学習(授業)の改善は 評価から 三重大学教育学部 附属教育実践総合センター 須曽野 仁志 [email protected] http://ravel.edu.mie-u.ac.jp/~susono/ 本日の話では、 授業の改善 評価のあり方 大学授業の実践 大学生の様子 アメリカの学校事情 いま、大学生を見ていて 燃え尽きて、、、、 学力の問題 学びたい人は様々なチャンス 就職活動で大変 日米大学生の違い 大学生にとって これからの時代に必要な力 情報技術 コンピュータ、インター ネット コミュニケーション 語学(国語、外国語)、ハート プレゼンテーション(表現 力) 情報化社会の中での 私のこだわり いつでも、どこでも わかりやすく ペーパーレス(紙を少なく ) 地方・郷土そして自分から情報発 信 I 相手 アイティ T (情報技術)は ある音楽コンクール審査で あ高校 A 75 B 78 C 83 236 い高校 80 80 77 237 う高校 70 82 80 232 知識の段階 by Susono 単語的知識 文的な知識(述語中心な) 文章的な知識 文脈・状況的な知識 「受信型知識」と「情報型知識」 by Susono 受信型知識 発信型知識 米国を訪れると、 いたるところで評価 アンケート用紙が配られ 大学の授業 小中高校(K-12)の授業 国際会議 ホテルの部屋 飛行機 大学での授業評価 米国の大学が進んでいる – 教員の給与、昇進等にも関わっている 目的 授業の改善 – 学生の立場から授業をよりよいものにする Faculty Development – 学部、組織的なとり組みが重要 我が国では、教員の抵抗まだ強い Professional Development 専門的、職業的能力の開発、発 展、成長 個人的なものもあれば、組織的 なものもある 高校を卒業したばかりの大学 生が、中学校へ行き、教科○○ で授業を担当できるか 私が担当する大学授業 三重大学教育学部 – 「教育工学」「教育実践演習」「情報科教育法」 三重大学大学院教育学研究科 – 「学習支援特論」 三重大学人文学部 – 「視聴覚教育」 名古屋大学教育学部(2002) – 「教育方法学講義」 皇學館大学文学部(2001,2002) – 「教育の技術・方法」「教育工学」 私の専門分野 CSCL(Computer Supported Collaborative Learning) コン ピュータを利用した協働学習 学習成果の電子ポートフォリオ化 Teacher Education(Pre-Service,InService)における情報技術の活用 研究を進める上で必要となる知 識 心理学 – 認知心理学(科学) 情報技術 学習(教育)方法 教科専門 新しい学習活動の動き 学習者中心の学習 Student- Centered Learning プロジェクト学習 Project-Based Learning コンピュータを用いた学習 Computer-Supported Learning ポートフォリオ学習 Learning using Portfolio 学習理論 行動主義 認知主義 構成主義 – 社会的構成主義 評価の傾向 相対評価から絶対評価へ 減点主義から加点主義へ 結果より過程(プロセス)重視 ペーパーテストだけでなく、学習 成果物での評価 数値的な評価だけでなく、記述的 な評価も 新しい評価の試み 観点別評価 学習者による自己評価・相互評 価 ポートフォリオ評価 学習者による授業評価 評価を英語で言うと evaluation assessment 評価を英語で言うと evaluation – value – 数値化 assessment – sit aside – 寄り添う – ポートフォリオ評価(portfolio assessment) 観点別評価 4つの観点 関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解 ペーパーテストで数値化 主観的 客観的 知識 理解 技能 表現 思考 判断 関心 意欲 態度 観点別評価の実施には 各学校、各教科で評価基準の作 成 – 場合によっては、県レベルで基準作成 観点別のテスト問題作成 – 小学校では、観点別の市販テスト利用 ペーパーテストで、すべての観 点を評価することは難しい 新しい学習・評価を取り入れよう とすると、、、 教員に時間が必要 クラスサイズ 高校40人は多す ぎ – 1クラス20人前後が理想 教職員の共通理解・とり組み体制 が重要 – 校内研究・研修 情報技術(IT)をうまく活用 授業 発想の転換が必要 学ぶ>教える 学習支援>教授 個別・グループ学習>一斉指導 情報発信型>情報受信型 プロセス>結果 質的アプローチ>量的アプローチ 教育(実践)研究の方法 量的アプローチ 質的アプローチ 教育(実践)研究の方法 量的アプローチ – テスト、アンケート – 客観的 質的アプローチ – 自由記述 – 主観的 「受信型知識」と「情報型知識」 by Susono 受信型知識 発信型知識 大学生にとって これからの時代に必要な力 情報技術 コンピュータ、インター ネット コミュニケーション 語学(国語、外国語)、ハート プレゼンテーション(表現 力) 大学授業の改善・進め方 授業カード「大福帳」での学生とのやり とり OHP・プロジェクタの利用 参加者からの発言歓迎 Web上への資料公開 Web電子掲示板への書き込み グループでのディスカッション 学生によるプレゼンテーション 参加者間のコミュニケーション 私の授業での実践例 キーワード「情報発信型学習」 ビデオ接写システムでのビデオ制作 未来の学習2020プロジェクト OHPを用いた「私の貴重な体験」プ レゼン コンピュータネットワークを用いた学 習 Web掲示板 授業で重視したい 4つの 「ション」 ディスカッション(discussion) プレゼンテーション(presentation) コミュニケーション(communication) コラボレーション(collaboration) 「自己紹介」をOHPを用いて 体験談をプレゼンテーション 「私の貴重な体験」 「未来の教室2020」プロジェ クト 2020年になったら、どのような教 育・学習機器が使われたり、どの ような教室・学習環境が実現され ているかを考え、プレゼンテーショ ンする。 未来の学習2020プロジェクト 流 れ テーマの設定 何について取り上げるか考える 取り上げることについて調べる OHPシートの作成 プレゼンの準備 グループ プレゼン大会 反省 前へ出て発表 ありがとうカードで評価・コメント 学習成果の発信・公開 プレゼンの準備 学生が作成したOHPシート 例(1) 学生が作成したOHPシート 例(2) プレゼンテーション大会の様 子 ありがとうカード OHPを利用して学習者が学ぶこと =発表準備段階で= テーマに対して、自分で詳しく調べたり、アイデアを出す。 他の人に聞いてもらうにはどうしたらよいか考える。 自分が考えていることを整理する 文字や図・絵をいかにレイアウトするか考える。 相手により分かりやすく伝えようとする力を養える。 とり組んでいる内容について、知識が身につく OHPを利用して学習者が学ぶこと =発表中、質疑応答中= OHPシートを用いて、プレゼンテーションすること で発表が行いやすくなる。 仲間と対面しながら話ができる。 質疑応答を繰り返す中で、コミュニケーションをは かることができる。 特に、学習者のアイデアを重視したプレゼンテーション で OHPを利用して学習者が学ぶこと =発表後= 「ありがとうカード」等を用いて、学習者 間で相互評価ができる 仲間からの評価を得て、さらに自分(た ち)の学習を改善できる OHPを利用して学習者が学ぶこと =仲間の発表を視聴して= 教える側だけでなく、学習者側の意見や考えを知 る機会になる。 人の意見を聞くことで発見があったり、考え方が変 わることがある。 相手の立場に立ってものを見ることにもなる。 発表の仕方がわかる OHPを利用して学習者が学ぶこと =グループでのプレゼンテーション= グループ内でディスカッション アイデアを仲間でふくらませていく 学習者同士で尋ねたり、議論する 発表内容について、他の人のアイデアを聞くことができる 特に、自分一人で調べたり考えてもわかりにくい場合 発表内容やOHPシートの作成について考える 1つのものを作ること 楽しい やりがい グループで協力してとりくむ 仲間と共に学び合える 授業担当者の学習支援 テーマの設定 参加者全員によるプレゼンテーション学習者同士が質 問・相談しやすい雰囲気作り グループでのディスカッション推奨 プレゼンテーション活動を学習者相互に評価・交流 学習成果(OHPシート等)をWeb化し、情報発信・公開 プレゼンテーション活動を取り入れ た授業の改善 「アイデア」がキーワード 答や目標等が無数にある場合、プレゼンテー ションを進めると、学習者が個性を発揮したり、 学習者間でのコミュニケーションやディスカッショ ンを深めることができる 「授業の内容に関わった知識・技能が 身についたか」「授業の内容に関わり、 関心・意欲・態度が向上したか」 プレゼンテーション活動を取り入れ た授業の改善 参加学習者の双方向のやりとり 参加学習者が授業を創造 授業への参加意識を向上させることにつながる 仲間の学習成果・方法に興味 学習者がテーマに沿って、ものをより深く考え、限られた時間内に調べ学習にとり組 む 全員の学習者がプレゼンテーションにとり組んでいるので、他の人がどんな内容に ついて、どんな方法で発表するか、興味を示す。 グループでの協同学習 数人での協同学習が実現され、学習者が仲間と共に学び合える。 プレゼンテーション活動を取り入れ た授業の改善 (さらに) プロセス重視 > 結果 相互評価・自己評価を活かす 学習活動を改善する 「ありがとうカード」 学習成果の発信・公開 Webを用いて ポートフォリオ評価の考え方 「back to basics」の動きに対抗して テストのための教育はおかしい 子どもの知能・知性は多次元・多面的 ハワード・ガードナー 「多元的知性」 ハーバード大学 プロジェクト・ゼロ → 本物の学習 → 本物の評価 → ポートフォリオ評価 ポートフォリオの種類 学習(児童生徒)ポートフォリオ 教師用ポートフォリオ ポートフォリオとは Portfolio もともとは 書類かばん 建築家、写真家、デザイナー、 イラストレーターなどが、自分の 技術や技能、成し遂げた仕事やそ の成長の軌跡を、顧客や雇い主に 見せるためにファイリングしたも 教育の場におけるポートフォ リオ 定義 ある学習領域での生徒の努力や進 歩、達成したことについてのス トーリーを示している生徒の作品 を、目的のために収集したもので ある。 アメリカの教育学者ポールソンによる 評価のための基準づくり ルーブリック(rubric) ベンチマーク(benchmark) ポートフォリオの種類(2) ポートフォリオ Paper-based Portfolio 電子ポートフォリオ Electronic Portfolio ポートフォリオの種類(3) 個人ポートフォリオ Personal Portfolio 協働ポートフォリオ Collaborative Portfolio 大学生による授業評価の成果 授業に学生の声を反映させる 授業の改善 学生に評価者としての責任・自 覚 大学生になるまでに 習得 発想力(のもと) 数理力 語学力 常識 自分の楽しみとなること 連絡先 須曽野 仁志 三重大学教育学部 附属教育実践総合センター Http://ravel.edu.mie-u.ac.jp/~susono/ [email protected]
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