発内容など 1 うつ病治療用インプラント 米サイバロニクス社 (2004,6) 迷走神経刺激法(VNS)の一種 ↓ 頚部に埋め込まれた電極 ↓ 感情領域を刺激。 (大脳辺縁系) 2 躁鬱病遺伝子GRK3 カリフォルニア大学サンディエゴ 校(ジョン・ケルソー) (2003,6) GRK3 遺伝子 ↓ ドーパミン(感情をコントロール)に対する感受性を ↓ コントロール。 3 躁鬱病たんぱく質XBP1 理化学研究所(加藤) (2003,9) XBP1 タンパク質(躁鬱病患者→合成量が少ない) ↓ 細胞内異常タンパク質を ↓ 修復する働き。 4 躁鬱病診断薬 躁鬱病関連候補遺伝子 IMPACT 特許出願 (慶応義塾大学) (2000,8) 躁鬱病関連候補遺伝子→IMPACT 遺伝子の配列及びゲノム 構造を決定。 ↓ アミノ酸多型(VaI/IIe)発見。 ↓ 躁鬱病罹患の易罹性の評価に利用出来る可能性あり。 5 躁鬱病サプリメント (カナダ) 家族(トニー) ディスカバリーチャンネル TV (2004,6) EM パワープラス ↓ ブタの栄養剤(抗ストレス栄養剤)を独自に調合。 6 その他 ・てんかん治療にすでに使用。 エコープラナー磁気共鳴分光画像法(EM‐MRSI)で ↓ 新型MRI装置によるうつ症状の改善 躁鬱病患者(うつ症状中)を検査中 マクレーン精神病院(ローハンら) ↓ (マサチューセッツ州) 30人中23人がすぐに気分高揚。 AmericanJournarulofPsychiatry 誌 (2004,1) 一年以内に臨床試験始める予定。 1 ・米国食品医薬品局(FDA)より承認間 近。 ・FDA 暫定承認(2005,2) GRK3 遺伝子変異(スイッチ部分で発生) ↓(発症に 10%関与) 不必要の時→スイッチオン 必要の時 →スイッチオフ ↓ ドーパミンに過剰に反応し ↓ 躁鬱病発症。 ・XBP1 タンパク質を作る働き ↓ 「弱い人」→「強い人」の 4,6 倍罹り易 い。 ・躁鬱病治療薬「デパゲン」 ↓ XBP1 機能低下を回復させる事が ↓ 薬効の原因と判明。 妻、子供2人(躁鬱病) 。 カナダ保健省→認定されていない。 抗うつ効果(推定) ・1KHzパルスレート(EM- MRSI ) ↓ 脳細胞発火スピードと一致。 ・EM‐MRSI の電磁パルス ↓ 常に左右方向に伝わる ↓ この方向が脳梁の軸索の向きと一致 ↓ 脳の右半球と左半球間の活動を調整。 脳中央3つの部位 ↓ 「前部帯状回・後部帯状回・縫線」において ↓ 7 8 9 10 パニック障害 米国国立精神衛生研究所(NIMH) (2004,1) 躁鬱病と統合失調症のリスクを高 める遺伝子複合体 シカゴ大学 (2003,4) ジェンセット社(仏) (2002) 不安感を高める酵素 米オレゴン健康医科大学 (2002,10) 抑うつ症遺伝子部位特定 (性差医療) 米ピッツバーク大学 (2002,11) 11 ストレスに強い遺伝子型 (うつ病の発生率で差) 米ウィスコンシン大学 英国、ニュージランド (2003,7) 12 抗うつ薬の有効性の見分け方法 米カリフォルニア大学 Neuropsychopharmacology 誌 (2002,6) 13 大うつ病 BioToday.com (インターネット) (2004,7) 強迫行為の遺伝子 現名古屋大学 14 藤田保健衛生大学( 尾 崎 ) ピッツバーク大学 エール大学 (2003,10) 5 - H T 1 A セロトニン受容体が 2/3 に減少。(患者) 5 - H T 1 A セロトニン 受容体の不全→神経回路に重大な影響を与え る ↓ 神経症を発症させている可能性有り。 遺伝子複合体 G30/G72(第 13 染色体長腕) ↓ 霊長類のみで発現(ラット等では同じようなもの無し) ↓ 一種の“遺伝子砂漠地帯”にあり ↓ 染色体ストランド上に相補的に重なり合う。 15人健常者 16人パニック障害(内7人うつ症状) ↓ PET スキャン・MRI スキャン ↓ 画像をダブらせ ↓ 受容体分布と脳の構造を解析。 遺伝子複合体変異があると ↓ 躁鬱病の感受性が 25%上昇。 プロテインキナーゼ Ce(酵素)を ↓ 持たないマウス ↓ 通常のマウスと比較して ↓ 不安感、ストレス少ない。 2q33~2q35(第2番染色体) ↓ 8個程遺伝子含む ↓ その中の CREB1 遺伝子に異常 ↓ 女性のみに抑うつ症引き起こす。(性差医療の分子的基 礎) 5‐HTT 遺伝子→セロトニンのレベルを調整する機能有り ↓ 「短いタイプ」と「長いタイプ」があり 2 個持つ ↓ 長いタイプ 5‐HTT を 2 個持つ人→うつ病発症率 17% 短いタイプ1個 or2 個持つ人→うつ病発症率 33% ↓ 長いタイプの 5‐HTT 遺伝子→ストレスの抵抗性を高める 機能があるらしい。 抗うつ薬服薬2日後 ↓ 前頭前野(おでこのあたり) ↓ 神経活動低下 ↓ 抗うつ薬が効く人。 大うつ病患者 ↓ 抑制性アミノ酸 GABA 低下、 興奮性アミノ酸グルタミン酸上昇。 ヒトセロトニン搬送遺伝子(hSERT) ↓ 一つの遺伝子の中で ↓ 2つの遺伝子変異体があると ↓ 遺伝子の表現を変える。 (強迫行為症状を発症) 2 大うつ病患者33人、健常者38人 ↓ 磁気共鳴分析法(MRI)で比較。 ヒトセロトニン搬送遺伝子(hSERT) ↓ 体の中でセロトニンを制御 ↓ 感情を左右。 15 うつ病特定タンパク質 千葉大学(清水、橋本ら) (2003,8) ・脳神経栄養因子→「BDNF」タンパク質 ↓ 未治療患者(うつ病) ↓ 4割程度減少(血液中) 。 未治療患者 16 人 治療患者 17 人 健康人 50 人 ↓ 血液中のタンパク質の量比較。 ・動物 ↓ 抗うつ薬投与 ↓ 脳内で「BDNF」増加 ↓ すでに解っていた。 ・未治療患者(うつ病) ↓ 抗うつ薬(投薬) ↓ 「BDNF」タンパク質増加。 神経症の発症原因→生まれる前後にある可能性 ・セロトニン受容体 ↓ 大脳皮質、海馬、扁桃体にだけ存在するマウス作製 ↓ マウスは正常に動作する。 16 17 18 19 20 神経症の発症原因 コロンビア大学 コーネリア・グロスら (2002,3) 大うつ病 BioToday.com (インターネット) (2004,10) 抗うつ剤が効くかどうかを決定す る役割部位 トロント大学 (メレン・メイバーク) (2001) 経頭蓋磁気刺激装置(TMS)による うつ治療(実験段階) べスイスラエル・デアコネス・メデ カルセンター (ボストン) (2001) うつ病発症物質発見 マックリーン病院 (ベルモント) (2001) ・遺伝子工学活用し ↓ ドキシサイクリン(抗生物質)投与 ↓ 成人マウスのセロトニン受容体を停止させる ↓ 異常行動みられず。 ・ドキシサイクリン(抗生物質) ↓ マウスが生まれる直前に投与すると ↓ マウス胎児、及び生まれて間もない期間 ↓ セロトニン受容体は活動停止 ↓ 成人になると受容体は→すでに正常作動 ↓ (隅、狭い場所に体を丸め 成人マウス→不安反応あり。 じっとしている。食事中 も強い不安を示す。 ) 大うつ病 ↓ 死後脳遺伝子解析 ↓ 前頭前野→線維芽細胞増殖因子(FGF)遺伝子 ↓ 発現低下が見られる。 セロトニン→気分に関連する神経伝達物 質。 SSRI(セロトニン再取り込み阻害剤) ↓ 線維芽細胞増殖因子(FGF)遺伝子を ↓ 発現低下を防止。 大脳辺縁系(感情脳)の一部領域 ↓ 「エリア24a」と呼ばれる部位 エリア24a ↓ ここが活発に活動→抗うつ剤が良く効く 活発でない→抗うつ剤が効かない。 経頭蓋磁気刺激装置(TMS) ↓ 前頭葉前野を活発化。 うつ病→前頭葉前野がしばしば活動不活 発。 ダイノルフィン(構造的にエンドルフィンに近い) ↓ ↓ 「マラソン・ハイ」と呼ばれる恍惚状態を作る うつ病を発症させるであろう全く新しい化学物質。 3 21 躁鬱病、パニック障害は同じ遺伝子 を共有している可能性 ジョンホプキンズ大学 (ディーン・マックキノン) (2002) 203家系(1家族で一人以上の躁鬱病) ↓ 系図調査(一人一人個人面接) 22 PTSD(心的外傷後ストレス障害) の起きやすい人 ミシガン大学 (2002,5) ミューオピオイド受容体(大脳辺縁系)の不足 ↓ 不快な刺激に対する過剰な反応→抑制。 23 パニック障害を起こす遺伝子 バルセロナ大学医学分子生物学セ ンター (ザビエル・エスティビル) (2001,8) 神経症患者の家族構成メンバー ↓ 第 15 染色体の DUP 遺伝子(二重複写されている) ↓ 90%で持っている。 二つの病気は ↓ 同じであろう(遺伝子) ↓ 複雑な生物学的条件による ↓ 異なった発現形態であろう。 ミューオピオイド受容体数 ↓ ストレスを受ける前から少ない ストレスを受けた後少ない ↓ PTSD 発生。 ・二重になった遺伝子部分 ↓ 60 以上の遺伝子を含んでいる。 ・家族と関係ない神経症患者70名 ↓ 97%で持っている。(健常者7%保持) ・DUP 遺伝子持つ神経症家族で ↓ 20%が発症せず。 24 25 26 27 28 拒食症の遺伝的要因 WIRED NEWS (2003,5) 躁鬱病原因仮説 (インターネット) 拒食症の遺伝子 ↓ 第1染色体にあると想定(3つの遺伝子) ↓ 2つの遺伝子について→有意な関係あり。 社会的な環境要因が引き金→躁鬱病発症。 原因仮説2つある ↓ ①ミトコンドリア DNA→ある特定の配列を持っていると なりやすい。 ②カルシュウムの異常。 ADHD・アスペルガー症候群 (インターネット) (2004,10) 注意欠陥・多動性障害(ADHD)60%~70% 高機能自閉症(アスペルガー)80%~90% ↓ 軽度発達障害 ↓ 高率で罹りやすさが遺伝。 心を読む装置の開発(ESP) (マサチューセッツ工科大学) (2006,4) 計量モデルの開発 ↓ まゆの上下運動 唇の形状運動 感情→人間と同じように判断 頭の上下運動 身振りなど ↓ 自閉症患者→他者が出すサインを読むのに役立つ。 躁鬱病(双極性障害)モデル動物開 発の可能性 (理化学研究所) (2006,4) 高機能自閉症(アスペルガー) (エール大学) ↓ 99例中46%が(男子患者の場合) ↓ 父親・兄弟・祖父・おじ ↓ 同じ障害あり。 (女子患者は遺伝子を残す確率は男子よ り低い) ESP コンピューター構成 ↓ ・ポケットサイズコンピューター ・ウェアラブルビデオカメラ(服装着) ・イヤホン ・小型振動装置(ベルト) ※目の動きなどを加味していきたい。 ミトコンドリア ↓ ミトコンドリア機能障害(モデルマウス開発←特許申請) ・エネルギー代謝に関わる細胞内小器官 ↓ ・細胞の生死の決定 躁鬱病の発症原因の一つ。 ・細胞内のカルシュウム濃度の調節。 4 29 いじめで遺伝子が変化 (テキサス大学サウスウエスタン 医療センター) (バートンら) (2006,2) いじめられたマウス ↓ 中脳辺縁系ドーパミン経路←主な調整役は神経栄養因子 ↓ 309 個の遺伝子の発現が増加・17 個の遺伝子発現抑制 ↓ 変化→数週間におよぶ。 ※神経栄養因子→抗うつ作用に関連する化学物質。 遺伝子操作マウス作成 ↓ 中脳辺縁系ドーパミン経路で ↓ 神経栄養因子が出来ないマウス作成 ↓ いじめによって起こる遺伝子発現→通常 と逆転させる ↓ 繰り返しいじめられているにもかかわず ↓ 他のマウス受け入れるようになった。 ・うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD) の治療に役立つ可能性あり。 30 不安をつかさどるタンパク質 コロンビア大学 理化学研究所(糸原) (2006,7) ・セロトニン受容体(5-HT2A) ↓ 遺伝子操作により全身に受容体が働かない(マウス作 製) ↓ 落ちる危険の高い場所での通路実験 ↓ 両側に壁がある通路、ない通路 ↓ 高頻度で危険の高い方を選ぶ。 (不安を感じにくくなっ た) ・セロトニン→気分に関する脳内情報伝 達物質。 ・不安を感じる時 ↓ 脳内のメカニズムの一部解明。 ・受容体の働きを回復させると ↓ 正常なマウスと同じようになった。 (両側に壁のある通 路を選ぶ) 31 強迫神経症(OCD) BioToday.com (インターネット) (2006,7) 強迫神経症(OCD) ↓ ゲノム全員スキャン(219人家族) ↓ 第3,7,1,15,6,染色体→関連あり。 32 うつ病 BioToday.com (インターネット) (2006,9) 呼吸障害(睡眠期呼吸障害)→うつ病と関連あり。 33 強迫神経症(OCD) BioToday.com (インターネット) (2006,10) 強迫神経症(OCD)→小児 ↓ 感染症→脳中枢での自己免疫(抗体) ↓ 脳と反応したときに出来る物質 ↓ 抗大脳基底核抗体→割合が多い。 34 ストレスにより脳が萎縮 ロックフェラー大学 カリフォルニア大学サンフランシ スコ校 (2006,11) 繰り返しのストレス(ラット) ↓ 脳のニューロン(神経細胞) ↓ 萎縮を示す兆候あり 免疫システムを破壊。 5 強迫神経症(OCD)小児 50 人 自己免疫疾患患者 50 人 神経疾患患者 100 人 連鎖球菌感染患者 40 人 ↓ 強迫神経症(OCD)小児では ↓ 抗大脳基底核抗体→割合が多い ↓ 感染症に伴う脳中枢での自己免疫 ↓ 強迫神経症(OCD)小児→原因かも知れ ない。 35 36 37 ヒステリー症状に神経学的根拠 Neurology 雑誌 (2006,12) 躁鬱病に関与の酵素解明 名古屋大学(森、久原、谷沢) (2006,12) うつ病は交感神経系を刺激して骨 量を減らす BioToday.com (インターネット) (2006,11) ヒステリー(転換性障害又は解離性障害) ↓ 身体の一部の感覚→鈍くなる ↓ なんら医学的原因→認められない(病態) ↓ 架空の症状ではない→画像スキャンで判明。 躁鬱病→関与が指摘されている酵素(インペース) 線虫 ↓ 温度を感じて行動する「温度走性」 ↓ 学習能力を持っている ↓ この能力を失うと ↓ インペースの遺伝子に異常 ↓ 線虫の行動を制御神経細胞(RIA) ↓ RIA 内でインペースが働いている。 うつ病→低骨量と関連 骨粗鬆症による骨折の頻度上昇→うつ病は関連あり。 うつ病治療剤(ハスの種の成分) ロッテ製菓 キヨンヒ 慶 熙 大学漢方医学部 (ぺ・ヒョンス) (2006,11) 治療剤(蓮心錠)→ハスは漢方でよく使われてきた。 39 電話を用いた脅迫神経症の認知行 動療法は有効 BioToday.com (インターネット) (2006,10) 脅迫神経患者(72 人)を対象 ↓ 電話を用いた認知行動療法 ↓ 対面による認知行動療法と同様な良好な結果。 40 大うつ病の責任遺伝子 BioToday.com (インターネット) (2007,2) 38 染色体15q25-q26,17p12,8p22- p21.3 ↓ 大うつ病発現を促す遺伝子の存在示唆。 ゲノム全域スキャン ↓ 656 家族(反復性、早発性のうつ病 2 人 以上いる家族) 。 更新:2007.2.(N) 6
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