スライド 1

診療報酬・介護報酬の改定について
~医療機関・介護施設への立入検査で知って
おきたいことを中心に~
厚生労働省
健康局総務課生活習慣病対策室
老健局老人保健課(併任)
栄養管理係長
須永 将広
1
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
2
診療報酬における管理栄養士等の評価
○ 栄養管理実施加算
12点
当該保健医療機関に常勤の管理栄養士が1名以上配置されており、入院患者ごとに作成された栄養管理計画に
基づき、関係職種が共同して患者の栄養状況等の栄養管理を行った場合などに、入院基本料等に加算
○ 外来栄養食事指導料 130点
○ 入院栄養食事指導料 130点
管理栄養士が、医師の指示に基づき、腎臓食などの特別食が必要な患者に対して食事計画案などを交付し、概ね
15分以上指導した場合に、月1回(入院患者については入院中2回)に限り算定
○ 集団栄養食事指導料
80点
管理栄養士が、医師の指示に基づき、腎臓食などの特別食が必要な複数の患者を対象に指導を行った場合に、
患者1人につき月1回に限り算定
○ 在宅患者訪問栄養食事指導料 530点 (居住系施設入居者の場合450点)
管理栄養士が、医師の指示に基づき、腎臓食などの特別食が必要な在宅で療養を行っている患者に食事計画案
などを交付し、30分以上調理を介して実技を伴う指導を行った場合に、月2回に限り算定
○ 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料 180点
栄養管理計画に基づき栄養管理が実施されている入院中の患者の退院に際して、管理栄養士が医師の指示の
下、当該計画に基づき、患者、家族等に対して、患者の退院後の生活を勘案した上で、退院後の在宅での栄養・食
事管理について概ね15分以上指導を行うとともに、必要な情報を文書で提供した場合に、退院時に算定する。
○ 入院時食事療養 Ⅰ : 640円/1食 、 Ⅱ : 506円/1食
管理栄養士又は栄養士によって行われており、患者の年齢、病状によって適切な栄養量及び内容の食事の提
供が適時に、かつ適温で行われていること。
○ 特別食加算 78円/1食
入院時食事療養Ⅰを届け出ている医療機関において、医師の指示せんに基づく特別食を提供した場合の評価
3
介護保険制度における管理栄養士等の評価
(介護給付:施設)
・栄養士配置加算 10単位/日、管理栄養士配置加算 12単位/日
→ 基本サービス費へ包括化し引き続き評価
・栄養マネジメント加算 12単位/日 → 14単位/日
施設に常勤の管理栄養士を1名以上配置し、入所者の栄養状態を施設入所時に把握し、入所者ご
との栄養ケア計画を作成し、計画に従い栄養管理を行い、入所者の栄養状態を定期的に記録する
とともに、定期的に評価し必要に応じて計画を見直ししていること。
・経口移行加算 28単位/日
経管栄養の者に対して経口摂取を進めるために計画を作成し、管理栄養士又は栄養士が経口に
よる食事の摂取を進めるために栄養管理を行う場合に加算。原則180日。
・経口維持加算
経口摂取できるが、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者に対し、経口維持計画を作成し、管
理栄養士又は栄養士が継続して経口による食事の摂取を進めるための特別の管理を行った場合
に加算。
○経口維持加算Ⅰ 28単位/日 経口により食事を摂取する者であって、著しい摂食機能障害を有し造影又は
内視鏡検査により誤嚥が認められるもの(喉頭侵入が認められる場合を含む。)
○経口維持加算Ⅱ 5単位/日 経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し誤嚥が認められ
るもの
・療養食加算 23単位/日
医師の指示に基づく療養食を提供した場合の評価
4
介護保険制度における管理栄養士等の評価
(居宅サービス)
・管理栄養士による居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導
530単位/回 (居住系施設に入居している利用者の場合 450単位/回)
管理栄養士が医師の指示に基づき、特別食を必要とする利用者又は低栄養状態にあると医師
が判断した者に対して、栄養管理に係る情報提供及び指導又は助言を行った場合に算定。月2回
を限度。
・通所介護・通所リハビリテーション
栄養マネジメント加算
100単位/回 → 栄養改善加算 150単位/回
管理栄養士を1名以上配置し、低栄養状態にある者又はそのおそれの利用者に対し、個別的に
実施される栄養食事相談等の栄養管理であって、心身の状態の維持又は向上に資すると認めら
れるものを行った場合に算定。3月以内の期間に限り月2回を限度。ただし、3月ごとの利用者の栄
養状態の評価の結果、引き続き必要と認められる場合には算定可。
・介護予防通所介護・介護予防通所リハビリテーション
栄養改善加算
100単位/月 → 150単位/月
管理栄養士を1名以上配置し、低栄養状態にある利用者又はそのおそれのある利用者に対して、
個別的に実施される栄養食事相談等の栄養管理であって、心身の状態の維持又は向上に資する
と認められるものを行った場合に算定。
5
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
6
平成20年度診療報酬改定の概要
改定率:
▲0.82%
診療報酬(本体): +0.38%
薬価等:
▲1.2%
社会保障審議会の「基本方針」「骨子」
病院勤務医の負担軽減策など
後期高齢者を総合的に診る取組など
中央社会保険医療協議会(中医協)で、個別項目について議論(10月以降計24回)
緊急課題への対応・重点的に評価する主な項目
(緊急課題への対応) 産科・小児科医療、病院勤務医の負担軽減、救急医療
(重点的評価) 明細書の交付、がん対策、脳卒中対策、自殺対策
適正化・見直し等を行う主な項目
外来管理加算、7対1入院基本料、外来精神療法、後発医薬品の使用促進、処置
の見直し、コンタクトレンズ検査料
後期高齢者にふさわしい医療
在宅療養生活の支援(退院時の支援、訪問看護の充実、介護サービスとの連携)
外来における慢性疾患の継続的な医学的管理、「お薬手帳」の活用、終末期にお
ける情報提供
7
後期高齢者医療にふさわしい医療
在宅療養生
活の支援
訪問看護の充実、薬の一包化等による服薬支援、医療と介護サービスとの連携の
強化、病状急変時の緊急入院の評価、退院後の生活を見越した入院医療の提供、
退院時の支援
外来医療
慢性疾患等に対する継続的な管理の評価
※ 複数の疾病にかかり、療養生活が長期化することの多い後期高齢者に対し、
医師が全人的かつ継続的に病状を把握する取組を評価するもの
※ この新しい仕組みは、後期高齢者が、自由に、自分の選んだ医療機関にかか
る「フリーアクセス」を制限する仕組みではなく、後期高齢者は、これ以外の医療機
関にかかることができ、また、これを変更することができる
終末期医療
終末期における診療方針等について、医療関係職種が共同し、患者・家族等と話
し合い、書面でまとめて提供した場合に評価
※書面の作成は、患者の自由な意志に基づいて行われる(作成の強要はあっては
ならない)
※作成後の変更も、何度でも自由に行うことができる(変更を妨げられることは、
あってはならない)
(注)このように、後期高齢者が受けられる医療は、後期高齢者の療養生活を支えていくため、上記のよ
うな工夫が加えられるもので、75歳になったからと言って、必要な医療が受けられなくなるものではない
8
後期高齢者の診療報酬について
平成20年度診療報酬改定における主要改定項目についてより
入院医療について
○ 退院時における円滑な情報共有や支援の評価
後期高齢者が入院中に服用した主な薬剤の情報の管理や、栄養管理に関
する情報が退院後にも継続的に行えるような取組に対する評価を創設する。
新
B-015 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料について
告示の内容
○ 栄養管理計画に基づき栄養管理が実施されている後期高齢者であって、
低栄養状態にある患者の退院に際して、管理栄養士が患者又はその家族等
に対して、退院後の在宅での栄養・食事管理について指導及び情報提供を
行った場合に、退院の日1回に限り算定する 。
180点
9
栄養・食事管理に関する診療報酬体系について
・基本診療料
医
科
診
療
報
酬
点
数
表
の
構
成
・入院料等
・その他
特掲診療料は基本診療として一
括して支払うことが妥当でない
特別の診療行為に対して、個別
的な評価をし、個々に点数を設
定しているもの
・特掲診療料
基本的な入院体制を
評価したもの
・初・再診料
・医学管理等
・在宅医療
・検査
・その他
・入院基本料
・入院基本料等加算
・その他
・特定疾患治療管理料
・後期高齢者退院時栄
養・食事管理指導料
・栄養管理実施
加算
・外来(入院)栄
養食事指導料
・集団栄養食事
指導料
・在宅患者訪問栄養食事指導料
・その他
(入院時食事療養など)
10
新
B-015 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料
入院中の栄養管理
※
栄養管理計画に基づ
き、栄養管理を実施
期待される効果
在宅等
退 院
・栄養補給に関する
事項(栄養補給量、
補給方法等)
・栄養管理上の課題
に関する事項等
適
切
な
食
事
管
理
感染症、
低栄養の予防、
重症化の防止等
後期高齢者退院時栄養・食事管理指導
具体的な指導内容:
対象者:
・食事の質、量、回数等
・在宅等へ退院する者
・摂食・嚥下機能に合わせた形態等
・栄養管理計画に基づいた栄
養管理が行われていること
・禁忌食品(アレルギー等)
・低栄養状態にある者
・水分補給など
・経口摂取をしている者
誤嚥性肺炎、
褥瘡リスクの
低下等
※適切な食事管理
がなされないと、
栄養状態の悪化や
疾病の重症化につ
ながる。
11
B-015 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料の
算定要件について
(診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項についてより)
○ 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料は、栄養管理計画に基づき栄養管理が実
施されている入院中の患者の退院に際して、管理栄養士が医師の指示の下、当該計画に
基づき、患者、家族等に対して、患者の退院後の生活を勘案した上で、退院後の在宅での
栄養・食事管理について概ね15分以上指導を行うとともに、必要な情報を文書で提供した
場合に、退院時に算定する。なお、ここでいう退院時とは、第2部通則5に規定する入院期
間が通算される入院における退院のことをいい、入院期間が通算される再入院に係る退
院時には算定できない。
○ 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料の対象となる患者は、経口摂取を行う
患者であって次のアからエに掲げる要件の全てに該当するものであること。なお、
経管栄養のみの患者は対象となってないが、経管栄養と経口摂取を併用している場
合は、対象患者となること。
ア 当該指導の実施日において後期高齢者である患者であること。
イ 低栄養状態にある者。なお、低栄養状態にある者とは、アルブミン値が概ね
3.5g/dl以下の者若しくはBMIが概ね18.5未満の者又は医師が低栄養状態にあ
ると認めた者をいう。
ウ 区分番号「A233」に掲げる栄養管理実施加算が算定されていること。
エ 当該指導の実施日において、食事が提供されていること。
12
B-015 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料の
算定要件について
(診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項についてより)
○
管理栄養士への指示事項は、当該患者ごとに適切なものであることとするが、
少なくとも低栄養の状態、栄養補給に関する事項(栄養補給量、栄養補給方法等)
についての具体的な指示を含まなければならない。
○ 当該保険医療機関以外の管理栄養士により指導が行われている場合は、算定で
きない。
○ 死亡退院の場合又は他の病院若しくは診療所へ入院するため転院した場合には
算定できない。また、退院後、栄養士の配置が義務づけられている施設へ入所す
る場合は算定できない。
○ 退院時栄養・食事管理指導料は、指導の実施日にかかわらず退院日に算定する。
ただし、当該指導料を算定した退院の日から起算して1か月以内に行われる当該
指導については算定できない。
○ 医師は、診療録に管理栄養士への指示事項を記載する。
○ 患者に交付する文書は、当該患者ごとに適切なものであることとするが、少な
くとも退院後の栄養・食事管理の目標、栄養補給に関する事項(食事内容等)等
についての具体的な指導内容を含まなければならない。
○ 管理栄養士は、患者に交付した文書を診療録等に添付する等の方法で保存する
こと。また、患者ごとに退院時栄養・食事管理指導記録を作成するとともに、当
該指導記録に退院後の栄養・食事管理の目標、栄養補給に関する事項(食事内容
等)等についての具体的な指導内容を明記すること。
13
C-009
在宅患者訪問栄養食事指導料2について新設
後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子より
○ 居住系施設を含む様々な施設等を利用している後期高齢者につい
て、その施設等の中で提供されている医療の内容や施設の状況等も踏
まえつつ、外部からの医療の提供に対する適正な評価の在り方について
検討するべきである。
平成20年度診療報酬改定における主要改
定項目についてより (具体的な内容)
○ 後期高齢者等が多く生活する施設等に居住する患者に対して、医療
関連職種が訪問診療等を行った場合についての評価を新設する。
算定要件
1 在宅での療養を行っている患者(居住系施設入所者等を除く。)
の場合
新
2 居住系施設入所者等である患者の場合
(530点)
(450点)
14
① 診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上
の留意事項について (基本診療料)
「当該保健医療機関内」の管理栄養士の配置を明確化
○栄養管理実施加算の施設基準
「栄養管理を担当する常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。」
→ 「当該保険医療機関内に、栄養管理を担当する・・・配置されていること。」
栄養管理実施加算の要件の明確化
○栄養管理実施加算の疑義を通知へ反映
→「食事を提供していない中心静脈栄養等の治療を行っている患者について」を通知へ。
→「救急患者や休日に入院した患者など入院後7日以内に策定したものの」取扱を通
知へ
→「栄養管理計画を入院患者へ説明する者」を通知へ
15
② 診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上
の留意事項について (特掲診療料)
栄養食事指導に関する「指示せん」 「食事せん」といった文
言等を整理した
○集団栄養食事指導料 「医師の指示に基づき」
○外来栄養食事指導料及び入院栄養食事指導料の「指示せん」
「医師の指示せんに基づき、」→「医師の指示に基づき、」
○在宅患者訪問栄養食事指導料の 「食事せん」
「医師の食事せんに基づき、」→「医師の指示に基づき、」
○外来栄養食事指導料及び入院栄養食事指導料の疑義を通知へ反映
「 「小児食物アレルギー患者」 →「小児食物アレルギー患者(食物アレルギー検査の結果
(他の保険医療機関から提供を受けた食物アレルギー検査の結果を含む。)、食物アレル
ギーを持つことが明らかな9歳未満の小児に限る。)」
管理栄養士の行う指導を明確に示した
○外来栄養食事指導料及び入院栄養食事指導料の「療養のため必要な栄養の指導」
「概ね、15分以上指導した場合に・・」
→ 「概ね15分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合
16
③ 入院時食事療養等の実施上の留意事項に
ついて
「高脂血症食」→「脂質異常症食」へ及び基準値が示された
○外来・入院時及び集団栄養食事指導料等関係
厚生労働大臣の定める特別食「高脂血症食」→「脂質異常症食」
「特別食加算」の「脂質異常症食」の対象となる患者は、LDL-Cho値が140mg/dl以上
又はHDL-Cho値が40mg/dl未満若しくは中性脂肪値150mg/dl以上である者
腎臓食に準じて取り扱うことができる心臓疾患、妊娠中毒症等
の減塩食について
○食塩相当量が総量(1日量)7.0g以下の減塩食をいう。→ 6g未満の減塩食をいう。
(ただし、平成20年9月30日までの間は、なお従前の例によることができる。)
留意事項を整理した
○特別料金の支払いを受けることによる食事の提供
同意書による同意の確認を行う場合の様式は各医療機関で定めても差しつかえない
○「経管栄養であっても、特別食加算の対象となる食事として提供される場合は、当該特別食に準じ
て算定することができる。」の疑義を通知へ反映
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平成20年4月改定関係事務連絡(疑義解釈その1)より
(問76) 経管栄養で流動食の場合も、後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料は算定可能か。
(答) 経口摂取している者を対象とし、栄養・食事管理の内容について指導及び情報提供をするも
のであるため、流動食であっても、その経路が鼻腔栄養のみ(経管栄養のみ)の場合は、対象
としない。
(問77) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導と入院栄養食事指導を同日に実施した場合は併算
定できるのか。
(答) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導及び入院栄養食事指導を同日に実施した場合は、ど
ちらか一方を算定できるものとし、併算定することはできない。
(問78) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料は、退院後に栄養士の配置が義務づけられてい
る施設に入所する場合には算定できないとされているが、栄養士の配置が義務づけられてい
ない施設とはどのような施設を指すか。
(答) 当該指導料は、退院後の在宅での栄養・食事管理について指導及び情報提供を行うもので
あるため、在宅に退院する患者を対象とするものである。なお、栄養士の配置が義務づけら
れていない施設には、グループホーム、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅等がある。
18
平成20年4月改定関係事務連絡(疑義解釈その1)より
(問79) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料を算定する要件に、「当該指導の実施日におい
て、食事が提供されていること。」とあるが、1食のみでも算定可能か。
(答) 食事の回数にかかわらず、保険医療機関から食事が提供されていれば算定できる。
(問80) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料を算定する際は、患者、家族等に対して指導を
行うこととなっているが、「患者、家族等」とはどのような者をいうのか。
(答) 患者、家族、その他、当該患者が退院後に入所する栄養士の配置が義務づけられていない
施設の職員又はヘルパーなどの退院後の当該患者の食事管理を行う者のことをいう。
(問81) 後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料を算定する際に、患者に交付する文書は、保険
医療機関で独自に作成した様式で良いのか。
(答) 当該患者ごとに適切なものであり、退院後の栄養・食事管理の目標、栄養補給に関する事項
(食事内容等)等についての具体的な指導内容が記載されていれば、各保険医療機関独自の
様式で差し支えない。
19
栄養管理実施加算に関する疑義解釈
(問) 栄養管理計画の記載は、管理栄養士がすべて行わなければならないのか。
(答) 栄養管理実施加算は、多職種協働を評価した点数であり、管理栄養士のみですべてを記載
する必要はない。
(問) 栄養管理計画の様式や項目を医療機関独自のものに変更しても良いのか。
(答) 患者の栄養状態の評価、栄養管理計画の策定、定期的な評価等の一連のプロセスが明確に
されていればよく、様式については各医療機関で変更して差し支えない。
(問) 栄養管理計画書には、担当医師のサインは必須か。
(答) 医師の指導の下に行われる場合には、必須ではない。
(問) 平成18年4月1日以降も、普通食患者年齢構成表等の帳票類は従前通り必要か。
(答) 帳票類の取扱いは、従前の通り。
(問) 栄養管理計画書の記載にあっては、すべて管理栄養士が記載しなければならないのか。
(答) 栄養管理は、管理栄養士をはじめとして、医師や医師の指導のもと、薬剤師、看護師その他
の医療従事者が共同して行うものであり、必ずしも管理栄養士が記載しなければならないもの
ではない。
20
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
3.立入検査の視点
21
介護保険制度を取り巻く状況①
介護保険財政の動向について
○ 総費用の伸び
介護保険の総費用は、年々増加
3.6兆円
H12年度実績
4.6兆円
H13年度実績
5.2兆円
H14年度実績
5.7兆円
H15年度実績
1期
6.2兆円
H16年度実績
6.4兆円
6.9兆円
H17年度実績 H18年度補正後
2期
○ 1号保険料〔加重平均〕
6.9兆円
7.4兆円
H19年度補正後
H20年度予算
3期
H17.10月~ 制度の見直し(H18改定)
1号保険料は第1期(H12~14)から第3期(H18~20)で約40%増
第1期(H12~14年度)
2,911円
第2期(H15~17年度)
3,293円
(+13%)
第3期(H18~20年度)
4,090円
(+24%)
22
平成17年介護保険制度改革の基本的な視点と主な内容
○明るく活力ある超高齢社会の構築
・軽度者の大幅な
増加
・軽度者に対する
サービスが状態
の改善につなが
っていない
予防重視型
システムへ
の転換
・在宅と施設の
利用者負担の
公平性
施設給付
の見直し
○新予防給付の
創設
○居住費用・食費
の見直し
○地域支援事業の
創設
○低所得者に
対する配慮
○制度の持続可能性
・独居高齢者や
認知症高齢者の
増加
・在宅支援の強化
・医療と介護との
連携
新たな
サービス
体系の確立
○地域密着型
サービスの創設
○地域包括支援
センターの創設
○居住系サービス
の充実
○社会保障の総合化
・利用者による
サービスの
選択を通じた
質の向上
・低所得者への
配慮
・市町村の事務
負担の軽減
サービスの
質の確保・
向上
負担の在り
方・制度運営
の見直し
○介護サービス
情報の公表
○第1号保険料
の見直し
○ケアマネジメン
トの見直し
○保険者機能の
強化
23
平成17年制度改正について
予防重視型システムの全体像
軽度者の方の状態像を踏まえ、出来る限り要支援・要介護状態にならない、あるいは、重度化しないよう「介護予防」
を重視したシステムの確立を目指す。
高 齢 者
要支援・要介護者と
思われる者
介護予防のための
スクリーニング
〈要介護認定〉
介護の手間に係る審査
非該当者
要支援・要介護状態とな
るおそれのある者
+
状態の維持または改善可能性の審査
要支援者
要介護者
地域包括支援センター
居宅介護支援事業所
(介護予防ケアマネジメント)
(ケアマネジメント)
地域支援事業
介護給付
新予防給付
(介護予防特定高齢者施策)
非該当者
×
重度化防止
要支援・要介護状態になる
ことの防止
要支援者
×
重度化防止
要介護者
24
介護保険制度を取り巻く状況②
被保険者・要介護認定者・受給者数について
【第1号被保険者数(65歳以上の被保険者)と
要介護認定者数の推移】
500
2,757万人
(27%増)
450
第1号被保険者数
400
3000
2500
【サービスの受給者数の推移】
400
350
300
2000
200
455万人
要介護認定者数
(109%
増)
200
218万人
150
1000
100
500
0
0
H12年4月末
H20年4月末
H12年4月末
H20年4月末
2,165万人
2,757万人(27%増)
218万人
455万人(109%増)
0
地域密着型サー
ビス利用者数
20万人
97万人
82万人
50
50
要介護認定者数
(172%増)
149万人
1500
100
第1号被保険者数
264万人
250
300
150
居宅サービス受給者数
2,165万人
350
250
366万人(146%増)
52万人
(58%増)
H12年4月
H20年4月
H12年4月
利用者数
居宅サービス
H20年4月
149万人
366万人(146%増)
97万人
264万人(172%増)
20万人(H18年4月創設)
地域密着型サービ
ス
施設サービス
施設サービス
利用者数
52万人
82万人(58%増)
25
介護保険制度を取り巻く状況③
要介護度別認定者数の推移
(単位:万人)
435
441
46.5
48.9
52.5
54.7
411
387
349
303
41.4
258
38.1
42.4
218
34.1
39.4
43.1
29
36.5
39.4
33.9
35.8
31.7
32
H12.4末
H13.4末
47.9
56
52.7
49.2
61.4
65.1
H14.4末
要支援
要介護3
57.9
65.2
71.1
75.6
80.6
要
介
護
133.2
125.2
50.5
60.1
67.4
H15.4末
H16.4末
H17.4末
要支援1
要介護4
要支援2
要介護5
109%
5
72%
4
71%
3
124%
2
105%
1
138.7
89.1
39.8
50
64.1
107
70.9
計
49.7
59.5
49
29.1
45.5
57.1
39.4
55.1
46.5
455
経過的
65.5
4.5
5.9
H18.4末
要介護1
87.6
76.9
経過的
要介護
0.1
4
52.1
62.9
52.7
55.1
H19.4末
H20.4末
要
支
援
133%
2
1
H12.4とH20.4の比較
要介護2
(出典:介護保険事業状況報告 他)
26
介護保険制度を取り巻く状況④
要介護度別の原因割合
100%
要介護高齢者の状態像
80%
認知症
廃用症候群
→ 要支援、要介護1等の
軽度者に多い
60%
40%
20%
軽度者に対するサービスを、
廃用症候群の予防、改善を
図る観点から見直し
脳卒中
0%
要支援者
要介護1
要介護2
脳血管疾患(脳卒中など) 骨折・転倒
高齢による衰弱
認知症
その他
要介護3
要介護4
要介護5
関節疾患(リウマチ等)
パーキンソン病
(資料:厚生労働省「国民生活基礎調査(2001年)」から厚生労働省老健局老人保健課において特別集計(調査対象者:4,534人))
27
今後の介護保険を取り巻く課題
○ 平成17年度制度改正の施行後、介護保険制度を取り巻く現状の課題として、以下の点
を指摘することができるのでないか。
•高齢者人口の増加(特に、今後は、第1次ベビーブームが高齢者世代に)
⇒高齢化の進展に伴う医療ニーズの増加
⇒介護サービスだけではなく、要介護(要支援)にならないための施策(予防)の充実
⇒個別ケアの推進
•認知症高齢者の増加
⇒認知症ケア・介護の推進
•老夫婦世帯、高齢者単独世帯の増加
⇒高齢者の住まいの確保
⇒介護サービスについて「独居モデル」の確立
•都市部の超高齢化社会の進展
⇒都市部における高齢者の住まいの確保
⇒高齢化の進展に伴う介護サービスニーズの増加
•介護サービスの担い手である介護従事者の確保
⇒介護サービスの質を高めるための介護従事者の処遇向上
28
今後の介護保険を取り巻く課題①
75歳以上高齢者の増大
実績値
(国勢調査等)
人口(万人)
14,000
平成18年推計値
(%)
(日本の将来人口推計)
30
人口ピーク(2004年)
12,779万人
12,777
75歳以上人口の割合
75歳以上人口
26.5%
12,000
1,270
11,522
25
65~74歳人口
1,476
2,266
10,000
19.7%
20
8,993
1,401
65~74歳人口の割合
8,000
2,387
8,302
15~64歳人口
15
11.6%
(2007)
6,000
14.0%
12.2%
1,260
6,740
4,595
4,000
10
9.9%
(2007)
5
2,000
14歳以下人口
1,115
1,729
752
0
1950
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2007
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
2050
0
2055
資料:2005年までは総務省統計局「国勢調査」、2007年は総務省統計局「推計人口(年報)」、2010年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)中位推計」
29
今後の介護保険を取り巻く課題②
認知症高齢者の増加
認定申請時の所在(再掲)単位:万人
要介護者
要支援者
居宅
特別養護老
人ホーム
老人保健
施設
介護療養型
医療施設
その他の
施設
314
210
32
25
12
34
日常生活自立
度Ⅱ以上
149
73
27
20
10
19
日常生活自立
度Ⅲ以上
79
(25)
28
(15)
20
(4)
13
(4)
8
(1)
11
(2)
(2002.9末現在)
総数
再
掲
将来推計
2002
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
日常生活
自立度
Ⅱ以上
149
169
208
250
289
323
353
376
385
378
6.3
6.7
7.2
7.6
8.4
9.3
10.2
10.7
10.6
10.4
日常生活
自立度
Ⅲ以上
79
90
111
135
157
176
192
205
212
208
3.4
3.6
3.9
4.1
4.5
5.1
5.5
5.8
5.8
5.7
※1 下段は、65歳以上人口比(%)
※2 要介護認定に用いられる「認知症高齢者の日常生活自立度」においてランクⅡ以上と判断される高齢者数を推計したも
のであり、必ずしも医学的な認知症の確定診断を経たものではない。
(平成15年6月 高齢者介護研究会報告書より)
30
(参考)今後の認知症対策の全体像
今後の認知症対策は、早期の確定診断を出発点とした適切な対応を促進することを基本方針とし、具体的な対策とし
て、①実態の把握、②研究開発の促進、③早期診断の推進と適切な医療の提供、④適切なケアの普及及び本人・家
族支援、⑤若年性認知症対策を積極的に推進する。
実態把握
現
状
と
課
題
方
向
研究開発
医療対策
策
若年性認知症
正確な認知症患者数や、
認知症に関わる医療・介護
サービス利用等の実態は
不明
幅広い分野にわたり研究
課題を設定しており、重点
化が不足
専門医療を提供する医師
や医療機関が不十分
BPSDの適切な治療が行
われていない
重篤な身体疾患の治療が
円滑でない
認知症ケアの質の施設・事業所間
格差
医療との連携を含めた地域ケア
が不十分
地域全体で認知症の人や家族を
支えることが必要
認知症の人やその家族に対する
相談体制が不十分
若年性認知症に対する国
民の理解不足
「医療」・「福祉」・「就労」
の連携が不十分
医学的に診断された認知
症の有病率の早急な調査
要介護認定で使用されて
いる「認知症高齢者の日常
生活自立度」の見直し
各ステージ(①発症予防対
策、②診断技術向上、③治
療方法開発、④発症後対
応)毎の視点を明確にした
研究開発の促進
早期診断の促進
BPSD急性期の適切な医
療の提供
身体合併症に対する適切
な対応
認知症ケア標準化・高度化
医療との連携を含めた地域ケ
ア体制の強化
誰もが自らの問題と認識し、
・認知症に関する理解の普及
・認知症の人やその家族に対
する相談支援体制の充実
若年性認知症に関する
「相談」から「医療」・「福
祉」・「就労」の総合的な
支援
認知症の有病率に関する
調査の実施
認知症に関わる医療・介護
サービスに関する実態調
査の実施
より客観的で科学的な日
常生活自立度の検討
経済産業省、文部科学省と
連携し、特に①診断技術向
上、②治療方法の開発を重
点分野とし、資源を集中
アルツハイマー病の予防
因子の解明(5年以内)
アルツハイマー病の早期
診断技術(5年以内)
アルツハイマー病の根本
的治療薬実用化
(10年以内)
【短期】
認知症診断ガイドラインの
開発・普及支援
認知症疾患医療センター
の整備・介護との連携担当
者の配置
認知症医療に係る研修の
充実
【中・長期】
認知症に係る精神医療等
のあり方の検討
【短期】
認知症ケアの標準化・高度化
の推進
認知症連携担当者を配置する
地域包括支援センターの整備
都道府県・指定都市にコール
センターを設置
認知症を知り地域をつくる10
か年構想の推進
【中・長期】
認知症ケアの評価のあり方の
検討
認知症サポーター増員
小・中学校における認知症教
育の推進
【短期】
若年性認知症相談コールセン
ターの設置
認知症連携担当者によるオー
ダーメイドの支援体制の形成
若年性認知症就労支援ネット
ワークの構築
若年性認知症ケアのモデル事
業の実施
国民に対する広報啓発
【中・長期】
若年性認知症対応の介護サー
ビスの評価
就労継続に関する研究
性
対
適切なケアの普及
本人・家族支援
31
今後の介護保険を取り巻く課題③
高齢者の世帯形態の将来推計
(万世帯)
2005年
一般世帯
世帯主が65歳以上
2010年
2015年
2020年
2025年
4,904
万世帯
5,014
5,048
5,027
4,964
1,338
万世帯
1,541
1,762
1,847
1,843
単独
(比率)
386万世帯
28.9%
471
30.6%
566
32.2%
635
34.4%
680
36.9%
夫婦のみ
(比率)
470万世帯
35.1%
542
35.2%
614
34.8%
631
34.2%
609
33.1%
(注)比率は、世帯主が65歳以上の世帯に占める割合
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計-平成15年10月推計-」
32
今後の介護保険を取り巻く課題④
今後急速に高齢化が進む都市部
○ 今後急速に高齢化が進むのは、首都圏をはじめとする「都市部」。
都道府県別の高齢者(65歳以上)人口の推移
2005年時点の
高齢者人口(万人)
2015年時点の
高齢者人口(万人)
増加数
増加率
順位
埼玉県
116
179
63
+55%
1
千葉県
106
160
53
+50%
2
神奈川県
149
218
70
+47%
3
愛知県
125
177
52
+42%
4
大阪府
165
232
68
+41%
5
(東京都)
233
316
83
+36%
(7)
岩手県
34
39
5
+15%
43
島根県
20
22
2
+11%
44
秋田県
31
34
4
+11%
45
山形県
31
34
3
+10%
46
鹿児島県
44
48
4
+10
47
2,576
3,378
802
+31%
全国
「日本の都道府県別将来推計人口(平成19年5月推計)について」(国立社会保障・人口問題研究所)
33
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
34
第57回介護給付費分科会資料より 35
第57回介護給付費分科会資料より 36
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
37
居宅療養管理指導の主な改定内容について
1 看護職員による相談等の評価(→参考)
○ 居宅療養している要介護者(要支援者)やその家族の療養上の不安や悩みを解決し、円滑な療養生活
を送ることを可能にするため、生活上の支援を目的とした看護職員による相談等を評価する。
居宅療養管理指導費
→
看護師が行う場合
400単位/回(准看護師は90/100)
【主な算定要件】
・ 通院が困難な在宅の利用者のうち、医師が看護職員による居宅療養管理指導が必要であると判断し、利用者の同意が得
られた者に対して、居宅療養管理指導事業所の看護職員が訪問し、療養上の相談及び支援を行い、その内容について、医師
や居宅介護支援事業者に情報提供を行った場合に算定する。
・ 要介護新規認定、要介護更新認定又は要介護認定の変更に伴い作成された居宅サービス計画に基づき、指定居宅サー
ビスの提供が開始されてからの2月の間に1回を限度として算定する。
・ 訪問診療や訪問看護等を受けている者については算定できない。
2 薬剤師による居宅療養管理指導
○ 薬剤師による居宅療養管理指導について、他職種との連携を推進し、医療保険との整合性を図る観点
からその評価を見直す。
居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が在宅利用者に対して行う場合)
(月2回目以降) 300単位/回 → 500単位/回
3 居住系施設入居者に対する居宅療養管理指導
○ 居住系施設に入居している要介護者(要支援者)に対する居宅療養管理指導(薬剤師、管理栄養士、
歯科衛生士等によるもの。)について、移動等に係る労力が在宅利用者への訪問に比して少ないことを
踏まえ、その評価を適正化する。
居宅療養管理指導費(居住系施設に入居している利用者の場合)
・医療機関の薬剤師 月1~2回目550単位/回、月3回目以降300単位 → 385単位/回(月2回まで)
・薬局の薬剤師
月1回目500単位/回、月2回目以降300単位 → 350単位/回(月4回まで)
・管理栄養士
530単位/回 → 450単位/回
・歯科衛生士
350単位/回 → 300単位/回
38
第58回介護給付費分科会資料より 39
第58回介護給付費分科会資料より 40
第58回介護給付費分科会資料より 41
(介護予防)居宅療養管理指導の要件について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び
指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
(3) 管理栄養士の居宅療養管理指導について(抜粋)
① 管理栄養士の行う居宅療養管理指導については、居宅で療養を行っており、通院による療養が困難な利用者について、医師が当
該利用者に厚生労働大臣が別に定める特別食を提供する必要性を認めた場合又は当該利用者が低栄養状態にあると医師が判断
した場合であって、当該医師の指示に基づき、管理栄養士が利用者の居宅を訪問し、栄養ケア計画を作成した当該計画を患者又は
その家族等に対して交付するとともに、当該栄養ケア計画に従った栄養管理に係る情報提供及び栄養食事相談又は助言を三〇分
以上行った場合に算定する。
②、③ (省略)
④ 管理栄養士の行う居宅療養管理指導については、以下のアからケまでに掲げるプロセスを経ながら実施すること。
ア、イ、ウ、エ、オ (省略)
カ 利用者の栄養状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、栄養状態のモニタリングを行い、当該居宅療養管
理指導に係る指示を行った医師に対する報告を行うこと。なお、低栄養状態のモニタリングにおいては、利用者個々の身体状況
等を勘案し必要に応じて体重を測定するなど、BMIや体重減少率等から利用者の栄養状態の把握を行うこと。
キ、ク、ケ (省略)
⑤ 心臓疾患等の患者に対する減塩食、十二指腸潰瘍の患者に対する潰瘍食、侵襲の大きな消化管手術後の患者に対する潰瘍食、
クローン病及び潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している患者に対する低残渣食並びに高度肥満症(肥満度が+四〇%以
上又はBMIが三〇以上)の患者に対する治療食を含む。なお、高血圧の患者に対する減塩食(食塩相当量の総量が六・〇グラム未
満のものに限る。)及び嚥下困難者(そのために摂食不良となった者も含む。)のための流動食は、短期入所生活介護費、短期入所
療養介護費、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護療養施設サービス及び地域密着型介護福祉施設サービスの療
養食加算の場合と異なり、居宅療養管理指導の対象となる特別食に含まれる。
(参考:診療報酬) C009 在宅患者訪問栄養食事指導料
(1) 在宅患者訪問栄養食事指導料は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、負傷のために通院による療養が困難な者
について、医師が当該患者に「特掲診療料の施設基準等」に規定する特別食を提供する必要性を認めた場合であって、当該医師
の指示に基づき、管理栄養士が患家を訪問し、患者の生活条件、し好等を勘案した食品構成に基づく食事計画案又は具体的な献
立を示した栄養食事指導せんを患者又はその家族等に対して交付するとともに、当該指導せんに従った調理を介して実技を伴う
指導を30分以上行った場合に算定する。
※ 赤字=重要な部分
赤字+下線=変更事項
42
栄養マネジメント、口腔機能向上等に係る主な改定内容について
1 栄養管理体制・栄養マネジメント加算等の見直し
○ その算定状況等を踏まえ、介護サービス体系の簡素化や入所(入院)者の栄養マネジメントを確実に実施するなど
の観点から、栄養管理体制加算を基本サービス費に包括するとともに、栄養マネジメント加算の評価を見直す。
・栄養マネジメント加算
12単位/日 → 14単位/日
2 口腔機能向上、栄養改善(栄養マネジメント)サービスの見直し(→参考1・2)
○ サービス提供にかかる労力等を適切に評価する等の観点から、評価の見直しを行うとともに、アクティ
ビティ実施加算について、運動器機能向上加算、栄養改善加算、口腔機能向上加算に係る届出を行って
いる事業所についても算定を認める。
○ さらに、医療と介護の連携を図る観点から、歯科医療を受診している場合であっても、本加算が評価し
ているサービス内容と重複しない範囲についての評価を行う。
・口腔機能向上加算
・栄養改善加算
(介護給付の栄養マネジメント加算の名称変更)
・アクティビティ実施加算
予防給付:100単位/月
介護給付:100単位/回(月2回限度)
予防給付:100単位/月
介護給付:100単位/回(月2回限度)
81単位/月
→ 150単位/月
→ 150単位/回(月2回限度)
→ 150単位/月
→ 150単位/回(月2回限度)
→ 53単位/月(介護予防通所介護のみ)
43
栄養管理体制加算及び栄養マネジメント加算について
Ⅰ 栄養管理体制加算及び栄養マネジメント加算の現状と課題
【平成17年10月の介護報酬改定】
①従来の基本食事サービス費を廃止し、栄養管理相当分は引き続き保険給付の対象
とされた。(栄養管理体制加算の創設)
②管理栄養士による個々の入所(入院)者の栄養状態、健康状態に着目した栄養管理
を評価した。(栄養マネジメント加算の創設)
平成17年10月の介護報酬改定(イメージ図)
平成17年10月~
食材費(利用者負担)
基本食事サービス費
(管理栄養士、栄養士がいない場合は
減算)
食材費+調理費相当分(利用者負担)
栄養管理相当分は保険給付(栄養管理体制加算の創設)
個々の入所(入院)者の栄養状態の改善を目的とした
栄養管理を評価 (栄養マネジメント加算の創設)
第59回介護給付費分科会資料より 44
【栄養管理体制加算及び栄養マネジメント加算サービスの構成(概要)】
栄養管理体制加算
管理栄養士(12単位)
栄養士(10単位)
栄養マネジメント加算
(12単位)
○
○
○
○
○
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
地域密着型介護福祉施設
短期入所生活介護
短期入所療養介護
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護
○栄養管理体制加算(管理栄養士配置加算、栄養士配置加算)
常勤の管理栄養士、栄養士は、入所(入院)者の年齢、心身の状況によって適切な栄養量及び
内容の食事提供を行う。
○栄養マネジメント加算
常勤の管理栄養士を配置し、入所(入院)者の栄養状態を入所(入院)時に把握し、関連職種が
共同して、入所者ごとの摂食・嚥下機能等へも配慮した栄養ケア計画を作成し、当該計画に従い
栄養管理を行うとともに栄養状態の記録を行い、必要に応じて当該計画を見直す。
第59回介護給付費分科会資料より 45
【栄養管理体制加算・栄養マネジメント加算の算定状況】
○栄養管理体制加算(栄養士、管理栄養士)の算定回数は、基本サービス費の算定回数の
98.8%。
○栄養マネジメント加算の算定回数は、基本サービス費の算定回数の82.4%。
①基本サー
ビス費の算
定回数
栄養管理体制加算
管理栄養士
栄養マネジメント加算
栄養士
⑥合計割合
②算定回数 ③割合(②÷①) ④算定回数 ⑤割合(④÷①) ((③+⑤)
⑦算定回数 ⑧割合(⑦÷①)
介護老人福祉施設 12,430.1
10,384.5
83.5%
1,985.5
16.0%
99.5%
9,508.0
76.5%
介護老人保健施設 9,104.6
8,612.5
94.6%
461.6
5.1%
99.7%
8,212.5
90.2%
介護療養型医療施設 3,154.1
2,949.2
93.5%
133.4
4.2%
97.7%
2,655.3
84.2%
89.3
48.9
54.8%
27.0
30.2%
85.0%
40.0
44.8%
短期入所生活介護
2,503.7
1,764.0
70.5%
601.0
24.0%
94.5%
短期入所療養介護
421.6
396.4
94.0%
19.8
4.7%
98.7%
介護予防短期入所生活介護
45.3
12.8
28.3%
31.5
69.5%
97.8%
介護予防短期入所療養介護
8.6
8.1
94.2%
0.4
4.7%
98.8%
27,757.3
24,176.4
87.1%
3,260.2
11.7%
98.8%
20,415.8
82.4%
(千回)
(千回)
地域密着型介護福祉施設 合計
(千回)
(千回)
(出典)介護給付費実態調査(平成20年度4月審査分)
(厚生労働省統計情報部)
第59回介護給付費分科会資料より 46
○ 栄養マネジメント加算の算定要件である管理栄養士が配置され、栄養管理体制加算を算定して
いるにもかかわらず、栄養マネジメント加算を算定していない割合は7.2%ある。
また、栄養マネジメントを算定していない理由として、施設長の判断、人員不足、他職種の理解
や協力が得られない等が挙げられている。
管理栄養士配置加算を算定している施設における栄養マネジメント加算の算定状況
栄養管理体制加算
栄養マネジメント加算
管理栄養士が配置されている施
設における栄養マネジメント加算
の未算定の割合
②算定回数
③割合((①-②)÷①)
(管理栄養士)
①算定回数
介護老人福祉施設 10,384.5
9,508.0
8.4%
介護老人保健施設 8,612.5
8,212.5
4.6%
介護療養型医療施設 2,949.2
48.9
2,655.3
40.0
10.0%
18.2%
21,995.1
20,415.8
7.2%
地域密着型介護福祉施設 合計
(出典)介護給付費実態調査
(平成20年度4月審査分)
(千回)
(千回)
栄養マネジメントを算定していない主な理由
30%
25%
17.9%
20%
15.2%
15%
10%
5.4%
4.5%
5%
0%
(出典)厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業 「介護
保険制度における栄養ケア・マネジメント事業評価に関する研究
(主任研究者:杉山みち子)」)
第59回介護給付費分科会資料より 47
Ⅲ 栄養管理体制加算(栄養士配置加算、管理栄養士配置加算)及び栄養マネジメン
ト加算サービスの報酬・基準に関する論点
【基本的な考え方】
○ 栄養管理体制加算及び栄養マネジメント加算の算定状況等を踏まえ、介護サービ
ス体系の簡素化や入所(入院)者の栄養マネジメントを確実に実施するなどの観点
から見直しを行うこととしてはどうか。
【具体的な論点】
(1) 栄養管理体制加算の算定状況を踏まえ、本加算については、基本サービス費に
包括して評価することを検討してはどうか。
(2) 管理栄養士が配置されているにもかかわらず、栄養マネジメント加算が算定さ
れていない施設が存在することを踏まえ、栄養マネジメントを適切に実施する観点
から、栄養マネジメント加算の評価の見直しを検討してはどうか。
第59回介護給付費分科会資料より 48
栄養管理体制加算の包括化について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
第一 届出手続の運用
1 届出の受理
(1) 届出書類の受取り、要件審査、届出の受理及び国保連合会等への通知
(2) 届出に係る加算等の算定の開始時期
2 届出事項の公開等
第二 居宅サービス単位数表(短期入所生活介護費から特定施設入居者生活介護費に係る部分に
限る。)及び施設サービス単位数表
1 通則
(1)~(9) (省略)
(10) 栄養管理について
今回の改定では、短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護老人福祉施設、老人保健
施設及び介護療養型医療施設において、常勤の管理栄養士又は栄養士により利用者の年
齢、心身の状況に応じた適切な栄養量及び内容の食事提供を行う体制への評価を行ってい
た栄養管理体制加算については基本サービス費への包括化を行ったところである。これは、
当該加算の算定状況等を踏まえ、報酬体系の簡素化等の観点から行ったものであり、包括
化を行っても利用者の栄養状態の管理の重要性は変わらないものであることから、各事業
所においては、引き続き、これを適切に実施できる体制を維持すること。
※(介護予防)短期入所生活介護、 (介護予防)短期入所療養介護などにおいても同様
49
栄養管理体制加算の包括化について
「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する
費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について (平成21年3月6日付)」より抜粋
第一 届出手続の運用
1 届出の受理
(1) 届出書類の受取り、要件審査、届出の受理及び国保連合会等への通知
(2)~(5) (省略)
2~6 (省略)
第二 指定地域密着型サービス介護給付費単位数表に関する事項
1 通則
(1)~(12) (省略)
(13) 栄養管理について
今回の改定では、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、において、常勤の管理
栄養士又は栄養士により利用者の年齢、心身の状況に応じた適切な栄養量及び内容の食事
提供を行う体制への評価を行っていた栄養管理体制加算については基本サービス費への包
括化を行ったところである。これは、当該加算の算定状況等を踏まえ、報酬体系の簡素化等
の観点から行ったものであり、包括化を行っても利用者の栄養状態の管理の重要性は変わら
ないものであることから、各事業所においては、引き続き、これを適切に実施できる体制を維
持すること。
50
栄養管理体制加算の包括化について
「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)」(抄)
改正後
51
栄養管理体制加算の包括化について
「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)」(抄)
改正後
52
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について」
「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について」
「指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準について」
(平成21年3月6日付通知)より抜粋
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関す
る基準について」 (新)
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関す
る基準について (旧)
第四 運営に関する基準
12 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
入所者ごとの栄養状態を定期的に把握し、個々の入所者の栄
養状態に応じた栄養管理を行うように努めるとともに、摂食・嚥下
機能その他の入所者の身体の状況や食形態、嗜好等にも配慮し
た適切な栄養量及び内容とすること。
第四 運営に関する基準
1~11 (省略)
12 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
入所者の身体の状況・嗜好に応じて適切な栄養量及び内容と
すること。
「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営
に関する基準について」 (新)
「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営
に関する基準について」 (旧)
第四 運営に関する基準
17 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
個々の入所者の栄養状態に応じて、摂食・嚥下機能及び食形
態にも配慮した栄養管理を行うように努めるとともに、入所者の
栄養状態、身体の状況並びに病状及び嗜好を定期的に把握し、
それに基づき計画的な食事の提供を行うこと。
第四 運営に関する基準
17 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
入所者の栄養状態、身体の状況並びに病状及び嗜好を定期的
に把握し、それに基づき計画的な食事の提供を行うこと。
「指定介護療養型医療施設の人員、施設及び設備並び
に運営に関する基準について」 (新)
「指定介護療養型医療施設の人員、施設及び設備並び
に運営に関する基準について」 (旧)
第四 運営に関する基準
15 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
個々の入所者の栄養状態に応じて、摂食・嚥下機能及び食形
態にも配慮した栄養管理を行うように努めるとともに、入所者の
栄養状態、身体の状況並びに病状及び嗜好を定期的に把握し、
それに基づき計画的な食事の提供を行うこと。
第四 運営に関する基準
15 食事の提供(基準省令第19条)
(1)食事の提供について
入所者の栄養状態、身体の状況並びに病状及び嗜好を定期的
に把握し、それに基づき計画的な食事の提供を行うこと。
53
栄養マネジメント加算について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
(20) 栄養マネジメント加算
① (省略)
② 施設に常勤の管理栄養士を一名以上配置して行うものであること。なお、調理業務の委託先にのみ管理栄養
士が配置されている場合は、当該加算を算定できないこと。
③ 常勤の管理栄養士が、同一敷地内の複数の介護保険施設の栄養ケア・マネジメントを行う場合は、当該管理
栄養士が所属する施設のみ算定できること。
④ 栄養ケア・マネジメントについては、以下のイからトまでに掲げるとおり、実施すること。
イ、ロ (省略)
ハ 栄養アセスメントを踏まえ、施設長の管理のもと、医師、管理栄養士、歯科医師、看護職員、介護支援専門
員その他の職種の者が共同して、入所者毎に、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法等)、栄養
食事相談に関する事項(食事に関する内容の説明等)、解決すべき事項に対し関連職種が共同して取り組
むべき事項等を記載した栄養ケア計画を作成すること。また、作成した栄養ケア計画については、栄養ケア・
マネジメントの対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービ
スにおいては、栄養ケア計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもっ
て栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。
ニ、ホ、ヘ (省略)
ト 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第8条に規定す
るサービスの提供の記録において利用者ごとの栄養ケア計画に従い管理栄養士が利用者の栄養状態を
定期的に記録する場合は、当該記録とは別に栄養マネジメント加算の算定のために利用者の栄養状態を
定期的に記録する必要はないものとすること。
⑤ (省略)
⑥ 栄養ケア・マネジメントを実施している場合には、個別の高齢者の栄養状態に着目した栄養管理が行われる
ため、検食簿、喫食調査結果、入所者の入退所簿及び食料品消費日計等の食事関係書類(食事せん及び献
立表を除く。)、入所者年齢構成表及び給与栄養目標量に関する帳票は、作成する必要がないこと。
54
経口移行加算について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について (平成21年3月6日付)」より抜粋
(21) 経口移行加算(抜粋)
① 経口移行加算のうち経管栄養から経口栄養に移行しようとする者に係るものについては、次に掲げるイからハまでの通
り、実施するものとすること。
イ 現に経管により食事を摂取している者であって、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要であるとして、
医師の指示を受けた者を対象とすること。医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者
が共同して、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理の方法等を示した経口移行計画を作成すること(ただし、
栄養マネジメント加算を算定している入所者にあっては、栄養ケア計画と一体のものとして作成すること。)。また、当該
計画については、栄養管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サー
ビスにおいては、経口移行計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口移
行計画の作成に代えることができるものとすること。
ロ 当該計画に基づき、栄養管理を実施すること。経口移行加算の算定期間は、経口からの食事の摂取が可能となり経
管による食事の摂取を終了した日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得た日から起算して、
一八〇日以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定しないこと。
ハ 経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が、入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して、一八〇
日を超えて実施される場合でも、経口による食事の摂取が一部可能なものであって、医師の指示に基づき、継続して経
口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要とされる場合にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとす
ること。ただし、この場合において、医師の指示は概ね二週間毎に受けるものとすること。
② 経管栄養法から経口栄養法への移行は、場合によっては、誤嚥性肺炎の危険も生じうることから、次のイからハまでに
ついて確認した上で実施すること。
イ 全身状態が安定していること(血圧、呼吸、体温が安定しており、現疾患の病態が安定していること。)。
ロ 刺激しなくても覚醒を保っていられること。
ハ 嚥下反射が見られること(唾液嚥下や口腔、咽頭への刺激による喉頭挙上が認められること。)。
ニ 咽頭内容物を吸引した後は唾液を嚥下しても「むせ」がないこと。
③ 経口移行加算を一八〇日間にわたり算定した後、経口摂取に移行できなかった場合に、期間を空けて再度経口摂取に
移行するための栄養管理を実施した場合は、当該加算は算定できないものとすること。
55
経口維持加算について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について (平成21年3月6日付)」より抜粋
(22) 経口維持加算(抜粋)
① 経口維持加算のうち、著しい摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる者に係るものについて
イ (省略)
a 経口維持加算(Ⅰ)については、現に経口により食事を摂取している者であって、著しい摂食機能障害を有し、造影撮影
(医科診療報酬点数表中「造影剤使用撮影」をいう。以下同じ。)又は内視鏡検査(医科診療報酬点数表中「喉頭ファイ
バースコピー」をいう。以下同じ。)により誤嚥が認められる(喉頭侵入が認められる場合を含む。)ことから、継続して経
口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師の指示を受けたものを対象とすること。
経口維持加算(Ⅱ)については、現に経口により食事を摂取している者であって、摂食機能障害を有し、水飲みテスト
(「氷砕片飲み込み検査)、「食物テスト(food test)」、「改訂水飲みテスト」などを含む。以下同じ。)、頸部聴診法等によ
り誤嚥が認められることから、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師
の指示を受けたものを対象とすること。
b 医師、歯科医師、管理栄養士、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、継続して経口による食事の
摂取を進めるための特別な管理の方法等を示した経口維持計画を作成すること(ただし、栄養マネジメント加算を算定し
ている入所者にあっては、栄養ケア計画と一体のものとして作成すること。)。また、当該計画については、栄養管理の対
象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、経口維持計画
に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口維持計画の作成に代えることがで
きるものとすること。
c (省略)
d 入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して一八〇日を超えた場合でも、引き続き、
(a) 経口維持加算(Ⅰ)の対象者については、造影撮影又は内視鏡検査により、引き続き、誤嚥が認められ(喉頭侵入が認
められる場合を含む。)、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理が必要であるものとして医師
の指示がなされ、また、当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られた場合
(b) 経口維持加算(Ⅱ)の対象者にあっては、水飲みテスト、頸部聴診法等により引き続き、誤嚥が認められ、継続して経口
による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして、医師の指示がなされ、また、当該特別な栄養管
理を継続することについての入所者の同意が得られた場合にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとすること。
ただし、(a)又は(b)における医師の指示は、概ね二週間毎に受けるものとすること。
ロ (省略)
56
療養食加算の新旧の比較について(抜粋)
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に
関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について (平成21年3月6日付)」より抜粋
(13) 療養食加算 (新)
④ 減塩食療法等について
心臓疾患等に対して減塩食療法を行う場合は、腎臓
病食に準じて取り扱うことができるものであるが、高血
圧症に対して減塩食療法を行う場合は、加算の対象と
はならないこと。
また、腎臓病食に準じて取り扱うことができる心臓疾
患等の減塩食については、総量六・〇g未満の減塩食
をいうこと。ただし、平成二十一年九月三十日までの
間は従前の総量七・〇g以下の減塩食でも認めるもの
とすること。
⑧ 高度肥満症に対する食事療法について
高度肥満症(肥満度が+七〇%以上又はBMI
(Body Mass Index)が三五以上)に対して食事療法を
行う場合は、脂質異常症食に準じて取り扱うことがで
きること。
⑩ 脂質異常症食の対象となる入所者等について
療養食として提供される脂質異常症食の対象となる
入所者等は、空腹時定常状態におけるLDL-コレステ
ロール値が一四〇㎎/dl以上である者又はHDL-コレ
ステロール値が四〇㎎/dl未満若しくは血清中性脂肪
値が一五〇㎎/dl以上である者であること。
(13) 療養食加算 (旧)
④ 減塩食療法等について
心臓疾患等に対して減塩食療法を行う場合は、腎臓
病食に準じて取り扱うことができるものであるが、高血
圧症に対して減塩食療法を行う場合は、加算の対象と
はならないこと。
また、腎臓病食に準じて取り扱うことができる心臓疾
患等の減塩食については、総量七・〇g以下の減塩食
をいうこと。
⑧ 高度肥満症に対する食事療法について
高度肥満症(肥満度が+七〇%以上又はBMI(Body
Mass Index)が三五以上)に対して食事療法を行う場合
は、高脂血症食に準じて取り扱うことができること。
⑩ 高脂血症食の対象となる入所者等について
療養食として提供される高脂血症食の対象となる入所
者等は、空腹時定常状態における血清総コレステロー
ル値が二二〇㎎/dl以上である者又は血清中性脂肪
値が一五〇㎎/dl以上である者であること。
57
療養食加算について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について (平成21年3月6日付)」より抜粋
(13) 療養食加算
① 療養食の加算については、利用者の病状等に応じて、主治の医師より利用者に対し疾患治療の直接手段として発行された食事せん
に基づき、厚生労働大臣が定める者等(平成十二年厚生省告示第二十三号。以下「二十三号告示」という。)に示された療養食が提供
された場合に算定すること。なお、当該加算を行う場合は、療養食の献立表が作成されている必要があること。
② 加算の対象となる療養食は、疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事せんに基づいて提供される利用者の年齢、病状等に
対応した栄養量及び内容を有する治療食(糖尿病食、腎臓病食、肝臓病食、胃潰瘍食(流動食は除く。)、貧血食、膵臓病食、脂質異常
症食、痛風食及び特別な場合の検査食をいうものであること。
③ 前記の療養食の摂取の方法については、経口又は経管の別を問わないこと。
④ 減塩食療法等について
心臓疾患等に対して減塩食療法を行う場合は、腎臓病食に準じて取り扱うことができるものであるが、高血圧症に対して減塩食療法
を行う場合は、加算の対象とはならないこと。
また、腎臓病食に準じて取り扱うことができる心臓疾患等の減塩食については、総量六・〇g未満の減塩食をいうこと。ただし、平成二
十一年九月三十日までの間は従前の総量七・〇g以下の減塩食でも認めるものとすること。
⑤ 肝臓病食について
肝臓病食とは、肝庇護食、肝炎食、肝硬変食、閉鎖性黄疸食(胆石症及び胆嚢炎による閉鎖性黄疸の場合を含む。)等をいうこと。
⑥ 胃潰瘍食について
十二指腸潰瘍の場合も胃潰瘍食として取り扱って差し支えないこと。手術前後に与える高カロリー食は加算の対象としないが、侵襲
の大きな消化管手術の術後において胃潰瘍食に準ずる食事を提供する場合は、療養食の加算が認められること。また、クローン病、潰
瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している入所者等に対する低残さ食については、療養食として取り扱って差し支えないこと。
⑦ 貧血食の対象者となる入所者等について
療養食として提供される貧血食の対象となる入所者等は、血中ヘモグロビン濃度が一〇g/dl以下であり、その原因が鉄分の欠乏に
由来する者であること。
⑧ 高度肥満症に対する食事療法について
高度肥満症(肥満度が+七〇%以上又はBMI(Body Mass Index)が三五以上)に対して食事療法を行う場合は、脂質異常症食に準
じて取り扱うことができること。
⑨ 特別な場合の検査食について
特別な場合の検査食とは、潜血食をいう他、大腸X線検査・大腸内視鏡検査のために特に残さの少ない調理済食品を使用した場合
は、「特別な場合の検査食」として取り扱って差し支えないこと。
⑩ 脂質異常症食の対象となる入所者等について
療養食として提供される脂質異常症食の対象となる入所者等は、空腹時定常状態におけるLDL-コレステロール値が一四〇㎎/dl以
上である者又はHDL-コレステロール値が四〇㎎/dl未満若しくは血清中性脂肪値が一五〇㎎/dl以上である者であること。
58
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)より
(問17) 管理栄養又は栄養士を配置したことに対する栄養管理体制加算が包括化され
たが、どのように考えればいいのか。
(答)
1.今回の改定では、常勤の管理栄養士又は栄養士により利用者の年齢、心身の状況
に応じた適切な栄養量及び内容の食事提供を行う体制への評価を行っていた栄養
管理体制加算については基本サービス費への包括化を行ったところである。
2.これは、当該加算の算定状況等を踏まえ、報酬体系の簡素化等の観点から行った
ものであり、包括化を行っても利用者の栄養状態の管理の重要性は変わらないもの
であることから、各事業所においては、引き続き、これを適切に実施できる体制を維
持すること。
(問18) 療養食加算のうち、貧血食の対象となる入所者等について、原因が鉄分の欠
乏に由来する者とは。
(答)
対象となる者は、その貧血の原因が鉄分の欠乏に由来すると医師が認める者。
59
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.2)より
(問7) 経口維持加算について、著しい摂食・嚥下機能障害を有し、誤嚥が認められるも
のについて、特別な管理が行われた場合には算定できるとのことだが、日数の制
限等はないのか。また、どうなると算定できなくなるのか。
(答)
1.著しい摂食機能障害を有する者の算定期間については、継続して経口による食事の
摂取を進めるための特別な栄養管理により、当該入所者が必要な栄養は摂取されて
おり、かつ、概ね1週間以上にわたり著しい摂食機能障害による誤嚥が認められない
と医師が判断した日までの期間とするが、入所者又はその家族の同意を得た日から
起算して180日以内の期間に限ることとしている。
2.誤嚥を防止するための特別な栄養管理が、入所者又はその家族の同意を得た日か
ら起算して180日を超えた場合でも、造影撮影(造影剤使用撮影)又は内視鏡検査(喉
頭ファイバースコピー)を再度実施した上で、医師が特別な栄養管理を引き続き必要と
判断し、かつ、引き続き当該栄養管理を実施することについて利用者又はその家族の
同意を得た場合にあっては、当該加算を算定できることとする。ただし、この場合にお
いて、医師の指示は概ね1月間(誤)←2週間(正)毎に受けるものとする。
60
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.2)より
(問5) 栄養マネジメント加算、経口移行加算、経口維持加算において、共同して取り組
む職種として歯科医師が追加されたが、当該加算の算定にあたって歯科医師の
関与や配置は必要か。
(答)
多職種共同で計画を立案する必要があるが、歯科医師の関与及び配置は必須では
なく、必要に応じて行うものである。
(問10) 療養食加算の対象となる脂質異常症の入所者等について、薬物療法や食事療
法により、血液検査の数値が改善された場合でも、療養食加算を算定できるか。
(答)
医師が疾病治療の直接手段として脂質異常症食にかかる食事せんの発行の必要
性を認めなくなるまで算定できる。
61
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準
(平成11年3月31日厚令39)」より抜粋
第1章 基本方針 (省略)
第2章 人員に関する基準
第2条 四 栄養士1以上 (入所定員が40人を超えない指定介護老人福祉施設にあっては、他の社会福祉施設等の栄養士
との連携を図ることにより当該指定介護老人福祉施設の効果的な運営を期待することができる場
合であって、入所者の処遇に支障がないときは、栄養士を置かないことができる。)
第3章 設備に関する基準
第4章 運営に関する基準
第13条 一~四 (省略)
五 指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないように適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制
を整備しなければならない。
第14条 一 指定介護老人福祉施設は、栄養並びに入所者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を、適切な時間に提供しな
ければならない。
二 指定介護老人福祉施設は、入所者が可能な限り離床して、食堂で食事を摂ることを支援しなければならない。
第27条 一 (省略)
二 指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しな
いように、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
① 当該指定介護老人福祉施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する
委員会を3月に1回程度、定期的に開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知
徹底を図ること。
② 当該指定介護老人福祉施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備する
こと。
③ 当該指定介護老人福祉施設において、介護職員その他の従業者に対し、感染症及び食中毒の予防及びま
ん延の防止のための研修を定期的に実施すること。
④ 前三号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症及び食中毒の発生が疑われる際の対処等
に関する手順に沿った対応を行うこと。
62
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成12年3月17日老企43)」より抜粋①
第1 基準省令の性格
一 基準省令は、指定介護老人福祉施設がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指
定介護老人福祉施設は、常にその運営の向上に努めなければならないこと。
二 指定介護老人福祉施設が満たすべき基準を満たさない場合には、指定介護老人福祉施設の指定は受けられず、
また、運営開始後、基準省令に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この
指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。
2章 人員に関する基準(基準省令第2条)
二 栄養士 基準省令第2条第1項ただし書きに規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当
該指定介護老人福祉施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がな
いとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(健康増進法に規
定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合であること。
第3 設備に関する基準
第4 運営に関する基準
十一 介護(基準省令第13条)
(5) 「指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないように適切な介護を行うとともに、その発生を予防するため
の体制を整備しなければならない。」とは、施設において褥瘡の予防のための体制を整備するとともに、介護
職員等が褥瘡に関する基礎的知識を有し、日常的なケアにおいて配慮することにより、褥瘡発生の予防効果
を向上させることを想定している。たとえば、次のようなことが考えられる。
イ 当該施設における褥瘡のハイリスク者(日常生活自立度が低い入所者等)に対し、褥瘡予防のため
の計画の作成、実践並びに評価をする。
ロ 当該施設において、専任の施設内褥瘡予防対策を担当する者(看護師が望ましい)を決めておく。
ハ 医師、看護職員、介護職員、栄養士等からなる褥瘡チームを設置する。
ニ 当該施設における褥瘡対策のための指針を整備する。
ホ 介護職員等に対し、褥瘡対策に関する施設内職員継続教育を実施する。また、施設外の専門家によ
る相談、指導を積極的に活用することが望ましい。
63
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成12年3月17日老企43)」より抜粋②
第4 運営に関する基準
十二 食事(基準省令第14条)
第14条 (1) 入所者ごとの栄養状態を定期的に把握し、個々の入所者の栄養状態に応じた栄養管理を行うように
努めるとともに、摂食・嚥下機能その他の入所者の身体の状況や食形態、嗜好等にも配慮した適切な
栄養量及び内容とすること。
(2) 調理について
調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況をあきらかにしておくこと。ま
た、病弱者に対する献立については、必要に応じ、医師の指導を受けること。
(3) 適時の食事の提供について
食事時間は適切なものとし、夕食時間は午後六時以降とすることが望ましいが、早くても午後五時以
降とすること。
(4) 食事の提供に関する業務の委託について
食事の提供に関する業務は、指定介護老人福祉施設自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理
管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について施設自らが行う等、当該
施設の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質
が確保される場合には、当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することができること。
(5) 居室関係部門と食事関係部門との連携について
食事提供については、入所者の嚥下や咀嚼の状況、食欲など心身の状態等を当該入所者の食事に
的確に反映させるために、居室関係部門と食事関係部門との連絡が十分とられていることが必要であ
ること。
(6) 栄養食事相談
入所者に対しては適切な栄養食事相談を行う必要があること。
(7) 食事内容の検討について
食事内容については、当該施設の医師又は栄養士(入所定員が40人を超えない指定介護老人福祉
施設であって、栄養士を配置していない施設においては連携を図っている他の社会福祉施設等の栄養
士 )を含む会議において検討が加えられなければならないこと。
64
栄養マネジメント、口腔機能向上等に係る主な改定内容について
1 栄養管理体制・栄養マネジメント加算等の見直し
○ その算定状況等を踏まえ、介護サービス体系の簡素化や入所(入院)者の栄養マネジメントを確実に実施するなど
の観点から、栄養管理体制加算を基本サービス費に包括するとともに、栄養マネジメント加算の評価を見直す。
・栄養マネジメント加算
12単位/日 → 14単位/日
2 口腔機能向上、栄養改善(栄養マネジメント)サービスの見直し(→参考1・2)
○ サービス提供にかかる労力等を適切に評価する等の観点から、評価の見直しを行うとともに、アクティ
ビティ実施加算について、運動器機能向上加算、栄養改善加算、口腔機能向上加算に係る届出を行って
いる事業所についても算定を認める。
○ さらに、医療と介護の連携を図る観点から、歯科医療を受診している場合であっても、本加算が評価し
ているサービス内容と重複しない範囲についての評価を行う。
・口腔機能向上加算
・栄養改善加算
(介護給付の栄養マネジメント加算の名称変更)
・アクティビティ実施加算
予防給付:100単位/月
介護給付:100単位/回(月2回限度)
予防給付:100単位/月
介護給付:100単位/回(月2回限度)
81単位/月
→ 150単位/月
→ 150単位/回(月2回限度)
→ 150単位/月
→ 150単位/回(月2回限度)
→ 53単位/月(介護予防通所介護のみ)
65
口腔機能向上加算・栄養改善加算について
Ⅰ 口腔機能向上加算・栄養改善加算の現状と課題
【平成18年介護報酬改定における見直し】
① 要支援者を対象とした介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションが
創設され、日常生活上の支援などの「共通的サービス」と、運動器機能向上、栄養改
善、口腔機能向上を目的とした「選択的サービス」とに分け、それぞれについて月単
位の定額報酬が設定された。
② 要介護者を対象とした通所介護及び通所リハビリテーションについて、口腔機能向
上加算及び栄養マネジメント加算が創設された。
第59回介護給付費分科会資料より 66
【口腔機能向上・栄養改善サービスの構成(概要)】
介護予防通所介護
介護予防通所リハビリテーション
要支援1
要支援1
(
予
防
給
付
)
(1月につき 2,226単位)
イ 介護予防通所介護
要支援2
(1月につき 4,353単位)
(1月につき 2,496単位)
要支援2
(1月につき 4,880単位)
ロ アクティビティ実施加算
(1月につき 81単位を加算)
ロ 運動器機能向上加算
(1月につき225単位を加算)
ハ 運動器機能向上加算
(1月につき225単位を加算)
ハ 栄養改善加算
(1月につき100単位を加算)
ニ 栄養改善加算
(1月につき100単位を加算)
ニ 口腔機能向上加算
(1月につき100単位を加算)
ホ 口腔機能向上加算
(1月につき100単位を加算)
通所介護
(
介
護
給
付
)
イ 介護予防通所リハ
通所リハビリテーション
通所介護
通所リハ
注9
栄養マネジメント加算
1日につき+100単位
(月2回を限度)
注10
栄養マネジメント加算
1日につき+100単位
(月2回を限度)
注10
口腔機能向上加算
1日につき+100単位
(月2回を限度)
注11
口腔機能向上加算
1日につき+100単位
(月2回を限度)
○運動器機能向上加算 理学療法士等の関係職種が共同して利用者の運動器機能向上に係る個別の計画を作成し、これに基づく適切なサービス
の実施、定期的な評価と計画の見直し等の一連のプロセスを実施した場合に加算する。
○口腔機能向上加算 口腔機能の低下している又はそのおそれのある利用者に対し、歯科衛生士等の関係職種が共同して利用者の口腔機能改善
のための計画を作成し、これに基づく適切なサービスの実施、定期的な評価と計画の見直し等の一連のプロセスを実施した場合に加算する。
○栄養改善加算(栄養マネジメント加算) 低栄養状態にある又はそのおそれのある利用者に対し、管理栄養士が看護職員、介護職員等と共同して
栄養ケア計画を作成し、これに基づく適切なサービスの実施、定期的な評価と計画の見直し等の一連のプロセスを実施した場合に加算する。
○アクティビティ実施加算 利用者に対して、計画的にアクティビティ(集団的に行われるレクリエーション、創作活動等の機能訓練をいう)を実施した
場合に加算する(アクティビティ実施加算は、運動器機能向上加算、栄養改善加算又は口腔機能向上加算のいずれかを届出ている事業所では、算定
できない)。
(※)管理栄養士による栄養管理については、介護保険施設等においても加算にて評価されている(栄養マネジメント加算)が、口腔機能向上に係
る加算は介護保険施設等では設けられていない。
67
【口腔機能向上加算・栄養改善加算の算定実績①】
○ 介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーションの算定件数の増加に伴い、運動器機能向
上加算、アクティビティ実施加算の算定件数は増加しているが、口腔機能向上加算及び栄養改善加
算の算定は低調である。
介護予防通所介護における算定件数の推移
120 000
300 000
200 000
(
件
)
100 000
介護予防通所リハビリテーションにおける算定件数の推移
介護予防通所介護
運動器機能向上加算
栄養改善加算
口腔機能向上加算
アクティビティ実施加算
80 000
(
件
)
介護予防通所リハ
運動器機能向上加算
栄養改善加算
口腔機能向上加算
40 000
0
.7
H1
8.9
H1
8.1
1
H1
9.1
H1
9.3
H1
9.5
H1
9.7
H1
9.9
H1
9.1
1
H2
0.1
H2
0.3
.5
H1
8
H1
8
H1
8.5
H1
8.7
H1
8.9
H1
8.1
1
H1
9.1
H1
9.3
H1
9.5
H1
9.7
H1
9.9
H1
9.1
1
H2
0.1
H2
0.3
0
(出典)介護給付費実態調査(厚生労働省統計情報部)
第59回介護給付費分科会資料より 68
【口腔機能向上加算・栄養改善加算の算定実績②】
○ 平成19年度の算定実績は、栄養改善加算は約1.0億円、口腔機能向上加算は約13.2億円で
あり、両加算とも月別算定単位数は微減傾向である。
○ 他方、運動器機能向上加算及びアクティビティ実施加算については、月別算定単位数は増加
傾向にある。
予 防 給 付
介護予防通所介護
審査月
H19.5月
H19.6月
H19.7月
H19.8月
H19.9月
H19.10月
H19.11月
H19.12月
H20.1月
H20.2月
H20.3月
H20.4月
介 護 給 付
介護予防通所リハビリテーション
通所介護
通所リハビリテーション
アクティビティ 運動器機能 栄養改善加 口腔機能向 運動器機能 栄養改善加 口腔機能向 栄養マネジメ 口腔機能向 栄養マネジメ 口腔機能向
実施加算
向上加算
算
上加算
向上加算
算
上加算
ント加算
上加算
ント加算
上加算
7
8
8
8
8
8
8
8
8
8
8
9
871
178
382
493
520
694
859
971
990
903
960
096
25
26
26
27
27
27
28
28
29
28
29
29
043
079
788
214
374
930
743
946
049
778
013
356
48
46
45
44
40
39
36
36
32
31
27
26
845
858
850
835
797
783
780
758
733
697
678
678
15
16
16
16
17
17
18
18
18
18
18
18
463
133
581
984
140
565
007
191
261
137
272
501
38
37
36
34
33
34
33
32
30
30
28
27
180
183
180
173
171
169
171
169
158
151
148
148
451
440
435
431
399
388
351
337
323
288
267
266
8
8
8
8
8
8
8
7
7
7
7
7
763
874
802
622
297
162
075
815
527
219
101
065
463
469
459
437
428
406
397
377
372
354
340
326
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
281
279
270
223
173
102
120
071
990
902
894
857
計
H19年度算定
単位
(千単位)
103 917
334 313
450
9 292
209 235
392
2 001
4 376
96 322
4 828
25 162
790 288千単位
H19年度推
*
計額
10.4億円
33.4億円
0.05億円
0.9億円
20.9億円
0.04億円
0.2億円
0.4億円
9.6億円
0.5億円
2.5億円
79.0億円
* 1単位10円として推計
1.0億円
13.2億円
(出典)介護給付費実態調査(厚生労働省統計情報部)
第59回介護給付費分科会資料より 69
【口腔機能向上・栄養改善サービスの利用・提供が進まない理由】
○ 地域包括支援センターは、ケアプラン作成にあたり、口腔機能向上加算・栄養改善加算の必要性を
判断する役割を有する。そこで、地域包括支援センターを対象に、口腔機能向上・栄養改善サービス
の利用・提供が進まない要因について調査を行った。
○ その結果、以下の可能性が示唆された
①ケアプランに取り入れられない理由としては、提供事業所の数が少ないこと、対象者の把握が困難
であること等が考えられる。
②事業所が実施しない理由としては、人材の育成確保が困難であることや介護報酬の低さ等が考えら
れる。
口腔機能向上・栄養改善サービスの利用・提供が進まない要因
栄養改善加算
0
ケアプラ
ンに取り
入れられ
ない理由
10
20
40
50
60
0
80(%)
70
地域包括支援センターの力量
19.3
地域包括支援センターの力量
対象者把握のツールの普及
19.9
対象者把握のツールの普及
提供事業者の数
その他
5.7
73.0
実施できる人材の育成・確保
介護報酬単位の低さ
38.3
その他
18.3
4.1
30
40
60
70
80 (%)
47.5
10.2
4.8
30.0
実施できる人材の育成・確保
71.3
介護報酬単位の低さ
37.9
成功事例の少なさ
その他
50
20.1
提供手順・手続きの複雑さ
29.9
提供手順・手続きの複雑さ
20
18.5
関連団体支援の希薄さ
11.2
成功事例の少なさ
10
提供事業者の数
49.1
関連団体支援の希薄さ
その他
事業所が
実施しな
い理由
30
口腔機能向上加算
17.7
3.8
(出典)平成19年度老人保健健康増進等事業「介護予防給付の栄養改善・口腔機能の向上の実施に関する
研究」(研究代表者:植田耕一郎)調査報告書による地域包括支援センターに対する調査結果
第59回介護給付費分科会資料より 70
【介護予防通所介護におけるアクティビティ実施加算と他の加算との関係について】
○運動器機能向上加算、栄養改善加算、口腔機能向上加算については、理学療法士等の一定
の資格を有した者が当該サービスを提供することとなっているが、アクティビティ実施加算につ
いては、これら有資格者についての要件がない。
○運動器機能向上加算、栄養改善加算、口腔機能向上加算は、計画に基づいてサービスを提供
し、かつ、定期的な評価等を行った場合に算定できる。他方、アクティビティ実施加算について
は、定期的な評価等の要件がない。
○アクティビティ実施加算は、運動器機能向上加算、栄養改善加算又は口腔機能向上加算のい
ずれかを届出ている事業所では、算定できない。
○介護報酬上の評価は、栄養改善加算及び口腔機能向上加算が100(単位/月)、アクティビ
ティ実施加算が81(単位/月)となっている。
介護予防通所介護の算定回数 3,356.6千回 (平成19年度実績)
アクティビティ実施加算
運動器機能向上加算
(1,283.1千回:38.2%)
(1,485.9千回:44.3%)
未算定
栄養( 4.7千回:0.1%)、
口腔(93.1千回:2.8%)
(出典)介護給付費実態調査(厚生労働省統計情報部)
第59回介護給付費分科会資料より 71
Ⅲ 口腔機能向上・栄養改善サービスの報酬・基準に関する論点
【基本的な考え方】
○ 口腔機能向上・栄養改善サービスの報酬・基準については、アクティビティ実施加算と
の関係等を踏まえ、サービスを必要としている人に確実にサービスを提供する等の観点
から、見直しを行うこととしてはどうか。
【具体的な論点】
(1) サービスを必要としている者に対して確実にサービスを提供するという観点から対象
者の基準の明確化を検討してはどうか。
(2) 口腔機能向上加算、栄養改善加算及びアクティビティ実施加算について、サービス提
供に係る労力等を適切に評価する等の観点から、評価のあり方を見直してはどうか。
(3) 必要なサービスを継続的に確保し、医療と介護の連携をはかるという観点から、齲歯
の治療など、嚥下機能訓練以外の目的で歯科医療を受診している場合については、口
腔機能向上加算を算定できることとしてはどうか。
(4) 施設入所者等への口腔機能向上に係る取組の評価のあり方につき検討してはどうか。
第59回介護給付費分科会資料より 72
栄養改善加算の新旧の比較について(抜粋)
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準
の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
(10) 栄養改善加算の取扱い
(新)
③ 栄養改善加算を算定できる利用者は、次のイから
ホのいずれかに該当する者であって、栄養改善サー
ビスの提供が必要と認められる者とすること。
イ BMIが一八・五未満である者
ロ 一~六月間で三%以上の体重の減少が認めら
れる者又は「地域支援事業の実施について」に規
定する基本チェックリストのNo.11の項目が「1」
に該当する者(6ヶ月で2~3kgの体重減少があ
る者)
ハ 血清アルブミン値が三・五g/dl以下である者
ニ 食事摂取量が不良(七五%以下)である者
ホ その他低栄養状態にある又はそのおそれがある
と認められる者
⑤ 概ね三月ごとの評価の結果、③のイからホまでの
いずれかに該当する者であって、継続的に管理栄
養士等がサービス提供を行うことにより、栄養改善
の効果が期待できると認められるものについては、
継続的に栄養改善サービスを提供すること。
(10) 栄養改善加算の取扱い
(旧)
③ 栄養マネジメント加算を算定できる利用者は、BMI
が標準を大きく下回る者、体重の減少が認められる者、
栄養面や食生活上に問題のある者など低栄養状態に
ある者又はそのおそれがある者であって、栄養改善
サービスの提供が必要と認められる者とすること。
⑤ 概ね三月ごとの評価の結果、次のイからハまでの
いずれかに該当する者であって、継続的に管理栄養士
等がサービス提供を行うことにより、栄養改善の効果が
期待できるとサービス担当者会議等を通じて認められ
るものについては、引き続き算定することが可能である
こと。
イ BMIが概ね一八・五未満の者又はサービス提供期
間中に、概ね三%以上の体重減少が認められる者
ロ 健康診査等の結果が活用できる場合については、血
清アルブミン値三・五g/dl以下である者、活用できな
い場合については、管理栄養士による情報収集の結
果、家庭等における食事摂取に係る問題が解決して
いないと認められる者
ハ 経腸栄養法又は静脈栄養法を行っている者であって、
経口摂取への移行の可能性がある者など、引き続き
管理栄養士による栄養管理が必要と認められる者
73
栄養改善加算の要件について(1)
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準
の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
(10) 栄養改善加算の取扱い
① 栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスの提供は、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として
行われることに留意すること。
② 管理栄養士を一名以上配置して行うものであること。
③ 栄養改善加算を算定できる利用者は、次のイからホのいずれかに該当する者であって、栄養改善サービスの提
供が必要と認められる者とすること。
イ BMIが一八・五未満である者
ロ 一~六月間で三%以上の体重の減少が認められる者又は「地域支援事業の実施について」(平成十八年六月
九日老発〇六〇九〇〇一厚生労働省老健局長通知)に規定する基本チェックリストのNo.11の項目が「1」に該
当する者
ハ 血清アルブミン値が三・五g/dl以下である者
ニ 食事摂取量が不良(七五%以下)である者
ホ その他低栄養状態にある又はそのおそれがあると認められる者
なお、次のような問題を有する者については、上記イからホのいずれかの項目に該当するかどうか、適宜確認され
たい。
・ 口腔及び摂食・嚥下機能の問題(基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)、(14)、(15)のいずれかの項
目において「1」に該当する者などを含む。)
・ 生活機能の低下の問題
・ 褥瘡に関する問題
・ 食欲の低下の問題
・ 閉じこもりの問題(基本チェックリストの閉じこもりに関連する(16)、(17)のいずれかの項目において「1」に該
当する者などを含む。)
・ 認知症の問題(基本チェックリストの認知症に関連する(18)、(19)、(20)のいずれかの項目において「1」に該
当する者などを含む。)
・ うつの問題(基本チェックリストのうつに関連する(21)から(25)の項目において、二項目以上「1」に該当する
者などを含む。)
74
栄養改善加算の要件について(2)
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準
の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋)
(10) 栄養改善加算の取扱い (続き)
④ 栄養改善サービスの提供は、以下のイからホまでに掲げる手順を経てなされる。
イ 利用者ごとの低栄養状態のリスクを、利用開始時に把握すること。
ロ 利用開始時に、管理栄養士が中心となって、利用者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮しつつ、栄養
状態に関する解決すべき課題の把握(以下「栄養アセスメント」という。)を行い、管理栄養士、看護職員、介護
職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、栄養食事相談に関する事項(食事に関する内容の説明等)、
解決すべき栄養管理上の課題等に対し取り組むべき事項等を記載した栄養ケア計画を作成すること。作成し
た栄養ケア計画については、栄養改善サービスの対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得る
こと。なお、通所介護においては、栄養ケア計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その
記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。
ハ 栄養ケア計画に基づき、管理栄養士等が利用者ごとに栄養改善サービスを提供すること。その際、栄養ケア
計画に実施上の問題点があれば直ちに当該計画を修正すること。
ニ 利用者の栄養状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、概ね三月ごとに体重を測定す
る等により栄養状態の評価を行い、その結果を当該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師に対して
情報提供すること。
ホ 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第百五条において準用する第十九条に規
定するサービスの提供の記録において利用者ごとの栄養ケア計画に従い管理栄養士が利用者の栄養状態を
定期的に記録する場合は、当該記録とは別に栄養マネジメント加算の算定のために利用者の栄養状態を定期
的に記録する必要はないものとすること。
⑤ 概ね三月ごとの評価の結果、③のイからホまでのいずれかに該当する者であって、継続的に管理栄養士等が
サービス提供を行うことにより、栄養改善の効果が期待できると認められるものについては、継続的に栄養改善
サービスを提供すること。
75
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)より
(問16) 当該加算が算定できる者の要件について、その他低栄養状態にある又はその
おそれがあると認められる者とは具体的内容如何。また、食事摂取量が不良の
者(75%以下)とはどういった者を指すのか。
(答)
その他低栄養状態にある又はそのおそれがあると認められる者とは、以下のよう
な場合が考えられる。
・医師が医学的な判断により低栄養状態にある又はそのおそれがあると認める場合。
・イ~ニの項目に掲げられている基準を満たさない場合であっても、認定調査票の「え
ん下」、「食事摂取」、「口腔清潔」、「特別な医療について」などの項目や、特記事項、
主治医意見書などから、低栄養状態にある又はそのおそれがあると、サービス担当
者会議において認められる場合。
なお、低栄養状態のおそれがあると認められる者とは、現状の食生活を続けた場
合に、低栄養状態になる可能性が高いと医学的に判断される場合を想定している。
また、食事摂取が不良の者とは、以下のような場合が考えられる
・普段に比較し、食事摂取量が75%以下である場合。
・1日の食事回数が2回以下であって、1回あたりの食事摂取量が普段より少ない場合。
76
平成21年4月改定関係Q&A(Vol.2)より
(問4) 栄養改善サービスに必要な同意には、利用者又はその家族の自署又は押印は
必ずしも必要ではないと考えるが如何。
(答)
栄養改善サービスの開始などの際に、利用者又はその家族の同意を口頭で確認し
た場合には、栄養ケア計画などに係る記録に利用者又はその家族が同意した旨を記
載すればよく、利用者又はその家族の自署又は押印は必須ではない。
77
別紙2
栄養ア セ スメ ン ト ・ モ ニ タ リ ン グ
( 施設)
別紙7
( 様式例)
利用者名
栄養スクリーニング (施設) (様式例)
記入者氏名
記入者
身体状況、 栄養・ 食事に関
家族構成と
本人
する 意向
キーパーソ ン
( ふり がな)
―
氏
( 以下は、 入所( 入院) 者個々の状態に応じ て 作成。)
実
施
日
年
本人の意欲1 )
[
( 健康感、 生活機能、 身体機能など )
(
体
身
体
計
測
等
月
日( 記入者名)
年
]
月
[
)
日( 記入者名)
年
]
月
[
(
)
日( 記入者名)
[
(
)
重( k g )
( kg)
( kg)
( kg)
B M I( k g / m 2 )
( kg/ m 2)
( kg/ m 2)
( kg/ m 2)
3 %以上の体重減少
□無 □有(
血清ア ルブ ミ ン 値( g /d l)
□無 □有(
kg/
ヶ 月)
□無 □有(
( g /d l))
□無 □有(
kg/
年
]
ヶ 月)
□無 □有(
( g /d l))
□無 □有(
kg/
月
(
)
( kg/ m 2)
ヶ 月)
□無 □有(
□無 □有(
kg/
ヶ 月)
実施日
年
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
[
]
食事摂取量
[
]
%
[
]
%
[
%
%
%
%
%
%
%
%
%
)
(
)
年
月
日
年
低 ・ 中 ・ 高
月
日
年
低 ・ 中 ・ 高
月
日
低 ・ 中 ・ 高
cm
cm
cm
kg
kg
kg
cm
(
)
リ スク
(
低 ・ 中 ・ 高
)
リ スク
(
低 ・ 中 ・ 高
)
リ スク
kg
(
低 ・ 中 ・ 高
)
(
)
か月に
体重減少率
(
)
%( 減・ 増)
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
血清アルブ ミン値
g /d l(
か月に
%( 減・ 増)
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
/ )
g /d l(
か月に
%( 減・ 増)
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
/ )
g /d l(
か月に
%( 減・ 増)
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
/ )
g /d l(
/ )
腸・静脈栄養など )
※
必要栄養量( エネルギー・ たん
食
生
活
状
況
等
日
%
・ 副食の摂取量
(
月
体 重( k g )
B M I( kg / m )
]
・ 主食の摂取量
・ その他( 補助食品、 経
女
才)
身 長( cm )
2
食欲・ 食事の満足感2 )
日(
( g /d l))
その他
栄
養
補
給
の
状
況
月
日
低栄養状態のリ ス ク のレ ベル
( kg)
( g /d l))
年
月
特記事項:
・
明・ 大・ 昭
年
要介護度
男
名
日( 記入者名)
]
別紙1
作成年月日
kcal
g
kcal
g
kcal
g
kcal
g
( 検査日)
全体
ぱく 質など)
食事の留意事項の有無
□無
( 療養食の指示、食事形態、嗜好、
(
□有
□無
)
□有
□無
(
)
□有
□無
(
)
食事摂取量
□有
(
)
%
全体
%
全体
%
全体
%
主食
%
主食
%
主食
%
主食
%
副食
%
副食
%
副食
%
副食
%
( 内容:
)
( 内容:
)
( 内容:
)
( 内容:
)
禁忌、 ア レ ルギーなど )
リ スク
その他( 食習慣、 生活習慣、
栄養補給法
食行動など の留意事項など )
多職種によ る 栄養ケ ア の課題( 低栄養関連問題)
①褥瘡
②口腔及び 摂食・ 嚥下
③嘔気・ 嘔吐
⑥浮腫
④下痢
⑦脱水
[
]
□無
□有
[
]
□無
□有
[
]
□無
□有
[
低 ・ 中 ・ 高
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
□経腸栄養法
□経腸栄養法
□経腸栄養法
□静脈栄養法
□静脈栄養法
□静脈栄養法
リ スク
中 ・
□なし
□あり
]
リ スク
高
リ スク
中 ・
□なし
□あり
高
リ スク
高
リ スク
中 ・
□なし
□あり
高
リ スク
リ スク
低 ・ 中 ・ 高
□経腸栄養法
□静脈栄養法
高
リ スク
中 ・
□なし
□あり
高
リ スク
高
高
⑤便秘
※検査値がわかる 場合に記入
⑫う つ
⑭医薬品
⑬
⑮その他
特記事項
問題点3 )
□無
□有
[
]
□無
□有
[
]
□無
□有
[
]
□無
□有
[
]
①食事摂取・栄養補給の状況
評
価
・
判
定
瘡
リ スク
⑩生活機能の
⑪閉じ こ も り
認知機能
□有
褥
⑧感染・ 発熱
⑨経腸・ 静脈栄養
低下
□無
3)
低 ・ 中 ・ 高
<低栄養状態のリ スク の判断>
上記の全ての項目が低リ スク に該当する 場合には、「 低リ スク 」 と 判断する 。 高リ スク にひと つでも 該
当する 項目があれば「 高リ スク 」 と 判断する 。 それ以外の場合は「 中リ スク 」 と 判断する 。
B M I、 食事摂取量、 栄養補給法については、 その程度や個々人の状態等によ り 、 低栄養状態のリ スク
は異なる こ と が考えら れる ため、 入所(入院)者個々の状態等に応じ て判断し 、「 高リ スク 」 と 判断さ れる
場合も ある 。
( 補助食品、 経腸・静脈栄養など )
リ スク 分類
②身体機能・ 臨床症状 (体重、
BMI
摂食・嚥下機能、 検査データ など )
③習慣・ 周辺環境( 食・ 生活習
体重減少率
慣、 意欲、 購買など )
④その他
□ 改善
総合評価
1)
1 よい
2)
1 大いにある
2 ま あよ い
□ 改善傾向
□ 改善が認めら れない
3 ふつう
2 ややある
4 あま り よ く な い
3 ふつう
にチ ェ ッ ク し 、 [
4 ややな い
□ 維持
□ 改善
□ 改善傾向
□ 維持
□改善が認めら れない
□ 改善
□ 改善傾向
□改善が認めら れない
□ 維持
□ 改善
□改善が認めら れない
5 よく ない
から [
]へ該当数字を 記入し 、 必要な事項があれば記載する 。
5 全く な い
から [
]へ該当数字を 記入し 、 必要な事項があれば記載する 。
3)
問題があれば、 □有
]へそ の番号を 記入。 必要な 事項があれば記載する 。
※
利用者の状態及び家族等の状況によ り 、 確認でき ない場合は空欄で も かま わない。
□ 改善傾向
□ 維持
低リ スク
中リ スク
1 8 .5 ~2 9 .9
1 8 .5 未満
変化なし
( 減少3 %未満)
高リ スク
1 か月に3 ~5 %未満
1 か月に 5 % 以上
3 か月に3 ~7 .5 % 未満
3 か月に 7 .5 %以上
6 か月に3 ~1 0 % 未満
6 か月に 1 0 %以上
血清ア ルブ ミ ン 値
3 .6 g /d l 以上
3 .0 ~3 .5 g /d l
3 .0 g /d l 未満
食事摂取量
7 6 ~1 0 0 %
7 5 %以下
栄養補給法
褥
瘡
経腸栄養法
静脈栄養法
褥瘡
78
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
79
介護保険制度を取り巻く状況②
被保険者・要介護認定者・受給者数について
【第1号被保険者数(65歳以上の被保険者)と
要介護認定者数の推移】
500
2,757万人
(27%増)
450
第1号被保険者数
400
3000
2500
【サービスの受給者数の推移】
400
350
300
2000
200
455万人
要介護認定者数
(109%
増)
200
218万人
150
1000
100
500
0
0
H12年4月末
H20年4月末
H12年4月末
H20年4月末
2,165万人
2,757万人(27%増)
218万人
455万人(109%増)
97万人
50
50
要介護認定者数
(172%増)
149万人
1500
100
第1号被保険者数
264万人
250
300
150
居宅サービス受給者数
2,165万人
350
250
366万人(146%増)
0
20万人
地域密着型サー
ビス利用者数
82万人
施設サービス
利用者数
52万人
(58%増)
H12年4月
H20年4月
H12年4月
利用者数
居宅サービス
149万人
366万人(146%増)
97万人
264万人(172%増)
20万人(H18年4月創設)
地域密着型サービ
ス
施設サービス
H20年4月
52万人
82万人(58%増)
80
80
地域住民の栄養ケア・マネジメントへ
~行政・医療・介護・福祉サービスを通じて~
・(医療施設)栄養管理実施加算
・(介護・障害施設)栄養マネジメント加算
栄養管理・給食管理
業務への支援など
入院(入所)者の栄
養管理・栄養ケア
施設を退院(所)する
時がキーポイント
(行政:行政栄養士通知)
・給食施設への適切な指導
・連携体制づくり
・充実した食環境の整備
地 域 住 民
・(介護)退院時指導等加算
・(医療)退院調整加算(退院
支援計画書)
・(医療・介護・障害)退院時サ
マリー
管理栄養士の養成
・(医療)退院時栄養・食事管
理指導 など
(管理栄養士の養成)
・養成施設における教育
入院(入所)中の栄養管
理に関する情報を退院の
際に情報伝達
在宅(居宅)・地域に
おける栄養ケア
・(医療)在宅患者訪問栄養食事指導
・(介護)居宅療養管理指導(介護予防を含む)
・(介護)通所事業所における栄養改善サービス(介護予防を含む)
(例)ケアマネー
ジャー、地域包括
支援センターが課
題を認識
・(介護:市町村)地域支援事業
・(行政:行政栄養士通知) 市町村、保健所、本庁の取組
81
目次
1.診療報酬と介護報酬の概要 について(管
理栄養士に係る部分)
2.平成20年度診療報酬改定について
3.平成21年度介護報酬改定について
①介護保険制度を取り巻く状況
②平成21年度介護報酬改定の視点
③各サービス毎の改定内容について
4.課題
5.立入検査の視点
82
栄養管理体制加算の包括化について
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成21年3月6日付)」より抜粋
第一 届出手続の運用
1 届出の受理
(1) 届出書類の受取り、要件審査、届出の受理及び国保連合会等への通知
(2) 届出に係る加算等の算定の開始時期
2 届出事項の公開等
第二 居宅サービス単位数表(短期入所生活介護費から特定施設入居者生活介護費に係る部分に
限る。)及び施設サービス単位数表
1 通則
(1)~(9) (省略)
(10) 栄養管理について
今回の改定では、短期入所生活介護、短期入所療養介護、介護老人福祉施設、老人保健
施設及び介護療養型医療施設において、常勤の管理栄養士又は栄養士により利用者の年
齢、心身の状況に応じた適切な栄養量及び内容の食事提供を行う体制への評価を行ってい
た栄養管理体制加算については基本サービス費への包括化を行ったところである。これは、
当該加算の算定状況等を踏まえ、報酬体系の簡素化等の観点から行ったものであり、包括
化を行っても利用者の栄養状態の管理の重要性は変わらないものであることから、各事業
所においては、引き続き、これを適切に実施できる体制を維持すること。
※(介護予防)短期入所生活介護、 (介護予防)短期入所療養介護などにおいても同様
83
Ⅲ 栄養管理体制加算(栄養士配置加算、管理栄養士配置加算)及び栄養マネジメン
ト加算サービスの報酬・基準に関する論点
【基本的な考え方】
○ 栄養管理体制加算及び栄養マネジメント加算の算定状況等を踏まえ、介護サービ
ス体系の簡素化や入所(入院)者の栄養マネジメントを確実に実施するなどの観点
から見直しを行うこととしてはどうか。
【具体的な論点】
(1) 栄養管理体制加算の算定状況を踏まえ、本加算については、基本サービス費に
包括して評価することを検討してはどうか。
(2) 管理栄養士が配置されているにもかかわらず、栄養マネジメント加算が算定さ
れていない施設が存在することを踏まえ、栄養マネジメントを適切に実施する観点
から、栄養マネジメント加算の評価の見直しを検討してはどうか。
第59回介護給付費分科会資料より 84
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成12年3月17日老企43)」より抜粋①
第1 基準省令の性格
一 基準省令は、指定介護老人福祉施設がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指
定介護老人福祉施設は、常にその運営の向上に努めなければならないこと。
二 指定介護老人福祉施設が満たすべき基準を満たさない場合には、指定介護老人福祉施設の指定は受けられず、
また、運営開始後、基準省令に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この
指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。
2章 人員に関する基準(基準省令第2条)
二 栄養士 基準省令第2条第1項ただし書きに規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当
該指定介護老人福祉施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がな
いとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(健康増進法に規
定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合であること。
第3 設備に関する基準
第4 運営に関する基準
十一 介護(基準省令第13条)
(5) 「指定介護老人福祉施設は、褥瘡が発生しないように適切な介護を行うとともに、その発生を予防するため
の体制を整備しなければならない。」とは、施設において褥瘡の予防のための体制を整備するとともに、介護
職員等が褥瘡に関する基礎的知識を有し、日常的なケアにおいて配慮することにより、褥瘡発生の予防効果
を向上させることを想定している。たとえば、次のようなことが考えられる。
イ 当該施設における褥瘡のハイリスク者(日常生活自立度が低い入所者等)に対し、褥瘡予防のため
の計画の作成、実践並びに評価をする。
ロ 当該施設において、専任の施設内褥瘡予防対策を担当する者(看護師が望ましい)を決めておく。
ハ 医師、看護職員、介護職員、栄養士等からなる褥瘡チームを設置する。
ニ 当該施設における褥瘡対策のための指針を整備する。
ホ 介護職員等に対し、褥瘡対策に関する施設内職員継続教育を実施する。また、施設外の専門家によ
る相談、指導を積極的に活用することが望ましい。
85
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成12年3月17日老企43)」より抜粋②
第4 運営に関する基準
十二 食事(基準省令第14条)
第14条 (1) 入所者ごとの栄養状態を定期的に把握し、個々の入所者の栄養状態に応じた栄養管理を行うように
努めるとともに、摂食・嚥下機能その他の入所者の身体の状況や食形態、嗜好等にも配慮した適切な
栄養量及び内容とすること。
(2) 調理について
調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況をあきらかにしておくこと。ま
た、病弱者に対する献立については、必要に応じ、医師の指導を受けること。
(3) 適時の食事の提供について
食事時間は適切なものとし、夕食時間は午後六時以降とすることが望ましいが、早くても午後五時以
降とすること。
(4) 食事の提供に関する業務の委託について
食事の提供に関する業務は、指定介護老人福祉施設自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理
管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について施設自らが行う等、当該
施設の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質
が確保される場合には、当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することができること。
(5) 居室関係部門と食事関係部門との連携について
食事提供については、入所者の嚥下や咀嚼の状況、食欲など心身の状態等を当該入所者の食事に
的確に反映させるために、居室関係部門と食事関係部門との連絡が十分とられていることが必要であ
ること。
(6) 栄養食事相談
入所者に対しては適切な栄養食事相談を行う必要があること。
(7) 食事内容の検討について
食事内容については、当該施設の医師又は栄養士(入所定員が40人を超えない指定介護老人福祉
施設であって、栄養士を配置していない施設においては連携を図っている他の社会福祉施設等の栄養
士 )を含む会議において検討が加えられなければならないこと。
86