障害者福祉ゼミとインターネット

障害者福祉ゼミとインターネット
広がる当事者へのアプローチの可能性と課題
大学教育学会 第23回大会
2001年6月9日
出光 直樹 (桜美林大学)
http://www.obirin.ac.jp/~idemitsu
2000年度「自主ゼミ:当事者から学ぶ障害者福
祉」
経営政策学部* 専攻科目 通年4単位 3年次配当選択科目
*1997年開設 収容定員1660名(入定400名、編定30名)
ビジネスマネージメント学科に5コース
1.
2.
3.
4.
5.
経営政策・管理
国際ビジネス
経営・経済関係法
社会福祉マネージメント
ホスピタリティーマネージメント 各コース
*福祉分野の資格では、指定科目の修得により、社会福祉士受験資格、
社会福祉主事任用資格、高校「福祉」免許状が得られる。
• 担当者: 阪上 裕子 (経営政策学部教授)
– 発達障害児・者家族研究、
システム理論にもとづく家族療法臨床
– 1999年度のゼミは、研究活動等を通じて誼のある関係者、
施設等を訪問
• 援助者: 出光 直樹 (大学教育研究所 研究員)
– 高等教育研究、教務関係業務の他、教職員向けPC講習会など
– 自閉症児の父
– 2000年度のゼミに、援助者として参画
ゼミ生: (開始時:3年生17名 4年生3名)
→ 3年生15名
E-mail
Web閲覧
ほぼ毎日
ときどき
ほとんど
使っていない
3
1
11
9
6
10
• 自宅にネット利用可能なPCがある:6名
• 進路に福祉分野を志望するものとそうでない
ものは半々
実験のねらい
• 当事者個人のWebサイトに着目
– 多くの当事者の情報発信
– 閲覧者からのコンタクトを想定している
• 学生が自らコンタクトして
実際に会いに行く
• 授業時間外の作業とグループワーク
– Web閲覧
– E-mail (ML含む)の活用
経過
•
•
•
•
•
•
Web検索講習
各人での検索報告
グループでの検索報告
グループでの電子メールによるコンタクト
夏休み中に訪問
報告書の作成
グループの活動内容
障害者
スポーツ
(2名)
【Web & Mail調査】電動車椅子サッカーについての競技
者個人や協会などのサイト。
【訪問取材】電動車椅子サッカーの試合に、運営ボラン
ティアとして参加。
障害児
学童保育
(2名)
【Web & Mail調査】障害児を受け入れている学童保育、
障害児の家族の自主活動グループ、作業所などのサイ
ト。
【訪問取材】不登校児や障害児を受け入れて、共に活
動をしている施設を訪問。
障害者と
その家族
(3名)
【Web & Mail調査】障害児(者)の家族、福祉施設のサイ
トなど。
【訪問取材】精神障害者の家族会の会合に参加。
趣味を
通じての
リハビリ
(4人)
【Web & Mail調査】障害を持った当事者が開設するWeb
サイトの中でも、絵画や造形創作、文芸、スポーツ、旅
行記等の趣味に関する内容が充実したサイト。
【訪問取材】事故によって、左膝の上からの切断と離断・
右足関節の著しい障害を追った後、肥満解消のために
水泳を始めて競技レベルで活動している男性(30代)を
訪問
自閉症児
と
その家族
(5人)
【Web & Mail調査】自閉症児(者)の家族のサイト、自閉
症協会、福祉施設等のサイトなど。
【訪問取材】自閉症の男子双生児の家族を訪問、ボラン
ティアとして外出等に同行。
考察
• 個人レベルの当事者へのアプローチとして、
のインターネットの可能性
– インターネット出現前とは比べものにならない
情報の発信量
– Yahoo 等のカテゴリーとしても出現
• 出会いに伴うリスク
• プライバシー保護
今年度の試み
• 総合科目「インターネットとバリアフリー」
• 全学共通 1年生以上対象 秋学期2単位
• 3人の担当者+外部ゲスト(当事者)