05年度臨地研究・実習事前調査報告 訪問機関:シンガポール国立大学 言語教育研究センター 2006年6月8日報告 報告者:宮武かおり 東京外国語大学大学院地域文化研究科 博士前期課程日本語教育専修コース2年 訪問機関 シンガポール国立大学 語学教育研究センター (Centre for Language Studies : CLS) 訪問期間 2006.3.20(月) ~ 2006.3.24(金) シンガポール国立大学 (National University of Singapore: NUS) 国内唯一の総合大学 1962年創立(マラヤ国立大学から独立) 規模 学生数(2005年8月) 学部生:23,094人 大学院生:8,641人 職員数(2005年10月) 学部教員:2,158人 研究職員:1,178人 管理・専門職員:905人 一般職員:2,445人 学部構成 ・ 学部 ・Arts and Social Sciences ・Business ・Computing ・Dentistry ・Engineering ・Design and Environment ・Law ・Medicine ・Music ・Public Policy ・Science University Scholars Programme 全11学部 ・ 大学院 ・NUS Graduate School for Integrative Sciences and Engineering ・Duke-NUS Graduate Medical School Singapore ・その他 学部と対応するプログラム 立地 MRT Clementi駅から バスで約15分 語学教育研究センター 周辺 Central library 本や文房具・お菓子など を販売する売店 食堂 宿泊施設 学内宿泊施設:ゲストルーム(寮に付設) 宿泊料 1泊100ドル 設備 ホテルと大差なし (食事は自炊、もしくは外食) 予約状況 8月、9月は満室の場合が多い(10~12か月前 の予約) 学事暦 2semester制 Semester1: 8月~11月(18週) Semester2: 1月~4月(17週) 長期休暇: 12月(4,5週間) 5月~7月(12,3週間) 授業開始6週後、 5日間の短期休暇あり 語学教育研究センター (Centre for Language Studies: CLS) Faculty of Arts and Social Sciences(FASS)の付属機関 センターでの教育開始は、2001 年7月(それ以前は1981年設立 の日本研究学科で開講) 日本語の他に、 インドネシア語、中国語、 フランス語、ドイツ語、マレー語、 タミル語、タイ語、ベトナム語の授 業がある。 シンガポール国立大学 (National University of Singapore) Faculty of Arts and Social Sciences (FASS) CLS(語学教育研究センター) 日本語授業(開講科目) Japanese1(J1) : Lecture, Tutorial A, B, C Japanese2(J2) : Lecture, Tutorial A, B, C Japanese3(J3) : Lecture, Tutorial A, B, C Japanese4(J4) : Lecture, Tutorial A, B, C Japanese5(J5) : Lecture, Tutorial A, B, C Japanese6(J6) : Lecture, Tutorial A, B, C Business Japanese: 2年に1回程度の開講 教師 専任 母語話者:13名 非母語話者:1名 (シンガポール国籍) 非常勤 母語話者:15名 非母語話者: 5名 (シンガポール国籍) 履修について 1 履修者(750~800人) 日本語を専攻する学生はいない FASSの学生が多いが、他学部からの履修者も可能 日本研究学科 (Department of Japanese Studies)の学 生はJ3までを必修科目として履修 履修順序:J1→J6の順番で履修 J6まで履修する義務はない(J1のみの履修も可) 既習者は、Placement Testで途中から履修することも 到達レベル:J6まで履修→中上級(能力試験2級程度) (参考)日本研究学科での開講科目 開講科目(選択必修) 言語学(音声、文法、意味論)、日本文学、 日本文化、映画・アニメ、ビジネス、政治、 ジェンダー、日本と中国、日本とシンガポール など多数 *訪問機関である言語教育研究センターは、日本 研究学科とは独立した機関 履修について 2 1科目1semesterで、J6までの履修に3年間(= 一般的な卒業までの年数)を要する J6までの履修は困難 上級生になると、専攻の勉強で忙しくなる 時間割が組めない 日本語授業は人気があり、競争率が高い(FASS 優先) →「ポイント制」による競争入札 Japanese 1~6 使用教材 J1:みんなの日本語初級(スリーエーネットワーク)1~13課 J2:みんなの日本語初級(スリーエーネットワーク)14~25課 J3:みんなの日本語初級(スリーエーネットワーク)26~38課 J4:みんなの日本語初級(スリーエーネットワーク)39~50課 J5:An Integrated Approach to Intermediate Japanese 中級の日本語(The Japan Times)1~15 課 J6:Aozora intermediate-advanced Japanese communication (Foreign language Resource Center, University of Hawaii) 1~12課 授業形式1 (Lecture) 授業形式には、LectureとTutorial A, B, Cの4種類があり、 1レベルにつき4コマすべての受講が必須 日本語1科目履修=週4コマ(7時間) Lecture 1コマ2時間(15分のブレイクをはさみ、45分2セット) 主に文法事項の確認(予習前提) 英語を媒介語として使用 1つのLectureに、そのレベル受講者全員が出席(最大で 400人程度) 1semester(13週)で、13課分進む 授業形式2 (Tutorial) Tutorial 日本語のみを使用し、運用練習 15人程度の少人数制 1semester(11週)で、13課分進む Tutorial A:文型→応用 1コマ2時間(45分2セット) Tutorial B:文型→応用 1コマ2時間(45分2セット) Tutorial C:会話文の暗記→ パフォーマンス(応用)、総合練習 1コマ1時間 臨地実習、臨地研究の対象として 長所 確立されたカリキュラム・シラバスデザイン クラス数の多さ 施設の充実 滞在場所として(治安の良さ、交通機関の充実) 課題 正規の授業への関わり方に注意が必要(課題、成績) 本学学生の貢献 学生との交流 臨地実習、臨地研究を行う際の留意点 臨地実習 アシスタントとしての参加 正規の授業時間以外での実習 (補修) 臨地研究 研究テーマの設定(相談)・準備 事前準備 撮影等の事前相談・承諾 施設利用のための手続き(2,3ヶ月前) シンガポール日本語教師の会セミナー 1 開催 3月21日(火) 9時-12時半 3月22日(水) 9時-12時半 シンガポール日本語教師の会 Japanese Language Teachers’ Association in Singapore (JALTAS) 2001年3月1日設立:にシンガポール日本人会地域社会 交流部に所属 会員数(2004年9月現在):102名 活動内容:定例会、セミナー、スピーチコンテスト、 フォトエッセイコンテスト シンガポール日本語教師の会セミナー 2 セミナー内容 テーマ: 皆で一緒に考えていきませんか。話す力を伸ばすための教室活動 講師:土井眞美先生(国際交流基金クアラルンプール日本文化セン ター主任講師) 発表者: 武田誠先生(シンガポール国立大学 語学教育センター) 伊藤晶子先生(ナンヤン理工大学日本語コース) グループワーク:教科書の会話文を自然な会話に近づける(どこが 不自然か、何が足りないか) 会話の目的、場面、相手との関係、話者の役割について考える →接触場面の会話(フォリナートーク) →シンガポールでの日本語会話における学習者の役割(通りすがりで 道を教える、接客)
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