HIJING tutorial - 広島大学クォーク物理学研究室

For 秘伝ALICE解析指南書
HIJING tutorial
2010 April
Hiroaki Sakaguchi
Quark Physics Laboratory
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HIJING tutorial
2010/4/9
はじめに
• このtutorialは、広島大学クォーク物理学研究室内の秘伝ALICE解
析指南書の一部として書かれたものです。
• 内容はHIJINGの簡単な基礎から、Pb-Pb collision simulationの実
行、energy情報の出力までです。あくまで最低限のことしか書いて
いないので、これを読んだ後のことは個々人で勉強しましょう。
• Simulationの成否、結果は計算機の環境に依存します。このtutorial
は2010年春現在のもので、後で研究室内の環境が変わったとしても
加筆訂正は行われませんのでご了承ください。
• ちなみに、このtutorialではalirootのversionはv4-13-Rev-01で実行
しています。
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HIJING tutorial
2010/4/9
HIJINGとは
• HIJING (Heavy Ion Jet INteraction Generator)とは、高エネルギー原子核
衝突を再現することができる、event generatorです。つまり簡潔に表現す
ると「PYTHIAの原子核version」です。高エネルギー原子核衝突があたか
も実際に起きたかのような事象を計算機上に再現することができます。
• ちなみに、漢字で書くと「核易経」だそうです。(以下のAAより)
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2010/4/9
Simulationを行うための下準備
• HIJINGでsimulationを行う下準備として、まず以下のリンクから
からコード一式を用意してください。
▫ https://www.hepl.hiroshimau.ac.jp/alice/doc/anaguide/HIJING_tutorial
• 必要なコード(一例)は以下の通りです。




Config.C ~ simulation内容を記述するコード
sim.C ~ simulationを実行するコード
rec.C ~ reconstructionを実行するコード
run.csh ~ 上記マクロを動かすコード
• 以下、このtutorialでは核種は鉛、central collision、検出器はPHOS
のみの設定が記述されたConfig.Cを想定しています。
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HIJING tutorial
2010/4/9
Simulationの実行
• 下準備ができたら、適当なディレクトリ(ここでは”test”とします)を作っ
て、そこに紹介されたマクロ一式をコピーしてください。





mkdir test
cp Config.C test
cp sim.C test
cp rec.C test
cp run.csh test
• では試しに、1 eventだけ鉛-鉛の原子核衝突simulationを実行してみましょ
う。testディレクトリに移動し、run.cshを引数”1”(この引数がevent数にな
ります)で実行してください。これで”1回”のsimulationが行われます。
 cd test
 ./run.csh 1
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2010/4/9
Simulationの結果
• 1分程度のsimulationの後、testディレクトリ内に以下のようないく
つかのrootファイル等ができているはずです。lsコマンドで確認し
てみましょう。







AliESDs.root
galice.root
Kinematics.root
PHOS.SDigit.root
runlog.txt
syswatch.log
…
• これらのファイルができていれば、simulation成功です。
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2010/4/9
AliESDs.rootの読込み
• さて次に、できたファイルのうちAliESDs.rootに注目します。
• このファイルは ESD(Event
Summary Data)と呼ばれるファ
イルで、位置やエネルギーと
いった情報が整理された状態で
格納されています。Alirootでこ
のファイルを読み込むために、
このファイルが存在するディレ
クトリで以下のコマンドを実行
してください。
 aliroot AliESDs.root
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ESDTree
• AliESDs.rootを読み込んだら、
その中身を.lsコマンドで確認
します。その中に、esdTreeが
あることを確認してください。
• esdTreeがあれば、その中身
(枝; branch)をPrint()で見て
みましょう。コマンドは以下
のとおりです。
 esdTree->Print();
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2010/4/9
Energy情報の出力
• esdTree内424番目に”CaloClusters.fEnergy”という枝があるはず
です。これがclusterのenergy情報を格納している枝です。
• 以下のコマンドでこの枝の情報をDrawしてみましょう。下の図
はその結果表示されるhistogramの一例です。
 esdTree->Draw(“CaloClusters.fEnergy”);
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2010/4/9
最後に
• Energy情報を出力できたらこのtutorialは終了です。
• 最後に示したコマンドの””内を他の枝に書き換えることで他の情報
を引き出すことができます。
• Simulationの段階についても、Config.Cを編集することにより核種
やimpact parameterのrange、検出器の有無等様々な設定ができま
す。各自で必要に応じて勉強してください。
• 以上、お疲れ様でした。