CBCM法を用い、0.001fF分解能、 浮遊容量分離型、400個の容量TEG マトリクス・テスト・ストラクチャの提案 東京工業大学大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 菅原 光俊、盛 健次、角川 佳弘 、松澤 昭 2013/1/21 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 Matsuzawa Matsuzawa Lab. Lab. Technology 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Tokyo Institute& ofOkada 1 目次 2 1. 容量TEG設計の背景 2. 従来のCBCM法 3. 提案する回路とレイアウト 4. 実測結果 5. その他のリファレンス 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 容量TEG設計の背景 3 • 今般、下記2種の容量のキャラクタライジングが必要 – 配線間櫛形容量(MOM容量)の詳細(DAC,ADCの高精度 設計のため) – MOSトランジスタのゲート容量の再評価(新モデル化のため) • マトリクス状にたくさん容量を作り、少ないピンで正しく評 価するための工夫が必要 – – – – – 2013/1/21 CBCM法採用 100種類以上の容量を測ってみたい 1fF以下の分解能で測りたい 被測定容量自体の浮遊容量を分離して求めたい 非線形容量測定に100mV振幅で測りたい CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 4 従来のCBCM法 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology Charge Based Bapacitance Measurement • 基本技術のCBCM法 J.C.Chen,et al: “An On-Chip, Attofarad Interconnect ChargeBased Capacitance Measurement (CBCM) Technique, IEDM 1996 – 被測定容量をまず放電 – 次にVDDまで充電する。 VDDからQ=Cx・VDD の電荷が注入される。 – これを1秒間にf回繰り レプリカ 返すと、充電電流Iは I=Q/1秒=Cx・VDD・f ∴Cx=I/(VDD・f) – 容量無し(No Cap)の レプリカを作り、浮遊容量 を相殺する – 貫通電流防止。Break before make 2013/1/21 5 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 次に充電 被測定容量 Cx まず放電 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology CBCM法の利点と欠点 6 • 利点 – – – – 電流波形に依らず、その積分値=総電荷のみ必要 放電後、充電後には電流が流れないので、ケルビン接続不要 測定系の浮遊容量はキャンセルできる 1fF程度まで測れる • 欠点 – 端子数が多い – インバータ構成で、VDD>>VTが必要。100mVでは測れない • 対策 – マトリクス状に並べ、被測定容量のみをCVCM法で測る。 非測定容量にはパルスを加えない – 回路工夫で100mVで動作させる 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 7 提案する回路とレイアウト 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 提案するユニット回路 • 充放電は 8 A Vc レプリカ VDD – 上下とも3.3V Vc=0.1~2V xsel ysel Nchスイッチ。ゲー VDD=3.3V トは3.3Vドライブ – 両端電位VDD Vcom=-1~2V GND ck com =0~2.5Vで、ス Vsub=-1~2V sub イッチのon/off可 delay delay (x+1)sel ysel P1 P2 Cx • 座標xsel,yselの交点のユニットのみ、クロックをアクティベート – 貫通電流を避けるBreak before makeのためのロジック挿入 • 容量の他端は – 任意バイアスを掛けるなら、共通のcom端子へ – 他端がsubstrateの容量のみsub端子へ。 • VDD及びGND,com,sub間は出来るだけ容量を付加 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology ユニット回路のレイアウト • 50μm□の被測定 容量+レプリカ用エリア • 逆L字型 10μm P1 – 上辺にロジックとス イッチを配置 – 層ごとにVDD, GND,com,subを 割り当て P2 ここに被測定容量と レプリカの両方を置く 5μm 2013/1/21 9 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 50μm Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 50μm 容量アレーの形状 10 • 1列ごとにユニットを 対称に配置 – 最大 50μm×100μmの 「被測定容量+レプリ カ」のエリアが可能 – 4つの独立したアドレ スをもつxselで制御 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 10um Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 容量アレーの形状 11 • ユニットを20行×20 列配置 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 容量アレーの形状 12 • パッド・リングを付け て、四方へ引き出 している。 • ダイサイズは2mm□ 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 被測定容量の浮遊容量の分離法の提案 13 A Vc VDD • MOMの場合、 xsel ysel 被測定容量Cxの P1 Cx P2 両端に浮遊容量 Cy Cz Cy,Czが付く GND ck com • 2ユニットを使い図 sub のように接続 1. まず左のxsel,yselを選択 • 非セレクトのユニット Cx + Cy を測定 は、GND側のス 2. 次に右の(x+1)sel,yselを選択 イッチがオン Cx + Cz を測定 Vc=0.1~2V delay delay (x+1)sel ysel VDD=3.3V Vcom=-1~2V Vsub=-1~2V • (レプリカはこの隣に置 3. 次に左右xsel,(x+1)sel,yselを選択 き、測定系の浮遊容 Cy + Cz を測定(Cxの両端は同電位で無視) 量を相殺) 4. 連立方程式を解きCx,Cy,Czを求める 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 被測定容量エリアの使い方の例 adr1 adr2 Meas Meas Meas x x x wires wires com DUT2 DUT3 DUT1 com floating capacitors com Meas Meas x x com com DUT4 DUT5 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 wires wires sub DUT5 Meas Meas x x sub DUT6 Meas x wires Meas replica5 Meas 0.1Vpp adr17 adr18 adr19 adr20 x replica4 Meas x Meas wires Meas x replica3 Meas adr9 adr10 adr11 adr12 wires Meas x 1Vpp replica2 1Vpp adr7 adr8 adr15 adr16 2013/1/21 Meas x adr3 adr4 replica1 1Vpp wires • 50μm×100μmエリ アに、4アドレス付の 4容量計測点があ る • レプリカを含め、任 意に割り当て可能 14 DUT7 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology sub 15 実測結果 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 実測結果: MOM容量とフィンガ本数 • T社90nm標準 CMOSプロセスで試 作 • 結論 – 0.001fF=1aFの分 解能があることが 確かめられた 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 16 実測結果: 単位MOM容量のばらつき 17 • 100個の単位MOM容 量(シールド無)の実測値 の分布とペリグラム 単位MOM容量 n=100 平均=6.327fF σ=0.032fF – 配線層間容量(MIM 容量)のσよりやや大 きいが、設計でマネージ 出来るレベル 0.6 MOM M IM D ispersion [%] 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 2013/1/21 0.1 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 0.2 0.3 1/C 0.5[f F -0.5] 0.4 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 0.5 実測結果: MOM容量の長さ依存性 18 • 右図の各種容量を試作 – フィンガ長5umの配線層櫛 形横方向単位容量(単位 MOM容量)1個(約5fF) – フィンガ長を0と2.5umも – シールド(右図の灰色)有無 2.5um 5um • 結論(浮遊容量分離後) – 多少のオフセットはあるが、 MOMのフィンガ長と容量は 1次式の関係にあること が実証された – シールド無しだと約1fFのフリ ンジ容量がある 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 19 その他のリファレンス 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 被測定容量へ100mV振幅印加技術 • 2002年に、上下Pch MOSスイッチを使って、 Vcap-Vo=100mVを 実現した例。(V1,V2 はVoより負) • 2008年に上下Nch MOSスイッチを使った 例もあった 20 B.Sell, et al: “Charge-Based Capacitance Measurements (CBCM) on MOS Devices ” IEEE Tran. Devices & Materials Reliability, Vol 2, No 1, 2002 レプリカ T.Sutory, et al: “C-V CHARACTERIZATION OF NONLINEAR CAPACITORS USING CBCM METHOD” International Conference Mixed Design, 21-23, 2007 レプリカ 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 容量マトリクス切替技術1 • x,y,z座標で選択された容量の みクロックを供給 • リーク対策は 21 S.Ohkawa, et al: “Analysis and Characterization of Device Variations in an LSI Chip Using an Integrated Device Matrix Array” IEEE Tran Semiconductor Manufacturing, Vol 17, No 2, 2004 – バンク切替用にPchスイッチを2個 直列挿入 – VDをVDDよりやや下げる • インバータ型スイッチを採用 • クロック・ノイズ対策 なお我々は、 – 逆にVDD側をまとめてメッシュ構造と し、引出インピーダンスを下げ、測定周 波数を高め、かつVDD側の容量を 大きくし電流平均化対応 – リークは、レプリカ分を差し引き、相殺 – クロックノイズは、秒オーダの平均で対応 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 容量マトリクス切替技術2 • ケルビン接続を採用 • インバータ型スイッチのた め、複雑な電源系で、 小振幅を実現 22 K.Tsuji, et al: “Measurement of MOSFET C-V Curve Variation Using CBCM Method” IEEE International Conference on Microelectronic Test Structures Conference, P81-P84, 2009 なお、我々は、 – 放電後、充電後には電 流が流れないので、 ケルビン接続は不要と結論 づけた。 – 両サイドNchスイッチで、簡 単な電源系を実現 2013/1/21 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 レプリカ Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology 複数ch動作同時動作で容量測定 • 配線間浮遊容量測 定のため、複数の信 号源によるCBCMと 、連立方程式での解 法 B.Froment, et al: “Ultra Low capacitance measurements in multilevel metallization CMOS by using a built-in Electron -meter” 14thInternationa Electron Device Meeting, 37.2, 1999 我々は、被測定容量の浮 遊容量を分離する際に、 n=2に相当する処理をし ているとも言える 2013/1/21 23 CBCM法を用い、0.001fF分解能、浮遊容量分離型、 400個の容量TEGマトリクス・テスト・ストラクチャの提案 Matsuzawa Matsuzawa Lab. & Okada Lab. Tokyo Institute of Technology
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