スライド 1

NSAIDsの使い方
NSAIDsについて
機序
種類・使い分け
副作用
消炎鎮痛剤アスピリンの開発
ヒポクラテス:セイヨウヤナギの樹皮を鎮痛・解熱に使用。
ロンドウ王立協会(18世紀):ヤナギの樹皮を細かく砕き、
水に溶かて飲む。
⇒19世紀に、ヤナギの成分がサリチル酸であることを発見
1899年、バイエル社はアセチルサリチル酸を
「アスピリン」と名付けて発売。
1971年ベイン博士はアスピリンの鎮痛効果がCOXの活性の低下と
関与していることを発見しノーベル医学生理学賞を受賞しました。
NSAIDsの機序
NSAIDs
NSAIDsの機序
胃腸障害
腎障害
血小板/気管支に作用
NSAIDsの種類
1. スルガム
2. インダシン
3. ボルタレン
4. クリノリル・オステラック
5. ナイキサン
6. ロピオン
OCH常用のNSAIDs、あえて商品名で行きます
1.スルガム
鎮痛・解熱・抗炎症作用
どれにも効果あり。
効果としてはMildな印象
100mg 1錠 12.10円
200mg 1錠 20.80円
長期服用時に副作用に注意!
スルガム+マーズレンは効果あるか??
2.インダシン
鎮痛作用が強い。
様々な剤型(内服・坐剤・テープなど)
が豊富。
内服
25mg 1カプセル 9.70円
坐剤
25mg 1個 21.40円
50mg 1個 21.40円
COX-1阻害が比較的強い。
副作用が強く、腎障害・胃腸障害の頻度が多い。
3.ボルタレン
消炎・鎮痛・解熱作用が、速やかで強力。
特に坐薬は、史上最強と呼べるNSAIDs
⇒がん疼痛の初期に使用される
内服
25mg 1錠 16.70円
坐剤
50mg 1個 84.40円
また半減期が1.7時間と短いので、
1日3回投与が必要。
注:長期間の投与では副作用は必発なので注意!
4.クリノリル・オステラック
COX-2の親和性が高い、一部COX1にも作
用する。COX-2への作用が10倍強い。
効果としては、切れが悪いがMildな印象。半
減期は18時間で1日2回投与。
クリノリル
50mg 1錠 14.30円
100mg 1錠 17.30円
現在、日本では、最もCOX2選択性のある
(アメリカではさらに強いものがある)
Celebrexが市場を席巻している。但し、
この系統のCOX2阻害薬は、長期服
用で、心・脳血管系のリスクを高める
ことが報告されている。
オステラック
100mg 1錠 27.30円
200mg 1錠 39.20円
副作用として、腎・胃腸障害は少ない。胆嚢
炎もあるらしい。
5.ナイキサン
がん患者の腫瘍熱での
解熱作用はピカイチ!
100mg 1錠 9.70円
消炎・鎮痛作用も良好にバランスよい。
半減期は長く(14時間)、1日2回投与で可。
OCHでは、腫瘍熱に対して使っている
副作用の頻度はCOX2阻害薬に比べれば高い程度
6.ロピオン
NSAIDsの中で唯一のIV薬
大豆油に、NSAIDsを封入した製剤で
巣に取り込まれやすい。
炎症
骨転移の痛みに対してはロピオンの注射が非
常によく効く
1回1A50mg静注ゆっくり
脂肪乳剤にロピオンを3~4A混入させたものをIVHの側管から24
時間かけて点滴投与する方法
ニューキノロンとの併用は
けいれんのリスクを上げるので注意。
NSAIDsの副作用
胃腸粘膜障害
腎障害
気管支収縮作用
けいれんの誘発
骨髄抑制
NSAIDsの副作用~胃腸粘膜障害
NSAIDsの長期服用者の10~20%で
胃腸障害生じる
リスクとしては
60歳以上
大量のNSAID dose
以前に潰瘍の既往
ステロイドの投与
抗血小板薬の投与
5倍の危険率
10倍
4倍
4~5倍
10~15倍
NSAIDs潰瘍の予防策
①ミソプロストール(商品名サイトテック)
プロスタグランジン
RCTではNSAIDsによる重症潰瘍の予防になることが示された。
オメプラゾール(PPI)と同様の効果があるが、
副作用(消化器症状:下痢や膨満感、食欲不振)が多い。
H2ブロッカーより効果がある。
マーズレンに関しては、予防効果はない。
ミソプロストール≒PPI>H2ブロッカー>粘膜保護薬
②NSAIDを使わない
変形性関節症の場合、RCTによると、
NSAIDがアセトより優れているという有意差は見られなかった。
(最高一日4gまで使用可。)
NSAIDは副作用の発生率は高くなる。
しかし、RAの場合はNSAIDの方が鎮痛作用が強い。
NSAIDsの副作用~腎障害
PGE2およびPGI2は、
腎血管の拡張作用があり、
腎血流量を調節しているので、
腎障害を引き起こす。